上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|中岡俊裕教授のナノテク・半導体デバイス研究

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 機能創造理工学科の中岡俊裕教授と、ナノテクノロジーを活用した物理現象・デバイス研究」です。

「半導体」と聞くと、スマートフォンやパソコンの中に入っている電子部品を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、半導体を非常に小さなスケールで加工する技術は、情報機器だけでなく、宇宙を観測するための光学素子や新しいメモリなど、さまざまな研究へ広がっています。

中岡俊裕教授は、上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属し、「ナノテクを駆使した物理現象研究とデバイスへの応用」を研究しています。高校で学ぶ物理や数学が、ナノメートルという小さな世界や宇宙観測までつながっていく研究です。


中岡俊裕教授はどんな研究者?

上智大学公式サイトによると、中岡教授は大阪大学で修士(理学)、博士(理学)を取得しています。大阪大学ではカルコゲナイド系相変化ガラスのナノ構造光物性、東京大学先端科学技術研究センターなどでは量子ドット分光や量子情報デバイスに関する研究に取り組み、2005年から2006年にはドイツのミュンヘン工科大学で量子ドットを用いた人工分子状態の生成と制御を研究しています。

2010年から上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属し、現在は教授として研究・教育に取り組んでいます。

現在の研究キーワードには、CBRAM、半導体微細加工、アモルファスカルコゲナイド、量子情報素子、抵抗変化メモリなどが挙げられています。

一見すると別々の研究に見えますが、非常に小さな構造をつくり、その中で起こる物理現象を調べ、新しい機能を持つデバイスへつなげるという点が大きな軸になっています。


「ナノテク」とはどんな世界?

ナノテクノロジーの「ナノ」は10億分の1を表す言葉です。中岡教授は、半導体微細加工などの技術を使って、小さな構造をつくり、そこで生まれる機能を研究しています。

高校の物理では、光、電気、電子などについて学びます。教科書ではそれぞれの法則を問題として解くことが多いですが、大学では「非常に小さな構造の中では、どのような現象が起こるのか」「その現象を利用して、新しいデバイスをつくれないか」といった問いへ発展していきます。

たとえば中岡教授の研究テーマとして、単一光子素子や量子情報デバイスなども紹介されています。「光子」とは光を粒子として捉えたときの基本単位です。高校で学んだ光や電子についての知識が、大学では量子の性質を利用する研究へつながっていくのです。


半導体技術が宇宙観測につながる

中岡教授の研究で高校生にもイメージしやすいテーマの一つが、宇宙からの赤外線観測に使われる光学素子の研究です。

上智大学公式サイトでは、中岡研究室がJAXAや国立天文台との共同研究により、宇宙からの赤外線観測に必要となる新しい光学素子を、半導体微細加工技術を用いて作製していることが紹介されています。

赤外線は、人間の目に見える可視光より波長が長い電磁波です。宇宙を赤外線で観測することで、可視光だけでは捉えにくい天体や現象を調べることができます。

中岡研究室では、GRINレンズやバンドパスフィルタと呼ばれる光学素子の研究が進められています。宇宙で利用する機器には、打ち上げ時の振動や圧力変動、さらに宇宙観測で求められる極低温環境など、地上とは異なる厳しい条件への対応も必要です。

「小さいものをつくる技術」と「巨大な宇宙を観測する技術」が結びついているところに、この研究の面白さがあります。


次世代メモリの研究にもナノテクを活用

中岡教授の研究キーワードには「CBRAM」や「抵抗変化メモリ」もあります。

CBRAMは、材料内部で起こるイオンの移動などを利用して電気抵抗の状態を変化させ、その違いを情報として利用するメモリ技術です。中岡研究室では、カルコゲナイド系材料などを対象とした研究や、ニューロモルフィック素子への応用を見据えたマイクロ波によるCBRAMメモリの制御にも取り組んでいます。

ニューロモルフィックとは、人間の脳や神経系の情報処理の仕組みを参考にしたコンピューティング技術を指します。ただし、新しい技術だからといって、すぐに現在のコンピュータをすべて置き換えられるわけではありません。材料の性質、動作の安定性、製造方法など、さまざまな課題を一つずつ研究していく必要があります。

「新しいデバイスをつくる」とは、アイデアを考えるだけではなく、その背景にある物理現象を理解し、実験によって確かめていくことでもあるのです。


機能創造理工学科だから見える研究の広がり

上智大学公式サイトでは、上智大学 理工学部 機能創造理工学科について、物理学や数学などの理学と、材料、デバイス、電子機器、エネルギー、機械システムなどの工学を融合的に学ぶ学科であることが示されています。

中岡教授の研究は、まさにその広がりをイメージしやすい例です。物理現象そのものを解明することもあれば、その知識を利用して新しいデバイスをつくることもあります。さらに、そのデバイスが宇宙観測など別の研究分野を支えることもあります。

そのため、上智大学 理工学部 機能創造理工学科を「機械をつくる学科」「電気を学ぶ学科」のように一つの言葉だけで捉えないことが大切です。自分が興味を持っている現象や技術が、どの分野と結びついているのかまで調べてみると、学科への理解が深まります。


高校の物理や数学を「問い」に変えてみよう

中岡教授の研究に興味を持った人は、高校で学んでいる内容から問いをつくってみましょう。

たとえば物理で光について学んだとき、「人間には見えない赤外線で、なぜ宇宙を観測できるのだろう」と疑問を持つことができます。スマートフォンやパソコンを使っているときには、「情報はどのような仕組みで記憶されているのだろう」「もっと小さなデバイスをつくると、何が変わるのだろう」と考えることもできます。

重要なのは、最初から大学レベルの答えを知っていることではありません。身近な疑問から調べ始め、分かったことと分からなかったことを整理し、さらに新しい問いを見つけていくことです。

科学部やプログラミングなどの活動経験がある人も、活動そのものを実績として並べるだけでなく、「何を疑問に感じたのか」「予想と違う結果が出たとき、どう考えたのか」と振り返ってみると、自分の興味がより明確になります。


推薦入試に向けて研究内容をどう調べる?

推薦入試を考えている場合、「宇宙が好きだから」「半導体に興味があるから」「量子技術が将来性のある分野だから」だけで終わらせず、その一歩先まで考えてみましょう。

たとえば、「宇宙に興味を持って赤外線観測について調べたところ、観測を支える半導体微細加工技術に関心が広がった」という流れなら、自分の興味と中岡教授の研究との接点が見えてきます。

また、「次世代メモリに興味がある」という場合も、どのような物理現象によって情報を記憶するのか、現在の技術にはどのような課題があるのかまで調べてみると、関心をより具体的な問いにできます。

研究テーマを高校生の段階で一つに決め切る必要はありません。むしろ、上智大学 理工学部 機能創造理工学科の教員や研究分野を調べながら、「自分は何を面白いと思うのか」「大学で何をもっと知りたいのか」を整理することが、出願書類や面接で自分の考えを伝える準備にもつながります。


「小さな世界」から大きな研究テーマを考えてみよう

中岡俊裕教授の研究には、半導体、ナノテクノロジー、量子情報デバイス、メモリ、赤外線天文学など、さまざまなキーワードが登場します。一見すると離れている分野でも、「小さな構造をつくり、そこで起こる物理現象を理解し、新しい機能へつなげる」という視点から見ると関係が見えてきます。

高校で学んでいる物理や数学も、試験問題を解くためだけの知識ではありません。その先には、情報を記憶するデバイスをつくる研究や、遠い宇宙を観測する技術につながる世界があります。

身近な電子機器や宇宙に関するニュースを見たとき、「これはどんな物理現象や技術によって実現しているのだろう」と考えてみてください。そこから、自分の興味と上智大学 理工学部 機能創造理工学科での学びとの接点が見つかるかもしれません。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。