上智大学 経済学部 経営学科|石井昌宏教授に学ぶ「ファイナンス」と資産価格・不確実性の考え方

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、
「上智大学 経済学部 経営学科・石井昌宏教授の研究から考える、ファイナンスと不確実性の中での意思決定」です。

「ファイナンス」と聞くと、株式投資や難しい計算を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、ファイナンスが扱うのは、それだけではありません。将来のことが完全には分からない中で、お金や資産の価値をどのように考え、どのような判断をするのかという、企業や私たちの生活にも関係する学問です。

上智大学経済学部経営学科でファイナンスを研究している石井昌宏教授の研究を入り口にすると、「将来が分からないのに、なぜ今の価格を決められるのか」「リスクがある中で人や企業はどう判断するのか」といった興味深い問いが見えてきます。


石井昌宏教授が研究するファイナンスとは

上智大学経済学部の公式サイトによると、石井昌宏教授は経営学科の教授で、研究分野は「ファイナンス、特に、資産価格評価と不確実性下の意思決定」です。担当科目として、企業経済論、経営財務論、経営財務論特講、経営財務論研究、経営学概論Ⅱなどが掲載されています。

ファイナンスとは、企業や個人が資金をどのように調達し、どのように使い、その結果生まれる価値やリスクをどのように考えるかを扱う分野です。

例えば企業が新しい工場を建てるとき、現在は大きなお金が必要になります。しかし、その工場によって将来どれくらい利益が得られるかは、まだ確定していません。それでも企業は、今ある情報から将来を予測し、投資するかどうかを決める必要があります。

こうした「未来が完全には分からない中で、現在の価値や行動をどう決めるのか」という問題が、ファイナンスの重要なテーマの一つです。


「資産価格評価」は何を考える研究なのか

石井教授の研究分野にある「資産価格評価」という言葉は、高校生には少し難しく見えるかもしれません。簡単にいえば、株式や債券などの資産に、なぜ現在の価格がついているのかを考える分野です。

例えば、ある企業の株式を購入するとします。その企業が将来成長すると思う人が多ければ、株式の価値を高く評価する人が増えるかもしれません。一方で、業績が悪くなる可能性が高いと考えられれば、同じようには評価されないでしょう。

ここで重要なのは、未来の結果を誰も完全には知ることができないという点です。それでも市場では毎日、さまざまな資産に価格がつけられ、取引されています。

「将来得られる利益はどのくらいなのか」「どの程度のリスクがあるのか」「そのリスクを考えると、現在どれくらいの価値があるのか」。こうした問いを数字や理論を使って考えていくのが、資産価格評価の面白さです。


不確実性の中で意思決定するとはどういうこと?

「不確実性下の意思決定」というテーマも、実は私たちの日常と離れたものではありません。

例えば部活動で、大会まで残り1か月しかないとします。今までの練習方法を続けるのか、新しい方法を取り入れるのか。どちらが良い結果につながるかは、実際にやってみるまで分かりません。それでも、これまでの成績やチームの状態、残された時間などを考えて判断しなければなりません。

進路選択でも同じです。「この選択をすれば将来必ずこうなる」と分かったうえで決められるわけではありません。手元にある情報を集め、可能性を比較し、自分にとって何を重視するのかを考えて決断します。

企業の投資や金融市場では、これをさらに数理的、理論的に考えます。将来の利益だけを見るのではなく、どのようなリスクがあるのか、別の選択肢と比較するとどうなのかまで考えて意思決定をしていきます。


実際の社会問題にもつながるファイナンス研究

石井教授の研究は、理論だけにとどまりません。上智大学の大学院経営学専攻の公式情報では、電力取引市場や用船市場などの非完備市場における資産価格評価、デリバティブを用いたリスクマネジメントなどに関する研究も紹介されています。

「非完備市場」とは、将来起こり得るすべてのリスクに対して、完全に備えられる金融商品が存在しているわけではない市場を考えるときに使われる言葉です。

例えば、エネルギー価格は天候、国際情勢、需要の変化など多くの要因によって動きます。企業にとっては、「価格が将来どの程度変化する可能性があるのか」「そのリスクにどう備えるのか」という問題が経営にも直結します。

ファイナンスは単に「お金を増やす方法」を研究する学問ではありません。企業や市場が不確実性とどう向き合うのかを考えることで、社会の仕組みそのものを理解することにもつながります。


高校の数学と大学のファイナンスはどう違う?

ファイナンスでは数学や統計的な考え方を使うことがあります。そのため、「数学が得意な人だけの分野なのでは」と不安に感じる人もいるかもしれません。

もちろん、数理的な考え方を身につけることは大切です。しかし、大学で重要なのは公式だけを暗記することではありません。「なぜこの式で考えるのか」「この数字にはどのような意味があるのか」「この考え方は現実の市場でどこまで当てはまるのか」と問いながら学んでいきます。

例えば、同じ利益が期待できる二つの投資先があったとしても、結果が安定しているものと、大きく利益が出る可能性も損失が出る可能性もあるものでは、同じように評価できるでしょうか。

こうした問題を考えるには、計算する力だけでなく、数字の背景にある状況を読み取る力も必要です。高校までに学んだ数学を、現実の企業活動や社会の問題と結びつけて考えていく点が大学での学びの特徴です。


推薦入試に向けて「数字の先」にある問いを考える

上智大学経済学部経営学科の推薦入試を考えている人も、最初から高度な金融理論を理解している必要はありません。まずは、自分が経済や企業についてどのようなことを不思議に感じているのかを見つけてみましょう。

例えば、ニュースで円安や円高、株価の変化が報じられたときに、「なぜニュース一つで価格が変わるのだろう」と疑問を持つことがあります。また、探究活動で企業の経営状況を調べたり、統計データを比較したりした経験から、「数字だけでは企業の将来を判断できないのではないか」と感じることもあるでしょう。

そこから、「将来が分からない中で企業はどのように投資を決めるのか」「人によってリスクの受け止め方はなぜ違うのか」と問いを深めていけば、ファイナンスへの関心につながっていきます。

出願書類や面接で問われる志望理由を考える際にも、「株に興味があります」で終わらせるのではなく、なぜ興味を持ったのか、その背景にどのような疑問があるのか、大学で何をさらに考えてみたいのかまで整理してみることが大切です。


一つの数字を多面的に見る力を身につけよう

ファイナンスを学ぶ面白さは、一つの数字の背後にある多くの要因を考えられるようになることです。

株価が下がったときにも、「企業の業績が悪いから」と一つの理由だけで考えるのではなく、景気、金利、投資家の予想、海外情勢など、さまざまな視点から考えることができます。

推薦入試の準備でも、自分の最初の考えをすぐに正解だと決めるのではなく、「企業から見るとどうか」「投資家から見るとどうか」「社会全体から見るとどうか」と視点を変えて考えてみてください。他者の意見を聞き、自分の考えを見直すことも、問いを深めるきっかけになります。

ニュースで株価、金利、企業の投資などが取り上げられたら、「なぜこの判断が行われたのだろう」「将来が違ったら評価はどう変わるのだろう」と考えてみるところから始めてみましょう。身近な疑問が、大学で学びたいテーマへとつながっていくかもしれません。

ファイナンスは、将来を正確に当てるための学問ではなく、不確実な未来と向き合いながら、根拠をもって価値や選択を考える学問でもあります。ぜひ自分の日常やニュースの中から、「なぜ?」と思えるテーマを探してみてください。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト、上智大学経済学部公式サイト、上智学院教員教育研究情報データベース等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。教員の所属、研究分野、担当科目、カリキュラム、入試制度などは今後変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した 上智大学合格プロジェクト を完全定員制(先着10名限定)にて設け、専門性の高い個別サポートを行っています。


限られた時間の中でも本気で上智大学合格を掴み取りたい方は、今すぐ 無料個別相談会 にお申し込みください。



※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。