
上智大学 外国語学部 イスパニア語学科|コーラも野球も経済学!谷洋之教授のラテンアメリカ経済ゼミ
- 1. 谷洋之教授のプロフィール|ラテンアメリカ経済と経済開発思想史を研究
- 2. 外国語学部で経済学を学ぶ意味とは?
- 3. 研究内容① メキシコの貿易自由化は農業をどう変えたのか
- 4. NAFTAからUSMCAへ|メキシコの貿易を考える
- 5. メキシコの農業から見える自由貿易の複雑さ
- 6. 研究内容② 経済発展とは何か?ラテンアメリカから考える
- 7. ラウル・プレビッシュとは?世界経済の構造を問い直した経済学者
- 8. なぜラテンアメリカから経済学を考えることが重要なのか
- 9. 担当授業|スペイン語からラテンアメリカ経済の専門研究へ
- 10. ゼミの特色① 2年間かけて卒業論文を完成させる
- 11. ゼミの特色② メキシコの自動車産業も研究テーマになる
- 12. ゼミの特色③ メキシコの豚肉輸出から世界の食卓を考える
- 13. ゼミの特色④ ドミニカ共和国の野球移民も経済学のテーマになる
- 14. ゼミの特色⑤ コカ・コーラの消費と文化変容を研究する
- 15. 身近なものから経済を考える力を身につけよう
- 16. ラテンアメリカ経済を研究するために必要な力
- 17. 高校生のうちからできるラテンアメリカ経済の学び
- 18. 推薦入試を目指す高校生へ|経済への関心を志望理由につなげよう
- 19. まとめ|身近なモノや出来事からラテンアメリカ経済を考える
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部イスパニア語学科の谷洋之教授についてご紹介します。
皆さんは、「経済学」と聞くと、どのようなことを思い浮かべますか。
株価や為替、銀行、物価、企業の経営など、お金に関する難しい話を想像する人も多いかもしれません。
しかし、経済学が扱うテーマは、それだけではありません。
例えば、スーパーで売られているメキシコ産のアボカド、世界中で飲まれているコカ・コーラ、メジャーリーグで活躍するドミニカ共和国出身の野球選手。こうした身近なものや出来事も、経済学の研究対象になります。
なぜメキシコではアボカドの輸出が盛んなのでしょうか。なぜ特定の国から多くの野球選手が海外へ渡るのでしょうか。なぜ世界的な飲料ブランドが、地域の食文化や消費行動に影響を与えるのでしょうか。
こうした疑問の背景には、貿易、労働、産業、所得、文化、国際的な経済関係など、さまざまな問題が隠れています。
上智大学外国語学部イスパニア語学科の谷洋之教授は、メキシコを中心とするラテンアメリカ経済と経済開発思想史を専門とする研究者です。
研究では、貿易自由化による農業の変化や、ラテンアメリカの経済学者が考えてきた「経済発展とは何か」という問題を探究しています。
また、ゼミでは、メキシコの自動車産業や豚肉輸出だけでなく、野球移民やコカ・コーラの消費と文化変容など、身近なテーマを取り上げた卒業論文も生まれています。
今回は、谷教授の研究内容や担当授業、ゼミの特色を通して、外国語学部で経済学を学ぶ魅力をご紹介します。
上智大学の推薦入試を目指す高校生の皆さんは、志望理由書や面接対策の参考にしてください。
谷洋之教授のプロフィール|ラテンアメリカ経済と経済開発思想史を研究
谷洋之教授は、上智大学外国語学部イスパニア語学科に所属する教授です。
主な専門分野は、ラテンアメリカ経済論と経済開発思想史です。
特にメキシコを中心とするラテンアメリカの経済について研究しています。
ラテンアメリカとは、一般にメキシコや中央アメリカ、南アメリカ、カリブ海地域などを含む地域を指します。
この地域には、メキシコ、アルゼンチン、チリ、コロンビア、ペルー、ブラジルなど、多くの国々があります。
スペイン語が広く使われていますが、ブラジルでは主にポルトガル語が使われるなど、言語や文化は多様です。
また、ラテンアメリカの国々は、歴史や産業構造、経済政策などに共通する部分がある一方、それぞれ異なる特徴を持っています。
例えば、メキシコはアメリカとの経済的な結びつきが強く、自動車産業や農産物の輸出などが重要な役割を果たしています。
一方、アルゼンチンは農牧業や工業などを持つ国であり、経済政策やインフレーションなどをめぐる課題でも知られています。
こうした国々の経済を理解するためには、統計や経済理論だけでなく、歴史や政治、社会、文化についても学ぶ必要があります。
谷教授の研究は、ラテンアメリカの経済を具体的な事例から理解するとともに、経済発展そのものの意味を問い直すものです。
外国語学部で経済学を学ぶ意味とは?
「経済学を学びたいなら、経済学部に進学するのでは?」と考える高校生もいるかもしれません。
もちろん、経済学部では、ミクロ経済学やマクロ経済学、統計学などを中心に、経済の仕組みを体系的に学ぶことができます。
一方、外国語学部では、特定の言語や地域について深く学びながら、その地域の政治や経済、社会、文化などを研究することができます。
例えば、ラテンアメリカ経済を研究する場合、経済指標だけを見ても、その背景を十分に理解できないことがあります。
なぜ特定の産業が発展したのか、なぜある政策が支持されたのか、なぜ同じ経済政策でも国や地域によって影響が異なるのか。
こうした問題を考えるためには、その国の歴史や社会構造、政治制度、人々の生活について理解することが重要です。
また、スペイン語を身につけることで、ラテンアメリカのニュースや政府の資料、現地の研究者による論文などに直接触れるための力を養うことができます。
翻訳された情報だけでなく、現地で使われている言葉を通して社会を理解できることは、大きな強みになります。
つまり、イスパニア語学科で経済を学ぶ魅力は、スペイン語の習得と地域研究を結びつけながら、経済を多角的に理解できる点にあります。
研究内容① メキシコの貿易自由化は農業をどう変えたのか
谷教授の研究テーマの一つが、貿易自由化の中でメキシコの農業部門がどのように変化しているのかという問題です。
貿易自由化とは、国と国の間で商品やサービスを取引する際の関税や規制などを減らし、貿易をしやすくすることです。
例えば、ある国が外国から輸入する農産物に高い関税をかけている場合、その農産物は国内で高く販売される可能性があります。
しかし、関税が引き下げられると、外国から安い農産物が入ってきやすくなります。
消費者にとっては、商品を安く購入できる可能性があります。
一方、国内の農家にとっては、外国産の農産物との競争が激しくなる場合があります。
そのため、貿易自由化は、すべての人に同じ影響を与えるわけではありません。
ある生産者にとっては輸出の機会が広がる一方、別の生産者にとっては厳しい競争に直面することもあります。
谷教授は、こうした貿易自由化の影響について、単純な賛成・反対にとらわれない視点から研究しています。
重要なのは、「自由貿易は良いのか、悪いのか」と結論を急ぐことではなく、どのような人々や産業に、どのような変化が起こったのかを丁寧に調べることです。
NAFTAからUSMCAへ|メキシコの貿易を考える
メキシコの貿易自由化を理解するうえで、重要なのが北米の自由貿易協定です。
1994年、アメリカ、カナダ、メキシコの間で、北米自由貿易協定(NAFTA)が発効しました。
この協定によって、三か国の間で関税の削減や撤廃などが進められ、貿易や投資の関係が大きく変化しました。
その後、2020年には、NAFTAに代わる新しい協定として、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が発効しました。
こうした協定は、メキシコの製造業や農業など、さまざまな産業に影響を与えてきました。
例えば、メキシコでは、アメリカ向けの輸出に関わる産業が発展する一方、輸入品との競争に直面する生産者も存在します。
農業の場合、どのような作物を生産しているのか、農地の規模はどの程度か、輸出市場へのアクセスがあるのかなどによって、貿易自由化の影響が異なる可能性があります。
そのため、貿易協定の効果を考える際には、国全体の輸出額や経済成長率だけでなく、地域や産業、農家ごとの違いにも注目する必要があります。
こうした視点は、日本の農業や貿易政策について考える際にも役立ちます。
メキシコの農業から見える自由貿易の複雑さ
メキシコの農業は、地域や生産する作物によって特徴が異なります。
例えば、メキシコではトウモロコシが重要な作物の一つです。
トウモロコシは、メキシコの食文化とも深く結びついています。
トルティーヤなどの料理に使われるほか、農村部の生活や地域社会とも関わっています。
一方、メキシコはアボカドやトマトなど、輸出向けの農産物でも知られています。
こうした作物の生産や輸出が拡大することで、利益を得る生産者や企業が生まれる可能性があります。
しかし、輸出が増えれば、必ずすべての農家の生活が豊かになるとは限りません。
例えば、輸出に必要な設備や資金を持つ生産者と、小規模な農家とでは、利用できる機会が異なる場合があります。
また、農業の発展には、水資源や土地利用、労働環境などの問題も関わっています。
そのため、農業を研究する際には、輸出額や生産量だけでなく、農村の暮らしや地域社会への影響にも目を向ける必要があります。
谷教授の研究テーマは、こうした経済の複雑さを理解するうえで重要なものです。

研究内容② 経済発展とは何か?ラテンアメリカから考える
谷教授のもう一つの研究分野が、経済開発思想史です。
経済開発思想史とは、経済発展や開発について、人々がどのような考え方や理論を生み出してきたのかを歴史的に研究する分野です。
「経済発展」と聞くと、国内総生産(GDP)が増えることや、企業が成長することを思い浮かべるかもしれません。
しかし、経済発展は、単に経済規模が大きくなることだけで説明できるのでしょうか。
例えば、国全体の所得が増えても、貧富の差が広がっている場合があります。
また、輸出産業が発展しても、農村部や一部の地域では、生活の改善が十分に進まないことがあります。
さらに、経済成長のために自然環境が大きく損なわれる場合もあります。
そのため、「経済発展とは何か」という問いを考える際には、所得や生産だけでなく、人々の生活や社会のあり方にも目を向ける必要があります。
谷教授は、ラテンアメリカで生まれた経済開発思想を研究することで、こうした問題について探究しています。
ラウル・プレビッシュとは?世界経済の構造を問い直した経済学者
谷教授が研究対象としている人物の一人が、アルゼンチンの経済学者ラウル・プレビッシュです。
プレビッシュは、ラテンアメリカの立場から世界経済の構造を分析し、経済発展の問題について重要な議論を展開した経済学者として知られています。
その考え方を理解するうえで重要なのが、「中心」と「周辺」という視点です。
世界経済には、工業製品や技術などの面で強い競争力を持つ国々がある一方、一次産品の輸出に大きく依存する国々も存在します。
一次産品とは、農産物や鉱産物など、加工の程度が比較的小さい商品を指します。
例えば、コーヒー豆や銅、原油などが代表的な例です。
プレビッシュは、こうした国々の間に存在する経済的な関係や格差について考えました。
特に、一次産品を輸出する国々が、工業製品を輸出する国々と貿易を行う際に、必ずしも同じような利益を得られるとは限らないという問題を重視しました。
このような議論は、ラテンアメリカの経済発展を考えるうえで大きな影響を与えました。
ただし、プレビッシュの理論については、その後の研究の中でさまざまな検証や批判も行われています。
経済開発思想史を学ぶ際には、理論の内容だけでなく、どのような歴史的な背景の中で生まれたのか、現在の経済にどこまで当てはまるのかを考えることが重要です。
なぜラテンアメリカから経済学を考えることが重要なのか
経済学を学ぶ際には、欧米の経済学者が提唱した理論に触れる機会が多くあります。
しかし、世界にはさまざまな歴史や社会的な背景を持つ国々が存在します。
そのため、ある国や地域で生まれた経済理論が、すべての国に同じように当てはまるとは限りません。
例えば、産業革命を経験したヨーロッパの国々と、植民地支配を経験したラテンアメリカの国々では、経済発展の歴史が異なります。
また、土地所有の仕組みや産業構造、政治制度などにも違いがあります。
こうした違いを理解することで、経済発展を一つのモデルだけで説明することの難しさが見えてきます。
ラテンアメリカの経済思想を学ぶことは、経済学をより多角的に理解することにつながります。
さらに、現代の世界で議論されている経済格差や貧困、持続可能な開発などの問題について考えるうえでも、重要な視点を得ることができます。
担当授業|スペイン語からラテンアメリカ経済の専門研究へ
谷教授の教員紹介資料では、次のような科目が担当授業として紹介されています。
- 基礎イスパニア語
- 総合イスパニア語
- ラ米経済概論
- ラ米経済特論
- 演習(ラ米経済研究)
基礎イスパニア語では、スペイン語の基本的な文法や語彙、発音などを学びます。
また、総合イスパニア語では、スペイン語を使うためのさまざまな技能を伸ばしていきます。
一方、ラ米経済概論では、ラテンアメリカ経済の全体像について学ぶことができます。
「ラ米」とは、ラテンアメリカの略です。
ラテンアメリカの国々には、それぞれ異なる経済構造や発展の歴史があります。
そのため、地域全体の特徴を理解しながら、国ごとの違いについても考えることが重要です。
さらに、ラ米経済特論では、より専門的なテーマについて学ぶことが期待されます。
そして、演習(ラ米経済研究)では、ラテンアメリカ経済に関する研究に取り組みます。
このように、スペイン語の習得と並行して、ラテンアメリカの経済について専門的に学ぶことができます。
なお、担当科目や具体的な授業内容、開講状況は年度によって変更される場合があります。最新のシラバスを確認してください。
ゼミの特色① 2年間かけて卒業論文を完成させる
谷教授のゼミの大きな特徴は、2年間かけてラテンアメリカ経済に関する卒業論文を完成させることを目標としている点です。
卒業論文は、大学で学んだ知識や研究方法を活用し、自分で設定した問いについて調べ、考察し、文章にまとめるものです。
高校までの学習では、教科書に書かれている知識を理解し、問題に正しく答えることが重視される場面が多いかもしれません。
一方、大学の研究では、必ずしも最初から答えが決まっているわけではありません。
例えば、「メキシコの自動車産業はなぜ発展したのか」という問いについて考える場合、まず産業の歴史や貿易政策、企業の投資などについて調べる必要があります。
また、関連する研究を読み、統計や資料を確認しながら、自分なりの分析を進めることが求められます。
そのため、卒業論文の執筆には、テーマを設定する力、資料を調べる力、情報を整理する力、論理的に考える力、文章で説明する力などが必要です。
谷教授のゼミでは、こうした研究の過程を通して、大学生活の集大成となる卒業論文の完成を目指します。
ゼミの特色② メキシコの自動車産業も研究テーマになる
谷教授のゼミで紹介されている過去の卒業論文のテーマの一つが、メキシコの自動車産業です。
メキシコは、自動車の生産や輸出が盛んな国として知られています。
特に、アメリカやカナダとの経済的な結びつきが強く、北米の自動車産業において重要な役割を果たしています。
では、なぜメキシコでは自動車産業が発展したのでしょうか。
例えば、貿易協定や海外企業による投資、労働力、地理的な条件など、さまざまな要因が考えられます。
また、自動車産業が発展することで、雇用が生まれたり、関連産業が成長したりする可能性があります。
一方、企業の投資や工場の立地が特定の地域に集中することで、地域間の経済格差が生じる場合もあります。
さらに、労働環境や賃金、環境への影響なども重要な研究テーマになります。
このように、一つの産業について調べるだけでも、貿易や投資、労働、地域社会など、さまざまな経済の問題が見えてきます。
ゼミの特色③ メキシコの豚肉輸出から世界の食卓を考える
過去の卒業論文のテーマには、メキシコの豚肉輸出も紹介されています。
豚肉は、私たちの食生活にとって身近な食品です。
しかし、普段スーパーで豚肉を購入するときに、その豚肉がどこで生産され、どのような経路を通って運ばれてきたのかを考える機会は、それほど多くないかもしれません。
例えば、メキシコで生産された豚肉が日本に輸出される場合、農場での飼育から加工、輸送、輸入、販売まで、さまざまな企業や人々が関わっています。
また、輸出には、食品の安全基準や貿易制度、輸送費、為替相場など、多くの要因が関係します。
さらに、輸出が増えることで、生産地域の雇用や所得に影響が生じる可能性があります。
一方、家畜の飼育や食品加工には、水資源や環境への影響などの問題も関わっています。
このように、身近な食品の輸出を研究することで、国際貿易と地域社会の関係について考えることができます。
また、日本の食卓とラテンアメリカの経済が、どのようにつながっているのかを理解することにもつながります。
ゼミの特色④ ドミニカ共和国の野球移民も経済学のテーマになる
谷教授のゼミで紹介されている過去の卒業論文のテーマの中でも、特に興味深いのが、ドミニカ共和国の野球移民です。
ドミニカ共和国は、カリブ海地域に位置する国で、野球が非常に盛んな国として知られています。
また、メジャーリーグなど、海外のプロ野球で活躍する選手を数多く輩出してきました。
では、なぜドミニカ共和国から多くの野球選手が海外へ渡るのでしょうか。
この問題を経済学の視点から考えると、さまざまな問いが生まれます。
例えば、野球選手として海外で活躍することは、本人や家族にとって、どのような経済的な意味を持つのでしょうか。
また、海外のプロ野球球団による選手の発掘や育成は、現地の社会や経済にどのような影響を与えるのでしょうか。
さらに、海外で働く人々が母国の家族に送るお金は、地域経済にどのような役割を果たすのでしょうか。
こうした問題は、労働移動や所得格差、国際的な人材の移動など、経済学の重要なテーマと結びついています。
野球という身近なスポーツを入り口にして、国際的な経済の仕組みを考えられることは、非常に興味深い点です。

ゼミの特色⑤ コカ・コーラの消費と文化変容を研究する
過去の卒業論文のテーマとして紹介されているもう一つの興味深い例が、コカ・コーラの消費と文化変容です。
コカ・コーラは、世界中で知られている飲料ブランドです。
日本でも、スーパーやコンビニ、自動販売機などで購入することができます。
しかし、世界的なブランドの商品が広がることは、単に商品の販売が増えることだけを意味するのでしょうか。
例えば、ある地域で新しい飲料が広く飲まれるようになると、人々の食生活や消費習慣が変化する可能性があります。
また、広告やマーケティングによって、商品のイメージや消費者の行動が変わることも考えられます。
さらに、世界的な企業の商品が広がることによって、地域の飲料産業や伝統的な食文化との関係が変化する場合もあります。
こうした問題は、グローバル化や消費文化、企業活動、地域社会の変化など、さまざまなテーマと結びついています。
また、商品がどのような経路で流通し、どのような価格で販売され、どのような人々に消費されているのかを調べることで、経済的な分析を進めることもできます。
このように、身近な飲料の消費を研究することは、経済と文化の関係を考えることにつながります。
谷教授のゼミでは、こうした身近なテーマから経済を探究することができる点が魅力です。
身近なものから経済を考える力を身につけよう
谷教授のゼミで紹介されている卒業論文のテーマを見ると、経済学が非常に幅広い学問であることがわかります。
メキシコの自動車産業や豚肉輸出は、貿易や産業の問題と深く関わっています。
一方、ドミニカ共和国の野球移民は、労働移動や所得、国際的な人材の移動などの問題と結びついています。
また、コカ・コーラの消費と文化変容は、企業活動や消費文化、グローバル化などの問題を考えるきっかけになります。
このように、経済学は、私たちの身近な生活と深く関わっています。
例えば、スーパーで売られている食品の産地を調べることも、経済への関心を深めるきっかけになります。
また、スポーツ選手の海外移籍や、世界的な企業の商品が広がることについて考えることもできます。
重要なのは、身近な出来事を当たり前のものとして受け入れるのではなく、「なぜそうなっているのか」と疑問を持つことです。
そして、その疑問について、歴史や統計、資料などを使って調べることで、経済をより深く理解することができます。
ラテンアメリカ経済を研究するために必要な力
ラテンアメリカ経済を研究するためには、さまざまな力が必要です。
まず重要なのが、スペイン語の力です。
スペイン語を理解することで、ラテンアメリカのニュースや政府の資料、現地の研究者による論文などに触れることができます。
また、経済学の基本的な知識も重要です。
例えば、需要と供給、貿易、為替、経済成長、所得格差などの基本的な概念を理解することで、経済の問題を分析しやすくなります。
さらに、統計やデータを読み解く力も必要です。
例えば、輸出額や輸入額、GDP、失業率、物価などのデータを確認することで、経済の変化を具体的に把握することができます。
ただし、統計の数字だけで、社会のすべてを理解できるわけではありません。
例えば、経済成長率が高くても、所得格差が大きい場合があります。
また、輸出が増えても、すべての人々の生活が改善するとは限りません。
そのため、統計や経済理論だけでなく、歴史や社会、文化についても理解することが重要です。
イスパニア語学科では、スペイン語を学びながら、こうした地域の特徴について考えることができます。
高校生のうちからできるラテンアメリカ経済の学び
谷教授の研究分野に関心がある高校生の皆さんは、まず身近なものから経済について考えてみましょう。
例えば、スーパーで売られている食品の産地を確認してみてください。
メキシコ産のアボカドや、海外から輸入された肉類など、ラテンアメリカと関わりのある商品が見つかるかもしれません。
その商品が、なぜ日本に輸入されているのかを調べてみると、貿易や生産、輸送などの問題が見えてきます。
また、スポーツに関心がある人は、ラテンアメリカ出身の選手が海外で活躍する背景について調べることもできます。
さらに、経済発展や貧困、所得格差などのニュースを読み、国によってどのような違いがあるのかを考えることもおすすめです。
例えば、次のような問いを考えてみましょう。
- なぜメキシコはアメリカとの貿易が盛んなのか
- 自由貿易によって利益を得る人と、不利益を受ける人はどのように異なるのか
- メキシコの農業は、貿易自由化によってどのように変化したのか
- ラテンアメリカの国々では、なぜ経済格差が問題になるのか
- ドミニカ共和国から多くの野球選手が海外へ渡る背景には何があるのか
- 世界的な企業の商品が広がることで、地域の文化や消費行動はどう変化するのか
- 経済発展とは、GDPが増えることだけで説明できるのか
こうした問いについて調べる際には、学校の教科書だけでなく、政府機関や国際機関などが公開している資料を活用してみましょう。
また、複数の国の統計を比較することで、経済の違いを具体的に理解することができます。
ただし、統計を比較する際には、調査年や定義、対象範囲などが異なる場合があるため、注意が必要です。
こうした学びを通して、経済を多角的に考える力を身につけることができます。

推薦入試を目指す高校生へ|経済への関心を志望理由につなげよう
上智大学外国語学部イスパニア語学科の推薦入試を考えている皆さんは、なぜスペイン語を学びたいのか、そしてスペイン語を使って何を研究したいのかを整理してみましょう。
例えば、スーパーでメキシコ産のアボカドを見かけ、なぜ遠く離れた国から輸入されているのか疑問を持った経験があるかもしれません。
また、自由貿易協定に関するニュースを見て、農業や地域経済への影響について考えた人もいるでしょう。
さらに、メジャーリーグで活躍するラテンアメリカ出身の選手に関心を持ち、スポーツと経済の関係について調べてみたいと思った人もいるかもしれません。
こうした経験や関心を志望理由につなげる際には、単に「ラテンアメリカに興味がある」という気持ちだけでなく、大学で何を学びたいのかを具体的に考えることが重要です。
例えば、「スペイン語を学び、メキシコの貿易自由化が農業や地域社会に与えた影響について研究したい」という目標が考えられます。
また、「ラテンアメリカの経済発展の歴史を学び、経済成長と所得格差の関係について考えたい」という関心も考えられます。
さらに、「ラテンアメリカのスポーツ産業や国際的な人材の移動について研究し、経済と社会の関係を理解したい」という目標も考えられます。
そのうえで、なぜ経済学部ではなく、外国語学部イスパニア語学科で学びたいのかを説明できるようにしましょう。
例えば、「スペイン語を身につけ、ラテンアメリカの経済について現地の資料や研究成果を通して理解しながら、経済と社会の関係を研究したい」という目標が考えられます。
また、谷教授の研究分野に関心がある場合でも、イスパニア語学科全体の教育内容について理解しておくことが重要です。
スペイン語の学習と経済研究をどのように結びつけたいのか、大学のカリキュラムや授業内容を調べながら考えてみましょう。
なお、特定の教員の研究分野に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではありません。また、入学後に希望するゼミや科目を必ず履修できるとは限りません。
出願資格や選考方法、提出書類、面接の実施内容などについては、必ず対象年度の最新の入学試験要項を確認してください。
まとめ|身近なモノや出来事からラテンアメリカ経済を考える
谷洋之教授は、ラテンアメリカ経済論と経済開発思想史を専門とし、メキシコを中心とするラテンアメリカ経済について研究する研究者です。
研究では、貿易自由化によるメキシコの農業の変化や、ラウル・プレビッシュの経済思想などを通して、「経済発展とは何か」という問題を探究しています。
担当科目には、基礎イスパニア語、総合イスパニア語、ラ米経済概論、ラ米経済特論、演習(ラ米経済研究)などが含まれています。
ゼミでは、2年間かけてラテンアメリカ経済に関する卒業論文を完成させることを目標としています。
過去の卒業論文のテーマには、メキシコの自動車産業や豚肉輸出、ドミニカ共和国の野球移民、コカ・コーラの消費と文化変容などが紹介されています。
こうしたテーマからわかるのは、経済学が私たちの身近な生活と深く関わっているということです。
経済学は、株価や為替、銀行などだけを研究する学問ではありません。
食品やスポーツ、企業の商品、働き方、国際的な人々の移動など、さまざまな出来事を通して、社会の仕組みを考える学問でもあります。
また、ラテンアメリカの経済を研究することは、日本や世界の経済について考えるうえでも重要な視点を与えてくれます。
スペイン語を学びながら、ラテンアメリカの経済や社会について深く理解したい方、身近なものから経済を研究したい方、経済発展や国際貿易について考えたい方は、谷教授の研究分野をきっかけに、上智大学外国語学部イスパニア語学科で学べる内容について調べてみてはいかがでしょうか。
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※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目・ゼミの活動内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。

