
上智大学法学部法律学科|阿部和文教授に見る「憲法」と「表現の自由」の学び
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「上智大学法学部法律学科・阿部和文教授の研究から考える、憲法と表現の自由の学び」です。
上智大学法学部法律学科で学ぶ「憲法」とは
上智大学法学部法律学科には、憲法を専門とする阿部和文教授がいらっしゃいます。阿部教授は主に「表現の自由」を中心に研究されており、近年は緊急事態をめぐる法制度にも関心を寄せています。授業では「憲法(基本的人権)」などを担当されています。
「表現の自由」と聞くと、高校生のみなさんにとっては少し堅いテーマに感じるかもしれません。しかし、実際には私たちの日常生活と深く関わっている問題です。
たとえば、文化祭でどのような展示や発表を行うことができるのか、SNSでどこまで自由に自分の意見を発信してよいのか、学校や社会が一定の表現を制限することは許されるのか、といった問題も表現の自由につながっています。
憲法を学ぶということは、条文を暗記するだけではありません。「自分の考えを自由に表現する権利を、社会はどこまで守るべきなのか」「他人の権利や社会の安全と衝突した場合には、どのように調整するべきなのか」といった問いについて考えていく学問でもあります。
「表現の自由」はなぜ重要なのか
表現の自由は、自分の考えや意見を社会に伝えるための重要な権利です。自分の意見を自由に話したり、文章を書いたり、作品を発表したりすることができなければ、社会の中でさまざまな考え方を共有することが難しくなります。
一方で、どのような表現でも無条件に認められるのかというと、問題はそれほど単純ではありません。誰かを傷つける表現や、社会に重大な影響を与える情報などをどのように考えるべきかという問題もあります。
ここで重要になるのが、「自由を守ること」と「他の権利や利益を守ること」のバランスです。
法律学では、一つの立場だけから結論を出すのではなく、複数の立場を比較しながら考えます。表現する側にはどのような権利があるのか、表現によって影響を受ける側にはどのような権利があるのか、そして国や行政はどこまで介入することが許されるのか。こうした点を丁寧に検討していきます。
緊急事態と憲法を考える
阿部教授の研究に関連するテーマの一つとして、緊急事態をめぐる法制度があります。
災害や感染症の流行など、社会全体が通常とは異なる状況になったとき、国や行政には迅速な対応が求められます。その一方で、社会を守るためであれば国民の自由をどこまで制限してよいのかという問題が生まれます。
たとえば感染症の拡大を防ぐために移動や営業を制限すると、安全を守ることにはつながりますが、一方では個人の自由や経済活動にも影響します。
こうした場面で、「必要だから仕方がない」と考えるだけではなく、「誰が決定するのか」「どのような根拠に基づいて制限するのか」「制限は本当に必要な範囲にとどまっているのか」と考えることが、法律学では重要になります。
高校生活の中でも、急な事情によって学校行事や部活動の大会が中止になった経験がある人もいるでしょう。そのときに「誰が、どのような基準で決めるべきなのだろう」と考えることは、規模こそ違いますが、法律学的な問題意識につながります。
高校までの学習と大学の法律学の違い
大学で学ぶ法律学は、高校までの「正しい答えを覚える」という学習とは少し異なります。
もちろん、憲法の条文や判例、法律上の考え方など、基礎的な知識を身につけることは必要です。しかし、それだけでは十分ではありません。
重要なのは、「なぜこのような結論になったのか」「反対の立場から考えた場合はどうなるのか」「社会が変化した場合にも同じ考え方でよいのか」と問い続けることです。
一つの問題について複数の判例や学説を比較し、自分なりに根拠を整理したうえで考えを示していくことが求められます。
そのため、高校時代に探究活動などで自分なりのテーマを設定し、資料を調べ、異なる意見を比較した経験がある人は、その姿勢を大学での法律学にも活かすことができます。
推薦入試を考える高校生が意識したいこと
上智大学法学部法律学科の推薦入試を考えている場合、大学でどのようなことを学びたいのかを、自分自身の経験や問題意識と結びつけて考えておくことが大切です。
ただ、「憲法に興味があります」「表現の自由を学びたいです」と書くだけでは、なぜそのテーマに関心を持ったのかが伝わりにくくなります。
まずは、日常生活やニュースの中で自分が気になった出来事を振り返ってみましょう。
- SNS上の表現をめぐる問題を見て疑問を持った
- 学校のルールと生徒の自由について考えた経験がある
- ニュースを見て国と個人の権利の関係に興味を持った
- 災害や感染症対策と自由の制限について疑問を感じた
こうした身近な経験から、「なぜ?」を掘り下げることが、法律学への関心につながっていきます。
社会の出来事を一つの立場だけで見ない
法律学を学ぶうえで大切なのは、最初から完璧な意見を持っていることではありません。
むしろ、「自分はこう思うけれど、反対の立場から見たらどうだろう」と考えられることが重要です。
たとえばSNS上の表現を規制するべきだという意見があった場合、規制することで守られる人がいる一方、規制が広がりすぎれば自由な発言が難しくなる可能性もあります。
どちらか一方を単純に正解とするのではなく、それぞれの立場にどのような理由があるのかを整理してみましょう。
日頃ニュースを見るときにも、「自分はどう思うか」だけで終わらず、「反対意見にはどのような理由があるのか」と考える習慣をつけると、大学で求められる思考力を少しずつ身につけることができます。
阿部和文教授の研究から自分の関心を広げてみよう
阿部教授が研究されている表現の自由や緊急事態をめぐる法制度は、現代社会で繰り返し議論されている重要なテーマです。
憲法というと、教科書に書かれた条文を覚える科目という印象を持っている人もいるかもしれません。しかし大学では、現実の社会問題と結びつけながら、「社会のルールはどうあるべきなのか」を考えていきます。
ニュースを見たときに、「これは憲法の観点から考えるとどうなるのだろう」「自由と社会の安全はどう両立できるのだろう」と考えてみるだけでも、法律学への第一歩になります。
上智大学法学部法律学科を志望している人は、教授の研究内容を知ることをきっかけに、自分自身が大学で考えてみたい問題についても少しずつ掘り下げてみてください。
まとめ
阿部和文教授の研究テーマである表現の自由や緊急事態をめぐる法制度は、決して私たちの日常から離れた問題ではありません。
SNSでの発信、学校のルール、災害や感染症への対応など、身近な出来事の中にも憲法につながるテーマは数多くあります。
まずは日常の中で感じた小さな疑問を大切にしてみましょう。そして、「なぜそうなっているのか」「別の立場から考えたらどうなるのか」と少しずつ問いを深めていくことが、大学での法律学の学びにもつながっていきます。
提出書類や面接に向けて、自分の経験と法律学への関心をどのように結びつければよいのか、一人で整理することが難しい場合は、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。今後、教員情報、授業内容、入試制度等が変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した
上智大学合格プロジェクト
を完全定員制(先着10名限定)にて設け、専門性の高い個別サポートを行っています。
限られた時間の中でも本気で上智大学合格を掴み取りたい方は、今すぐ 無料個別相談会 にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


