上智大学の教員データベースREDB活用法|論文・著書のタイトルから教員の研究視点を読み解く方法

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、
「上智大学の教員データベースREDBで論文・著書のタイトルから教員の研究視点を読み解く方法」です。

上智大学の教員データベースREDBで気になる教員を見つけた後、論文や著書が数多く並んでいるのを見て、戸惑ってしまう受験生は少なくありません。

「掲載されている論文を全部読まなければいけないのかな」「専門的なタイトルばかりで、自分に理解できるか不安」と感じることもあるでしょう。

しかし、高校生が最初から難しい論文や専門書をすべて読む必要はありません。まずは論文や著書のタイトルを観察するだけでも、その教員が何を研究し、どのような視点を大切にしているのかを知る手がかりになります。

今回は、上智大学の全学部・全学科を志望する高校生に向けて、REDBの出版物リストを無理なく読み解く方法を紹介します。


上智大学の教員データベースREDBとは

REDBの正式名称は、上智学院教員教育研究情報データベースです。上智大学を含む上智学院の教員について、所属、担当科目、研究分野、研究キーワード、論文、著書、学会発表、研究課題、社会貢献活動などを確認できます。

大学パンフレットや学部・学科の紹介ページでは、カリキュラムや学びの特徴を分かりやすく把握できます。一方、REDBを見ると、実際に教員がどのようなテーマを取り上げ、どのような角度から研究しているのかをより具体的に調べられます。

パンフレットで学科全体の特徴を確認し、その後にREDBで教員の研究を見ることで、上智大学で学べる内容をより深く理解しやすくなります。

なお、REDBに掲載されている項目や情報量は教員によって異なる場合があります。情報の量だけで判断せず、学科の公式ページや担当科目なども併せて確認しましょう。


難しい論文を最初から全部読む必要はない

大学教員が書いた学術論文や専門書は、研究者や大学院生などを主な読者としていることがあります。そのため、専門用語や前提となる知識が多く、高校生が初めて読んですぐに理解できないことも珍しくありません。

分からない文章を無理に読み続けると、「自分にはこの学問が向いていないのではないか」と感じてしまうかもしれません。しかし、大学で学び始める前から、研究内容をすべて理解している必要はありません。

推薦入試は、すでに完成された研究者や、専門知識を完璧に身につけた人を選ぶ試験ではありません。自分なりの関心を持ち、その関心について調べ、大学でも考え続けたいという姿勢を伝えることが大切です。

まずはREDBに掲載されている研究キーワードや論文・著書のタイトルを見て、「何について書かれているのだろう」「なぜこのテーマを研究しているのだろう」と考えるところから始めてみましょう。


出版物のタイトルを見る三つの視点

REDBの論文や著書の一覧を見るときは、タイトルに含まれる言葉を次の三つの視点に分けて考えると、研究の特徴をつかみやすくなります。

  • 研究の対象は何か
  • どのような視点や方法で考えているか
  • どのような問いや課題に向き合っているか

一つ目の「研究の対象」は、その研究が何を取り上げているかということです。文学作品、言語、歴史上の出来事、特定の地域、教育現場、企業、法律、社会制度、科学技術などが考えられます。

二つ目の「視点や方法」は、その対象をどのような角度から見ているかということです。歴史的に変化を追う、複数の国や地域を比較する、人の心理から考える、データを使って分析する、制度や政策の課題を検討するなど、研究にはさまざまな方法があります。

三つ目の「問いや課題」は、その研究を通して何を明らかにしようとしているかということです。人間の生き方、文化の違い、社会の不平等、教育のあり方、経済の仕組み、技術と倫理の関係など、タイトルの言葉から問題意識を想像できます。


複数のタイトルを並べると研究の特徴が見える

一つの論文タイトルだけでは、教員の研究全体を理解することは難しいかもしれません。そのため、同じ教員の論文や著書のタイトルを三つから五つ程度並べてみる方法がおすすめです。

例えば、外国語や文学に関する教員の出版物に、「翻訳」「文化」「記憶」「表現」といった言葉が繰り返し登場していれば、言葉の意味だけではなく、文化や社会との関係を重視している可能性があります。

法律、政治、経済に関する教員のタイトルに、「格差」「制度」「政策」「国際比較」などの言葉が多ければ、社会の仕組みを比較しながら、制度上の課題を考えていることが想像できます。

心理、教育、福祉、人間関係の分野で、「対話」「成長」「支援」「集団」といった言葉が繰り返されていれば、個人だけではなく、人と人との関係や支援のあり方に注目しているかもしれません。

環境、科学技術、情報、ものづくりの分野では、「安全」「持続可能性」「社会実装」「倫理」「人間との関係」などの言葉から、技術そのものだけでなく、社会への影響を考えていることが分かる場合があります。

このように複数のタイトルに共通する言葉を探すことで、その教員が長く考え続けているテーマや研究の視点が見えやすくなります。


自分の経験と研究の視点をつなげてみよう

出版物リストを調べる目的は、教員の研究内容を暗記することではありません。自分の経験や関心と、研究のどこに接点があるのかを考えることが大切です。

例えば、学校の探究活動で環境問題を調べた経験がある場合、環境に関する論文だけを探すのではなく、政策、企業活動、技術開発、教育、国際協力などの視点にも注目できます。

英語や外国文化に興味がある場合は、言語や文学だけでなく、翻訳、移民、地域研究、文化交流などの出版物から、関心を広げられるかもしれません。

部活動でチーム運営に悩んだ経験がある場合は、心理、教育、組織、リーダーシップ、コミュニケーションなどに関するタイトルが、自分の経験を考え直すきっかけになります。

ニュースを見て社会問題に関心を持った場合も、法律、政治、経済、福祉、国際関係など、複数の分野から同じ問題を調べることができます。

大切なのは、「この教員の研究と自分のテーマが同じだ」と結論づけることではありません。「この研究の視点を知って、自分の疑問を別の角度から考えられるようになった」と整理することです。


タイトルから生まれた疑問を大切にする

論文や著書のタイトルを見て、すぐに内容を理解できなくても問題ありません。むしろ、「この言葉はどういう意味だろう」「なぜこの二つを結びつけて考えるのだろう」と疑問を持つことが、大学での学びにつながります。

高校では、授業や教科書を通して、すでに整理された基礎知識を学ぶことが中心です。一方、大学では、自分で問いを立て、資料や先行研究を調べながら、答えが一つではない問題について考えていきます。

そのため、出版物のタイトルを見て生まれた疑問をメモしておくことには意味があります。理解できない言葉があったときも、分からないままにせず、用語を調べたり、関連する入門書を読んだりすることで、関心を少しずつ深められます。


複数の教員の出版物を比較してみよう

気になる教員が見つかったら、同じ学科に所属するほかの教員の出版物リストも確認してみましょう。

同じ学科に所属していても、研究する対象や方法、問題意識は異なります。複数の教員を比較すると、その学科では一つのテーマをどのような角度から学べるのかが見えてきます。

例えば、同じ社会問題を扱っていても、法律から考える教員、経済から分析する教員、人々の意識や行動を調べる教員がいるかもしれません。文学や文化についても、作品そのものを読む教員、歴史的背景を研究する教員、言語や社会との関係を考える教員など、視点はさまざまです。

一人の教員だけに注目するのではなく、複数の研究を比較することで、学科全体の学びの広がりを理解しやすくなります。


出願書類に活用するときの注意点

自己推薦書やその他の提出書類で教員の論文や著書に触れる場合、教員名や出版物のタイトルを書くだけでは、上智大学で学びたい理由は十分に伝わりません。

重要なのは、「なぜそのタイトルが気になったのか」「自分のどのような経験とつながっているのか」「調べたことで、考えがどう深まったのか」を自分の言葉で説明することです。

例えば、「環境政策に関する論文に興味を持ちました」と書くだけでは、自分との関係が見えにくいでしょう。

学校の探究活動で地域のごみ問題を調べ、個人の努力だけでは限界があると感じた経験があるなら、「政策や企業の仕組みまで考える必要があると気づいた」とつなげられます。その上で、REDBの出版物を見て、制度や技術など異なる視点を知ったことを説明すると、調べた過程が伝わります。

なお、タイトルだけを見て論文の結論を決めつけないようにしましょう。本文を読んでいない場合は、「タイトルからこのような問題に関心を持った」「概要を確認してこの視点に注目した」など、実際に確認した範囲に合わせて表現することが大切です。


面接で問われる志望理由への活用方法

面接では、「なぜこの研究に関心を持ったのですか」「その研究とあなたの経験にはどのような関係がありますか」と聞かれる可能性があります。

そのときに必要なのは、論文の内容を細かく暗記することではありません。自分が何に興味を持ち、どのような疑問が生まれ、上智大学で何を考えたいのかを説明できることが大切です。

また、面接では、自分の意見を一方的に話すだけでなく、質問を聞き、考えを整理して答える対話姿勢も重要です。別の視点を示されたときに、「その点は考えていませんでした」「その視点も踏まえて調べたいです」と考えを修正する柔軟さも、大学で学ぶ上で大切な姿勢です。

推薦入試では、知識量だけでなく、問いを持つ姿勢、自分で調べる姿勢、思考の深さ、多面的な視点、他者理解、対話姿勢などが関わってきます。


今日からできる出版物リストの調べ方

REDBの出版物リストを確認するときは、次の流れで進めてみましょう。

  • 上智大学の公式サイトからREDBを開く
  • 志望する学部・学科に所属する教員を探す
  • 研究キーワードや研究分野を確認する
  • 論文や著書のタイトルを三つから五つ見る
  • 繰り返し登場する言葉を探す
  • 研究の対象、視点、問いに分けて整理する
  • 気になった理由を自分の言葉でメモする
  • 自分の学校生活や探究活動との接点を考える
  • 複数の教員の出版物を比較する
  • 大学でさらに考えたい問いを一文にする

メモには、「気になった研究キーワード」「印象に残ったタイトル」「その言葉が気になった理由」「自分の経験とのつながり」「新しく生まれた疑問」「大学で学んでみたいこと」を残しておくと便利です。


まとめ

上智大学の教員データベースREDBに掲載されている論文や著書は、すべてを最初から最後まで読む必要はありません。

まずは出版物のタイトルを見て、研究の対象、研究の視点や方法、研究を通して考えようとしている問いの三つに分けて整理してみましょう。複数のタイトルに共通して登場する言葉を探すと、その教員が大切にしている問題意識が少しずつ見えてきます。

さらに、自分の学校生活、部活動、探究活動、読書、ニュースへの関心と研究の視点を結びつけることで、上智大学で学びたいことを具体化しやすくなります。

教員名や論文名を覚えることが目的ではありません。「なぜその研究に関心を持ったのか」「自分の経験とどうつながるのか」「大学でどのような問いを考えたいのか」を、自分の言葉で整理することが大切です。

まずは、自分の志望学科の教員を一人選び、出版物のタイトルを三つ見比べてみてください。そこから気になる言葉を一つ見つけ、自分とのつながりを考えるだけでも、大学で学びたい内容を深める第一歩になります。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

教員の所属や研究内容、推薦入試の出願条件、提出書類、試験内容などは変更される場合があります。詳細な情報は、必ず上智大学の公式サイトや最新の入試要項を確認してください。


KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した 上智大学合格プロジェクト を完全定員制(先着10名限定)にて設け、専門性の高い個別サポートを行っています。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。