
上智大学 経済学部 経営学科|杉谷陽子教授に学ぶ「ブランド構築」と顧客視点のマーケティング
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 経済学部 経営学科・杉谷陽子教授の研究から考える、ブランド構築と顧客視点のマーケティング」です。
皆さんには、つい繰り返し選んでしまう商品や、名前を聞いただけで「信頼できそう」「おしゃれ」「自分に合っている」と感じるブランドはありますか。ブランドは、高級なバッグや洋服だけに関係するものではありません。飲食店、スマートフォン、化粧品、文房具、動画配信サービスなど、私たちの日常のさまざまな場所に存在しています。
上智大学経済学部経営学科の杉谷陽子教授は、マーケティング論、ブランド論、消費者行動論を専門とし、顧客の視点に基づくブランド構築や消費者の心理・行動について研究しています。上智大学の公式情報では、消費者のブランドに対する態度や、ブランドのグローバル化などを実証的に研究していることが紹介されています。
ブランドとは「名前やロゴ」だけではない
ブランドというと、企業名や商品のロゴを思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、マーケティングで考えるブランドは、それだけではありません。
例えば、あるカフェの名前を聞いたときに「落ち着いて勉強できそう」と感じたり、あるスポーツ用品メーカーに「挑戦する人を応援してくれそう」という印象を持ったりすることがあります。こうした消費者の中に形成されるイメージや評価も、ブランドを考えるうえで重要です。
杉谷教授は、消費者がブランドをどのように評価するのか、また、その評価がどのようなときに強くなったり変化したりするのかを研究しています。公式の研究紹介では、悪い口コミを目にしても簡単には揺らがないブランド評価と、他の商品へ移りやすい評価の違いなどにも注目しています。
企業が作りたいイメージと顧客の印象は同じとは限らない
杉谷教授の研究を考えるうえで大切なのが「顧客視点」です。
企業は「自分たちの商品をこう見てほしい」と考えて広告や商品デザインを作ります。しかし、実際に消費者が同じように感じるとは限りません。
例えば、企業が「若者向けで親しみやすいブランド」を目指していても、高校生からは「少し古いイメージ」と受け取られるかもしれません。反対に、企業自身が想定していなかった特徴が消費者から高く評価されることもあります。
だからこそ、企業側の発想だけでブランドを考えるのではなく、「消費者にはどのように見えているのか」「なぜそのように感じるのか」を調べる必要があります。顧客の視点から企業や商品を見るところに、マーケティング研究の面白さがあります。
人はなぜその商品を選ぶのか
杉谷教授は消費者行動論や消費者心理学も専門としており、消費者がどのような商品やサービスを好むのか、購入までにどのような意思決定をするのかを心理学の研究手法などを使って明らかにしています。
例えば、同じような機能と価格の二つの商品が並んでいても、人によって選択は違います。「いつも使っているメーカーだから」「友人がおすすめしていたから」「SNSでよく見るから」「パッケージが好きだから」など、さまざまな理由が考えられます。
つまり、消費者は価格や性能だけで機械的に商品を選んでいるわけではありません。記憶、感情、周囲の人からの影響なども行動に関係しています。
「自分はなぜこの商品を選んだのだろう」と振り返ってみるだけでも、消費者行動を考える最初の一歩になります。
SNS時代にはブランドの作られ方も変わる
現在は、企業が広告を出すだけでブランドイメージを完全にコントロールすることは難しくなっています。SNSでは消費者自身が商品の感想や写真、動画を発信し、それを別の消費者が見て商品への印象を形成するからです。
杉谷教授の研究でも、SNSなどを通じた社会的な影響とブランド評価の関係が研究テーマとして挙げられています。
例えば、ある商品について企業が魅力的な広告を出していても、SNSで多くの否定的な口コミが広がれば、商品の印象が変化する可能性があります。反対に、企業が大規模な広告をしていなくても、消費者同士の口コミによって人気が広がることもあります。
ここから、「ブランドは企業が作るものなのか、それとも消費者と一緒に作られていくものなのか」という興味深い問いも生まれます。
大学では「私は好き」で終わらせない
高校生活では、「このブランドが好き」「この商品は使いやすい」と自分の感覚で話す場面も多いでしょう。大学では、そこから一歩進んで「なぜそう感じたのか」を考えていきます。
例えば、「高校生に人気のブランド」というテーマを研究するなら、自分の周囲だけを見て結論を出すのではなく、アンケートや実験などを通してデータを集める方法があります。そして、「価格が影響しているのか」「友人からの影響なのか」「ブランドイメージが重要なのか」と複数の可能性を考えます。
杉谷教授も、消費者の行動や心理を科学的に明らかにすることを研究の柱としています。大学でのマーケティングでは、感覚だけではなく、理論やデータを使って「なぜ?」を確かめていくことが重要になります。
ブランドと社会問題を結びつけて考えることもできる
ブランド研究は、商品をたくさん売る方法だけを考えるものではありません。杉谷教授は、企業によるSDGs関連活動と消費者の認知・行動の関係などについても研究成果を発表しています。
例えば、環境問題への取り組みを積極的に発信する企業を見て、「この会社の商品を選びたい」と感じる人もいます。一方で、「本当に環境のためなのか、それとも企業イメージを良くするためなのか」と疑問を持つ人もいるでしょう。
企業、消費者、社会という複数の立場から考えると、「企業は社会課題への取り組みをどのように伝えるべきか」「消費者は企業の発信をどう判断すればよいか」といった問いへ広げることができます。
推薦入試に向けて自分の「好き」を問いに変えてみよう
上智大学経済学部経営学科の推薦入試を考えている人も、最初から高度なマーケティング理論を理解している必要はありません。普段の生活の中で感じていることから、自分なりの問いを見つけてみましょう。
例えば、「なぜ私は同じブランドの商品を繰り返し買うのだろう」「口コミを一つ見ただけで商品の印象が変わるのはなぜだろう」「同じブランドでも友人と自分でイメージが違うのはなぜだろう」と考えることができます。
探究活動でアンケートを取った経験があるなら、「質問の仕方によって回答は変わらないだろうか」と振り返ることもできます。一つの結果だけで結論を決めず、別の可能性や他者の立場を考える姿勢も大切です。
出願書類や面接で問われる志望理由を整理するときにも、「マーケティングが好きだから学びたい」で終わらせず、「どんな経験から疑問を持ったのか」「何を明らかにしたいのか」「大学でどのように学びを深めたいのか」と考えてみてください。
いつもの買い物をマーケティングの視点で見てみよう
マーケティングを学ぶ入り口は、特別な企業研究だけではありません。普段自分が商品を選んでいる瞬間にも、たくさんの問いがあります。
なぜこの商品に安心感を持つのか。なぜ別の商品より少し高くても選びたくなるのか。友人の口コミを聞いたら評価は変わるのか。こうした問いを考えることで、ブランドと消費者心理の関係が見えてきます。
そして、「自分ならこう思う」だけで終わらず、「別の人はどう感じるだろう」「企業側から見るとどうだろう」と視点を変えてみてください。他者の意見を聞き、自分の考えを見直しながら問いを深めることも、大学での学びにつながっていきます。
まずは自分が好きなブランドを一つ選び、「私はなぜこのブランドが好きなのだろう」と考えるところから始めてみてはいかがでしょうか。その小さな疑問が、ブランドや消費者行動を研究する入口になるかもしれません。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト、上智大学経済学部公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。教員の所属、研究分野、担当科目、カリキュラム、入試制度などは今後変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


