上智大学外国語学部イスパニア語学科でスペイン語と社会言語学を学ぶ大学生のイメージ

上智大学 外国語学部 イスパニア語学科|消えかけた言語はよみがえる?アロツ アインゲル准教授の社会言語学と少数言語研究

目次

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部イスパニア語学科のアロツ アインゲル准教授についてご紹介します。

皆さんは、世界にはどれくらいの言語が存在すると思いますか。

英語やスペイン語、中国語、日本語など、世界には数多くの言語があります。しかし、その中には、話す人が少なくなり、将来的に使われなくなることが心配されている言語もあります。

では、一度話す人が減ってしまった言語を、再び多くの人が使うようにすることはできるのでしょうか。

また、私たちが使う言語は、自分が何者であるかという意識や、地域社会への帰属意識とどのように結びついているのでしょうか。

こうした問いを研究する学問の一つが、社会言語学です。

上智大学外国語学部イスパニア語学科のアロツ アインゲル准教授は、社会言語学と応用言語学を専門とし、言語とアイデンティティの関係、少数言語の復興、外国語教育のあり方などに関心を持っています。

今回は、アロツ准教授の研究内容や担当授業、ゼミの特色を通して、言語と社会の関係を学ぶ魅力をご紹介します。

上智大学の推薦入試を目指す高校生の皆さんは、志望理由書や面接対策の参考にしてください。


アロツ アインゲル准教授のプロフィール|社会言語学と応用言語学の専門家

アロツ アインゲル准教授は、上智大学外国語学部イスパニア語学科に所属する准教授です。

主な専門分野は、社会言語学と応用言語学です。

提供された教員紹介情報によると、特に言語とアイデンティティの関係や、少数言語の復興に関心を持っています。

また、第二言語・外国語教育について批判的な視点から考えることにも関心を寄せています。

さらに、言語研究が、多様で公平な社会づくりにどのように貢献できるのかを、学生とともに探究したいという思いが紹介されています。

ここで注目したいのは、言語を単なるコミュニケーションの道具としてではなく、社会や文化、人々の生き方と深く関わるものとして捉えている点です。

例えば、同じ国に暮らしていても、地域や家庭によって使われる言語が異なることがあります。

また、ある言語を話せるかどうかが、教育や仕事、社会参加の機会に影響する場合もあります。

こうした問題を考えることは、言語の学習だけでなく、社会の多様性や公平性について理解することにもつながります。


社会言語学とは?言葉と社会の関係を研究する学問

社会言語学とは、言語と社会の関係を研究する学問です。

私たちは普段、言葉を使って家族や友人、先生などとコミュニケーションを取っています。

しかし、言葉の使い方は、相手や場面によって変わります。

例えば、友人と話すときと、学校の先生に話すときでは、言葉遣いが異なることがあります。

また、同じ日本語でも、地域によって方言やアクセント、語彙などに違いがあります。

さらに、年齢や職業、所属する集団などによっても、言葉の使い方が変わる場合があります。

社会言語学では、こうした言葉の違いが、社会の中でどのような意味を持つのかを考えます。

例えば、ある地域の方言が、地域への愛着や誇りと結びついていることがあります。

一方、特定の話し方が、社会の中で否定的に評価される場合もあります。

このように、言葉の使い方には、社会的な価値観や人々の関係性が反映されることがあります。

社会言語学を学ぶことは、言葉を通して社会の仕組みや人々の意識を理解することにつながります。


研究内容① 言語とアイデンティティはどう結びついている?

アロツ准教授が関心を持つテーマの一つが、言語とアイデンティティの関係です。

アイデンティティとは、自分が何者であるかという意識や、自分自身をどのように捉えているかという感覚を指します。

例えば、ある人は、自分が日本人であることに強い帰属意識を持っているかもしれません。

また、別の人は、自分が生まれ育った地域や、家庭で使ってきた言語に強い愛着を持っているかもしれません。

言語は、こうしたアイデンティティと深く結びつくことがあります。

例えば、家庭で使ってきた言語が、家族とのつながりや文化的な記憶を支えている場合があります。

また、地域の言語を話すことが、その地域の歴史や文化を受け継ぐことにつながる場合もあります。

一方、社会の中で特定の言語が重視されると、別の言語を使う人々が、自分の言語を使いにくくなることもあります。

例えば、学校や職場で多数派の言語だけが使われる場合、家庭で少数言語を話す人々が、自分の言語を使う機会を失っていく可能性があります。

こうした状況は、言語の使用だけでなく、人々のアイデンティティにも影響することがあります。

言語とアイデンティティの関係を研究することは、言葉が人々の生活や文化にどのような意味を持っているのかを考えることにつながります。


研究内容② 少数言語とは?世界には多様な言語が存在する

アロツ准教授が関心を持つもう一つのテーマが、少数言語の復興です。

少数言語とは、ある国や地域で、比較的少数の人々によって使われている言語を指します。

ただし、少数言語という言葉は、単に話者の数が少ないことだけを意味するものではありません。

社会の中での立場や、公的な場面で使われる機会なども関係します。

例えば、ある国で多数派の言語が行政や教育、メディアなどで広く使われている一方、地域の言語が家庭や地域社会で主に使われている場合があります。

また、少数言語の中には、話者が減少し、将来的に使われなくなることが心配されているものもあります。

言語が使われなくなる背景には、さまざまな要因があります。

例えば、都市への人口移動や、学校教育で使われる言語の変化、社会的な差別などが影響する場合があります。

また、若い世代が地域の言語を学ぶ機会を失うことで、世代を超えた言語の継承が難しくなることもあります。

こうした問題は、言語の数が減るということだけではありません。

言語には、その地域の歴史や文化、知識、価値観などが反映されていることがあります。

そのため、少数言語の維持や復興は、文化的な多様性を守ることにも関わっています。


研究内容③ 消えかけた言語はよみがえる?少数言語の復興を考える

少数言語の復興とは、使用する人が減少した言語について、再び学習や使用の機会を増やし、地域社会の中で活用されるようにする取り組みを指します。

例えば、学校で地域の言語を教えることが考えられます。

また、地域の言語で書かれた本や教材を作成したり、テレビやラジオ、インターネットなどで使用する機会を増やしたりすることもあります。

さらに、家庭や地域社会で、子どもたちがその言語に触れる機会を増やすことも重要です。

ただし、言語の復興は簡単ではありません。

例えば、学校で言語を学んでも、日常生活で使う機会がなければ、習得した言語を維持することが難しい場合があります。

また、地域の人々がその言語を使いたいと考えているかどうかも重要です。

さらに、言語の復興には、教育制度や行政の支援、地域社会の協力など、さまざまな条件が関わります。

そのため、少数言語の復興について研究する際には、言語教育だけでなく、社会や政治、文化などの視点も必要になります。

また、言語の復興は、必ずしも過去とまったく同じ形に戻すことだけを意味しません。

新しい世代が現代の生活の中で言語を使い、変化させながら受け継いでいくこともあります。

こうした取り組みを研究することは、言語の多様性をどのように守り、次の世代へとつなげていくのかを考えることにつながります。


スペイン国内の多言語社会|スペイン語だけではない言語の世界

スペイン語を学ぶ際に知っておきたいのが、スペイン国内にはスペイン語以外にも複数の言語が存在するということです。

例えば、スペインには、カタルーニャ語、ガリシア語、バスク語などの言語があります。

これらの言語は、それぞれ異なる歴史や文化的な背景を持っています。

また、地域によっては、スペイン語とともに公用語として認められています。

例えば、カタルーニャ語は、カタルーニャ州などで使われています。

ガリシア語は、主にガリシア州で使われています。

また、バスク語は、バスク地方などで使われています。

こうした言語は、地域の文化やアイデンティティと深く結びついています。

例えば、地域の言語を使うことが、その地域への帰属意識や文化的な誇りと関わる場合があります。

一方、教育や行政、メディアなどで、どの言語をどのように使うのかについて、社会的な議論が行われることもあります。

このように、スペインは一つの言語だけで成り立つ社会ではありません。

スペイン語を学びながら、国内の多言語社会について理解することは、社会言語学を学ぶうえで重要な視点になります。

スペインの地域言語や多言語社会について資料を調べる大学生のイメージ

バスク語とは?スペイン語とは異なる歴史を持つ言語

スペイン国内の少数言語を考える際に、興味深い例の一つがバスク語です。

バスク語は、スペイン北部やフランス南西部の一部で使われている言語です。

スペイン語やフランス語とは異なる系統の言語として知られています。

例えば、スペイン語やフランス語は、インド・ヨーロッパ語族に属する言語です。

一方、バスク語は、現在知られているほかの言語との系統関係が確立されていない言語として知られています。

このような特徴から、バスク語は言語学の研究でも注目されています。

また、バスク語は、地域の文化やアイデンティティと深く結びついています。

歴史的には、社会や政治の変化の中で、バスク語の使用が制限された時期もありました。

一方、現在では、教育や行政、メディアなどを通して、バスク語を維持・発展させるための取り組みが行われています。

例えば、学校教育でバスク語を使用する仕組みや、バスク語によるメディアの活動などがあります。

こうした取り組みは、少数言語の復興を考えるうえで重要な事例の一つです。

ただし、言語の使用状況や復興の成果は、地域や世代などによって異なります。

そのため、バスク語の現状を理解する際には、具体的な地域や社会的な条件を踏まえて考えることが大切です。


ラテンアメリカの多言語社会|スペイン語と先住民言語

スペイン語圏の多言語社会は、スペイン国内だけに存在するものではありません。

ラテンアメリカにも、スペイン語以外の多くの言語が存在します。

例えば、ペルーやボリビアなどでは、ケチュア語が使われています。

また、パラグアイでは、グアラニー語が広く使われています。

さらに、メキシコや中央アメリカには、マヤ系の諸言語など、多くの先住民言語が存在します。

こうした言語は、それぞれの地域の歴史や文化と深く結びついています。

しかし、ラテンアメリカの国々では、植民地支配や国家形成の過程で、スペイン語が行政や教育などの分野で広く使われるようになりました。

その結果、先住民言語を使う人々が、社会の中で不利な立場に置かれる場合もありました。

例えば、学校教育がスペイン語だけで行われる場合、家庭で先住民言語を使って育った子どもが、学習上の困難に直面することがあります。

また、行政や医療などの場面で、自分の言語を使えないことが問題になる場合もあります。

こうした問題は、言語の違いだけでなく、教育や社会参加の機会とも関わっています。

そのため、ラテンアメリカの多言語社会を研究する際には、言語政策や教育制度、社会的な公平性などについても考える必要があります。


少数言語を守ることは、なぜ大切なのか?

少数言語の復興について考える際には、そもそもなぜ言語を守る必要があるのかという問いが生まれます。

例えば、世界中の人が同じ言語を使えば、コミュニケーションが便利になるのではないかと考える人もいるかもしれません。

確かに、共通の言語を使うことには、情報交換や国際交流を円滑にするという利点があります。

しかし、言語は単なる情報伝達の手段ではありません。

言語には、その地域の歴史や文化、価値観、生活の知恵などが反映されていることがあります。

例えば、地域の自然環境や伝統的な生活に関する言葉には、その地域で長く受け継がれてきた知識が含まれている場合があります。

また、言語は家族や地域社会とのつながりを支える役割を持つこともあります。

そのため、ある言語が使われなくなることは、文化的な知識や記憶が失われることにつながる可能性があります。

一方、少数言語を守る取り組みでは、言語を使う人々自身の意思を尊重することも重要です。

例えば、地域の人々がどの言語を使いたいのか、子どもたちにどの言語を学んでほしいと考えているのかを理解する必要があります。

言語の復興は、外部から一方的に進めるものではなく、地域社会の人々とともに考えることが大切です。


日本にも少数言語がある?アイヌ語と琉球諸語を考える

少数言語の問題は、スペインやラテンアメリカだけのものではありません。

日本にも、言語の維持や継承が重要な課題となっている地域があります。

例えば、アイヌ語は、日本の言語的な多様性を考えるうえで重要な存在です。

アイヌ語は、日本語とは異なる言語であり、アイヌの人々の文化や歴史と深く結びついています。

また、琉球諸語も、日本の言語的な多様性を考えるうえで重要です。

琉球諸語には、沖縄や奄美などの地域で使われてきた複数の言語が含まれます。

これらの言語についても、話者の減少や世代間の継承が課題となっています。

では、こうした言語を次の世代へと受け継ぐためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。

例えば、地域の言語を学ぶ機会を増やすことが考えられます。

また、地域の言語で書かれた教材や、音声・映像資料などを活用することもあります。

さらに、家庭や地域社会で言語を使う機会を増やすことも重要です。

スペインやラテンアメリカの少数言語の取り組みを学ぶことは、日本の言語的な多様性について考えるための手がかりにもなります。


研究内容④ 応用言語学とは?言語研究を社会の課題に生かす

アロツ准教授のもう一つの専門分野が、応用言語学です。

応用言語学とは、言語に関する研究の知見を、教育や社会のさまざまな問題に結びつけて考える学問です。

例えば、外国語をどのように教えると学習者が理解しやすいのかという問題があります。

また、複数の言語を使う社会で、どのような教育制度を整えるべきかという問題もあります。

さらに、移民や外国にルーツを持つ人々が、社会の中で言語を使う際に直面する課題について研究することもあります。

こうした問題は、言語の仕組みを理解するだけでは解決できません。

教育制度や社会の価値観、人々の生活環境なども関わっています。

そのため、応用言語学では、言語学だけでなく、教育学や社会学など、ほかの分野の知見も活用されることがあります。

アロツ准教授は、第二言語・外国語教育について批判的な視点から考えることにも関心を持っています。

外国語教育を研究することは、単に効率的な学習方法を探すことだけではありません。

誰が学びやすい教育制度になっているのか、どのような学習者が不利な立場に置かれているのかといった問題を考えることにもつながります。


外国語教育を批判的に考えるとは?

皆さんは、学校で英語を学ぶ中で、「もっとこういう授業があればよいのに」と感じたことはありませんか。

例えば、文法や単語を覚えることはできても、実際の会話になると自分の考えを伝えることが難しいと感じる人もいるかもしれません。

また、テストの点数は高くても、外国語を使うことに自信を持てない人もいるでしょう。

こうした経験は、外国語教育のあり方について考えるきっかけになります。

外国語教育を批判的に考えるとは、現在の教育方法を単純に否定することではありません。

どのような目的で、どのような方法が使われているのかを確認し、その方法が学習者にどのような影響を与えているのかを考えることです。

例えば、外国語の授業では、正しい文法や発音が重視されることがあります。

しかし、実際のコミュニケーションでは、文法や発音の正確さだけでなく、相手に伝えようとする姿勢や、状況に応じた表現も重要です。

また、学習者によって、外国語を学ぶ目的や経験は異なります。

例えば、旅行のために外国語を学ぶ人もいれば、将来の仕事や研究のために学ぶ人もいます。

そのため、すべての学習者に同じ方法が最適とは限りません。

外国語教育を研究する際には、学習者の多様性を理解し、それぞれにとってどのような学びが必要なのかを考えることが重要です。


言語と社会の公平性|どの言語を話すかで機会が変わる?

アロツ准教授の研究に関わる重要な視点の一つが、言語と社会の公平性です。

社会の中では、使う言語によって、教育や仕事、行政サービスなどへのアクセスに違いが生じる場合があります。

例えば、ある国で多数派の言語だけが学校教育に使われている場合、家庭で別の言語を使って育った子どもが、授業を理解するうえで困難を感じることがあります。

また、行政機関や医療機関で、自分が十分に理解できる言語が使われていない場合、必要な情報を得ることが難しくなる可能性があります。

さらに、特定の言語や方言を話す人々に対して、社会的な偏見が向けられることもあります。

こうした問題は、言語の違いだけでなく、社会的な格差や差別とも関わっています。

そのため、言語研究を通して公平な社会を考える際には、言語政策や教育制度、社会的な価値観などについても理解する必要があります。

例えば、複数の言語で行政情報を提供することが、社会参加を支える場合があります。

また、学校教育で家庭の言語や文化を尊重することが、学習者の安心感や学習意欲につながる可能性もあります。

このように、言語と社会の公平性を考えることは、多様な人々が共に暮らす社会のあり方を考えることにつながります。


担当授業|基礎イスパニア語から社会言語学比較研究まで

アロツ准教授の教員紹介資料では、次のような科目が担当授業として紹介されています。

  • 基礎イスパニア語
  • 総合イスパニア語
  • 社会言語学比較研究
  • 演習(西語学)

基礎イスパニア語は、スペイン語の基本的な知識や技能を身につけるための科目です。

スペイン語には、日本語や英語とは異なる発音や文法の特徴があります。

例えば、名詞に男性・女性の区別があり、動詞の形も主語や時制などによって変化します。

こうした基本的な文法や語彙を身につけることで、スペイン語の文章を読み、考えを伝える力を高めていくことができます。

また、総合イスパニア語では、スペイン語を使うためのさまざまな技能を伸ばすことが期待されます。

さらに、社会言語学比較研究では、言語と社会の関係を比較の視点から学ぶことができます。

例えば、スペイン語圏の多言語社会や、言語政策、言語とアイデンティティの関係などは、社会言語学を考えるうえで重要なテーマです。

そして、演習(西語学)では、言語に関する専門的な研究に取り組みます。

このように、スペイン語の基礎学習から、言語と社会の関係、専門的な言語研究へと学びを広げることができます。

なお、担当科目や具体的な授業内容、開講状況は年度によって変更される場合があります。最新のシラバスを確認してください。


ゼミの特色① 社会言語学と外国語教育の論文を読む

アロツ准教授のゼミでは、イスパニア語圏の社会言語学や、第二言語・外国語としてのスペイン語教育をテーマとして取り上げます。

提供されたゼミ紹介情報によると、各学期に関連する論文を読み、考察し、議論を行います。

論文とは、研究者が研究の問いや方法、分析結果などをまとめた文章です。

例えば、少数言語の復興について研究した論文では、ある地域で行われた言語教育の取り組みや、その成果について分析されている場合があります。

また、外国語教育について研究した論文では、学習者がどのような方法で言語を学び、どのような課題に直面しているのかが検討されることがあります。

こうした論文を読むことで、言語研究がどのような問いを立て、どのような方法で進められているのかを学ぶことができます。

また、論文を読む際には、研究結果をそのまま受け入れるだけでなく、研究方法や分析の妥当性について考えることも重要です。

例えば、調査対象となった人々の数や、調査が行われた地域などによって、研究結果の解釈が変わる場合があります。

こうした点を考えながら論文を読むことは、研究を進めるための重要な基礎になります。


ゼミの特色② 議論を通して多様な視点を学ぶ

アロツ准教授のゼミでは、論文を読んだうえで、参加者同士が議論を重ねます。

社会言語学や応用言語学のテーマには、一つの答えだけでは説明できない問題が多くあります。

例えば、少数言語を守るために、学校教育でどの言語を使うべきかという問題があります。

地域の言語を使うことには、文化の継承やアイデンティティの尊重という意義があります。

一方、社会の中で広く使われる言語を学ぶことには、進学や就職などの機会を広げるという利点もあります。

では、どのような教育制度が望ましいのでしょうか。

その答えは、地域の状況や人々の希望、教育制度などによって異なります。

こうした問題について議論することで、自分とは異なる考え方に触れることができます。

また、自分の考えを説明するためには、根拠となる資料や研究成果を示すことが重要です。

議論を通して多様な視点を学ぶことは、社会言語学を研究するうえで大切な経験になります。

社会言語学のゼミで少数言語や外国語教育について議論する大学生のイメージ

ゼミの特色③ 自分の研究テーマを選び、深めていく

アロツ准教授のゼミでは、受講生一人ひとりが、深く学びたいテーマを一つ選んで研究を進めます。

研究テーマを選ぶ際には、まず自分がどのような問題に関心を持っているのかを整理することが重要です。

例えば、少数言語の復興に関心がある場合、特定の地域で行われている言語教育の取り組みについて調べることが考えられます。

また、言語とアイデンティティの関係に関心がある場合、ある地域の人々が、自分たちの言語をどのように捉えているのかを研究することができます。

さらに、外国語教育に関心がある場合、スペイン語学習者がどのような学習方法を使い、どのような困難を感じているのかを調べることも考えられます。

ただし、研究テーマは広すぎると、十分に調べることが難しくなります。

例えば、「少数言語について研究したい」というテーマだけでは、対象となる地域や問題が多すぎるかもしれません。

そこで、特定の言語や地域、教育制度などに対象を絞ることが重要です。

こうした過程を通して、関心のある問題を具体的な研究課題へと発展させていきます。


ゼミの特色④ 研究成果を共有し、卒業論文につなげる

アロツ准教授のゼミでは、学生が研究成果を参加者や教員と共有し、議論を重ねていきます。

そして、こうした積み重ねが、ゼミ論文や卒業論文の作成につながります。

研究成果を共有することには、さまざまな意味があります。

例えば、自分では気づかなかった問題点を、ほかの学生から指摘してもらうことがあります。

また、自分とは異なる研究テーマに取り組む学生の発表を聞くことで、新しい視点を得ることもあります。

さらに、研究内容をわかりやすく説明するためには、問いや方法、分析結果などを整理する必要があります。

こうした経験は、研究を深めるだけでなく、自分の考えを論理的に伝える力を身につけることにもつながります。

卒業論文では、研究テーマについて資料や先行研究を調べ、自分の考えをまとめることが求められます。

社会言語学や応用言語学の研究では、文献を読むだけでなく、調査や分析など、さまざまな方法が使われることがあります。

そのため、研究の目的に応じて、適切な方法を選ぶことが重要です。

ゼミでの学びを通して、言語と社会の関係について、自分自身の問いを深めていくことができます。


スペイン語を学ぶ自分自身の経験も研究につながる

アロツ准教授の研究分野の魅力の一つは、外国語を学ぶ自分自身の経験を、研究のきっかけにできることです。

例えば、スペイン語を学ぶ中で、日本語や英語との違いに気づくことがあるかもしれません。

また、発音や文法を覚えることに難しさを感じることもあるでしょう。

さらに、学習を続ける中で、やる気が高まったり、反対に学習意欲が低下したりすることもあるかもしれません。

こうした経験は、外国語教育について考えるための手がかりになります。

例えば、どのような授業が学習者の理解を助けるのか、どのような活動が学習意欲につながるのかといった問いを考えることができます。

また、外国語を学ぶ目的は、人によって異なります。

旅行や趣味のために学ぶ人もいれば、将来の仕事や研究のために学ぶ人もいます。

こうした違いを理解することは、学習者の多様性を考えるうえでも重要です。

ただし、自分自身の経験だけで、外国語教育全体について結論を出すことはできません。

研究では、先行研究や調査結果などを踏まえて考える必要があります。

自分の経験から生まれた疑問を、学問的な問いへと発展させることが、大学での学びの面白さと言えるでしょう。


高校生のうちからできる社会言語学の学び

アロツ准教授の研究分野に関心がある高校生の皆さんは、まず身近な言語の違いに注目してみましょう。

例えば、日本語の方言や、地域による言葉の違いについて調べることができます。

また、学校で学ぶ英語と、実際の会話で使われる英語の違いについて考えることもできます。

さらに、スペインやラテンアメリカの多言語社会について調べることで、言語と社会の関係を理解することができます。

例えば、次のような問いを考えてみましょう。

  • なぜ地域によって使われる言語や方言が異なるのか
  • 言語は、人々のアイデンティティとどのように結びついているのか
  • 少数言語の話者が減少する背景には、どのような社会的な要因があるのか
  • 少数言語を次の世代へと受け継ぐためには、どのような教育が必要なのか
  • スペイン国内では、スペイン語と地域言語がどのように共存しているのか
  • ラテンアメリカの先住民言語は、社会の中でどのような役割を持っているのか
  • 外国語教育では、学習者の多様性をどのように尊重すればよいのか

こうした問いについて調べる際には、学校の授業で学んだ内容や、書籍、研究機関などが公開している資料を活用してみましょう。

また、身近な人との会話や、自分自身の外国語学習の経験を振り返ることもおすすめです。

ただし、言語の使用状況や人々の意識について考える際には、自分の経験だけで判断しないことが重要です。

地域や世代、社会的な背景によって、言語の使われ方や価値観は異なります。

そのため、複数の資料や視点を踏まえて考えることが大切です。


推薦入試を目指す高校生へ|言語への関心を志望理由につなげよう

上智大学外国語学部イスパニア語学科の推薦入試を考えている皆さんは、なぜスペイン語を学びたいのか、そしてスペイン語を使って何を研究したいのかを整理してみましょう。

例えば、学校で英語を学ぶ中で、外国語教育の方法に疑問を持った経験があるかもしれません。

また、地域の方言や少数言語について調べる中で、言語とアイデンティティの関係に関心を持った人もいるでしょう。

さらに、スペインやラテンアメリカの多言語社会について知り、言語の多様性に興味を持った人もいるかもしれません。

こうした経験や関心を志望理由につなげる際には、単に「スペイン語を話せるようになりたい」という目標だけでなく、大学で何を学びたいのかを具体的に考えることが重要です。

例えば、「スペイン語を学び、スペイン国内の少数言語の復興について研究し、言語とアイデンティティの関係を理解したい」という目標が考えられます。

また、「ラテンアメリカの先住民言語と教育制度の関係について学び、多言語社会における公平な教育のあり方を考えたい」という関心も考えられます。

さらに、「外国語学習の経験を通して、学習者の多様性を尊重した外国語教育のあり方を研究したい」という目標も考えられます。

そのうえで、なぜ外国語学部イスパニア語学科で学びたいのかを説明できるようにしましょう。

例えば、「スペイン語を身につけ、スペインやラテンアメリカの多言語社会について、現地の資料や研究成果を通して理解したい」という目標が考えられます。

また、アロツ准教授の研究分野に関心がある場合でも、イスパニア語学科全体の教育内容について理解しておくことが重要です。

スペイン語の学習と社会言語学の研究をどのように結びつけたいのか、大学のカリキュラムや授業内容を調べながら考えてみましょう。

なお、特定の教員の研究分野に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではありません。また、入学後に希望するゼミや科目を必ず履修できるとは限りません。

出願資格や選考方法、提出書類、面接の実施内容などについては、必ず対象年度の最新の入学試験要項を確認してください。

上智大学イスパニア語学科の推薦入試に向けて少数言語と社会言語学への志望理由を考える高校生のイメージ

まとめ|言語を通して多様で公平な社会を考える

アロツ アインゲル准教授は、社会言語学と応用言語学を専門とし、言語とアイデンティティの関係や、少数言語の復興、外国語教育のあり方について研究する研究者です。

特に、言語と社会の関係を通して、多様で公平な社会づくりに言語研究がどのように貢献できるのかという問題に関心を持っています。

担当科目には、基礎イスパニア語、総合イスパニア語、社会言語学比較研究、演習(西語学)などが含まれています。

ゼミでは、イスパニア語圏の社会言語学や、第二言語・外国語としてのスペイン語教育について、論文を読み、考察し、議論を重ねます。

そして、学生が自分で選んだ研究テーマについて探究を進め、ゼミ論文や卒業論文の作成につなげていきます。

言語は、私たちの生活や文化、アイデンティティと深く関わっています。

また、どの言語を使うのかという問題は、教育や社会参加の機会にも影響する場合があります。

少数言語の復興や外国語教育について研究することは、言語の多様性を理解し、人々が互いの違いを尊重しながら暮らす社会について考えることにつながります。

社会言語学に関心がある方、少数言語の復興について研究したい方、外国語教育のあり方を考えたい方は、アロツ准教授の研究分野をきっかけに、上智大学外国語学部イスパニア語学科で学べる内容について調べてみてはいかがでしょうか。

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※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目・ゼミの活動内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。