
上智大学法学部|法律学科・国際関係法学科・地球環境法学科、自分に合った学科の選び方
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「上智大学法学部の3学科(法律学科・国際関係法学科・地球環境法学科)、自分に合った学科の選び方」です。
まずは3学科の違いを簡単に整理しよう
上智大学法学部には、法律学科、国際関係法学科、地球環境法学科の3学科があります。
どの学科でも法律学の基礎を学びますが、そのうえで何を中心に深めていくのかが異なります。
法律学科は、憲法・民法・刑法など、社会の基本的なルールを幅広く学ぶ学科です。国際関係法学科は、国際紛争や国際取引、人権など、国境を越える問題を法律や政治の視点から考えます。地球環境法学科は、気候変動や廃棄物、企業の環境責任など、環境問題を法律や政策から考える学科です。
学科選びで迷ったときは、偏差値や名前の印象だけではなく、「自分はどのような問題について考えたいのか」という視点から比べてみることが大切です。
視点1 自分が気になる問題はどこで起きているか
最初に考えてみてほしいのが、「自分が関心を持っている問題は、どのような範囲で起きているのか」ということです。
たとえば、契約トラブル、犯罪と刑罰、家族や相続、憲法上の権利など、日本社会の中で起きる法律問題そのものに興味があるなら、法律学科の学びと結びつきやすいでしょう。
一方、難民、人権、国際紛争、貿易、EUなど、複数の国が関係するテーマが気になるなら、国際関係法学科が候補になります。
そして、気候変動、海洋プラスチック、再生可能エネルギー、企業の環境対策など、地球規模の環境課題を法律から考えたいのであれば、地球環境法学科の学びに近くなります。
普段ニュースを見ていて、つい続きを読みたくなるテーマを振り返ってみると、自分の関心の方向が見えてくるかもしれません。
視点2 「何を守りたいのか」から考えてみる
学科選びでは、「自分は何を守るための法律に興味があるのか」と考えてみる方法もあります。
個人の権利や日常生活の秩序、犯罪から社会を守る仕組みなどに興味があるなら、法律学科で扱うテーマとの接点が多くあります。
国境を越えた人権や国家間の平和、国際的な取引の公平性などを考えたいのであれば、国際関係法学科が近いでしょう。
自然環境や将来世代の暮らし、持続可能な社会を法律によって支えたいという思いが強いなら、地球環境法学科を検討することができます。
「何を学びたいか」がまだ曖昧な場合でも、「自分はどのような問題を見ると放っておけないと感じるのか」と考えると、関心を整理しやすくなります。
視点3 これまでの経験から考えてみる
高校生活の中で経験してきたことも、学科選びのヒントになります。
たとえば、探究活動で消費者トラブルや犯罪、SNS上の問題などを調べたことがあるなら、法律学科でさらに考えてみたい問いが見つかるかもしれません。
海外研修や国際交流を通して、国による文化やルールの違いに興味を持った経験があるなら、国際関係法学科につながる可能性があります。
地域の清掃活動や自然保護のボランティア、学校でのSDGsに関する探究などを経験している場合には、地球環境法学科の学びと結びつけて考えることもできます。
重要なのは、「この経験をしたからこの学科」と機械的に決めることではありません。その経験を通して自分が何を疑問に思ったのかまで振り返ることです。
法律学科が向いている人の考え方
法律学科は、法律そのものへの関心が強く、幅広い分野を学びながら自分の専門を見つけたい人に合いやすい学科です。
- 裁判や犯罪のニュースを見ると、その判断の根拠が気になる
- 憲法や人権について深く考えてみたい
- 契約、家族、相続など身近な法律問題に興味がある
- 法律を幅広く学んだうえで専門分野を決めたい
高校生の段階で「民法を専門にする」「刑法を研究する」と決まっていなくても問題ありません。
むしろ、「社会のルールはなぜこうなっているのだろう」と幅広い問題に関心を持っている人にとって、法律学科は学びを広げやすい選択肢です。
国際関係法学科が向いている人の考え方
国際関係法学科は、一つの国だけでは解決できない問題について考えたい人に向いています。
- 海外ニュースや国際情勢をよく見る
- 国際紛争や人権問題に関心がある
- 国によって法律や価値観が違う理由を考えたい
- 国際取引や国際機関など、国境を越える仕組みに興味がある
「英語が好きだから」「海外に行きたいから」という理由だけではなく、「複数の国が関係する問題をどのようなルールで解決できるのか」というところまで興味が広がっているかを考えてみるとよいでしょう。
国際社会では、すべての国が同じ立場や考え方を持っているわけではありません。異なる立場を理解しながら、調整や合意の方法を考えることに面白さを感じる人にも合いやすい学科です。
地球環境法学科が向いている人の考え方
地球環境法学科は、環境問題に関心があり、それを法律や制度によって解決する方法を考えたい人に向いています。
- 気候変動や海洋汚染などのニュースが気になる
- 企業と環境問題の関係について考えたい
- SDGsやサステナビリティに関心がある
- 環境問題を啓発だけでなく制度から解決したい
環境問題に興味があるからといって、自然科学が得意でなければいけないわけではありません。
「企業にどのようなルールを求めるのか」「国や自治体はどのような政策を行うべきなのか」など、人や社会の仕組みから環境問題を考えたい人にとって、特徴的な学びができる学科です。
将来の職業だけで学科を決めなくてもよい
学科選びで、「将来の仕事を決めてから選ばなければいけない」と考えてしまう人もいます。
もちろん、将来の希望が決まっているのであれば参考になります。しかし、高校生の段階で将来の職業が完全に決まっていないのは珍しいことではありません。
法律学科に進学したから必ず法曹になるわけではありませんし、国際関係法学科だから必ず外交官になるわけでもありません。地球環境法学科でも、環境関連の仕事だけに進路が限定されるわけではありません。
職業名を先に決めるよりも、「大学でどのような問題について考えたいのか」を軸にするほうが、自分の関心に合った学科を見つけやすい場合があります。
迷ったら「同じ問題を3学科ならどう見るか」を考える
3学科で迷っている人におすすめなのが、一つの社会問題をそれぞれの学科の視点から見てみる方法です。
たとえば、ある企業が環境問題を起こしたというニュースがあったとします。
法律学科なら、「企業はどのような法的責任を負うのか」という問題に関心を持つかもしれません。国際関係法学科なら、「複数の国に被害が広がった場合、国際的にどう解決するのか」と考えることができます。地球環境法学科なら、「そもそも環境被害を防ぐためにどのような規制や制度が必要なのか」と考えることができます。
同じニュースでも、自分が最も気になる問いがどこにあるのかを見ることで、学科との相性が分かりやすくなります。
学科選びでは教授の研究テーマも確認しよう
学科名だけを見ても、大学で具体的に何を学べるのかは分かりにくいことがあります。
そこでおすすめなのが、各学科の教授がどのような研究をしているのかを確認することです。
法律学科でも、憲法、刑法、民法、政治学など研究分野はさまざまです。国際関係法学科でも、国際法、EU法、金融法、知的財産、社会保障など幅広いテーマがあります。地球環境法学科でも、環境法だけでなく、企業法やESGなどを研究する教員がいます。
研究テーマを見たときに、「これはもっと調べてみたい」と感じるものがあるかどうかを確認すると、学科選びの大きなヒントになります。
他学科の学びにも目を向けてみる
上智大学法学部の3学科は、完全に切り離されているわけではありません。法律学の基礎には共通する部分があり、自分の関心に応じて学びを広げていくことができます。
たとえば、地球環境法学科で環境問題を学びながら、国際的な環境ルールに関心を広げることも考えられます。国際関係法学科で国際問題を学ぶ中で、企業や知的財産の問題に関心を持つこともあります。
そのため、「入学時点で一生の専門を決めなければならない」と考える必要はありません。
ただし、学科によって学びの中心は異なります。まずは自分が最も深く考えたいテーマがどこにあるのかを整理することが大切です。
推薦入試では「なぜこの学科なのか」が重要
推薦入試を考えている人にとって、学科選びはそのまま志望理由の説得力にも関わります。
「上智大学だから」「法学部だから」という理由だけでは、3学科の中でなぜその学科を選ぶのかが十分に伝わりません。
たとえば、「高校の探究活動で海洋プラスチック問題を調べた」という経験があった場合、その経験だけで地球環境法学科を志望する理由が完成するわけではありません。
調べる中で「個人の努力だけでは限界があり、企業や行政にどのようなルールを求めるべきか疑問を持った」と考えるようになったのであれば、環境問題から法律への関心がつながります。
自分の経験、そこから生まれた疑問、大学で深めたい内容を順番に整理することで、「なぜこの学科なのか」が伝わりやすくなります。
学科選びで避けたい決め方
学科を選ぶ際には、名前のイメージだけで判断しないようにしましょう。
「英語が得意だから国際関係法学科」「環境に興味があるから地球環境法学科」「法律といえば法律学科」という選び方だけでは、実際に学ぶ内容との間にずれが生じる可能性があります。
また、将来の就職先だけで決めるのもおすすめできません。
4年間学ぶことになる以上、「授業で扱うテーマを面白いと思えるか」「もっと調べたい問いがあるか」という視点はとても重要です。
学科名、カリキュラム、教授の研究テーマを確認し、自分の関心と照らし合わせながら考えてみてください。
最後は「4年間考え続けたい問い」で選ぼう
学科選びに迷ったとき、自分にこう問いかけてみてください。
「大学の4年間を使って、どんな問題について考え続けてみたいだろう?」
犯罪や人権、家族、契約など、社会の基本的なルールを幅広く考えたいのか。国境を越えた人権や紛争、国際取引について考えたいのか。環境問題を法律や政策によって解決する方法を考えたいのか。
高校生の段階で完璧な答えを出す必要はありません。
今まで心に残ったニュース、探究活動で気になったこと、身近な経験から生まれた疑問を並べてみると、自分が自然と考え続けているテーマが見えてくることがあります。
まとめ
上智大学法学部の法律学科、国際関係法学科、地球環境法学科は、いずれも法律学を基礎にしながら、それぞれ異なる方向に学びを深めていく学科です。
法律学科は、憲法・民法・刑法など法律そのものを幅広く学びたい人。国際関係法学科は、国境を越える問題を法律や国際関係の視点から考えたい人。地球環境法学科は、環境問題を法律や政策によって解決する方法を考えたい人に、それぞれ特徴があります。
ただし、「自分は絶対にこのタイプ」と分類する必要はありません。興味は大学に入ってから変化することもあります。
大切なのは、学科名だけで決めるのではなく、自分がこれまでどのような問題に心を動かされ、どのような疑問を持ってきたのかを振り返ることです。
そのうえで各学科の授業や教授の研究内容を確認し、「この問いをもっと深く考えてみたい」と思える場所を選んでみてください。
提出書類や面接に向けて、自分の関心と3学科の学びをどのように結びつければよいのか、一人で整理することが難しい場合は、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。今後、カリキュラム、履修制度、授業科目、教員情報、入試制度等が変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


