
上智大学神学部神学科の公募制推薦入試|2027年度「学科試問」の内容と対策を詳しく解説
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学神学部神学科の公募制推薦入試における学科試問」です。
2027年度、つまり2026年秋に実施される上智大学の推薦入試では、神学部神学科でも学科試問と面接が行われます。試験日は2026年11月28日(土)です。上智大学の公式入試情報でも、2027年度推薦入学試験(公募制)の学科試問・面接がこの日に実施されることが案内されています。
神学部というと、キリスト教について非常に詳しい人でなければ受験できないのではないか、と不安になる高校生もいるかもしれません。しかし、推薦入試で大切なのは、知識をどれだけ暗記しているかだけではありません。あるテーマについて問いを持ち、背景を学び、自分なりに考え続ける姿勢が重要です。
今回は、神学部神学科ならではの学科試問について、どのような準備をしていけばよいのかを具体的に考えていきます。
上智大学神学部神学科では何を学ぶのか
神学という言葉を聞くと、聖書の内容を覚えたり、キリスト教の教えだけを学んだりする学問をイメージするかもしれません。しかし、大学での神学の学びは、それほど単純ではありません。
例えば、人間はどのように生きるべきなのか、苦しみにはどのような意味があるのか、他者を愛するとはどういうことなのか、戦争や貧困に宗教は何ができるのか、といった大きな問いを考えていきます。
そこでは聖書やキリスト教の歴史、思想、倫理などを学びながら、現代社会の問題についても考えていくことになります。
つまり、キリスト教そのものに関心があることはもちろん大切ですが、それだけではありません。人間、社会、生命、平和、貧困、教育、死生観などについて深く考えてみたい人にもつながる学問です。
高校までの勉強と大学の神学は何が違う?
高校までの勉強では、正しい答えを覚え、それを正確に答えることが求められる場面が多いと思います。
一方、大学では、そもそもなぜそう考えられてきたのか、別の立場から見ればどうなのか、自分はどのように考えるのか、というところまで踏み込んでいきます。
例えば、隣人愛という言葉を知っているだけで終わるのではありません。身近な人を大切にすることだけが隣人愛なのか、自分とは価値観の違う人も隣人なのか、社会から孤立している人に対して私たちは何ができるのか、と問いを広げていくことができます。
一つの言葉から何度も問い直していくところに、大学で学ぶ面白さがあります。
そのため神学部神学科に向いているのは、すでに多くの専門知識を持っている人だけではありません。すぐに答えが出ない問題についても、立場の違う人の意見を聞きながら考え続けられる人も、この学科との相性がよいでしょう。
2027年度の学科試問では何が課される?
2027年度の上智大学推薦入学試験(公募制)は、2026年11月28日(土)に学科試問・面接が実施されます。試験は午前10時から始まり、試験室は当日に大学内で案内される予定です。
神学部神学科の学科試問では、キリスト教に関係する外国語と小論文への準備が重要になります。
キリスト教外国語では何を見るのか
外国語については、英語、ドイツ語、フランス語の中から選択した言語について、キリスト教に関する文章を読み取る力を身につけておくことが大切です。
ここで意識したいのは、一般的な受験英語などの延長だけでは十分とは限らないことです。
例えば英語を選択するのであれば、salvation、grace、sin、covenantといった、キリスト教に関する文章で使われる語彙に出会う可能性があります。単語だけを機械的に覚えるより、その言葉がキリスト教の中でどのような意味を持つのかまで確認すると理解しやすくなります。
最初から難しい神学書を外国語で読む必要はありません。まずはキリスト教や聖書をテーマにした比較的読みやすい文章から始め、知らない表現を少しずつ整理していく方法がおすすめです。
小論文では知識だけではなく考える力が重要
小論文についても、キリスト教に関する基礎的な理解は必要です。しかし、覚えた知識をそのまま並べればよいという試験ではありません。
例えば、貧困、戦争、孤独、生命倫理、環境問題などを考えるとき、キリスト教では人間や社会をどのように捉えてきたのか。その考え方を踏まえたうえで、自分自身はどのように考えるのか。このように、知識と自分の思考をつなげる練習が重要になります。
高校生活の経験も材料になります。ボランティア活動をした経験があるなら、困っている人を助けるとはどういうことなのかを考えてみる。部活動で意見が対立した経験があるなら、異なる価値観を持つ他者とどのように向き合うべきなのかを考えてみる。
特別な経験である必要はありません。身近な出来事に対して問いを持てることが、大学での学びにつながっていきます。
まずは聖書とキリスト教の大きな流れをつかむ
対策を始めるときに、細かな知識をすべて暗記しようとすると大変です。まずは全体像をつかむことから始めてみてください。
- 旧約聖書と新約聖書の大まかな流れ
- イエス・キリストの生涯と教え
- 愛、隣人、救い、罪などの基本的な考え方
- キリスト教がどのように広がってきたのか
- 現代社会とキリスト教の関わり
このあたりを高校生向けの入門書などで確認すると、外国語の文章や小論文のテーマにも入りやすくなります。
大切なのは、用語を100個覚えることよりも、一つの考え方について、これはどういう意味なのだろう、と自分で問いを持つことです。
ニュースを神学の視点から考えてみる
日頃のニュースも、学科試問対策の材料になります。
例えば戦争に関するニュースを読んだときに、戦争は良くない、というところだけで終わらせず、なぜ人間同士は対立するのか、平和とは単に戦争がない状態なのか、赦すことと責任を問うことは両立するのか、と少しずつ問いを深めていきます。
高齢化や終末期医療のニュースなら、人間の尊厳とは何だろう、生命を守るとはどこまでを意味するのだろう、と考えることができます。
一つの社会問題について、社会的な視点、当事者の視点、宗教や倫理の視点など、複数の方向から考えてみてください。推薦入試で大切になる多面的な視点の練習にもなります。
提出書類と学科試問を別々に考えない
推薦入試対策では、提出書類を完成させたら学科試問対策に切り替える、という考え方をしがちです。しかし、本来この二つはつながっています。
提出書類や特定課題に取り組む中で、自分はキリスト教のどのような問題に関心があるのか、なぜ神学を学びたいのか、その問いについて今の自分はどのように考えているのかを整理しているはずです。
そこで調べたことを、小論文や面接でもう一段深く考えていくことができます。
例えば、孤独の問題に関心を持っているなら、孤独について調べて終わりではなく、人間にとって共同体とは何か、宗教共同体にはどのような役割があるのか、と発展させることができます。
こうして興味を深めていくことが、そのまま学科試問への準備になります。
推薦入試で見られているのは完璧さではありません
神学部を受験すると聞くと、聖書について何でも答えられなければならない、難しい宗教思想を説明できなければならない、と考えてしまうかもしれません。
もちろん基礎的な学習は必要です。しかし、推薦入試で見られるのは知識量だけではありません。
問いを持つ姿勢、物事を一段深く考える力、自分とは異なる考え方を見る力、他者を理解しようとする姿勢、そして対話を通して自分の考えを深めていく姿勢も大切です。
推薦入試は、最初から完璧な答えを持っている人だけを選ぶ試験ではありません。大学に入ってからも問いを持ち、考え続けられる人であることを伝えていくことが重要です。
上智大学神学部神学科を志望するあなたへ
2027年度の学科試問に向けて、いきなり難しい専門書を大量に読もうとする必要はありません。
まずは聖書やキリスト教について基本的なことを知る。そして、そこで気になった言葉や考え方について、自分なりの問いを一つ持ってみてください。
なぜ人を愛することは難しいのか。平和とは何なのか。人間の尊厳とは何なのか。宗教は現代社会にどのような意味を持つのか。
こうした問いに、すぐに正解を出す必要はありません。調べたり、別の立場を知ったりしながら、自分の考えを少しずつ更新していく。その過程こそが、神学を学ぶ準備になります。
学科試問の対策を、単なる試験勉強として終わらせず、自分は大学で何について考えたいのだろう、と掘り下げる時間にしてみてください。
この記事をきっかけに、自分でも一つ問いを立て、キリスト教や神学についてもう少し調べてみようと思ってもらえたら嬉しいです。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
なお、入試日程・試験内容・出願条件等は変更される可能性があります。出願の際は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。2027年度推薦入学試験(公募制)の要項は上智大学入試情報サイトで公開されています。
KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


