
上智大学の教員データベースREDB活用法|自己推薦書で自分の経験と教員の研究を1本の軸につなぐ方法
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学の教員データベースREDBを活用し、自己推薦書で自分の経験と教員の研究を1本の軸につなぐ方法」です。
上智大学の推薦入試に向けて自己推薦書を作成する際、「教員の研究内容をどのように取り入れればよいのだろう」と悩む受験生は少なくありません。
REDBで教員名や研究キーワード、論文のタイトルを調べても、その情報を文章に入れようとすると、教員をほめるだけの内容になってしまうことがあります。また、高校生活での経験と、大学教員が取り組む専門的な研究が遠く感じられることもあるでしょう。
しかし、最初から教員と同じ研究テーマを持っている必要はありません。大切なのは、自分の経験から生まれた問いが、教員の研究を知ることでどのように深まり、上智大学で学びたい内容へつながったのかを示すことです。
今回は、自分の経験と教員の研究を無理なく結びつけ、自己推薦書に1本の軸を通すための考え方を紹介します。
上智大学の教員データベースREDBとは
REDBの正式名称は、上智学院教員教育研究情報データベースです。上智大学を含む上智学院の教員について、所属、担当科目、研究分野、研究キーワード、論文や著書、学会発表、研究課題、社会貢献活動などを確認できます。
大学パンフレットや学部・学科の紹介ページでは、カリキュラムや学びの特徴を分かりやすく知ることができます。一方、REDBを見ると、教員が具体的にどのような問題を研究し、どのような視点から考えているのかを調べられます。
まずパンフレットや学科ホームページで学びの全体像を確認し、その後にREDBを使って教員の研究を調べると、上智大学で学びたい内容を具体化しやすくなります。
ただし、掲載内容や情報量は教員によって異なる場合があります。REDBだけで判断せず、学科の公式ページ、カリキュラム、シラバスなども併せて確認しましょう。
教員名を書くだけでは志望理由が伝わりにくい
自己推薦書でよく見られるのが、「〇〇先生の研究に感銘を受けたため志望します」という書き方です。
教員の研究を調べたこと自体は大切ですが、それだけでは、「なぜその研究に関心を持ったのか」「自分の経験とどのようにつながっているのか」が伝わりません。
例えば、「環境政策を研究する先生のもとで学びたい」と書いても、その教員名を別の名前に入れ替えて成立する文章であれば、自分らしい志望理由とは言いにくいでしょう。
重要なのは、教員名や論文名を知っていることではありません。教員の研究を知ったことで、自分の問いがどう変わり、どのような新しい視点を得たのかを説明することです。
推薦入試は、完璧な人や完成された研究者を選ぶ試験ではありません。自分なりの関心を持ち、自分で調べ、大学でも考え続けようとする姿勢を伝える機会です。
自己推薦書に1本の軸を作る三つの流れ
自分の経験と教員の研究をつなぐときは、次の三つの流れで整理すると分かりやすくなります。
- 高校生活の経験から生まれた自分の問い
- REDBで教員の研究を調べて得た新しい視点
- 上智大学でさらに学びたいこと
最初に置くのは、大学名や教員名ではなく、自分自身の経験です。部活動、探究活動、ボランティア、授業、読書、ニュースなどを通して、何に疑問を持ったのかを振り返ります。
次に、その疑問について調べる中で、REDBに掲載された研究キーワードや論文、著書から、どのような見方を知ったのかを整理します。
最後に、その視点を踏まえて、上智大学でどのような問いを深めたいのかにつなげます。この三つが自然につながると、自己推薦書全体に1本の軸が生まれます。
第一段階は自分の経験から問いを見つけること
最初から立派な研究テーマを作ろうとすると、抽象的な文章になりやすくなります。まずは、高校生活の中で心に残っている出来事を思い出してみましょう。
例えば、英語や外国文化に関心がある人は、留学生との交流や外国語の授業を通して、「同じ言葉でも文化によって受け取り方が違うのはなぜか」と疑問を持ったかもしれません。
歴史、文化、思想に興味がある人は、授業や読書をきっかけに、「過去の出来事は、現在の価値観にどのような影響を与えているのか」と考えることができます。
部活動でチーム運営に悩んだ経験から、「同じ目標を持っていても、なぜ意見が対立するのか」という問いを持つこともあります。そこから心理、教育、組織、コミュニケーションなどの研究へ関心を広げられます。
学校の探究活動で環境問題を調べた経験があれば、「個人の努力だけで解決できるのか」「政策や企業、技術にはどのような役割があるのか」と問いを深められます。
自分の経験を単なる実績として並べるのではなく、その経験から何を疑問に思ったのかを考えることが、1本の軸の出発点になります。
第二段階はREDBで新しい見方を見つけること
自分の問いが見えてきたら、REDBで志望学科に所属する教員の研究を調べます。
まずは研究キーワードや研究分野を確認し、自分の関心と重なる言葉を探してみましょう。気になる教員が見つかったら、論文や著書のタイトル、研究課題、学会発表、社会貢献活動なども確認します。
高校生が最初から難しい論文をすべて読む必要はありません。まずは複数の論文や著書のタイトルを見て、繰り返し登場する言葉や研究の対象を探すだけでも構いません。
例えば、若者のSNS利用に関心がある場合、情報分野だけでなく、心理、コミュニケーション、法律、経済、社会などの視点が見つかるかもしれません。
外国語に興味がある場合も、言葉の仕組みだけでなく、文学、翻訳、地域研究、移民、異文化理解などへ関心が広がることがあります。
REDBで探すべきなのは、自分と完全に同じテーマではありません。「この教員の研究方法や視点を知ることで、自分の疑問を別の角度から考えられた」と感じられる接点です。
第三段階は上智大学での学びへつなげること
教員の研究から新しい視点を得たら、その気づきを上智大学で学びたい内容へつなげます。
例えば、学校の探究活動で食品ロスを調べ、最初は消費者の意識を変えることが重要だと考えていたとします。
その後、REDBを通して、経済、法律、流通、企業活動、情報技術などの研究を知った場合、「個人の意識だけでなく、社会の仕組みや企業の行動も含めて考えたい」と視野を広げられます。
部活動で人間関係に悩んだ経験がある人が、心理や教育、組織に関する研究を調べたことで、「個人の性格だけではなく、集団の環境や対話の仕組みから考えたい」と気づくこともあります。
このように、経験から生まれた問いが、REDBでの調査を通して変化し、大学で学びたい内容へつながっていることが大切です。
表面的な文章と軸のある文章の違い
例えば、次のような文章を考えてみましょう。
「私は環境問題に関心があります。上智大学には環境政策を研究している先生がいるため、その先生のもとで学びたいです。」
この文章からは、教員を調べたことは伝わります。しかし、なぜ環境問題に関心を持ったのか、教員の研究からどのような気づきを得たのかが分かりません。
自分の経験、REDBでの気づき、大学での学びという順番で考えると、次のように深められます。
「学校の探究活動で地域のごみ問題を調べた際、住民への呼びかけだけでは解決が難しいと感じました。REDBで関連する研究を調べる中で、環境問題には個人の行動だけでなく、政策、企業活動、技術開発など複数の要素が関係していると気づきました。上智大学では、それぞれの立場の違いを学びながら、地域の環境課題を持続的に改善する方法を考えたいです。」
後者では教員名を目立たせていませんが、自分の経験から大学での学びまでが1本につながっています。
上智大学の理念は自然につなげよう
上智大学の「他者のために、他者とともに」という考え方に触れる場合も、理念の言葉を最後に付け加えるだけでは、自分との関係が伝わりません。
例えば、ボランティア活動で相手を支えようとしたものの、相手の希望を十分に聞けていなかったと気づいた経験があるとします。
そこから、支援とは一方的に何かを与えることではなく、相手の声を聞き、ともに方法を考えることではないかという問いが生まれます。
さらにREDBで福祉、教育、国際協力、心理、コミュニケーションなどの研究を調べ、自分の考えが深まったのであれば、「他者のために、他者とともに」という理念とのつながりを自然に説明できます。
理念に自分の経験を無理に合わせるのではなく、自分の問いと学びたい内容を整理した結果として、理念との共通点を見つけることが大切です。
教員名や論文名を書くときの注意点
自己推薦書で教員名や論文名に触れる場合は、正式な所属やタイトルを確認しましょう。教員の所属、担当科目、研究内容などは変更されることがあります。
また、論文のタイトルだけを見て、内容や結論を決めつけることは避けましょう。本文まで読んでいない場合は、「タイトルから関心を持った」「概要を確認して新しい視点を得た」など、実際に確認した範囲に合わせて表現します。
教員の主張をそのまま正解として扱う必要もありません。大切なのは、教員の研究を手がかりに、自分の問いを考え直すことです。
さらに、特定の教員一人だけではなく、複数の教員の研究や学科のカリキュラム、担当科目を確認すると、学科全体への理解が深まります。
面接で問われる志望理由にもつながる
自己推薦書に教員の研究について書いた場合、面接でその内容について質問される可能性があります。
「なぜその研究に関心を持ったのですか」「研究を知って考えはどう変わりましたか」「ほかの視点からは考えましたか」と聞かれたときに、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
用意した文章をそのまま暗記するのではなく、自分の経験、REDBで調べた内容、大学で考えたいことを、それぞれ短く話せるように整理することが大切です。
また、面接官から異なる見方を示された場合は、最初の考えに固執する必要はありません。「その視点は考えていませんでした」「その点を踏まえて考え直したいです」と受け止める柔軟さも、大学での学びにつながります。
推薦入試では、知識量だけでなく、問いを持つ姿勢、自分で調べる姿勢、思考の深さ、多面的な視点、他者理解、対話姿勢、考えを修正する柔軟さなども関わってきます。
1本の軸を確認するためのチェック項目
自己推薦書を書いた後は、次の点を確認してみましょう。
- 自分の経験から生まれた問いが書かれているか
- 教員名や論文名を並べるだけになっていないか
- REDBで調べたことで得た新しい視点が書かれているか
- 調べる前と後で自分の考えがどう変わったか分かるか
- 上智大学で学びたい内容が具体的になっているか
- 志望学科全体のカリキュラムや複数の教員も確認しているか
- 将来の目標を無理に大きく見せていないか
どこか一つでもつながりが弱い場合は、言葉を飾るのではなく、自分の経験や調べた内容をもう一度振り返ってみましょう。
1本の軸とは、立派な言葉を一直線に並べることではありません。経験、疑問、調査、気づき、大学での学びが、それぞれ理由を持ってつながっている状態です。
今日からできるREDBの活用手順
自分の経験と教員の研究をつなげるために、次の流れで整理してみましょう。
- 学校生活や探究活動で印象に残った経験を選ぶ
- その経験から生まれた疑問を一文にする
- 上智大学の公式サイトからREDBを開く
- 志望する学部・学科に所属する教員を探す
- 研究キーワードや研究分野を確認する
- 気になる論文や著書のタイトルを見る
- なぜその研究が気になったのかをメモする
- 自分の経験との接点を考える
- 複数の教員の研究内容を比較する
- 上智大学でさらに考えたい問いを一文にする
メモには、「気になった研究キーワード」「その言葉が気になった理由」「自分の経験とのつながり」「調べる前と後で変わった考え」「新しく生まれた疑問」「大学で学んでみたいこと」を書いておくと整理しやすくなります。
まとめ
上智大学の教員データベースREDBを自己推薦書に活用するときは、教員名や論文名を書くことを目的にしないことが大切です。
まずは高校生活の経験から生まれた自分の問いを整理し、REDBで教員の研究を調べて得た新しい視点を書き出します。その上で、上智大学で何を学び、どのような問いをさらに考えたいのかにつなげましょう。
自分の経験と教員の研究が完全に一致している必要はありません。研究の視点や方法を知ったことで、自分の考えがどのように広がったのかを説明できれば、自然なつながりを作れます。
まずは、自分の志望学科の先生を複数調べてみてください。そして、自分の興味と研究内容のつながりを考え、上智大学で学びたいことをもう少し深めてみましょう。
すぐにきれいな文章へまとめられなくても問題ありません。問いを立て、調べ、考えを修正する過程そのものが、大学で学ぶための大切な準備になります。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
教員の所属や研究内容、推薦入試の出願条件、提出書類、試験内容などは変更される場合があります。詳細な情報は、必ず上智大学の公式サイトや最新の入試要項を確認してください。
KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


