
上智大学法学部法律学科|羽生香織教授に学ぶ「民法・家族法」と親子関係の法律問題
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「上智大学法学部法律学科・羽生香織教授の研究から考える、家族法と親子関係をめぐる法律問題」です。
上智大学法学部法律学科で学ぶ「民法・家族法」とは
上智大学法学部法律学科には、民法・家族法を専門とする羽生香織教授がいらっしゃいます。羽生教授は親族法、相続法を中心に、特に親子関係の成立をめぐる諸問題について研究されています。授業では「親族法」「相続法」「民法総則Ⅰ」などを担当されています。
「家族法」という言葉は、高校生のみなさんにはあまり聞き慣れないかもしれません。しかし、結婚、離婚、親子関係、相続など、私たちの人生に深く関わる法律を扱う、とても身近な分野です。
家族についての問題は、それぞれの家庭だけで解決すればよいものばかりではありません。親子としてどのような権利や義務があるのか、財産を誰が受け継ぐのかなど、社会の共通ルールとして法律で定めておく必要があります。
家族法を学ぶことは、身近な人間関係を法律がどのように支えているのかを考えることでもあります。
法律上の「親子関係」とは何だろう
羽生教授の研究テーマを考えるうえで重要なのが、「親子関係の成立」という問題です。
普段の生活では、「親とは誰か」ということを改めて考える機会はあまりないかもしれません。しかし法律では、誰を親として扱うのかによって、扶養や相続をはじめとするさまざまな権利や義務が生じます。
さらに、生殖医療をはじめとする医療技術の発達によって、親子関係について従来の考え方だけでは整理しきれない問題も生まれています。
生物学的なつながりを重視するのか、実際に子どもを育てている関係を重視するのか、子ども自身の利益をどのように守るのかなど、さまざまな視点から考える必要があります。
「親子なのだから当然」と思っていた関係についても、法律学の視点から見ると多くの問いが隠れているのです。
養子縁組などから考える「子どもの利益」
親子関係を考えるテーマとして、養子縁組などの制度があります。
こうした制度について考えるときに重要になるのが、「子どもにとって何が望ましいのか」という視点です。
大人同士の事情だけではなく、子どもが安心して成長できる環境をどのように保障するのか、法律上の親子関係をどのようにつくることが子どもの利益につながるのかを考える必要があります。
家族法では、一つの立場だけから問題を見るのではなく、親、子ども、そのほかの家族など、複数の立場を考慮しながら制度のあり方を検討します。
身近な「家族」というテーマだからこそ、それぞれの価値観だけで判断するのではなく、法律としてどのようなルールを定めるべきなのかを考えることが大切になります。
社会の変化によって「家族のかたち」も変わる
家族のあり方は、時代とともに変化しています。
かつて一般的と考えられていた家族の形だけではなく、現在ではさまざまな背景や事情を持つ家庭があります。社会の価値観や人々の生活が変化すれば、それに伴って家族をめぐる法律にも新しい課題が生まれます。
ここで難しいのは、法律が社会の変化にどこまで、どのように対応するべきなのかという点です。
社会が変化したからといって、すぐにすべてのルールを変えればよいわけではありません。一方で、昔から続いている制度だからという理由だけで、そのまま維持すればよいとも限りません。
現在の社会でどのような問題が起きているのか、どのような人が困っているのか、制度を変更するとどのような影響があるのかを丁寧に考える必要があります。
「相続」も身近な民法のテーマ
羽生教授が専門とする分野には、「相続法」もあります。
相続とは、亡くなった人の財産や権利義務などを、一定の人が引き継ぐ仕組みです。高校生の段階ではまだ身近に感じにくいかもしれませんが、多くの人が人生の中で関わる可能性のある法律問題です。
誰が相続人になるのか、どのような割合で財産を受け継ぐのか、遺言がある場合にはどうなるのかなど、相続についてもさまざまなルールがあります。
また、財産について家族の間で意見が分かれることもあります。そのようなときに、法律がどのように一定の基準を示し、問題の解決を支えているのかを学ぶのが相続法です。
相続の問題を考えることは、お金や財産だけではなく、「家族とはどのような関係なのか」という問題にもつながっています。
大学の家族法では「正解が一つではない問題」を考える
大学で家族法を学ぶときには、法律の条文を覚えるだけではありません。
たとえば、新しい家族のあり方が社会に広がったとき、現在の法律で十分に対応できているのかを考えることがあります。
親の立場から見れば望ましい制度であっても、子どもの立場から見ると別の問題が生じるかもしれません。反対に、子どもの利益を重視する制度が、ほかの家族にどのような影響を与えるのかも検討する必要があります。
このように、複数の立場を比較しながら、「どのような制度であればより公平なのか」「法律はどこまで家族関係に関わるべきなのか」と考えていきます。
一つの価値観だけで答えを出すのではなく、異なる立場を理解しながら自分の考えを組み立てることが、大学での法律学の特徴です。
高校生にも身近な家族法の問い
家族法に興味を持つために、特別な経験が必要なわけではありません。ニュースや学校での探究活動などから、十分に問いを見つけることができます。
たとえば、次のようなテーマが考えられます。
- 多様な家族のあり方についてニュースを見て関心を持った
- 養子縁組などの制度を知り、法律上の親子関係について疑問を持った
- 生殖医療の発達によって「親とは誰か」という問題が複雑になることに興味を持った
- 相続をめぐる問題から、家族と財産の関係について考えたいと思った
こうしたテーマに対して、最初から専門的な答えを持っている必要はありません。
「なぜこの制度になっているのだろう」「誰にとってどのような問題があるのだろう」と考え、複数の立場から調べていくことが、大学での学びにつながります。
推薦入試で意識したい「多面的に考える姿勢」
上智大学法学部法律学科の推薦入試を考えている人は、家族法の制度や法律用語をたくさん暗記するだけではなく、一つの社会問題を多面的に考える姿勢を意識してみてください。
家族をめぐる問題は、特に価値観によって意見が分かれやすい分野です。
自分が「こうするべきだ」と思ったとしても、別の立場から見ると異なる考え方があるかもしれません。
たとえば、ある制度について親の立場、子どもの立場、社会全体の立場から考えてみるだけでも、見えてくる問題は変わります。
「自分の考えとは違うから間違い」と判断するのではなく、「なぜその人はそう考えるのか」と一度立ち止まって考えてみることが、法律学を学ぶうえで重要です。
志望理由では自分の問題意識を出発点にする
提出書類や面接で問われる志望理由を考える際には、「羽生教授が家族法を研究しているから学びたい」という説明だけで終わらないようにしましょう。
大切なのは、自分自身がなぜ親子関係や家族法に関心を持ったのかという出発点です。
たとえば、探究活動で多様な家族のあり方について調べたことをきっかけに、「法律はさまざまな家族をどのように扱っているのだろう」と疑問を持ったとします。
そこからさらに調べていく中で、親子関係の成立や養子縁組などに関心を広げ、「家族の多様化に法律がどのように対応するべきなのかを学びたい」と考えるようになれば、自分自身の問題意識と大学での学びがつながります。
自分が体験したことや知ったこと、そこから感じた疑問、大学で深めたいテーマを順番に整理してみることが大切です。
家族に関するニュースを法律の視点から見てみよう
家族法への関心を深めるためには、普段のニュースを法律の視点から見ることもおすすめです。
家族や親子関係に関する制度が話題になったときに、「賛成」「反対」だけで終わらず、「現在はどのような法律になっているのか」「なぜその制度がつくられたのか」「制度によってどのような人が影響を受けるのか」と考えてみましょう。
また、一つのニュースだけで判断せず、異なる立場から書かれた記事や資料にも目を通すことで、問題をより広い視点から見ることができます。
身近な家族に関する問題から、「法律は社会の変化にどう対応するべきなのか」というところまで問いを広げることが、家族法の学びにつながっていきます。
まとめ
羽生香織教授が研究されている親族法、相続法、親子関係の成立をめぐる問題は、私たちの人生や社会の変化と深く結びついたテーマです。
家族法を学ぶことは、結婚や親子、相続に関する制度を覚えることだけではありません。「法律上の親子関係をどのように考えるのか」「子どもの利益をどのように守るのか」「多様化する家族に法律はどう対応するのか」といった問いについて考えていきます。
家族という身近なテーマだからこそ、自分自身の価値観だけで判断せず、複数の人の立場から考えることが重要です。
上智大学法学部法律学科を志望している人は、家族や親子関係についてのニュースを見たときに、「なぜこの制度になっているのだろう」「法律は誰をどのように守ろうとしているのだろう」と考えてみてください。
そこから生まれた疑問を少しずつ掘り下げることが、家族法への理解を深め、自分が大学で学びたいテーマを見つけるきっかけになります。
提出書類や面接に向けて、自分の経験と法律学への関心をどのように結びつければよいのか、一人で整理することが難しい場合は、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。今後、教員情報、授業内容、入試制度等が変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


