上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|宮武昌史教授の交通システム・エネルギーマネジメント研究とは

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 機能創造理工学科の宮武昌史教授と、交通システムの電動化・スマート化研究」です。

電車に乗っているとき、「同じ区間を走るなら、どのように加速・減速すれば少ないエネルギーで走れるのだろう」と考えたことはありますか。宮武昌史教授は、電気工学や制御工学、数理最適化などを活用し、便利さと持続可能性を両立する交通システムについて研究しています。


宮武昌史教授はどんな研究者?

宮武昌史教授は、上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属しています。上智大学公式サイトでは、主な研究テーマとして「電力変換・制御、持続可能な交通システムの電動化及びスマート化」が掲げられています。

東京大学で学士(工学)、修士(工学)、博士(工学)の学位を取得し、エネルギー・人・物を運ぶ社会インフラを、電気工学によって最適にデザインする研究を進めています。研究キーワードには、電気鉄道、最適制御、運行計画、省エネルギー、エネルギーマネジメント、最大電力追従制御などがあります。

研究室は「Transportation Electrification & Smartification Lab(TESlab)」と呼ばれています。上智大学公式サイトでも、留学生が多く、複数の言語が飛び交う国際的な研究環境であることが紹介されています。


電車をどう走らせれば省エネルギーになる?

宮武教授の代表的な研究テーマの一つが、電気鉄道における省エネルギー運転です。

電車は、駅を出発すると加速し、一定の速度で走り、次の駅に近づくと減速します。しかし、同じ距離を同じような時間で走る場合でも、加速や減速の方法によって必要なエネルギーは変わります。

そこで活用されるのが「最適制御」です。簡単にいえば、さまざまな条件の中から、目的に合ったより良い制御方法を数学的に探す考え方です。宮武教授は、数理最適化や制御工学などを使い、速達性と低炭素化のバランスを考えながら、列車の運転や交通システムを研究しています。

さらに、電車が減速するときに発生する電力を活用する「回生ブレーキ」や、電力を蓄えて必要なときに利用する電力貯蔵についても研究対象となっています。

普段何気なく利用している鉄道にも、「どの速度で走るか」「どのタイミングで加速するか」「電力をどのように使うか」という多くの工学的な問いが隠れているのです。


一つの電車だけでなく「交通システム全体」を考える

宮武教授の研究では、一つの車両だけを見るのではなく、公共交通システム全体の運行管理も扱っています。

鉄道では、多くの列車が決められたダイヤに沿って走っています。そのため、一つの列車だけを省エネルギーにすればよいとは限りません。列車同士の関係、運行時間、利用する電力など、複数の条件を考えながらシステム全体を設計する必要があります。

上智大学の研究紹介では、制御工学や数理最適化に加えて、AIなども活用しながら交通システムの計画・制御法を研究していることが示されています。

「便利に移動できること」と「エネルギー消費を抑えること」のどちらか一方だけを考えるのではなく、複数の条件をどのように両立させるかを考えるところにも、この研究の面白さがあります。


再生可能エネルギーをどう効率よく利用する?

宮武教授は、交通システムだけでなく、太陽光・風力発電などの再生可能エネルギーに関する制御も研究しています。

その一つが「最大電力点追従制御」です。太陽光発電や風力発電では、日射量や風の状態などによって発電できる電力が変化します。そのため、変化する条件に応じて、できるだけ効率よく電力を取り出すための制御が必要になります。

さらに、太陽光や風力などを組み合わせた分散型の自然エネルギーシステムの制御も研究テーマとして掲げられています。

電車を動かす技術と再生可能エネルギーは一見すると別々のテーマに見えます。しかし、「限られたエネルギーをどのように制御し、効率よく利用するか」という視点では深くつながっています。


高校の数学・物理はどうつながる?

宮武教授の研究を考えると、高校で学ぶ数学や物理とのつながりも見えてきます。

たとえば物理では、速度、加速度、力、仕事、エネルギー、電力などを学びます。電車の加速・減速や消費エネルギーを考えるとき、これらはそのまま重要な基礎になります。

数学で学ぶ関数や微分・積分も、時間とともに変化する速度や電力を表し、最適な運転方法を考えるための土台になります。大学ではさらに、こうした知識を制御工学や数理最適化へ発展させ、実際の交通システムのように多くの条件が関係する問題を考えていきます。

ただし、「計算が得意だから向いている」と単純に考える必要はありません。「いつもの電車はどうやって電力を使っているのだろう」「電車がブレーキをかけたときのエネルギーはどうなるのだろう」と身近な技術に疑問を持つことも、工学への入口になります。


機能創造理工学科で広がる学び

上智大学 理工学部 機能創造理工学科では、物理学、機械工学、電気・電子工学などを横断しながら学びを深めることができます。

宮武教授の研究は、その中でも電気工学を基礎として、交通、エネルギー、制御、数理最適化などを結びつけている点が特徴です。

鉄道が好きという興味から出発しても、「車両そのものをつくりたい」のか、「電気を効率よく使いたい」のか、「運行を数理的に最適化したい」のかによって、大学で深めたい問いは変わってきます。自分の関心を少しずつ具体化してみると、機能創造理工学科で学びたい理由も見えやすくなります。


推薦入試では身近な興味を「問い」にしてみよう

推薦入試を考える際にも、「鉄道が好きです」「環境問題に興味があります」だけで終わらせず、そこからどのような疑問を持ったのかを考えてみることが大切です。

たとえば、「電車はどうすれば少ない電力で同じ時間に目的地へ到着できるのか」「再生可能エネルギーの変動をどのように制御できるのか」「便利な交通とエネルギー消費をどう両立させるのか」と問いを深めていくことができます。

高校生の段階で最適制御や電力変換について詳しく理解している必要はありません。身近な疑問について調べ、自分なりに考え、さらに知りたいことを見つけていく過程が、大学で学びたい内容を整理することにつながります。


身近な交通から工学の世界を見てみよう

宮武昌史教授の研究は、鉄道の省エネルギー運転、公共交通の運行管理、再生可能エネルギーの制御など、私たちの日常生活と深く関係しています。

いつも乗っている電車も、「どう動かせば効率的なのか」という視点から見ると、数学、物理、電気工学、制御工学が組み合わさった大きな研究対象になります。

まずは通学で利用している電車や身近な交通システムを観察し、「この仕組みはどうなっているのだろう」と考えてみてください。そこから、自分の興味と上智大学 理工学部 機能創造理工学科での学びとの接点が見つかるかもしれません。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。