上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|高尾智明教授の超伝導・磁気浮上研究

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 機能創造理工学科の高尾智明教授と、超伝導・磁気浮上の研究」です。

「超伝導」という言葉を聞いたことはありますか。リニアモーターカーやMRIなどで利用されている技術ですが、高校生にとっては少し遠い世界の話に感じるかもしれません。しかし、その出発点には高校の物理で学ぶ電気、磁気、エネルギーなどの考え方があります。今回は、高尾教授の研究を通して、高校での学びが大学の先端研究へどのようにつながっていくのかを見ていきましょう。


高尾智明教授はどんな研究をしている?

高尾智明教授は、上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属し、超伝導とその応用について研究しています。

上智大学理工学部の公式情報では、主な研究テーマとして「超伝導および関連技術の環境エネルギー応用、磁気浮上と搬送システム」が紹介されています。研究活動では、超伝導、エネルギー、電力、省エネルギー、再生可能エネルギー、輸送、磁気浮上など幅広いキーワードが扱われています。

また、高尾教授は横浜国立大学工学部電気工学科を卒業後、同大学院工学研究科電子情報工学専攻博士後期課程を修了し、博士(工学)を取得しています。上智大学理工学部電気・電子工学科専任講師などを経て、2003年から教授を務めています。

2026年には、「超電導コイル技術の発展への貢献及び電気工学系人材の育成」により、一般社団法人電気学会からフェローの称号を授与されています。


そもそも「超伝導」とは?

電気を流すとき、一般的な導体には電気抵抗があります。そのため、電気エネルギーの一部は熱として失われます。スマートフォンやパソコンを使っていると本体が温かくなることがありますが、電気と熱の関係を身近に感じられる例の一つです。

一方、特定の物質を非常に低い温度まで冷却すると、ある温度を境に電気抵抗がゼロになる現象があります。これが「超伝導」です。

電気抵抗がゼロになる性質を利用すると、大きな電流を流して強力な磁場を発生させる超伝導電磁石などを作ることができます。実際に超伝導電磁石はMRIや磁気浮上式鉄道などで利用されています。

ただし、「抵抗がゼロだから簡単に省エネルギーになる」というわけではありません。超伝導状態を維持するためには冷却が必要であり、装置全体としての効率や安全性、コストなども考えなければなりません。こうした複数の条件を含めて技術を考えることも工学の重要な視点です。


高尾教授が研究する超伝導のエネルギー応用

高尾教授は、超伝導を実際のエネルギー技術に応用する研究を進めています。

上智大学理工学部が公開している研究活動では、高温超伝導コイルの冷却特性や超伝導誘導機、核融合関連の大型超伝導コイルなどを扱った研究テーマが確認できます。つまり、超伝導という物理現象そのものを理解するだけではなく、それをどのような機器やシステムに利用できるのかまで考えているのです。

電力やエネルギーの問題を考えるとき、「発電方法」だけに目が向きがちです。しかし、作った電力をどのように送り、変換し、利用するのかという部分でもエネルギー損失は発生します。機器の効率を高める技術を研究することも、エネルギー問題を考える重要なアプローチの一つです。


磁気浮上と搬送システムにもつながる

高尾教授のもう一つの研究テーマが、磁気浮上と搬送システムです。

磁気浮上は、磁気の力を利用して物体を浮上させる技術です。上智大学の公式教員紹介でも、高尾教授は鉄道分野における新しい磁気浮上について研究していることが紹介されています。

高校の物理で磁界や電磁誘導を学んだとき、「この知識が実際に何に使われているのだろう」と疑問に感じた人もいるかもしれません。大学では、そうした物理法則を数式で理解するだけではなく、実験を行い、装置を設計し、現実のシステムへ応用するところまで研究対象が広がります。

高尾教授の研究は、まさに物理学と電気・電子工学、エネルギーや輸送技術が交わる研究の一例といえるでしょう。


機能創造理工学科だからこそ見えてくる「複合知」

上智大学 理工学部 機能創造理工学科は、物理学や数学などの理学と、材料、デバイス、電子機器、エネルギー、機械システムなどの工学を融合的に学ぶことを特色としています。

高尾教授の研究を見ても、一つの専門分野だけでは完結しないことが分かります。超伝導現象を理解するには物理学が必要です。電磁石や電力機器へ応用するには電気・電子工学が関わります。磁気浮上を実際の搬送システムへ発展させるなら、機械や制御などの視点も必要になります。

高校では「数学」「物理」「化学」「情報」と科目が分かれていますが、現実の科学技術には科目の境界線がありません。複数の知識を組み合わせて一つの問題を考えることが、機能創造理工学科の学びを理解するヒントになります。


高校生活の経験から超伝導研究への問いをつくる

超伝導について研究した経験がなければ、機能創造理工学科を目指せないわけではありません。高校生の段階では、身近な疑問から考え始めることができます。

たとえば、リニアモーターカーのニュースを見て「なぜ車体を浮かせることができるのだろう」と調べてみる。物理の授業で電気抵抗について学び、「抵抗を小さくするとエネルギー利用はどう変わるのだろう」と考えてみる。再生可能エネルギーについて探究する中で、「発電するだけでなく、電気を効率よく利用する技術も必要なのではないか」と疑問を持つこともできます。

大切なのは、経験の珍しさや実績の大きさではありません。「疑問を持つ→調べる→新しい疑問が生まれる」という流れをつくることです。


推薦入試に向けて「なぜこの研究に興味があるのか」を考える

上智大学 理工学部 機能創造理工学科の推薦入試を考える際には、「超伝導に興味があります」「リニアモーターカーが好きです」だけで終わらせず、なぜ興味を持ったのかを掘り下げてみましょう。

たとえば、「磁気浮上の仕組みを調べる中で超伝導を知り、物理の授業で学んだ電気や磁気が実際の交通システムにつながっていることに興味を持った。さらに、超伝導がエネルギー分野にも応用されていることを知り、物理現象を社会の技術へ発展させる過程を学びたい」と考えることができます。

高校生の段階で研究テーマを完全に決める必要はありません。むしろ、関心のある技術について調べながら、「なぜそうなるのか」「どんな課題が残っているのか」「自分は大学で何を知りたいのか」と問いを深めていくことが大切です。

こうして整理した内容は、出願書類や面接で問われる志望理由を、自分自身の経験と上智大学での学びにつなげて説明するときにも役立ちます。


身近な物理から最先端技術を見てみよう

高尾智明教授の研究を見ると、高校で学ぶ電気や磁気、エネルギーの知識が、超伝導、電力機器、磁気浮上、搬送システムといった研究へ発展していくことが分かります。

高尾教授は、他研究室や他大学、企業との連携を重視しており、学生が海外で研究成果を英語で発表するなど、研究を外部へ広げる活動も行っています。大学での研究は、教科書を読んで知識を増やすだけではなく、多様な人と議論しながら新しい可能性を探していくものでもあります。

上智大学 理工学部 機能創造理工学科に興味がある人は、まず身近な電気機器や交通システムを見ながら、「この技術はどんな物理法則によって動いているのだろう」と考えてみてください。高校で学んでいる数学や物理と大学での研究のつながりが見えてくると、自分が大学で学びたいことも少しずつ具体的になっていくはずです。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。