
上智大学法学部法律学科|安西明子教授に学ぶ「民事訴訟法」と公平な手続きの考え方
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「上智大学法学部法律学科・安西明子教授の研究から考える、民事訴訟法と公平な手続き」です。
上智大学法学部法律学科で学ぶ「民事訴訟法」とは
上智大学法学部法律学科には、民事訴訟法・民事執行法を専門とする安西明子教授がいらっしゃいます。安西教授は、裁判手続きが進んでいく中で、当事者同士がどのように公平な立場で争うことができるのかといった問題を研究されています。授業では「民事訴訟法Ⅰ」などを担当されています。
「民事訴訟法」という言葉は、高校生のみなさんにはあまり聞き慣れないかもしれません。簡単にいえば、個人や企業の間で起きたトラブルを裁判所で解決するときに、「どのような手順で裁判を進めるのか」を定めている法律です。
たとえば、お金を貸したのに返してもらえない、契約内容をめぐって企業同士で意見が対立した、土地や建物の明け渡しを求めたいといった問題が起きたとします。このような争いを裁判所で解決するときには、単に裁判官が自由に結論を決めるわけではありません。
誰がどのような主張をするのか、どのような証拠を提出するのか、相手方に反論する機会をどのように保障するのかなど、さまざまなルールに沿って手続きが進められます。その仕組みを考えるのが民事訴訟法です。
なぜ裁判には「公平な手続き」が必要なのか
安西教授の研究を考えるうえで重要なキーワードの一つが、「当事者間の公平」です。
裁判では、最終的な結論だけが正しければよいとは限りません。そこに至るまでの手続きそのものが公平であることも、とても重要です。
たとえば、二人の間でトラブルが起きたとき、一方の話だけを聞いて結論を出してしまったら、もう一方は納得できないでしょう。双方が自分の言い分を伝えることができ、相手の主張を知ったうえで反論できる機会があってこそ、結果に対する納得にもつながります。
これは裁判でも同じです。一方だけが有利になるような手続きではなく、双方が主張や証拠を示す機会を持ち、それぞれの立場を十分に伝えられる仕組みが必要になります。
「公平」と聞くと、全員をまったく同じように扱うことだと思うかもしれません。しかし法律学では、形式的に同じ機会を与えるだけで本当に公平なのかという問題まで考えていきます。立場や持っている情報、専門知識などに差がある場合、それをどのように考えるべきなのかという視点も重要です。
身近な話し合いにもつながる「手続き」の考え方
民事訴訟法の考え方は、裁判所の中だけに存在する特別なものではありません。高校生活の中にも、似たような場面を見つけることができます。
たとえば文化祭の企画についてクラス内で意見が対立したとします。一部の人だけで話し合いを進め、その場にいなかった人の意見を聞かずに決めてしまえば、「勝手に決められた」と不満を感じる人が出てくるでしょう。
一方で、全員が意見を言える場をつくり、それぞれの理由を聞いたうえで多数決や話し合いによって決めたのであれば、結果に賛成できなかった人でも「自分の意見を聞いてもらえた」と感じやすくなります。
ここから分かるのは、結果だけではなく、「どのような方法で結論にたどり着いたか」も大切だということです。
部活動や生徒会、委員会、グループ活動などで意見をまとめた経験がある人は、そのときのことを思い出してみてください。「誰の意見を聞くべきだったのか」「話し合いの進め方は公平だったのか」と考えてみると、民事訴訟法につながる問題意識が見えてくるかもしれません。
大学の法律学では「なぜそのルールが必要なのか」を考える
大学で法律を学ぶというと、法律の条文を大量に暗記するイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、法律学の学びは暗記だけではありません。
民事訴訟法についても、「この場合にはこの条文を使う」と覚えるだけではなく、なぜそのような手続きが用意されているのかを考えることが重要です。
たとえば、一方の当事者が突然新しい主張や証拠を出した場合、それをすぐに認めてよいのでしょうか。相手側に十分な反論の時間がなければ、不公平になる可能性があります。
反対に、手続きを慎重にしすぎれば、裁判がいつまでたっても終わらないという問題も起こります。公平さだけではなく、迅速に争いを解決することも必要です。
法律学では、このように複数の価値がぶつかる場面について、「どちらを優先すればよいのか」「どこでバランスを取るべきなのか」を考えていきます。
推薦入試を考える高校生が意識したい視点
上智大学法学部法律学科の推薦入試を考えている人は、法律に関する専門知識を無理に詰め込むよりも、自分が社会のどのような問題に関心を持っているのかを整理してみることが大切です。
たとえば、民事訴訟法や公平な手続きに関心を持つきっかけとして、次のような経験が考えられます。
- 学校の話し合いで、一部の人だけで物事が決まることに疑問を持った
- 部活動で意見が対立した際、双方の話を聞くことの重要性を感じた
- ニュースで裁判を見て、判決までの過程に興味を持った
- 消費者と企業など、立場の強さが異なる人同士の争いに関心を持った
こうした経験そのものが特別である必要はありません。重要なのは、その経験を通じて自分が何を疑問に感じ、そこからどのような問題を考えるようになったのかという流れです。
「裁判に興味があります」で終わるのではなく、「なぜ公平な手続きが必要なのかを考えたい」「立場が異なる人同士が公平に争える仕組みを学びたい」と一段深く考えることで、大学で学びたい内容も明確になっていきます。
志望理由につなげるときは身近な経験から考える
提出書類や面接で問われる志望理由を考える際には、安西教授の研究内容をそのまま紹介するだけにならないよう注意しましょう。
大切なのは、「教授がこの研究をしているから志望する」という順番ではなく、まず自分自身の問題意識があり、その問題を深く学ぶために上智大学法学部法律学科の学びに魅力を感じた、という流れをつくることです。
たとえば、「委員会活動で意見が対立した際、声の大きい人の意見だけで決まってしまった経験から、公平な意思決定とは何か疑問を持った」という経験があったとします。
そこから、「社会の中で争いが起きたとき、双方の意見を公平に扱う仕組みはどのようになっているのだろう」と関心を広げていけば、民事訴訟法への興味につながります。
自分の経験、そこから生まれた疑問、大学で学びたいこと。この三つをつなげて考えていくと、自分らしい志望理由を整理しやすくなります。
日常の中から法律学の問いを見つけてみよう
「争いをどう公平に解決するか」というテーマは、裁判だけの問題ではありません。私たちは学校でも仕事でも、さまざまな考え方を持つ人と関わりながら生活しています。
意見が一致しないときに、どのような手続きで結論を出せばよいのか。誰の話を聞くべきなのか。少数意見をどこまで尊重するべきなのか。こうした問いは、社会のさまざまな場面に存在します。
日常生活の中で「この決め方は公平なのだろうか」と感じたとき、その疑問をそのままにせず、少し掘り下げて考えてみてください。
身近な出来事から問いを見つけることが、大学で法律を学ぶ第一歩になるかもしれません。
まとめ
安西明子教授が専門とする民事訴訟法・民事執行法は、個人や企業の間で争いが起きたときに、どのような手続きで公平に解決していくのかを考える分野です。
重要なのは、最終的な結論だけではありません。双方が自分の意見を伝えることができ、適切に反論する機会が与えられ、納得できる過程を経て結論に至ることも大切です。
学校生活や部活動、委員会活動などの中にも、「公平な話し合いとは何か」を考えるきっかけはあります。まずは自分自身の身近な経験を振り返り、そこから法律学につながる問いを探してみてください。
提出書類や面接に向けて、自分の経験と法律学への関心をどのように結びつければよいのか、一人で整理することが難しい場合は、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。今後、教員情報、授業内容、入試制度等が変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


