
上智大学法学部|法律学科・国際関係法学科・地球環境法学科は何が違う?3学科を徹底比較
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「上智大学法学部の3学科(法律学科・国際関係法学科・地球環境法学科)の違いを徹底比較」です。
上智大学法学部には3つの学科がある
上智大学法学部を目指す高校生から、「法律学科・国際関係法学科・地球環境法学科は何が違うのですか?」という質問を受けることがあります。
3学科とも法律を学ぶという点では共通していますが、どのテーマを中心に深めていくのかに違いがあります。
法律学科は、憲法・民法・刑法など、法律学の基本となる分野を幅広く学びます。国際関係法学科は、国境を越えて起こる問題について、法律や国際関係の視点から考えます。地球環境法学科は、環境問題を法律や政策の面から考えることに重点を置いています。
つまり、「法律を学ぶ土台」は共通しながら、それぞれの学科で重点を置くテーマが異なると考えると分かりやすいでしょう。
法律学科は「法律そのもの」を幅広く学ぶ
法律学科は、上智大学法学部の中でも法律学の基本を幅広く学ぶ学科です。
憲法、民法、刑法、行政法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法など、社会を支えるさまざまな法律について学びます。
たとえば、「契約とは何か」「人に損害を与えた場合にはどのような責任を負うのか」「犯罪として処罰される範囲はどこまでなのか」「国の権力はどこまで認められるのか」といった問いを考えていきます。
法律学科の特徴は、特定の社会問題に最初から絞るのではなく、法律学の基本的な分野を幅広く学びながら、自分が深めたい専門分野を見つけていけることです。
将来、裁判官・検察官・弁護士といった法曹を目指したい人だけでなく、公務員や企業などで法律の知識を活かしたい人にとっても、関心を持ちやすい学科といえるでしょう。
法律学科ではどんなテーマを学べる?
法律学科では、身近な生活から国家の仕組みまで、非常に幅広いテーマを扱います。
- 憲法や人権、表現の自由について考えたい
- 犯罪と刑罰、正当防衛、共犯など刑法に興味がある
- 契約や家族、相続など民法を学びたい
- 裁判や紛争解決の仕組みに関心がある
- 企業活動と法律の関係を学びたい
「法律には興味があるけれど、まだ具体的な専門分野までは決まっていない」という人にとっても、学びながら興味を広げやすい学科です。
国際関係法学科は「国境を越える問題」を法律から考える
国際関係法学科は、国と国との関係や、国境を越えて起きる社会問題について、法律や政治学の視点から学ぶ学科です。
たとえば、武力紛争、人権、国際取引、海洋問題、EU、国際機関など、一つの国だけでは解決できないテーマを扱います。
海外のニュースを見ていると、「なぜ国によってルールが違うのだろう」「複数の国が関係する問題では、どの国の法律を使うのだろう」と疑問を感じることがあります。
国際関係法学科では、そのような問題について、国際法や各国の法制度、政治的な背景などを踏まえながら考えていきます。
日本国内の制度だけではなく、複数の国や地域を比較しながら考えることに関心がある人に向いている学科です。
国際関係法学科ではどんなテーマを学べる?
国際関係法学科で扱うテーマは非常に幅広く、現代の国際ニュースと直接つながるものも少なくありません。
- 国際法や国際紛争のルールを学びたい
- EUや各国の法制度を比較したい
- 人権を国境を越えてどう守るのか考えたい
- 国際取引や金融、知的財産に興味がある
- 外交や国際機関、国際協力について学びたい
「海外そのものが好き」というだけではなく、「国境を越える問題を法律や制度から考えてみたい」という人に特に合いやすいでしょう。
地球環境法学科は「環境問題を法律で解決する方法」を考える
地球環境法学科は、環境問題について法律や政策の視点から考えることを大きな特徴とする学科です。
環境問題というと、理科や科学のテーマというイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、温暖化や廃棄物、海洋汚染、企業の環境負荷などを実際に改善するためには、法律や制度も欠かせません。
たとえば、工場から出る排出物をどこまで規制するのか、企業にどのような環境配慮を求めるのか、国と地方自治体がどのように役割を分担するのかといった問題があります。
地球環境法学科では、環境問題を単に「守るべきもの」として考えるのではなく、法律や行政、企業活動、国際社会などとの関係まで含めて考えていきます。
地球環境法学科ではどんなテーマを学べる?
地球環境法学科は、環境問題への関心を法律学につなげたい人にとって魅力のある学科です。
- 地球温暖化や気候変動について法律から考えたい
- 企業活動と環境保護の両立に関心がある
- ごみ問題や地域の環境政策について学びたい
- 国際的な環境ルールに興味がある
- ESGや企業のサステナビリティについて考えたい
環境問題に興味があるだけでなく、「環境問題を実際に改善するための制度やルールを考えたい」という人に向いています。
3学科は完全に別々ではない
ここまで読むと、「3学科ではまったく違うことを学ぶのでは?」と思うかもしれません。しかし、3学科は完全に分かれているわけではありません。
どの学科でも、法律学を学ぶための基礎となる科目を学びます。憲法や民法などの基本的な法律について理解することは、国際問題を考える場合にも、環境問題を考える場合にも必要だからです。
たとえば、地球環境法学科で企業の環境責任を考える場合にも、企業法や民法などの知識が関係します。国際関係法学科で国際取引を考える場合にも、契約に関する法律の基本を理解していることが大切です。
「法律の土台を学び、そのうえでどの方向に専門性を広げるのか」が違うと考えると、3学科の関係を理解しやすくなります。
法律学科と国際関係法学科の違い
法律学科と国際関係法学科で迷う人は、「国内の法律を中心に深めたいか」「国境を越えた問題に関心があるか」という視点で考えてみるとよいでしょう。
法律学科では、憲法、民法、刑法などを中心に、日本社会の法律問題を幅広く考えることができます。
一方、国際関係法学科では、国際法や外国の制度、国際政治などにも目を向けながら、複数の国が関係する問題について学びます。
もちろん、法律学科でも国際的な問題を学ぶことはできますし、国際関係法学科でも国内法の基礎を学びます。違いは、どこに学びの重点を置くかです。
法律学科と地球環境法学科の違い
法律学科と地球環境法学科で迷う場合には、「法律を幅広く学びたいか」「環境というテーマを中心に法律を学びたいか」を考えてみましょう。
法律学科では、刑法、民法、憲法など、さまざまな法律分野を幅広く深めることができます。
地球環境法学科では、法律学の基礎を学びながら、環境問題や環境政策を中心に専門性を深めていきます。
「法律そのものへの興味」が強いなら法律学科、「環境問題を法律によって考えたい」という目的が比較的はっきりしているなら地球環境法学科、という考え方もできます。
国際関係法学科と地球環境法学科の違い
国際関係法学科と地球環境法学科は、どちらも国境を越えた課題を扱うことがあるため、違いが分かりにくいと感じる人もいます。
国際関係法学科は、国際社会全体を幅広く扱います。国際紛争、人権、貿易、国際組織、EUなど、テーマは多岐にわたります。
一方、地球環境法学科は、環境問題を中心に据えて法律や政策を考えます。気候変動や廃棄物、企業の環境責任などが主な関心になります。
世界のさまざまな国際問題を幅広く学びたいなら国際関係法学科、環境という一つの大きな社会課題を法律から深めたいなら地球環境法学科と考えると分かりやすいでしょう。
普段どんなニュースに目が止まるかを考えてみよう
学科選びで迷ったときは、自分が普段どのようなニュースに興味を持つのかを振り返ってみるのがおすすめです。
たとえば、犯罪や裁判、憲法、家族や契約などの記事につい目が止まるのであれば、法律学科の学びとつながる可能性があります。
海外の紛争、国際機関、外国との取引、人権などに関心があるなら、国際関係法学科が候補になるでしょう。
気候変動、プラスチックごみ、再生可能エネルギー、企業の環境対策などが気になるのであれば、地球環境法学科の学びを調べてみるとよいでしょう。
「どの学科が就職に有利か」だけで決めるのではなく、「4年間かけてどんな問いについて考えたいのか」という視点を持つことが大切です。
推薦入試では「なぜその学科なのか」を具体的にする
推薦入試を考えている人にとって、3学科の違いを理解することはとても重要です。
「上智大学法学部で法律を学びたい」というだけでは、なぜ法律学科なのか、なぜ国際関係法学科なのか、なぜ地球環境法学科なのかが伝わりません。
たとえば国際的な環境問題に興味を持っている場合でも、「国際社会における国家間のルールそのものを中心に学びたい」のか、「環境問題に対する法律や政策を中心に学びたい」のかによって、学科選びは変わる可能性があります。
自分の経験や探究活動から生まれた疑問を整理し、その問いを最も深く学べる学科はどこなのかを考えてみましょう。
学科名ではなく「学びたい問い」で選ぶ
学科選びでは、名前の印象だけで決めてしまわないことも大切です。
「海外が好きだから国際関係法学科」「環境問題に少し興味があるから地球環境法学科」と決めるのではなく、実際にどのような授業や研究テーマがあるのかまで確認してみてください。
教授の研究テーマを調べることもおすすめです。同じ「法律」という大きな枠の中でも、AI、刑法、ジェンダー、国際紛争、海洋法、ESGなど、さまざまな研究があります。
その中で、「もっと知りたい」と思える問いが見つかったら、その問いを深められる学科を探してみましょう。
「自分は何学科に向いているのか」ではなく、「自分は大学で何を考え続けたいのか」から逆算すると、学科選びがしやすくなります。
まとめ
上智大学法学部には、法律学科、国際関係法学科、地球環境法学科の3学科があります。
法律学科は、憲法・民法・刑法などを中心に法律学を幅広く学びたい人に向いています。国際関係法学科は、国際法や国際政治などを通じて、国境を越えた問題について考えたい人に適しています。地球環境法学科は、環境問題を法律や政策の視点から深く学びたい人に特徴のある学科です。
ただし、3学科には共通する法律学の土台があり、完全に別々の学問を学ぶわけではありません。違いは、その土台の上でどのテーマを重点的に深めていくかにあります。
学科選びで迷っている人は、普段気になるニュースや探究活動で感じた疑問を振り返り、「大学でどの問いについてもっと考えてみたいのか」を整理してみてください。
その問いと各学科の授業や教授の研究テーマを照らし合わせていくことで、自分に合った学科が少しずつ見えてくるはずです。
提出書類や面接に向けて、自分の興味と3学科の違いをどのように整理すればよいのか、一人で考えることが難しい場合は、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。今後、カリキュラム、授業科目、教員情報、入試制度等が変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


