上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|谷貝剛教授の超電導・低炭素電力システム研究とは

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 機能創造理工学科の谷貝剛教授と、超電導を活用した低炭素電力システムの研究」です。

「電気をできるだけ損失なく運んだり、大量に蓄えたりすることはできないのだろうか」。そんなエネルギーに関する問いと深く関係しているのが、谷貝剛教授の研究です。超電導という物理現象を電力システムへ応用し、再生可能エネルギーや水素などとも組み合わせながら、新しいエネルギーシステムを研究しています。


谷貝剛教授はどんな研究者?

谷貝剛教授は、上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属しています。上智大学公式サイトでは、主な研究テーマとして「超電導を用いた低炭素電力システム、直流送配電工学」が掲げられています。

東北大学で学士、修士、博士(工学)の学位を取得しており、研究キーワードには「液体水素冷却超電導電力機器」「超電導大型応用」が挙げられています。

近年の研究活動では、超電導、電力システム、電力貯蔵、直流送電、自然エネルギー、EV急速充電、強磁場マグネットなど、幅広いテーマが扱われています。物理現象としての超電導を理解するだけでなく、それを社会で利用する電力技術へとつなげている点が特徴です。


そもそも「超電導」とは?

超電導とは、ある物質を非常に低い温度まで冷却したとき、電気抵抗がゼロになる現象です。

普段使っている電線には電気抵抗があるため、電流を流すと一部のエネルギーが熱として失われます。一方、超電導状態では電気抵抗がなくなるため、大きな電流を扱う技術への応用が研究されています。

超電導体でコイルをつくり電流を流すと、強力な磁場をつくることもできます。実際に超電導は、大型マグネットをはじめ、さまざまな分野で応用研究が進められている技術です。

高校の物理で学ぶ電流、電圧、抵抗、磁場といった内容が、大学では材料の性質や極低温の物理、電力工学などと結びつき、より大きなシステムへと発展していきます。


液体水素と超電導を組み合わせる

谷貝教授の現在の主要な研究テーマの一つが、再生可能エネルギー由来の電力を安定化するための、液体水素とMgB2(二ホウ化マグネシウム)超電導体を用いた電力貯蔵装置です。

太陽光や風力による発電は、天候などによって発電量が変化します。そのため、つくった電力と使う電力のバランスをどのように調整するかが重要な研究課題になります。

谷貝教授が注目しているのが、超電導コイルを利用して電気エネルギーを磁気エネルギーとして蓄える技術です。さらに、その超電導体を冷却するために「液体水素」を利用する研究を進めています。

液体水素は約マイナス253度という非常に低い温度を持っています。この低温を超電導機器の冷却に利用しながら、水素の冷熱や蒸発ガスもエネルギーシステムに取り入れるという考え方が、上智大学の研究紹介で示されています。

つまり、水素を単にエネルギー源として見るのではなく、その「冷たさ」まで有効利用しようという発想です。


MgB2超電導体を大型電力機器へ

谷貝教授の研究では、MgB2という超電導材料も重要な役割を持っています。MgB2は二ホウ化マグネシウムという物質で、超電導大型応用に向けた研究が進められている材料の一つです。

谷貝教授らは、大型の超電導磁気エネルギー貯蔵装置への応用を見据え、大電流を扱うMgB2導体の研究にも取り組んできました。この研究成果は、低温工学・超電導学会の論文賞にも選ばれています。

大学での研究では、「超電導という面白い現象がある」で終わるのではありません。その材料をどのような形にすれば大きな電流を流せるのか、装置として安定して使うにはどのような設計が必要なのかまで考えていきます。

基礎的な物理現象と、実際の電力機器をつくる工学がつながっている研究分野だといえるでしょう。


直流送電やEV急速充電にも広がる研究

谷貝教授の研究は、電力貯蔵だけにとどまりません。近年の研究では、直流送電やEVの急速充電に関係する超電導技術も扱われています。

たとえば、太陽光発電で得られた電力をEVの急速充電に利用することを想定し、超電導を用いたDC-DCコンバータの研究が行われています。DC-DCコンバータとは、直流電圧を別の大きさの直流電圧へ変換する装置です。

また、液体水素を運ぶパイプラインと大電流の直流送電を組み合わせる研究も進められています。エネルギーを「つくる」だけではなく、「蓄える」「変換する」「運ぶ」という一連の流れを考えることが、電力工学では重要になります。


高校の物理からエネルギーシステムへ

谷貝教授の研究は、高校で学ぶ物理とのつながりを考えやすいテーマでもあります。

電流や電圧、抵抗、電力、磁場について学んだとき、「送電するときに電力が失われるのはなぜだろう」「抵抗が本当にゼロになったら何ができるのだろう」と考えてみると、超電導研究への入口になります。

さらに、ニュースで太陽光発電、水素、EVなどについて知ったことをきっかけに、「電気はどのように蓄えればよいのか」「発電量が変化する再生可能エネルギーをどう利用するのか」と問いを広げることもできます。

上智大学 理工学部 機能創造理工学科は、機械工学、電気・電子工学、物理学を融合的に学ぶ学科です。谷貝教授の研究は、物理現象の理解から材料、電力機器、エネルギーシステムへと発展していく、機能創造理工学科らしい研究テーマの一つといえます。


推薦入試に向けて研究テーマをどう見る?

推薦入試を考えるとき、「環境問題に興味があります」「再生可能エネルギーを研究したいです」という言葉だけでは、自分が本当に知りたいことが十分に見えてこない場合があります。

たとえば、「再生可能エネルギーはなぜ電力を安定して供給することが難しいのか」「水素の低温を別の技術に利用できるのはなぜか」「超電導によって電力の蓄え方や運び方はどう変わるのか」と、一つずつ問いを具体化してみましょう。

高校生の段階で超電導工学について詳しく理解している必要はありません。授業やニュースで知ったことから疑問を持ち、調べる中で新しい問いを見つけ、自分が大学でさらに学びたいことへつなげていくことが大切です。


身近な「電気」から未来のエネルギーを考えてみよう

谷貝剛教授の研究は、超電導という物理現象を出発点に、電力貯蔵、液体水素、直流送電、自然エネルギーなどへと広がっています。

普段はコンセントから当たり前のように使っている電気も、「どのようにつくるのか」「どう蓄えるのか」「どう運ぶのか」という視点で見ると、多くの研究課題が隠れています。

まずは身近な電気やエネルギーについて、「なぜこの仕組みになっているのだろう」と考えてみてください。そこから、自分の興味と上智大学 理工学部 機能創造理工学科での学びとの接点が見つかるかもしれません。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した 上智大学合格プロジェクト を完全定員制(先着10名限定)にて設け、専門性の高い個別サポートを行っています。


限られた時間の中でも本気で上智大学合格を掴み取りたい方は、今すぐ 無料個別相談会 にお申し込みください。



※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。