
上智大学 経済学部 経営学科|細萱伸子教授に学ぶ「人的資源管理」と女性のグローバルなキャリア
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 経済学部 経営学科・細萱伸子教授の研究から考える、人的資源管理と女性のグローバルなキャリア」です。
企業について考えるとき、商品やサービス、売上、経営戦略などに目が向きやすいかもしれません。しかし、どれほど優れた戦略を持っていても、それを実際に動かしていくのは人です。誰を採用し、どのように育て、どのような環境で力を発揮してもらうのかは、企業経営にとって重要なテーマです。
上智大学経済学部経営学科の細萱伸子教授は、日系多国籍企業におけるグローバル・タレント・マネジメントや、女性のグローバルなキャリア形成について研究しています。現在、上智大学経済学部経営学科の教授であることも、大学公式情報で確認されています。
人的資源管理とは何を考える学問?
人的資源管理とは、企業で働く人材をどのように採用し、配置し、育成し、評価していくのかを考える分野です。上智大学経済学部経営学科では、経営学、マーケティング、会計学という大きな領域を軸に企業経営を学びますが、その中で人や組織について考えることも重要なテーマになります。
細萱教授の担当科目としては、人的資源管理論、人事管理論特講、人事管理論研究、経営社会と人間の行動、産業社会学などが上智大学経済学部公式サイトに掲載されています。
例えば、新しく入った社員にどのような研修を行うのか、実績をどのように評価するのか、本人の希望と会社が必要としている役割をどう調整するのか。こうした問題には、単純な正解がありません。
グローバル・タレント・マネジメントとは
細萱教授の研究分野として特に注目したいのが、「グローバル・タレント・マネジメント」です。これは、企業が国境を越えて必要な人材を見つけ、育て、適切な仕事や場所で活躍してもらうための仕組みを考える分野です。
例えば日本企業が海外に拠点を持つ場合、日本人社員を海外へ派遣する方法もあれば、現地で人材を採用して重要な役割を任せる方法もあります。さらに、さまざまな国籍や経験を持つ人材を、一つの企業の中でどのように育成していくのかという課題もあります。
ここでは、「日本本社で経験を積んだ人を中心に経営するべきなのか」「現地をよく知る人材に任せるべきなのか」といった問いが生まれます。人材の能力だけではなく、文化や言語、キャリアへの考え方まで含めて考える必要があります。
女性のグローバルなキャリア形成を考える
細萱教授は、女性のグローバルなキャリア形成についても研究しています。上智大学の研究資料では、日本人女性の海外勤務経験後のキャリアや生活の変化について扱った研究も確認できます。
海外勤務という経験は、専門能力や語学力を高め、新しい価値観に触れる機会になる可能性があります。一方で、帰国後にその経験がどのように評価されるのか、家庭生活との両立をどう考えるのかなど、さまざまな課題もあります。
重要なのは、「女性だからこう働くべき」と考えることではありません。一人ひとりが希望するキャリアを選びやすくするために、企業にはどのような制度や支援が必要なのかを考えることです。
性別だけでなく、年齢、国籍、家庭環境など、人にはさまざまな背景があります。「同じ制度を用意すれば全員に公平なのか」という問いまで広げると、人的資源管理の奥深さが見えてきます。
学校生活にも「人を活かす」という問題はある
人的資源管理という言葉は企業だけの話に見えるかもしれませんが、高校生活にも似た場面があります。
例えば文化祭の役割分担で、「全員に同じ仕事をさせること」が公平だとは限りません。人前で話すことが得意な人もいれば、資料作成や準備が得意な人もいます。それぞれの強みを考えながら役割を決めたほうが、チーム全体として成果が出る場合もあります。
部活動でも、選手として活躍する人だけでなく、後輩への声かけが得意な人や、チームの課題を分析する人など、さまざまな役割があります。
ここから、「人の強みは誰が決めるのか」「本人の希望とチームの都合が違うときはどうすればよいか」「誰もが力を発揮しやすい組織とは何か」といった問いへ広げることができます。
大学では制度だけでなく人の行動まで考える
高校までの学習では、企業の人事制度について詳しく考える機会は多くないかもしれません。大学で人的資源管理を学ぶときには、「この会社にはこういう制度があります」と覚えるだけではなく、その制度が働く人の行動や意識にどのような影響を与えるのかまで考えます。
例えば、成果を上げた人だけを高く評価する制度を作れば、社員は成果を出そうと努力するかもしれません。一方で、周囲との協力より個人の成績を優先する人が増える可能性もあります。
反対に、チームワークを重視する制度にすると、協力しやすくなる一方、個人の頑張りが十分に評価されないと感じる人もいるかもしれません。
一つの制度にも複数の影響があります。だからこそ、「企業にとって良い制度か」だけではなく、「働く人から見るとどうか」「違う立場の人にはどう見えるか」と多面的に考えることが重要になります。
推薦入試に向けて身近な「働く」を問いに変えよう
上智大学経済学部経営学科の推薦入試を考えている人も、人事制度の専門知識を最初から持っている必要はありません。家族との会話、ニュース、学校での経験などから、自分なりの疑問を見つけてみてください。
例えば、「なぜ海外勤務を希望する人と希望しない人がいるのだろう」「女性管理職を増やすためには何が必要なのだろう」「同じ評価制度で全員を評価することは本当に公平なのだろう」といった問いがあります。
委員会や部活動で役割分担について悩んだ経験があれば、「本人の希望と組織の必要性をどう両立するか」というテーマにつなげることもできます。
出願書類や面接で問われる志望理由を整理するときにも、「人事に興味があります」「グローバルに働きたいです」で終わらせず、なぜその問題に興味を持ったのか、どのような人の立場を考えたのか、大学で何をさらに学びたいのかまで掘り下げてみてください。
「誰もが活躍できる」とはどういうことか
人的資源管理を学ぶうえで考えてみたいのが、「誰もが活躍できる組織とはどのような組織なのか」という問いです。
全員を同じように扱うことが公平なのか、それとも一人ひとりの事情に合わせた支援を行うことが公平なのか。海外勤務を経験する機会は誰にどのように提供するべきなのか。本人の希望と企業の戦略はどこまで両立できるのか。簡単に答えを出せない問題がたくさんあります。
だからこそ、自分の考えだけで結論を決めず、「企業から見たらどうか」「働く本人から見たらどうか」「家族や社会から見るとどうか」と視点を変えて考えることが大切です。他者の経験や意見を聞き、自分の考えを見直すことも学びにつながります。
普段ニュースで「働き方」「人材不足」「女性管理職」「海外勤務」などの言葉を見かけたら、その背景にどのような人や組織の課題があるのか考えてみてください。そこから、人的資源管理という学問への興味が広がっていくかもしれません。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト、上智大学経済学部公式サイト、上智学院教員教育研究情報データベース等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。教員の所属、研究分野、担当科目、カリキュラム、入試制度などは今後変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。

