上智大学外国語学部イスパニア語学科でラテンアメリカの社会問題や地域研究を学ぶ大学生のイメージ

上智大学 外国語学部 イスパニア語学科|「辺境」から社会を見直す!幡谷則子教授のコロンビア・フィールドワーク

目次

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部イスパニア語学科の幡谷則子教授についてご紹介します。

皆さんは、ある国の社会について知りたいと思ったとき、どこに注目しますか。

首都の高層ビルや大企業、経済成長率、政治家の発言などを思い浮かべる人も多いかもしれません。

しかし、国の中心部だけを見ていては、その社会のすべてを理解することはできません。

例えば、都市の周辺で暮らす人々、農村部の住民、開発事業によって生活環境が変化した地域の人々など、社会の中心からは見えにくい場所にも、重要な問題が存在しています。

こうした人々の暮らしや声に目を向けることで、その国の歴史や政治、経済の仕組みが違った形で見えてくることがあります。

上智大学外国語学部イスパニア語学科の幡谷則子教授は、ラテンアメリカの都市社会学、社会運動、連帯経済を専門とし、南米コロンビアでのフィールドワークを通して現代社会の問題を研究しています。

幡谷教授のゼミで大切にされているのが、「辺境からその国の社会史を見直す」という視点です。

今回は、幡谷教授の研究内容や担当授業、ゼミの特色を通して、社会の周縁に置かれた人々の視点から世界を理解することの重要性をご紹介します。

上智大学の推薦入試を目指す高校生の皆さんは、志望理由書や面接対策の参考にしてください。


幡谷則子教授のプロフィール|ラテンアメリカの社会問題を研究

幡谷則子教授は、上智大学外国語学部イスパニア語学科に所属する教授です。

主な専門分野は、ラテンアメリカ都市社会学、社会運動、連帯経済です。

南米コロンビアのさまざまな地域でフィールドワークを続けながら、現代ラテンアメリカ社会について研究しています。

ラテンアメリカには、メキシコやコロンビア、ペルー、アルゼンチン、ブラジルなど、多くの国々があります。

これらの国々には、それぞれ異なる歴史や文化がありますが、都市化や経済格差、貧困、開発など、共通する社会問題も存在しています。

幡谷教授の研究で注目したいのは、こうした問題を、社会の中心にいる人々の視点だけでなく、生活環境や人権が脅かされている人々の立場から考えている点です。

また、現在の問題を理解するために、歴史的な背景や、ほかの地域との関係についても調べています。

社会問題を単独の出来事として捉えるのではなく、政治や経済、歴史、地域社会とのつながりの中で理解しようとする研究です。


「辺境から社会を見直す」とはどういうこと?

幡谷教授のゼミの基本的な視点として紹介されているのが、「辺境からその国の社会史を見直す」という考え方です。

「辺境」と聞くと、国の中心から遠く離れた地域を想像するかもしれません。

しかし、ここで考えたいのは、単に地理的に遠い場所だけではありません。

政治や経済の中心から距離があり、社会の中で声が届きにくい人々や地域も、重要な研究対象になります。

例えば、首都では経済成長が進んでいても、地方の農村では生活の改善が十分に進んでいない場合があります。

また、大規模な開発事業によって利益を得る企業や地域がある一方、土地や生活環境に影響を受ける住民が存在することもあります。

こうした状況を理解するためには、国全体の統計や政策だけでなく、実際に暮らしている人々の経験について知る必要があります。

さらに、その地域がなぜ現在のような状況になったのかを考えるためには、歴史をさかのぼることも重要です。

例えば、土地所有の仕組みや政治的な対立、経済政策などが、長い時間をかけて地域社会に影響を与えている場合があります。

「辺境から社会を見直す」とは、中心からは見えにくい場所に注目することで、社会全体の仕組みを理解し直そうとする視点だと考えられます。


研究内容① 都市社会学からラテンアメリカの暮らしを考える

幡谷教授の専門分野の一つが、ラテンアメリカ都市社会学です。

都市社会学とは、都市に暮らす人々の生活や社会関係、地域の特徴、都市が抱える問題などを研究する学問です。

例えば、都市には住宅や交通、教育、医療、雇用など、さまざまな問題があります。

また、都市の中でも、地域によって生活環境や公共サービスへのアクセスが異なる場合があります。

例えば、ある地域では交通機関や学校、病院などが充実している一方、別の地域では十分なサービスを利用できないことがあります。

こうした違いは、住民の所得や居住環境、都市政策などと関わっています。

ラテンアメリカの都市でも、経済格差や住宅問題、都市周辺部の生活環境などが重要な研究テーマになっています。

都市社会学では、こうした問題を統計だけでなく、地域の歴史や住民の生活、社会関係などから考えることができます。

また、都市の問題は、地方から都市への人口移動や、国際的な経済の変化などとも関わっています。

そのため、都市を研究することは、社会全体の仕組みを理解することにもつながります。


研究内容② グローバル資本と地域社会の関係

幡谷教授の研究では、中央の権力やグローバル資本によって、生活環境や人権が脅かされている人々やコミュニティに注目しています。

グローバル資本とは、国境を越えて投資や事業活動を行う資本を指す言葉として使われます。

例えば、海外の企業が、ある国で工場を建設したり、鉱山を開発したり、大規模な農業事業に投資したりすることがあります。

こうした投資は、雇用の創出や産業の発展につながる可能性があります。

一方、事業の内容によっては、地域住民の生活環境や土地利用に大きな影響を与える場合もあります。

例えば、大規模な開発事業によって、住民が長年利用してきた土地や水資源の使い方が変わることがあります。

また、企業活動によって利益を得る人々と、生活環境に影響を受ける人々が異なる場合もあります。

そのため、開発の影響を考える際には、経済成長や投資額だけでなく、地域社会への影響にも目を向ける必要があります。

重要なのは、開発を一方的に良いもの、悪いものと決めつけることではありません。

誰が利益を得て、誰が負担を引き受けているのかを丁寧に調べることです。

こうした視点は、開発と人権の関係を考えるうえでも重要です。


研究内容③ 開発によって生活を脅かされる人々

経済開発は、国や地域の発展にとって重要な役割を果たすことがあります。

例えば、道路や鉄道、発電施設などが整備されることで、人々の生活が便利になる場合があります。

また、新しい工場や企業が進出することで、雇用が生まれることもあります。

しかし、開発事業によって、すべての人々が同じような利益を得られるとは限りません。

例えば、道路やダムなどの建設に伴い、住民が移転を求められる場合があります。

また、鉱山開発や大規模な農業事業によって、地域の自然環境や水資源に影響が生じることもあります。

こうした問題を考える際には、開発の目的や経済的な効果だけでなく、住民の生活や権利についても理解する必要があります。

例えば、開発計画について、住民が十分な説明を受けているのか、意見を伝える機会があるのかといった問題です。

また、開発によって生活環境が変化する場合、どのような支援や補償が必要なのかを考えることも重要です。

こうした問題は、ラテンアメリカだけでなく、日本を含む世界各地で考えるべきテーマです。

開発と人権の関係を学ぶことは、経済発展の意味を多角的に考えることにつながります。


研究内容④ 社会運動はどのように生まれるのか

幡谷教授の専門分野には、社会運動も含まれています。

社会運動とは、社会の問題を改善したり、制度や政策の変更を求めたりするために、人々が集まって行動することを指します。

例えば、労働環境の改善を求める運動や、環境保護を求める運動、人権の保障を求める運動などがあります。

また、地域の開発計画について、住民が意見を表明する活動も、社会運動の一つとして考えられる場合があります。

では、なぜ人々は社会運動に参加するのでしょうか。

例えば、自分たちの生活環境が脅かされていると感じたときに、問題を改善するために行動することがあります。

また、政治や行政に対して、自分たちの意見が十分に反映されていないと感じる場合もあります。

さらに、同じ問題を抱える人々がつながることで、社会運動が広がることもあります。

社会運動を研究する際には、運動の目的だけでなく、参加する人々の背景や、社会の歴史、政治制度などについて理解することが重要です。

また、運動がどのような成果を生み出したのか、どのような課題を抱えているのかについても考える必要があります。

こうした研究は、人々が社会の変化にどのように関わっているのかを理解することにつながります。

ラテンアメリカの地域社会や社会運動について資料を調べる大学生のイメージ

研究内容⑤ 連帯経済とは?助け合いから経済を考える

幡谷教授の専門分野の一つに、連帯経済があります。

連帯経済とは、利益の最大化だけを目的とするのではなく、人々の協力や助け合い、地域社会の持続可能性などを重視する経済活動を考える概念です。

例えば、協同組合や地域の助け合いの仕組みなどが、連帯経済に関わる取り組みとして考えられます。

協同組合とは、共通の目的を持つ人々が協力し、事業や活動を行う組織です。

例えば、生産者が協力して商品を販売したり、地域住民が共同で生活に必要なサービスを運営したりする場合があります。

こうした取り組みでは、利益を得ることだけでなく、参加する人々の生活や地域社会への貢献なども重要な目的になります。

また、地域の中で資源や知識を共有することで、個人だけでは解決しにくい問題に取り組める場合があります。

ただし、連帯経済にも、資金の確保や運営の継続、参加者の意見調整など、さまざまな課題があります。

そのため、連帯経済を研究する際には、理念だけでなく、実際にどのような仕組みで運営されているのかを理解することが重要です。

連帯経済を学ぶことは、経済活動の目的や、地域社会のあり方について考えるきっかけになります。


なぜコロンビアでフィールドワークを行うのか

幡谷教授は、南米コロンビアのさまざまな地域でフィールドワークを続けています。

フィールドワークとは、研究対象となる地域や現場に足を運び、実際の状況を観察したり、人々から話を聞いたりして、情報を集める研究方法です。

例えば、ある地域の生活環境について研究する場合、統計や行政資料だけでは、住民の日常生活を十分に理解できないことがあります。

そのため、現地を訪れ、地域の様子を観察したり、住民の経験について話を聞いたりすることが重要になります。

また、地域の歴史や社会関係について理解するためには、長い時間をかけて調査を続けることが必要になる場合もあります。

コロンビアは、アンデス山脈やカリブ海沿岸、太平洋沿岸、アマゾン地域など、多様な自然環境を持つ国です。

また、都市部と農村部では、生活環境や社会的な課題が異なる場合があります。

さらに、コロンビアでは、長年にわたる国内紛争や、土地をめぐる問題などが社会に大きな影響を与えてきました。

こうした背景を理解することは、現在の地域社会の状況について考えるうえでも重要です。

幡谷教授は、コロンビアでのフィールドワークを通して、現地の人々の生活や社会の変化について研究しています。

現場で得られた知見を授業に生かしていることも、研究と教育を結びつける重要な特徴です。


フィールドワークで大切なのは「人々の声を聞くこと」

フィールドワークでは、現地に行くだけで研究が完成するわけではありません。

重要なのは、何を明らかにしたいのかという研究の問いを持ち、現場で得られた情報を丁寧に考察することです。

例えば、ある地域の住民が、開発事業についてどのように考えているのかを調べる場合を考えてみましょう。

住民の中には、開発によって雇用が増えることを期待する人もいるかもしれません。

一方、生活環境への影響を心配する人もいるでしょう。

また、同じ地域に暮らしていても、年齢や職業、生活状況などによって、意見が異なる場合があります。

そのため、フィールドワークでは、一人の意見だけで地域全体を説明しないことが重要です。

また、調査に協力してくれる人々のプライバシーや尊厳を尊重する必要があります。

例えば、聞き取り調査を行う場合には、調査の目的を説明し、協力者の同意を得ることが大切です。

さらに、研究者自身の立場や先入観が、調査や解釈に影響を与える可能性についても考える必要があります。

こうした姿勢は、社会問題を研究する際に欠かせません。


コロンビアの歴史から現代社会を理解する

現代のコロンビア社会について理解するためには、歴史的な背景についても学ぶ必要があります。

コロンビアでは、長年にわたり、政府と武装勢力などの間で紛争が続いてきました。

こうした紛争は、多くの人々の生活に影響を与え、国内避難や土地をめぐる問題などにつながってきました。

2016年には、コロンビア政府と主要な左翼ゲリラ組織であるFARCとの間で和平合意が成立しました。

しかし、和平合意が成立した後も、地域によっては暴力や土地をめぐる問題などが続いています。

そのため、コロンビアの現代社会を理解する際には、紛争の歴史や、地域ごとの社会的な状況について考えることが重要です。

また、土地所有や農村開発、都市への人口移動などの問題も、歴史的な背景と関わっています。

こうした問題を理解することで、現在の社会がどのように形成されてきたのかを考えることができます。

幡谷教授の研究姿勢にも、現在の問題を歴史的な過程や地域間の関係の中で理解しようとする特徴があります。


ラテンアメリカの社会問題は日本ともつながっている

幡谷教授は、ラテンアメリカの社会問題を学ぶことが、日本社会を見つめ直すことにもつながると考えています。

例えば、日本でも、都市と地方の格差や、地域の人口減少、公共サービスの維持などが課題になっています。

また、大規模な開発事業と地域住民の生活との関係について、議論が行われることもあります。

さらに、外国にルーツを持つ人々の生活や、社会の中で声が届きにくい人々の問題について考えることも重要です。

こうした問題は、ラテンアメリカの社会問題と完全に同じではありません。

それぞれの国や地域には、異なる歴史や社会制度があります。

しかし、問題の背景や仕組みを比較することで、共通する課題や異なる特徴が見えてくることがあります。

例えば、ある地域で住民が協力して生活環境を改善する取り組みが行われている場合、日本の地域活動と比較することができます。

また、開発事業に対する住民の参加のあり方について、国ごとの違いを考えることもできます。

このように、ラテンアメリカを学ぶことは、日本社会の問題について新しい視点を得ることにもつながります。


担当授業|ラテンアメリカの現代史と政治社会を学ぶ

幡谷教授の教員紹介資料では、次のような科目が担当授業として紹介されています。

  • 基礎イスパニア語
  • ラ米現代史概論
  • ラ米政治社会特論A・B
  • 演習(ラ米社会研究)

基礎イスパニア語では、スペイン語の基本的な文法や語彙、発音などを学びます。

スペイン語の基礎を身につけることで、ラテンアメリカのニュースや資料、現地の人々の言葉を理解するための土台を築くことができます。

また、ラ米現代史概論では、ラテンアメリカの現代史について学ぶことができます。

「ラ米」とは、ラテンアメリカの略です。

ラテンアメリカの社会問題を理解するためには、植民地支配や独立、政治体制の変化、経済政策などの歴史的な背景について知ることが重要です。

さらに、ラ米政治社会特論A・Bでは、政治や社会に関する専門的な問題について学ぶことが期待されます。

そして、演習(ラ米社会研究)では、ラテンアメリカの社会問題について専門的な研究に取り組みます。

このように、スペイン語の学習と並行して、ラテンアメリカの歴史や政治、社会について深く学ぶことができます。

なお、担当科目や具体的な授業内容、開講状況は年度によって変更される場合があります。最新のシラバスを確認してください。


ゼミの特色① 「辺境から社会史を見直す」視点を学ぶ

幡谷教授のゼミ(ラ米社会研究)では、「辺境からその国の社会史を見直す」という視点を大切にしています。

ラテンアメリカ諸国の現代の社会問題と、その成り立ちを理解することが目指されています。

例えば、ある地域で貧困や格差が問題になっている場合、その原因を現在の経済状況だけで説明することは難しいかもしれません。

土地所有の歴史や、政治制度、産業構造、開発政策など、さまざまな要因が関わっている可能性があります。

そのため、現在の問題を理解するためには、歴史をさかのぼることが重要です。

また、社会の中心にいる人々だけでなく、周縁に置かれた人々の経験について知る必要があります。

こうした視点から社会を研究することで、国全体の統計や政策だけでは見えにくい問題を理解することができます。

幡谷教授のゼミでは、こうした研究の視点を身につけることが重要な目標になっています。


ゼミの特色② 社会から排除された人々や開発の矛盾を考える

幡谷教授のゼミでは、社会から排除された人々や、開発に伴う矛盾などを取り上げた論文を読みます。

社会から排除されるとは、経済的な事情や社会制度、差別などによって、社会のさまざまな機会に十分に参加できない状況を指すことがあります。

例えば、教育や医療、雇用などの機会を十分に得られない人々が存在する場合があります。

また、開発事業によって利益を得る人々がいる一方、生活環境に影響を受ける人々が存在することもあります。

こうした問題を理解するためには、政策や制度の目的だけでなく、実際にどのような影響が生じているのかを調べる必要があります。

さらに、既存の開発政策や権力構造について、批判的に考えることも重要です。

ここでいう批判的に考えるとは、単に否定することではありません。

政策や制度の目的、効果、問題点などを、さまざまな資料や視点から検討することです。

例えば、ある開発事業が経済成長に貢献している場合でも、地域住民の生活や権利にどのような影響を与えているのかを考える必要があります。

こうした学びを通して、社会問題を多角的に分析する力を養うことができます。


ゼミの特色③ データベース検索や先行研究の探し方を学ぶ

幡谷教授のゼミでは、春学期の早い時期に、データベースの検索方法や先行研究の探し方を学ぶ回が設けられていると紹介されています。

大学で研究を進める際には、自分の関心だけでテーマを決めるのではなく、関連する研究について調べることが重要です。

先行研究とは、自分が研究しようとしているテーマについて、これまでに行われてきた研究のことです。

例えば、コロンビアの都市問題について研究したい場合、まず関連する論文や書籍を調べる必要があります。

また、研究者がどのような問いを立て、どのような方法で分析しているのかを理解することも重要です。

さらに、統計や政府の資料、国際機関の報告書などを活用することもあります。

こうした資料を探すためには、大学の図書館や学術データベースなどを使うことができます。

また、スペイン語や英語の資料を調べることで、日本語だけでは得られない情報に触れることもできます。

このように、研究の基礎となる資料の探し方を学ぶことは、卒業論文やゼミ論文に取り組むうえで重要です。


ゼミの特色④ 国内フィールドワークを兼ねたゼミ合宿

幡谷教授のゼミでは、可能な限り年に1回、国内でのフィールドワークを兼ねたゼミ合宿が行われると紹介されています。

この合宿では、日本社会の問題について学ぶことで、ラテンアメリカの社会問題を考えるための視点を養うことが目指されています。

例えば、日本の地域社会でも、人口減少や高齢化、地域経済の衰退、公共サービスの維持など、さまざまな課題があります。

また、地域の人々が協力して、生活環境の改善や地域づくりに取り組んでいる場合もあります。

こうした現場を訪れ、実際の状況について学ぶことで、教科書や資料だけでは得られない知見を得ることができます。

さらに、日本の地域社会の問題を知ることは、ラテンアメリカの社会問題について考える際にも役立ちます。

例えば、地域住民の参加や、開発と生活環境の関係、地域の助け合いの仕組みなどについて比較することができます。

ただし、日本とラテンアメリカでは、歴史や社会制度が異なります。

そのため、単純に同じ問題として扱うのではなく、共通点と違いを丁寧に考えることが重要です。

国内フィールドワークを通して日本社会を学び、その経験をラテンアメリカ研究につなげることは、地域研究の視野を広げることにもつながります。

なお、ゼミ合宿の実施状況や内容は年度によって異なる場合があります。最新の案内を確認してください。

地域社会の課題についてフィールドワークを行い調査する大学生のイメージ

ゼミで考えられるラテンアメリカ社会研究のテーマ

ラテンアメリカの社会研究では、さまざまなテーマについて考えることができます。

例えば、次のような研究テーマが考えられます。

  • コロンビアの都市化と地域社会の変化
  • ラテンアメリカの都市における住宅問題
  • 開発事業と地域住民の生活環境
  • ラテンアメリカの社会運動と住民参加
  • 協同組合や連帯経済の取り組み
  • 都市と農村の経済格差
  • 国内紛争や避難民と地域社会の関係
  • ラテンアメリカと日本の地域社会の比較

これらは、ラテンアメリカ社会研究で考えられるテーマの例です。

実際に幡谷教授のゼミで扱う研究テーマや指導内容については、最新のゼミ紹介や担当教員への確認が必要です。

重要なのは、社会問題について関心を持つだけでなく、なぜその問題が生じているのかを考えることです。

例えば、ある地域で住宅問題が深刻になっている場合、人口移動や都市政策、所得格差など、さまざまな要因が関わっている可能性があります。

また、地域住民がどのように問題に向き合い、どのような取り組みを行っているのかを調べることも重要です。

こうした視点から研究を進めることで、社会問題をより深く理解することができます。


高校生のうちからできるラテンアメリカ社会の学び

幡谷教授の研究分野に関心がある高校生の皆さんは、まず身近な社会問題について考えることから始めてみましょう。

例えば、ニュースやドキュメンタリーを通して、貧困や格差、人権、環境問題などについて調べることができます。

また、地域のボランティア活動や、まちづくりに関する取り組みに参加することも、社会問題について考えるきっかけになります。

さらに、ラテンアメリカの国々について調べ、日本との共通点や違いを考えることもおすすめです。

例えば、次のような問いを考えてみましょう。

  • なぜ都市の中で生活環境に大きな差が生まれるのか
  • 経済開発によって利益を得る人と、不利益を受ける人はどのように異なるのか
  • 地域住民は、開発政策に対してどのように意見を伝えることができるのか
  • 社会運動は、どのような背景から生まれるのか
  • 協同組合や地域の助け合いは、どのような役割を果たしているのか
  • コロンビアの歴史は、現在の社会問題にどのような影響を与えているのか
  • ラテンアメリカの社会問題と日本の地域課題には、どのような共通点や違いがあるのか

こうした問いについて調べる際には、新聞記事だけでなく、政府機関や国際機関、研究機関などが公開している資料を活用してみましょう。

また、複数の立場から情報を集めることも重要です。

例えば、開発事業について調べる場合、政府や企業の説明だけでなく、地域住民の意見や、研究者による分析なども確認することが大切です。

こうした学びを通して、社会問題を多角的に考える力を身につけることができます。


推薦入試を目指す高校生へ|社会問題への関心を志望理由につなげよう

上智大学外国語学部イスパニア語学科の推薦入試を考えている皆さんは、なぜスペイン語を学びたいのか、そしてスペイン語を使って何を研究したいのかを整理してみましょう。

例えば、貧困や格差、人権問題に関するニュースを見て、社会の仕組みに疑問を持った経験があるかもしれません。

また、地域のボランティア活動や、まちづくりに関する取り組みに参加した人もいるでしょう。

さらに、開発や経済成長の陰で取り残される人々について関心を持った経験がある人もいるかもしれません。

こうした経験や関心を志望理由につなげる際には、単に「ラテンアメリカに興味がある」という気持ちだけでなく、大学で何を学びたいのかを具体的に考えることが重要です。

例えば、「スペイン語を学び、コロンビアの都市社会や地域住民の生活について研究したい」という目標が考えられます。

また、「ラテンアメリカの社会運動や連帯経済について学び、人々が協力して地域の課題を解決する仕組みを理解したい」という関心も考えられます。

さらに、「開発と人権の関係について研究し、経済成長が地域社会に与える影響を考えたい」という目標も考えられます。

そのうえで、なぜ外国語学部イスパニア語学科で学びたいのかを説明できるようにしましょう。

例えば、「スペイン語を身につけ、ラテンアメリカの社会問題について現地の資料や人々の視点から理解しながら、地域社会のあり方について研究したい」という目標が考えられます。

また、幡谷教授の研究分野に関心がある場合でも、イスパニア語学科全体の教育内容について理解しておくことが重要です。

スペイン語の学習とラテンアメリカ社会研究をどのように結びつけたいのか、大学のカリキュラムや授業内容を調べながら考えてみましょう。

なお、特定の教員の研究分野に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではありません。また、入学後に希望するゼミや科目を必ず履修できるとは限りません。

出願資格や選考方法、提出書類、面接の実施内容などについては、必ず対象年度の最新の入学試験要項を確認してください。


まとめ|社会の周縁から世界を見つめ直す

幡谷則子教授は、ラテンアメリカ都市社会学、社会運動、連帯経済を専門とし、南米コロンビアでのフィールドワークを通して、現代ラテンアメリカ社会について研究する研究者です。

特に、中央の権力やグローバル資本によって、生活環境や人権が脅かされている人々やコミュニティに注目しています。

また、現在の問題を理解するために、歴史的な背景や、ほかの地域との関係についても研究しています。

担当科目には、基礎イスパニア語、ラ米現代史概論、ラ米政治社会特論A・B、演習(ラ米社会研究)などが含まれています。

ゼミでは、「辺境からその国の社会史を見直す」という視点を大切にし、ラテンアメリカの社会問題について研究します。

また、春学期には、データベースの検索方法や先行研究の探し方を学ぶ機会が設けられています。

さらに、可能な限り年に1回、国内でのフィールドワークを兼ねたゼミ合宿が行われ、日本社会の問題について学ぶことも重視されています。

ラテンアメリカの社会問題を研究することは、遠い国の出来事について知るだけではありません。

社会の中心からは見えにくい人々の暮らしや声に目を向けることで、私たち自身の社会について考えるきっかけにもなります。

社会問題や人権に関心がある方、地域研究やフィールドワークに興味がある方、開発や経済成長と人々の生活の関係について研究したい方は、幡谷教授の研究分野をきっかけに、上智大学外国語学部イスパニア語学科で学べる内容について調べてみてはいかがでしょうか。

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※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目・ゼミの活動内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。