
上智大学 経済学部 経営学科|中川摩莉子助教に学ぶ「経営組織論」と挑戦し続ける組織のあり方
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 経済学部 経営学科・中川摩莉子助教の研究から考える、経営組織論と挑戦し続ける組織のあり方」です。
部活動や委員会、文化祭などで、「今までの方法を続けたほうが安心だけれど、新しいことにも挑戦してみたい」と迷った経験はありませんか。企業の経営でも、実はよく似た問題があります。今ある強みを伸ばすことと、新しい可能性を探すことの両方が必要だからです。
上智大学経済学部経営学科の中川摩莉子助教は、経営戦略論を専門とし、競争優位性、組織学習論、イノベーション、クリエイティビティ、探索と深化、マイクロファウンデーションなどを研究分野としています。現在の所属と研究分野は、上智大学経済学部および大学公式の経営学科紹介でも確認できます。
中川摩莉子助教が研究する経営戦略と組織
経営戦略というと、「会社がどうすれば売上を伸ばせるかを考える学問」というイメージがあるかもしれません。しかし、企業が成長するためには、商品や市場だけでなく、その企業で働く人や組織がどのように学び、変化していくのかを考える必要があります。
中川助教の研究には、競争優位性や組織学習論、イノベーションなどが含まれています。競争優位性とは、企業が他社と比べて強みを持ち、それを持続的な成果につなげていくことを考える概念です。
一方、組織学習論では、企業やチームが経験からどのように学び、その学びを次の行動へつなげていくのかを考えます。中川助教の担当科目として、Organizational Behaviour、Advanced Strategic Management、アントレプレナーシップ論、経営組織論Ⅱなども公式サイトに掲載されています。
「組織が学ぶ」とはどういうこと?
人は失敗をすると、「次はこうしてみよう」と考えます。組織についても同じです。企業やチームが経験を振り返り、次の行動を変えることで、組織として学んでいくことができます。
例えば文化祭で、前年は準備が遅れて当日に混乱したとします。その反省から、翌年は役割分担を早めたり、スケジュールを共有したりする仕組みをつくれば、過去の経験が組織全体の学びとして生かされたと考えられます。
しかし、ここで大切なのは、経験しただけでは学習にならないということです。「なぜうまくいかなかったのか」「誰の視点が抜けていたのか」「次は何を変えるべきか」と振り返り、それを組織の行動に反映させる必要があります。
企業でも同じように、成功や失敗をどのように共有し、次の意思決定に生かすのかが重要なテーマになります。
「探索」と「深化」という二つの考え方
中川助教の研究分野の中でも、高校生にぜひ知ってほしいのが「探索と深化」という考え方です。
「深化」とは、すでに持っている知識や技術、経験をさらに磨き、効率や質を高めていくことです。一方の「探索」は、これまでとは違う新しい技術、商品、考え方、可能性などを探すことを意味します。
例えば部活動で、今まで続けてきた練習方法をさらに改善することは「深化」に近い考え方です。一方、「他校ではどんな練習をしているのだろう」と調べ、まったく違う方法を試してみることは「探索」に近いでしょう。
どちらかだけが正しいわけではありません。今ある方法を磨くことも必要ですし、環境が変われば新しい方法を探さなければならない場合もあります。
「限られた時間や人材を、今の強みを伸ばすために使うのか、新しい可能性を探すために使うのか」。これは企業にとって簡単には答えの出ない重要な問いです。
なぜ新しい挑戦が必要なのか
企業が現在うまくいっていたとしても、その方法が将来も通用するとは限りません。新しい技術が登場したり、消費者の価値観が変化したり、新しい競争相手が現れたりするからです。
そこで重要になるのがイノベーションです。イノベーションは、単に新しい技術を発明することだけではありません。新しい商品やサービス、仕事の進め方などによって、新しい価値を生み出すことも含まれます。
ただし、新しいことに挑戦すれば必ず成功するわけでもありません。失敗する可能性がありますし、これまで積み上げてきた方法を変えることに反対する人もいるでしょう。
だからこそ、「挑戦することが正しい」と単純に考えるのではなく、なぜ今変える必要があるのか、変化によって誰にどのような影響があるのかまで考えることが重要です。
組織の変化は一人ひとりから始まる
中川助教の研究分野には、「クリエイティビティ」や「マイクロファウンデーション」も含まれています。
マイクロファウンデーションとは、企業の戦略や組織全体の大きな現象を考えるときに、その土台となっている個人の行動や判断にも注目する考え方です。
例えば「創造的な会社」と呼ばれる企業があったとしても、会社そのものがアイデアを出すわけではありません。そこで働く一人ひとりが疑問を持ったり、新しい提案をしたり、他者と対話したりすることの積み重ねによって、組織としての創造性が生まれます。
学校でも、一人の生徒が「もっとこうしたらよいのでは」と提案したことから、クラス全体の取り組みが変わることがあります。個人と組織の関係を考えることも、経営学の重要なテーマなのです。
高校までの学びと大学での学びの違い
高校までの学習では、「この方法が正しい」という答えを求めることが多いでしょう。しかし、経営組織について考えるときには、一つの正解がない問題が数多くあります。
例えば、「これまで成功してきた方法を続けるべきか、新しい方法に変えるべきか」という問題にも、状況によって答えは変わります。新しいことばかり試していれば、今持っている強みを生かせないかもしれません。反対に、過去の成功だけに頼れば、環境の変化についていけなくなる可能性があります。
大学では、企業の事例や理論、データなどをもとに、「なぜその判断をしたのか」「別の選択肢はなかったのか」「違う立場から見たらどうか」と考えていきます。
推薦入試に向けて自分の経験から問いを見つけよう
上智大学経済学部経営学科の推薦入試を考えている人も、大きなリーダー経験や華やかな実績が必要だと考える必要はありません。
例えば、部活動で以前からの練習方法を変えようとして意見が分かれた経験、文化祭で新しい企画に挑戦した経験、委員会で前年の反省を生かして仕事の進め方を改善した経験などを振り返ってみましょう。
そこで、「なぜ人は変化に反対することがあるのだろう」「チームは失敗からどうすれば学べるのだろう」「新しい挑戦と今までの良さをどう両立すればよいのだろう」と問いを広げることができます。
出願書類や面接で問われる志望理由を整理するときにも、「経営学に興味があります」だけで終わらせず、自分が経験した出来事からどのような疑問を持ち、大学で何をさらに考えてみたいのかまで掘り下げてみてください。
「変えるべきもの」と「残すべきもの」を考えてみよう
挑戦し続ける組織というと、常に新しいことを始める組織のように思えるかもしれません。しかし、新しい挑戦と同じくらい、これまで積み上げてきた知識や経験を生かすことも大切です。
だからこそ、「変化するべきか、続けるべきか」という二択ではなく、「何を変えて、何を残すのか」と考える視点が重要になります。
その判断をするときには、自分の立場だけでなく、チームの他のメンバーから見たらどうか、新しく入ってきた人から見たらどうかなど、多面的に考えてみてください。対話を通じて自分とは違う考えを知ることも、組織について考える大切な材料になります。
部活動や学校行事を振り返り、「このチームはどのように学び、変わってきたのだろう」と考えてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。そこから、経営戦略や経営組織論という学問への興味が広がっていくかもしれません。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト、上智大学経済学部公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。教員の所属、研究分野、担当科目、カリキュラム、入試制度などは今後変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


