
上智大学の教員データベースREDB活用法|「他者のために、他者とともに」を志望理由へつなげる方法
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学の教員データベースREDBを活用し、『他者のために、他者とともに』を志望理由へつなげる方法」です。
上智大学について調べる中で、「他者のために、他者とともに」という言葉を目にしたことがある受験生は多いのではないでしょうか。
この理念に共感し、「自分も誰かの役に立てる人になりたい」と感じることは、とても自然なことです。しかし、自己推薦書や面接で問われる志望理由にそのまま書くだけでは、自分が何を考え、上智大学で何を学びたいのかが伝わりにくい場合があります。
大切なのは、理念の言葉を引用することではありません。自分の経験から生まれた問いと、上智大学で行われている研究や活動を結びつけ、その理念を自分なりに理解することです。
そこで今回は、上智学院教員教育研究情報データベース、通称REDBを使い、上智大学の理念と自分の関心をつなげる方法を紹介します。
「他者のために、他者とともに」とは何か
「他者のために、他者とともに」は、自分の知識や能力を自分だけのために使うのではなく、他者と関わりながら社会に役立てていく姿勢を表す言葉として知られています。
ただし、「人の役に立ちたい」「社会に貢献したい」と書くだけでは、具体的な志望理由にはなりません。
誰のどのような課題に関心があるのか、その課題について自分は何を経験し、どのような疑問を持ったのかを考える必要があります。
また、「他者のために」という言葉だけに注目すると、自分が一方的に誰かを助けるという意味に捉えてしまうことがあります。大切なのは「他者とともに」という部分です。
相手の話を聞き、異なる考えを理解し、同じ立場で一緒に課題を考えることも、この理念につながる姿勢だと考えられます。
理念だけを書くと抽象的になりやすい
例えば、「私はボランティア活動を通して人を助ける大切さを学びました。上智大学の『他者のために、他者とともに』という理念に共感し、社会に貢献したいです」という文章を考えてみましょう。
気持ちは伝わりますが、どのような活動をし、何に気づき、大学で何を学びたいのかが分かりません。
ボランティア活動の中で、支援する側が良いと考えたことと、相手が本当に必要としていることに違いがあったのかもしれません。部活動で後輩をまとめようとして、自分の意見を押しつけるだけでは人は動かないと気づいた経験があるかもしれません。
このような具体的な経験から生まれた疑問を出発点にすると、「他者のために、他者とともに」という理念を自分の言葉で考えられるようになります。
上智大学の教員データベースREDBとは
REDBの正式名称は、上智学院教員教育研究情報データベースです。上智大学を含む上智学院の教員について、所属、担当科目、研究分野、研究キーワード、論文や著書、学会発表、研究課題、社会貢献活動などを確認できます。
大学パンフレットや学部・学科の紹介ページでは、カリキュラムや学びの特徴を分かりやすく知ることができます。一方、REDBでは、教員が専門知識を使ってどのような問題に向き合っているのかを、より具体的に調べられます。
例えば、社会問題に関する研究、地域や教育現場と関わる活動、国際的な共同研究、一般の人に向けた講演などが掲載されている場合があります。
ただし、掲載内容や情報量は教員によって異なります。REDBだけで判断せず、学科の公式ページやシラバスなども併せて確認しましょう。
REDBで注目したい三つの項目
上智大学の理念が研究や活動の中でどのように表れているのかを考えるときは、次の三つの項目に注目してみましょう。
- 研究課題
- 社会貢献活動
- 学会発表や国際的な活動
研究課題を見ると、教員が現在または過去に、どのような社会や人間の問題に取り組んできたのかが分かります。
社会貢献活動からは、専門知識を大学の中だけにとどめず、地域、学校、行政、企業、国際機関などとどのようにつなげているのかを知ることができます。
学会発表や国際的な活動を見ると、異なる立場や文化を持つ研究者と対話しながら、課題を考えている様子が見えることもあります。
これらは「理念を実践している教員を探す」というよりも、上智大学の学問が社会や他者とどのようにつながっているのかを理解するために確認するものです。
自分の経験から問いを見つけよう
REDBを見る前に、自分の学校生活や探究活動を振り返ってみましょう。
例えば、英語や外国文化に関心がある場合、留学生との交流を通して、「文化の違いを理解するとは、相手に合わせることなのか」という疑問を持つかもしれません。そこから、言語、文学、翻訳、地域研究、異文化理解などの研究を探せます。
歴史、文化、思想に関心がある場合は、過去の出来事を学ぶ中で、「異なる立場の人々の記憶をどのように伝えるべきか」という問いが生まれることもあります。
部活動でチーム運営に悩んだ経験があるなら、心理、教育、組織、コミュニケーションなどの研究とつなげられます。
学校の探究活動で環境問題を調べた場合は、環境政策、経済、技術、企業活動、国際協力などの研究を確認し、「誰が負担し、誰と協力して解決するのか」と考えを深められます。
ニュースで貧困、格差、紛争、福祉などに関心を持った場合も、法律、政治、経済、国際関係など複数の分野から調べてみましょう。
理念と志望理由をつなげる三つの流れ
「他者のために、他者とともに」という理念を志望理由へつなげるときは、次の三つの流れで整理すると分かりやすくなります。
- 自分の経験から生まれた問い
- REDBで教員の研究や活動を知って得た気づき
- 上智大学で学び、将来どのように関わりたいか
例えば、地域のボランティア活動で高齢者と接した経験から、孤立の問題に関心を持ったとします。
最初は、交流の機会を増やせば解決できると考えていたものの、REDBで福祉、心理、地域社会、法律、情報技術などの研究を調べる中で、本人の意思や生活環境、制度も関係していると気づくかもしれません。
その上で、「一方的に支援するのではなく、本人の声を聞き、地域の人々とともに継続できる支援を考えたい」と整理できれば、自分なりの「他者のために、他者とともに」が見えてきます。
理念を先に文章へ入れるのではなく、自分の経験とREDBでの調査を通して、最後に理念とのつながりを確認する流れが自然です。
教員名や活動名を書くことが目的ではない
自己推薦書で教員名や社会貢献活動に触れる場合、それだけで大学への理解が深いことを示せるわけではありません。
「〇〇先生が地域活動を行っているため感銘を受けました」と書くだけでは、自分とのつながりが分かりません。
大切なのは、「その活動のどの部分に関心を持ったのか」「自分の経験とどう重なったのか」「知ったことで自分の考えがどう変わったのか」を説明することです。
また、社会貢献活動の内容を見ただけで、教員の考えや人柄を決めつけないようにしましょう。実際に確認できた情報の範囲で、丁寧に表現することが重要です。
特定の教員一人だけではなく、複数の教員の研究や活動を比較すると、学科全体が社会とどのように関わっているのかを理解しやすくなります。
出願書類では自分の変化を伝える
自己推薦書やその他の提出書類では、理念への共感を宣言するだけでなく、考えが変化した過程を書くことが大切です。
例えば、「私は人を助けることが大切だと考えていました。しかし、ボランティア活動で相手が求めていることを十分に聞けていなかったと気づきました。REDBで対話や支援に関する研究を調べる中で、支援する側とされる側に分けるのではなく、当事者とともに課題を考える必要があると感じました」と整理できます。
その上で、「上智大学では、他者の立場や異なる意見を理解するための専門知識と方法を学びたい」とつなげれば、理念が自分の経験と大学での学びを結ぶ役割を持ちます。
教員名や理念の言葉を多く書くことより、なぜその考えに至ったのかを、自分の言葉で伝えることが重要です。
面接では対話する姿勢を示そう
面接で「他者のために、他者とともに」について話す場合も、覚えた説明を一方的に話す必要はありません。
「あなたにとって他者とともにとは何ですか」「誰かを支援するときに大切なことは何だと思いますか」と聞かれたら、自分の経験とREDBで調べた内容をもとに答えてみましょう。
また、面接官から別の考え方を示された場合は、それを否定せず、「その視点は考えていませんでした」「その点を踏まえると、自分の考えを見直す必要があります」と受け止めることも大切です。
他者理解や対話姿勢は、文章の中で理念を説明するだけでなく、面接で相手の話を聞く態度にも表れます。
推薦入試では、知識量だけでなく、問いを持つ姿勢、自分で調べる姿勢、思考の深さ、多面的な視点、他者理解、対話姿勢、考えを修正する柔軟さなども関わってきます。
高校の学びから大学の学びへ
高校では、教科書や授業を通して基礎知識を身につけます。一方、大学では、自分で問いを立て、資料や先行研究を調べ、他者と対話しながら考えを深めていきます。
「他者のために、他者とともに」という理念も、一つの正解を覚えるためのものではありません。
誰を他者と考えるのか、相手のために行動するとは何か、異なる意見を持つ人とどう協力するのかを、学問を通して考え続けることに意味があります。
推薦入試は、すでに理想どおりに行動できる完璧な人を選ぶ試験ではありません。自分の経験を振り返り、課題に気づき、大学でさらに考え続けたいという姿勢を伝えることが大切です。
今日からできるREDBの活用手順
上智大学の理念と自分の志望理由をつなげるために、次の流れでREDBを活用してみましょう。
- 学校生活や探究活動で気になった経験を振り返る
- 誰のどのような課題に関心があるのかを考える
- 上智大学の公式サイトからREDBを開く
- 志望する学部・学科に所属する教員を探す
- 研究キーワードや研究分野を確認する
- 論文や著書、研究課題、社会貢献活動を見る
- その研究や活動が気になった理由をメモする
- 自分の経験との接点を考える
- 複数の教員の研究や活動を比較する
- 上智大学でさらに考えたい問いを一文にする
メモには、「気になった研究キーワード」「その言葉が気になった理由」「自分の経験とのつながり」「調べる前と後で変わった考え」「新しく生まれた疑問」「大学で学んでみたいこと」を書いておくと整理しやすくなります。
まとめ
上智大学の「他者のために、他者とともに」という理念を志望理由に取り入れるときは、理念への共感だけで終わらせないことが大切です。
まずは自分の学校生活、部活動、探究活動、読書、ニュースへの関心から生まれた問いを整理しましょう。その上で、教員データベースREDBを通して、上智大学の教員が研究や社会貢献活動の中で、他者や社会の課題にどのように向き合っているのかを調べます。
そして、「その研究を知って自分の考えがどう変わったのか」「上智大学で何を学びたいのか」「将来、誰とどのように課題へ向き合いたいのか」を自分の言葉で考えてみてください。
理念をきれいに説明する必要はありません。自分の経験を振り返り、まだ十分にできていないことにも向き合いながら、大学で考え続けたいという姿勢が大切です。
まずは、自分の志望学科の先生を調べ、自分の興味と研究内容のつながりを考えてみましょう。そこから、上智大学で学びたいことをもう少し具体的にしてみてください。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
教員の所属や研究内容、推薦入試の出願条件、提出書類、試験内容などは変更される場合があります。詳細な情報は、必ず上智大学の公式サイトや最新の入試要項を確認してください。
KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


