
上智大学 外国語学部 イスパニア語学科|日本語話者だから見えるものがある!西村君代教授のスペイン語学研究
- 1. 西村君代教授のプロフィール|スペイン語の文法を研究する言語学者
- 2. スペイン語学とは?外国語を「学ぶ」から「研究する」へ
- 3. 研究内容① 日本語話者だから気づけるスペイン語の特徴
- 4. 研究内容② スペイン語ではなぜ動詞の形が変わるのか
- 5. 研究内容③ serとestarはなぜ二つあるのか
- 6. 研究内容④ スペイン語の過去形はなぜ複数あるのか
- 7. 日本語とスペイン語を比較すると何が見える?
- 8. 母語話者にとって当たり前のことが研究テーマになる
- 9. スペイン語を学ぶことと研究することは表裏一体
- 10. 担当授業|スペイン語学の基礎から専門研究まで
- 11. ゼミの特色① 春学期はスペイン語の論文を輪読する
- 12. ゼミの特色② 発表やレジュメ作成の力を身につける
- 13. ゼミの特色③ 秋学期は自分の研究テーマに取り組む
- 14. ゼミで考えられるスペイン語学の研究テーマ
- 15. 言語学を学ぶことで身につく力とは?
- 16. 高校生のうちからできるスペイン語学の学び
- 17. 推薦入試を目指す高校生へ|文法への疑問を志望理由につなげよう
- 18. まとめ|外国語学習の疑問を研究へとつなげる
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部イスパニア語学科の西村君代教授についてご紹介します。
皆さんは、外国語を勉強していて、「どうしてこの文法になるのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。
例えば、英語では主語によって動詞の形が変わることがあります。また、日本語では主語を省略することが多いのに、英語では主語を明示することが一般的です。
こうした言語の違いは、単に暗記するだけのルールではありません。その背景には、それぞれの言語が持つ独自の仕組みがあります。
スペイン語にも、日本語や英語とは異なる文法の特徴が数多くあります。
例えば、主語によって動詞の形が変化したり、英語のbe動詞に相当する表現を使い分けたりする必要があります。
こうした文法の違いを研究しているのが、上智大学外国語学部イスパニア語学科の西村君代教授です。
西村教授は、スペイン語学を専門とし、スペイン語の文法がどのような仕組みになっているのかを研究しています。
特に注目したいのは、日本語を母語とする研究者としてスペイン語を観察することで、スペイン語の母語話者とは異なる気づきが得られると考えている点です。
今回は、西村教授の研究内容や担当授業、ゼミの特色を通して、外国語を学ぶことと研究することの面白さをご紹介します。
上智大学の推薦入試を目指す高校生の皆さんは、志望理由書や面接対策の参考にしてください。
西村君代教授のプロフィール|スペイン語の文法を研究する言語学者
西村君代教授は、上智大学外国語学部イスパニア語学科に所属する教授です。
主な専門分野は、西語学です。
西語学とは、スペイン語学のことを指します。
スペイン語学では、スペイン語の文法や音声、語彙、意味、言葉の使い方など、さまざまな側面について研究します。
その中でも、西村教授は、スペイン語の文法がどのような仕組みになっているのかを研究しています。
文法と聞くと、学校の授業で習うルールを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、言語学における文法研究は、単に正しい文の作り方を覚えることではありません。
例えば、なぜある表現では特定の動詞を使うのか、なぜ語順が変わるのか、なぜ同じような意味を持つ表現が複数存在するのかといった問題を考えます。
つまり、言語の中にある規則性を見つけ、その仕組みを説明することが研究の目的です。
西村教授の研究は、スペイン語の文法を深く理解するとともに、言語そのものの仕組みについて考えることにつながります。
スペイン語学とは?外国語を「学ぶ」から「研究する」へ
スペイン語を学ぶことと、スペイン語学を研究することには、どのような違いがあるのでしょうか。
スペイン語を学ぶ場合、まずは単語や文法を覚え、会話や文章で使えるようになることを目指します。
例えば、「私は学生です」という文をスペイン語で表現できるようになることは、語学学習の一つの目標です。
一方、スペイン語学では、その文がどのような仕組みで成り立っているのかを考えます。
例えば、なぜその動詞を使うのか、主語を省略しても意味が通じるのはなぜか、別の表現を使うと意味がどう変わるのかといった問題です。
こうした疑問について、実際の言語使用や文献、先行研究などを調べながら考えていきます。
そのため、スペイン語学では、単にスペイン語を正しく使えることだけでなく、言語の仕組みについて説明する力が求められます。
また、言語の特徴を理解するために、日本語や英語など、ほかの言語と比較することもあります。
こうした比較によって、それぞれの言語に共通する特徴や、異なる特徴が見えてきます。
外国語を学ぶ中で感じた疑問を、研究の問いへと発展させられることが、スペイン語学の魅力です。
研究内容① 日本語話者だから気づけるスペイン語の特徴
西村教授の研究で注目したいのは、日本語を母語とする研究者としてスペイン語を観察するという視点です。
私たちは普段、日本語を使うときに、文法のルールを一つひとつ意識しているわけではありません。
例えば、「昨日、学校に行きました」という文を話すとき、動詞の形をどのように変えるのかを深く考えることは少ないでしょう。
しかし、日本語を外国語として学ぶ人にとっては、なぜ「行く」が「行きました」になるのか、疑問に感じることがあります。
同じように、スペイン語の母語話者にとっては自然に使える表現でも、日本語を母語とする学習者にとっては不思議に感じられることがあります。
例えば、スペイン語では、主語によって動詞の形が細かく変化します。
また、英語のbe動詞に相当する表現が複数あり、使い分けが必要です。
さらに、過去の出来事を表す場合にも、複数の時制を使い分けます。
こうした違いに戸惑うことは、外国語学習では珍しくありません。
しかし、その疑問を研究の出発点として捉えることができます。
なぜそのような文法の仕組みになっているのかを考えることで、スペイン語をより深く理解できるのです。
研究内容② スペイン語ではなぜ動詞の形が変わるのか
スペイン語の文法で特徴的なのが、動詞の活用です。
日本語でも、動詞は「食べる」「食べた」「食べない」のように変化します。
一方、スペイン語では、時制や法などに加えて、主語の人称や数によっても動詞の形が変わります。
例えば、「話す」という意味の動詞hablarを、現在形で使う場合を見てみましょう。
- yo hablo:私は話します
- tú hablas:君は話します
- él habla:彼は話します
- nosotros hablamos:私たちは話します
- vosotros habláis:君たちは話します
- ellos hablan:彼らは話します
このように、同じ「話す」という動詞でも、主語によって形が変わります。
なお、vosotrosは主にスペインで使われる二人称複数形で、ラテンアメリカの多くの地域では、複数の相手に対してustedesが使われます。
英語でも、三人称単数の現在形では動詞にsが付くことがありますが、スペイン語では、より多くの形を使い分けます。
では、なぜスペイン語では、このように動詞が変化するのでしょうか。
また、動詞の形だけで主語を判断できる場合、主語を表す代名詞を省略することがあります。
例えば、habloという動詞の形から、一人称単数の主語であることがわかります。
そのため、文脈によってはyoを省略して、Hablo español.と表現することもできます。
このように、動詞の活用と主語の省略には関係があります。
こうした文法現象について考えることは、スペイン語の仕組みを理解するための重要な手がかりになります。
研究内容③ serとestarはなぜ二つあるのか
スペイン語を学ぶ人が疑問に感じやすい文法の一つが、serとestarの使い分けです。
英語では、I am a student.やI am tired.のように、be動詞を使って表現します。
しかし、スペイン語では、英語のbe動詞に相当する働きを持つ動詞として、serとestarがあります。
例えば、次の文を見てみましょう。
- Soy estudiante.:私は学生です
- Estoy cansado.:私は疲れています(男性話者の場合)
- Madrid es la capital de España.:マドリードはスペインの首都です
- Estoy en casa.:私は家にいます
このように、スペイン語では、文の意味や表現したい内容によって、serとestarを使い分けます。
初級文法では、serは性質や身分など、estarは状態や所在などを表すと説明されることがあります。
ただし、実際の使い分けは、それだけで説明できるほど単純ではありません。
例えば、同じ形容詞でも、serとestarのどちらを使うかによって、意味やニュアンスが変わる場合があります。
また、文脈や話し手の意図によって、適切な表現が異なることもあります。
そのため、serとestarの使い分けは、スペイン語の文法を研究するうえで興味深いテーマの一つです。
なお、ここで紹介した例は、スペイン語の文法研究で考えられる一般的なテーマであり、西村教授がこれらの表現を個別の研究対象としていることを示すものではありません。
研究内容④ スペイン語の過去形はなぜ複数あるのか
スペイン語では、過去の出来事を表す際にも、複数の時制を使い分けます。
例えば、スペイン語には、点過去と線過去と呼ばれる過去時制があります。
点過去は、過去の出来事をまとまりのある事象として捉える場合などに使われます。
一方、線過去は、過去の習慣や、ある時点で進行していた状況、背景説明などに使われます。
例えば、次のような表現があります。
- Ayer estudié español.:昨日、スペイン語を勉強しました
- Cuando era niño, jugaba al fútbol.:子どもの頃、サッカーをしていました
どちらも過去の出来事を表していますが、出来事の捉え方が異なります。
日本語でも、「勉強した」「勉強していた」など、過去の出来事を異なる形で表現することがあります。
しかし、日本語とスペイン語では、時制やアスペクトの仕組みが同じではありません。
アスペクトとは、出来事がどのように進行したり、完了したりするのかを捉える文法的な概念です。
こうした違いを考えることで、言語が時間や出来事をどのように表現しているのかを理解することができます。
また、外国語を学ぶ際に、なぜ特定の時制を使うのかを理解することにもつながります。

日本語とスペイン語を比較すると何が見える?
スペイン語の文法を理解するためには、日本語との比較も役立ちます。
例えば、日本語では、主語を省略することがよくあります。
「昨日、映画を見ました」という文では、誰が映画を見たのかが明示されていません。
しかし、会話の流れから、話し手自身のことだと理解できる場合があります。
スペイン語でも、主語を表す代名詞を省略できる場合があります。
ただし、スペイン語では動詞の活用が主語の人称や数を示すため、日本語とは異なる仕組みで主語の情報が表現されています。
また、日本語とスペイン語では、基本的な語順にも違いがあります。
日本語では、一般に「私は本を読む」のように、動詞が文の最後に置かれます。
一方、スペイン語では、主語・動詞・目的語の順序が基本的な語順の一つです。
例えば、Leo un libro.は「私は本を読みます」という意味です。
このように、言語によって文の構造が異なります。
また、日本語には、助詞によって文の中の関係を示す仕組みがあります。
一方、スペイン語では、語順や前置詞、動詞の活用などが重要な役割を果たします。
こうした違いを比較することで、それぞれの言語がどのように意味を伝えているのかを考えることができます。
母語話者にとって当たり前のことが研究テーマになる
言語学の面白さの一つは、普段当たり前だと思っている言葉の使い方を、改めて問い直せることです。
例えば、日本語では、「私は学生です」という文を自然に使うことができます。
しかし、日本語を外国語として学ぶ人にとっては、なぜ「学生だ」「学生です」「学生である」など、複数の表現があるのか疑問に感じることがあります。
また、同じ意味に近い表現でも、場面や相手によって使い分けが必要になることがあります。
こうした違いは、日本語を母語とする人にとっては、普段あまり意識しないことかもしれません。
しかし、外国語として日本語を学ぶ人にとっては、重要な疑問になります。
同じように、日本語を母語とする人がスペイン語を学ぶ際にも、母語話者とは異なる疑問を持つことがあります。
例えば、なぜある場面ではserを使い、別の場面ではestarを使うのか。
また、なぜ主語を省略できるのか、なぜ過去形を使い分けるのかといった疑問です。
こうした疑問を、単に「スペイン語ではそういうルールだから」と覚えるだけで終わらせず、研究の問いとして考えることができます。
西村教授の研究姿勢は、外国語を学ぶ中で感じた疑問を、学問的な探究へとつなげることの大切さを示しています。
スペイン語を学ぶことと研究することは表裏一体
西村教授は、スペイン語を学ぶことと研究することは、表裏一体の関係にあると述べています。
これは、外国語学習と研究が、互いに深く関わっていることを意味します。
例えば、スペイン語の文法を学んでいるときに、ある表現の使い分けについて疑問を持ったとします。
その疑問について調べることで、文法の仕組みをより深く理解することができます。
また、研究を通して新しい知識を得ることで、スペイン語を使う際にも、より正確な表現を選べるようになる可能性があります。
さらに、スペイン語の文章を多く読むことで、文法の特徴や使い方について新たな疑問が生まれることもあります。
このように、外国語を学ぶことが研究のきっかけになり、研究することが外国語の理解を深めるという関係があります。
語学の学習を通して感じた疑問を大切にすることが、言語学を学ぶ第一歩になります。
担当授業|スペイン語学の基礎から専門研究まで
西村教授の教員紹介資料では、次のような科目が担当授業として紹介されています。
- 基礎イスパニア語
- 西語学概論
- イスパニア語圏研究入門(コーディネーター)
- 演習(西語学B)
基礎イスパニア語では、スペイン語の基本的な文法や語彙、発音などを学びます。
スペイン語の基礎を身につけることで、会話や文章を理解するための土台を築くことができます。
また、西語学概論では、スペイン語学という学問の全体像について学ぶことができます。
例えば、スペイン語の文法や音声、語彙、意味など、言語のさまざまな側面について考えることができます。
さらに、イスパニア語圏研究入門では、コーディネーターを務めていると紹介されています。
イスパニア語圏には、スペインだけでなく、ラテンアメリカの多くの国々が含まれます。
そのため、イスパニア語圏研究では、言語だけでなく、歴史や文化、社会などについても幅広く学ぶことが重要です。
そして、演習(西語学B)では、スペイン語学に関する専門的な研究に取り組みます。
このように、スペイン語の基礎学習から、言語学の専門的な研究へと学びを深めることができます。
なお、担当科目や具体的な授業内容、開講状況は年度によって変更される場合があります。最新のシラバスを確認してください。
ゼミの特色① 春学期はスペイン語の論文を輪読する
西村教授のゼミ(西語学B)では、スペイン語の文法に関する研究に取り組みます。
提供されたゼミ紹介情報によると、春学期には、スペイン語で書かれた文法に関する論文や文献を受講者で輪読します。
輪読とは、一つの文献を複数の学生で分担して読み、内容について発表したり、議論したりする学習方法です。
例えば、ある学生が文献の一部分を担当し、その内容を整理して発表します。
その後、ほかの学生と一緒に、文献の内容や疑問点について考えます。
こうした学習を通して、スペイン語の文献を読む力を身につけることができます。
また、言語学の研究では、専門的な用語や概念が使われることがあります。
そのため、文献を読む際には、言語学の基本的な概念について理解することも重要です。
さらに、研究者がどのような問いを立て、どのような資料や方法を使って分析しているのかを理解することも必要です。
こうした学びを通して、言語学の研究方法について理解を深めることができます。
ゼミの特色② 発表やレジュメ作成の力を身につける
西村教授のゼミでは、言語学の知識だけでなく、発表の仕方やレジュメの作り方についても学びます。
レジュメとは、発表する内容を整理した資料のことです。
大学のゼミでは、文献を読んだ内容や、自分の研究について発表する機会があります。
その際には、調べたことをそのまま並べるだけでなく、重要なポイントを整理して伝えることが求められます。
例えば、論文を紹介する場合、研究の目的や問い、分析方法、結論などをわかりやすくまとめる必要があります。
また、専門的な内容について説明する際には、聞き手が理解しやすいように、具体例を使うことも重要です。
さらに、発表後には、ほかの学生や教員から質問を受けることがあります。
そのため、自分の考えを説明するだけでなく、質問の意図を理解し、適切に答える力も必要です。
こうした経験を通して、論理的に考える力や、情報を整理する力、自分の考えをわかりやすく伝える力を身につけることができます。
ゼミの特色③ 秋学期は自分の研究テーマに取り組む
西村教授のゼミでは、秋学期に受講生それぞれが研究テーマを一つ選び、自分の研究を進めます。
研究テーマを決める際には、スペイン語の文法について、どのような疑問を持っているのかを考えることが重要です。
例えば、スペイン語の動詞の活用や、時制の使い分け、主語の省略などに関心を持つことが考えられます。
また、日本語や英語とスペイン語の文法を比較することで、研究の問いが生まれる場合もあります。
ただし、研究テーマは、単に興味があるという理由だけで決めるものではありません。
関連する先行研究や資料を調べ、どのような問題について研究できるのかを考える必要があります。
さらに、研究を進める際には、実際の言語使用や文献などを分析することもあります。
そして、ゼミの仲間とのディスカッションを通して、自分の考えを深めていきます。
最終的には、研究成果をゼミ論文や卒業論文としてまとめることを目指します。
このように、春学期に研究の基礎を学び、秋学期に自分の研究に取り組むという流れが、西村教授のゼミの特色です。
ゼミで考えられるスペイン語学の研究テーマ
スペイン語学では、さまざまな文法現象について研究することができます。
例えば、次のようなテーマが考えられます。
- スペイン語の動詞活用と主語の関係
- serとestarの使い分け
- スペイン語の過去時制の使い分け
- スペイン語と日本語の語順の違い
- スペイン語における主語の省略
- スペイン語の前置詞の使い方
- スペイン語と日本語の表現方法の比較
- スペイン語の文法と意味の関係
これらは、スペイン語学の研究で考えられるテーマの例です。
実際に西村教授のゼミで扱う研究テーマや指導内容については、最新のゼミ紹介や担当教員への確認が必要です。
重要なのは、身近な文法の疑問を、研究できる問いへと発展させることです。
例えば、「なぜスペイン語では主語を省略できるのか」という疑問を持った場合、まず主語の省略について説明している文献を調べることが考えられます。
そのうえで、実際のスペイン語の文章や会話では、どのような場合に主語が省略されるのかを調べることもできます。
さらに、日本語や英語との違いについて考えることで、研究を深めることができます。
こうした過程を通して、外国語学習で感じた疑問を、学問的な研究へと発展させることができます。

言語学を学ぶことで身につく力とは?
スペイン語学を学ぶことは、スペイン語の知識を深めるだけでなく、さまざまな力を身につけることにもつながります。
まず、言語の仕組みを分析する力です。
例えば、複数の文を比較して、共通する特徴や違いを見つけることができます。
また、なぜそのような違いが生じるのかを考えることで、論理的に考える力を養うことができます。
さらに、文献や論文を読むことで、研究者がどのような問いを立て、どのような方法で分析しているのかを理解する力が身につきます。
また、自分の研究について発表することで、情報を整理し、わかりやすく説明する力も養われます。
こうした力は、言語学の研究だけでなく、さまざまな分野で役立ちます。
例えば、外国語教育や翻訳、国際交流など、言語に関わる仕事について考える際にも、言語の仕組みを理解していることは重要です。
また、異なる言語や文化を持つ人々と交流する際にも、言語の違いについて理解することが役立つ場合があります。
言語学を学ぶことは、外国語を使う力と、言語について考える力の両方を深めることにつながります。
高校生のうちからできるスペイン語学の学び
西村教授の研究分野に関心がある高校生の皆さんは、まず普段の外国語学習で感じた疑問を大切にしてみましょう。
例えば、英語の授業で文法を学ぶ際に、「なぜこの表現になるのだろう」と考えたことがあるかもしれません。
また、日本語と英語の違いに気づいた経験がある人もいるでしょう。
こうした疑問をノートに書き留めておくことで、言語の仕組みについて考えるきっかけになります。
さらに、スペイン語に触れたことがない人でも、入門書や学習教材を使って、基本的な文法について学ぶことができます。
例えば、スペイン語の動詞活用や、名詞の性、形容詞の変化などについて調べてみることができます。
また、英語や日本語と比較することで、言語の違いを理解しやすくなります。
例えば、次のような問いを考えてみましょう。
- なぜスペイン語では主語によって動詞の形が変わるのか
- なぜスペイン語にはserとestarという二つの動詞があるのか
- スペイン語と日本語では、主語の省略の仕組みがどのように異なるのか
- スペイン語の過去形は、日本語や英語の過去表現とどのように違うのか
- スペイン語と日本語では、語順にどのような違いがあるのか
- 外国語を学ぶ際に、母語の知識はどのような影響を与えるのか
- 言語の文法には、どのような共通点や違いがあるのか
こうした問いについて調べる際には、外国語の入門書や文法書、言語学に関する書籍などを活用してみましょう。
また、実際のスペイン語の文章を読んで、学んだ文法がどのように使われているのかを確認することもおすすめです。
こうした学びを通して、外国語を単に暗記するのではなく、言語の仕組みとして理解する力を身につけることができます。
推薦入試を目指す高校生へ|文法への疑問を志望理由につなげよう
上智大学外国語学部イスパニア語学科の推薦入試を考えている皆さんは、なぜスペイン語を学びたいのか、そしてスペイン語を使って何を研究したいのかを整理してみましょう。
例えば、英語の文法を学ぶ中で、言語の仕組みに興味を持った経験があるかもしれません。
また、日本語と英語の表現の違いについて疑問を感じた人もいるでしょう。
さらに、独学や講座などでスペイン語に触れ、英語や日本語とは異なる文法の特徴に興味を持った人もいるかもしれません。
こうした経験や関心を志望理由につなげる際には、単に「スペイン語を話せるようになりたい」という目標だけでなく、大学で何を学びたいのかを具体的に考えることが重要です。
例えば、「スペイン語の文法を学び、日本語や英語との違いを比較しながら、言語の仕組みについて研究したい」という目標が考えられます。
また、「外国語を学ぶ中で感じた文法の疑問を、言語学の視点から解き明かしたい」という関心も考えられます。
さらに、「スペイン語の文法を深く理解し、将来は外国語教育や言語に関わる分野で学びを生かしたい」という目標も考えられます。
そのうえで、なぜ外国語学部イスパニア語学科で学びたいのかを説明できるようにしましょう。
例えば、「スペイン語を身につけるだけでなく、スペイン語の文法を専門的に研究し、日本語話者の視点から言語の仕組みについて考えたい」という目標が考えられます。
また、西村教授の研究分野に関心がある場合でも、イスパニア語学科全体の教育内容について理解しておくことが重要です。
スペイン語の学習とスペイン語学の研究をどのように結びつけたいのか、大学のカリキュラムや授業内容を調べながら考えてみましょう。
なお、特定の教員の研究分野に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではありません。また、入学後に希望するゼミや科目を必ず履修できるとは限りません。
出願資格や選考方法、提出書類、面接の実施内容などについては、必ず対象年度の最新の入学試験要項を確認してください。
まとめ|外国語学習の疑問を研究へとつなげる
西村君代教授は、スペイン語学を専門とし、スペイン語の文法がどのような仕組みになっているのかを研究する言語学者です。
特に、日本語を母語とする研究者としてスペイン語を観察することで、スペイン語の母語話者とは異なる気づきが得られるという視点を大切にしています。
担当科目には、基礎イスパニア語、西語学概論、イスパニア語圏研究入門、演習(西語学B)などが含まれています。
ゼミでは、春学期にスペイン語で書かれた文法に関する論文や文献を輪読し、言語学の基本的な概念や研究方法について学びます。
また、秋学期には、学生がそれぞれ研究テーマを選び、ゼミの仲間との議論を通して研究を深め、ゼミ論文や卒業論文としてまとめることを目指します。
スペイン語学の魅力は、外国語を学ぶ中で感じた疑問を、研究の問いへと発展させられる点にあります。
例えば、動詞の活用やserとestarの使い分け、過去時制の違いなど、初級文法で学ぶ内容にも、言語学的に考えるべき問題が数多く含まれています。
こうした疑問を大切にし、文法の仕組みを深く理解することは、外国語を学ぶ楽しさを広げることにもつながります。
語学が好きな方、言語の仕組みそのものに興味がある方、日本語とスペイン語の違いについて研究したい方は、西村教授の研究分野をきっかけに、上智大学外国語学部イスパニア語学科で学べる内容について調べてみてはいかがでしょうか。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。

