上智大学 経済学部 経営学科|KAPTURKIEWICZ Agata准教授に学ぶ「アントレプレナーシップ」と起業の考え方

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、
「上智大学 経済学部 経営学科・KAPTURKIEWICZ Agata准教授の研究から考える、アントレプレナーシップと起業の考え方」です。

「いつか起業してみたい」「新しいサービスを考えることに興味がある」という人もいれば、「自分は起業家になるつもりはないから、アントレプレナーシップは関係ない」と感じる人もいるかもしれません。しかし、アントレプレナーシップの学びは、会社を立ち上げる方法だけを学ぶものではありません。

上智大学経済学部経営学科のKAPTURKIEWICZ Agata准教授は、アントレプレナーシップとイノベーション、起業環境論、組織論などをテーマに、実証研究や比較研究に取り組んでいます。現在、上智大学経済学部経営学科の准教授として所属していることも、大学の公式情報で確認できます。


アントレプレナーシップとは何を学ぶ分野?

アントレプレナーシップは、日本語では「起業家精神」などと表現されます。ただし、単に会社をつくることだけを意味するわけではありません。社会や市場の中から新しい可能性を見つけ、アイデアを形にし、不確実な状況でも行動していくことについて考える分野です。

KAPTURKIEWICZ准教授の研究・教育分野として、上智大学公式サイトでは「Entrepreneurship and Innovation」「Entrepreneurial Ecosystems」「Organization Theory」「Strategic Management」「Comparative Research」などが挙げられています。経済学部の公式教員紹介でも、アントレプレナーシップとイノベーション、起業環境論、組織論などに関する実証研究と比較研究が研究分野として示されています。

例えば、地域の困りごとを解決するサービスを考えることも、企業の中で新しい商品を提案することも、アントレプレナーシップにつながります。「まだ存在しないものを、どうすれば実現できるだろう」と考える姿勢そのものが、大切な研究テーマになるのです。


文化祭の企画もアントレプレナーシップにつながる

高校生活にも、アントレプレナーシップにつながる経験はあります。例えば文化祭で、「今年は今までにない企画をやってみたい」と考えたとします。

面白いアイデアを思いつくだけでは、企画は実現しません。予算はどれくらい必要なのか、誰が何を担当するのか、安全面に問題はないか、先生やクラスメートにどう説明すれば納得してもらえるのかなど、さまざまな課題を解決する必要があります。

さらに、実際に始めてみたら想定通りにいかず、途中で内容を変更しなければならないこともあります。このように、限られた条件の中でアイデアを形にし、周囲と協力しながら試行錯誤する経験は、起業や新規事業にも通じる部分があります。

「企画が成功したかどうか」だけでなく、「なぜうまくいったのか」「なぜ協力してもらえなかったのか」と振り返ることで、身近な経験から経営学の問いをつくることができます。


なぜ起業しやすい国と、そうでない国があるのか

KAPTURKIEWICZ准教授の専門に含まれる「起業環境論」では、起業家個人の能力だけではなく、新しい事業が生まれる周囲の環境にも目を向けます。

例えば、良いアイデアと行動力を持った人がいても、資金を集める仕組みがほとんどなかったり、新しい挑戦への社会的な理解が得にくかったりすれば、事業を始めるハードルは高くなるでしょう。一方、起業家を支援する企業や投資家、大学、行政などがつながっている地域では、新しい事業が生まれやすくなる可能性があります。

こうした起業家を取り巻く人や組織、制度などのつながりは「アントレプレナーシップ・エコシステム」と呼ばれます。KAPTURKIEWICZ准教授は、東京とバンガロールを比較する研究など、起業環境を比較する研究にも取り組んできました。

ここから、「日本ではどのような環境があれば新しい企業が生まれやすくなるのか」「失敗への考え方は国や地域によって違うのか」といった問いにも広げられます。


良いアイデアだけでは組織は動かない

アントレプレナーシップと合わせて考えたいのが「組織論」です。組織論では、企業やチームの中で人々がどのように協力し、意思決定し、目標を実現していくのかを考えます。

例えば部活動で、「練習方法を変えたほうがよい」と考える人がいても、他の部員が納得しなければ実行することは難しいでしょう。正しいと思う意見を一方的に伝えるだけではなく、他の人がなぜ反対しているのかを理解し、対話しながら共通点を探す必要があります。

企業でも同じように、新しいアイデアを実現するためには、多くの人や組織との協力が必要です。そのため、起業を「一人の優れた起業家が成功させるもの」と単純化せず、人、制度、文化、組織など複数の要因から考えることが重要になります。


大学では「成功事例を覚える」だけではない

高校生が経営学と聞くと、有名企業や成功した経営者の事例を学ぶイメージを持つかもしれません。しかし、大学では「この会社は成功した」という結果を覚えるだけではなく、その理由を理論やデータから検討していきます。

例えば同じビジネスモデルでも、日本では成功したのに別の国では広がらないことがあります。その場合、「消費者の好みが違ったから」と考えるだけでなく、制度、文化、競争環境、組織の特徴など、複数の可能性を検討する必要があります。

「なぜ成功したのか」「別の地域でも同じ結果になるのか」「失敗した事例と何が違うのか」と問いを重ね、仮説を立てて確かめていくことが大学での学びにつながります。

KAPTURKIEWICZ准教授の担当科目としても、Entrepreneurship、Strategic Management、Special Topics in Management、Organizational Theory and Analysis、Principles of Managementなどが経済学部公式サイトに掲載されています。


推薦入試では自分の「挑戦経験」を問いに変えてみよう

上智大学経済学部経営学科の推薦入試を考えている人は、起業経験がなければならないわけではありません。高校生活の中で、新しいことを提案した経験や、何かを変えようとして試行錯誤した経験を振り返ってみてください。

文化祭の企画、部活動の新しい練習方法、生徒会や委員会での取り組み、探究活動、ボランティアなど、さまざまな経験が考える材料になります。

ただし、「新しい企画を成功させました」という実績だけで終わらせず、「なぜその企画が必要だと思ったのか」「周囲にはどのような意見があったのか」「失敗や反対意見から何を学んだのか」と振り返ってみましょう。

出願書類や面接で問われる志望理由を整理するときにも、「将来起業したいから経営学を学びたい」だけではなく、「社会のどのような問題に関心があり、どのような仕組みを生み出したいのか」「なぜ上智大学でアントレプレナーシップを学びたいのか」と問いを深めていくことが大切です。


「挑戦する人」だけでなく「挑戦できる社会」を考える

アントレプレナーシップを学ぶ面白さは、一人の起業家だけを見るのではなく、その人を取り巻く組織や社会まで視野を広げられることです。

「なぜこの人は挑戦できたのだろう」という問いから、「挑戦を支えた人は誰だったのか」「どのような制度があったのか」「別の国なら同じ挑戦は可能だったのか」と考えていけば、経営学だけでなく社会や文化への関心にもつながります。

新しいことに挑戦した経験がある人は、成功した部分だけではなく、うまくいかなかった場面にも目を向けてみてください。また、自分とは異なる意見を持つ人がなぜそう考えたのかを理解しようとすることで、一つの経験を多面的に考えられるようになります。

「自分ならどのような課題を解決したいだろう」「そのアイデアを実現するには、どのような人や仕組みが必要だろう」と考えることから、アントレプレナーシップという学問への興味を深めてみてはいかがでしょうか。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト、上智大学経済学部公式サイト、上智学院教員教育研究情報データベース等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。教員の所属、研究分野、担当科目、カリキュラム、入試制度などは今後変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。