上智大学 経済学部 経営学科|大橋英司准教授に学ぶ「管理会計」と業績評価の仕組み

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、
「上智大学 経済学部 経営学科・大橋英司准教授の研究から考える、管理会計と業績評価の仕組み」です。

「会計」と聞くと、会社のお金を計算したり、決算書を作ったりするイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、会計には外部に企業の状況を伝えるための役割だけでなく、企業内部でより良い経営判断をするために活用する役割もあります。

上智大学経済学部経営学科で管理会計を研究している大橋英司准教授は、管理会計と組織経済学、特に業績評価制度に関する理論研究に取り組んでいます。今回は、大橋准教授の研究を入り口に、「人や組織の成果をどのように評価すればよいのか」という身近で奥深い問題について考えてみましょう。


大橋英司准教授が研究する管理会計とは

上智大学経済学部の公式情報によると、大橋英司准教授は経営学科に所属し、研究分野は「管理会計と組織経済学、特に業績評価制度に関する理論研究」です。担当科目として、Principles of Accounting、Introduction to Management、Fundamentals of Accounting、会計学特講などが掲載されています。

管理会計とは、企業が自社の経営をより良くしていくために、社内で数字や情報を活用する分野です。例えば、「どの商品にどれくらい費用がかかっているのか」「どの事業が成果を上げているのか」「どのような目標を設定すれば社員が動きやすいのか」といった問題を考えます。

単に数字を記録するだけではなく、その数字を経営の意思決定にどう役立てるのかまで考えるところに、管理会計の特徴があります。


業績評価は「点数をつけること」だけではない

大橋准教授の研究で特に注目したいのが、業績評価制度です。これは、企業や組織の中で個人や部署の成果をどのような基準で評価するのかを考える仕組みです。

例えば営業担当者を評価するとき、「売上金額だけで順位を決めればよい」と考えることもできます。しかし、それだけで公平な評価になるでしょうか。

地域によって顧客の数が違うかもしれませんし、既存顧客を担当している人と新規開拓を担当している人では仕事の条件が違います。短期的な売上だけを高く評価すると、長期的な顧客との信頼関係が軽視される可能性もあります。

つまり、何を評価するかによって、人の行動そのものが変わる可能性があります。業績評価は単なる結果発表ではなく、組織の中で人がどのように行動するかにも影響する重要な仕組みなのです。


部活動や委員会にも似た問題がある

この問題は、企業だけに存在するものではありません。高校生活にも似た場面があります。

例えば部活動でレギュラーを決めるとき、試合の結果だけで評価するのか、普段の練習態度も見るのか、チームへの貢献も考慮するのかによって、評価は変わります。

文化祭の実行委員でも、当日の目立つ仕事を担当した人だけが評価されると、準備段階で地道な作業を続けた人は「自分の頑張りは見てもらえなかった」と感じるかもしれません。

ここから、「公平な評価とは何だろう」「努力と結果のどちらを重視すべきだろう」「評価される基準が変わると、人の行動はどう変わるのだろう」と問いを広げることができます。こうした身近な疑問も、管理会計や組織経済学につながっていきます。


組織経済学では人の行動まで考える

大橋准教授の研究分野には「組織経済学」も含まれています。組織経済学とは、企業や組織の中で人がどのように行動するのか、どのようなルールや仕組みを作れば組織全体がうまく動くのかを、経済学の考え方を使って分析する分野です。

例えば、「売上を増やした人に多くの報酬を与える」というルールを作れば、社員は売上を増やそうと努力するかもしれません。しかし、売上だけを重視しすぎると、顧客に不要な商品を勧めたり、他の社員との協力を避けたりする可能性も考えられます。

一つの評価制度には良い面だけでなく、思わぬ影響が生まれることがあります。そのため、「この制度なら公平そうだ」という感覚だけではなく、制度によって人の行動がどのように変化するかまで考える必要があります。


大学では数字の「意味」まで考える

高校までの学習では、数学の問題で正しい答えを求めたり、簿記で決められたルールに沿って計算したりする場面があります。一方、大学の管理会計では、「その数字を何のために使うのか」というところまで考えていきます。

例えば、Aさんの売上が100万円、Bさんの売上が80万円だったとしても、それだけでAさんのほうが優秀だと判断してよいとは限りません。担当した顧客の条件や目標、仕事の難易度などを考える必要があるかもしれません。

数字は客観的に見える一方で、「どの数字を選ぶか」「どのような基準で比較するか」には人間の判断が入ります。だからこそ、管理会計では計算する力だけでなく、その数字が何を表し、どのような行動につながるのかまで考えることが重要になります。


推薦入試では身近な経験から問いを深めてみよう

上智大学経済学部経営学科の推薦入試を考える場合も、最初から高度な会計理論を理解していなければならないわけではありません。まずは高校生活の中で、「このルールは本当に公平なのだろうか」「なぜこの評価方法になっているのだろう」と感じた経験を振り返ってみましょう。

部活動の選手選考、文化祭での役割分担、委員会での仕事の評価、アルバイトでの目標設定など、身近なところにも組織と評価の問題があります。

そこから、「結果と努力をどう評価するべきか」「個人の成果とチームへの貢献をどう両立させるか」「評価制度によって人のモチベーションは変わるのか」と問いを深めていくことができます。

出願書類や面接で問われる志望理由を考える際にも、「会計に興味があります」だけで終わらせるのではなく、どのような経験から疑問を持ち、なぜその疑問を大学で学びたいのかまで整理してみてください。


「公平な評価」とは何かを自分でも考えてみよう

管理会計の面白さは、数字と人間の行動が深く結びついているところにあります。同じ数字でも、使い方によって組織の判断や人の行動が変わることがあります。

また、「公平」という言葉も、立場によって意味が変わることがあります。成果を多く出した人から見た公平さと、難しい条件の中で努力した人から見た公平さは、同じとは限りません。

だからこそ、「誰にとって公平なのか」「別の立場から見たらどう感じるのか」と多面的に考えることが大切です。他者の考えを聞き、自分の意見を修正しながら考え続けることも、大学での学びにつながっていきます。

部活動や学校生活で何かを評価するときに、「もし自分がこのルールを作る立場だったら、どのような基準にするだろう」と考えてみてください。そこから、管理会計や組織の仕組みという学問への興味が広がるかもしれません。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト、上智大学経済学部公式サイト、上智学院教員教育研究情報データベース等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。教員の所属、研究分野、担当科目、カリキュラム、入試制度などは今後変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。