
上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|竹原昭一郎教授の機械・人間・感性をつなぐ研究
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 理工学部 機能創造理工学科の竹原昭一郎教授と、機械・人間・感性をつなぐ研究」です。
工学というと、機械の構造を考えたり、数式を使って物体の動きを計算したりする学問を想像する人が多いかもしれません。しかし、機械や製品を実際に使うのは人間です。「乗り心地がよい」「使いやすい」「自分にはこちらの方が合う」といった人間の感覚も、ものづくりを考えるうえでは重要です。
今回は竹原教授の研究を通して、高校で学ぶ数学や物理が、人間の動きや感覚まで含めたものづくりへどのように発展していくのかを見ていきましょう。
竹原昭一郎教授はどんな研究をしている?

竹原昭一郎教授は、上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属し、「機械・人間系の動力学解析」を研究しています。上智大学理工学部が公開している研究活動報告では、研究分野として機械力学、人間工学、マルチボディダイナミクス、感性工学が挙げられ、キーワードには自動車、鉄道、人体モデル、感性、スポーツなどが示されています。
上智大学理工学部の研究室紹介では、竹原研究室のテーマを「人の評価構造を解明し、モノづくりの指針を作る」と紹介しています。機械そのものだけを見るのではなく、それを使う人が何を感じ、なぜそのように評価するのかまで研究対象としていることが特徴です。
竹原教授は上智大学理工学部機械工学科を卒業し、上智大学大学院理工学研究科機械工学専攻博士後期課程を修了しています。博士(工学)取得後は、東京大学生産技術研究所、首都大学東京(現在の東京都立大学)、名古屋大学などを経て、2013年に上智大学 理工学部 機能創造理工学科の准教授に着任し、2020年から教授を務めています。
「心地よさ」を工学で考えるとは?
同じ自動車に乗っても、「安定していて快適」と感じる人もいれば、「もう少し動きを感じる方が好き」と思う人もいるでしょう。製品に対する人間の評価には個人差があります。
竹原研究室では、こうした人の「好み」を類型化し、考え方や感じ方を見える形にして、製品開発の指針につなげる研究に取り組んでいます。
ここで重要になるのが「感性工学」です。感性工学では、使いやすさや心地よさといった人間の感覚を、単なる「なんとなく好き」で終わらせず、アンケートや実験、計測などを通して分析していきます。
上智大学の公式記事でも、竹原教授は、モノを使う人の動きや感じ方まで科学的に数値化・可視化し、それをものづくりの新しい指針につなげる研究について説明しています。
マルチボディダイナミクスと人体の動き
竹原教授の研究分野の一つに「マルチボディダイナミクス」があります。少し難しい言葉ですが、複数の物体がつながって動くシステムを力学的に解析する考え方です。
たとえば人間の体には、腕、脚、胴体などがあり、それぞれが関節でつながっています。一つの部分だけが独立して動くのではなく、複数の部分が影響し合いながら複雑な動きを生み出しています。
竹原教授の研究活動では、簡易人体モデルを用いた人体運動分析も研究テーマとして示されています。高校の物理で学ぶ力、運動、加速度などの考え方が、大学では人体の動きを分析するための研究へ発展していくのです。
数学や物理を「問題を解くための科目」と考えるだけでなく、「現実の動きを説明するための道具」と考えてみると、大学での工学の見え方も変わってくるでしょう。
スポーツや鉄道も研究テーマになる
竹原教授の研究活動では、「スポーツ用具のプレイヤとのマッチング」や「高速鉄道車両の乗り心地」なども研究テーマとして挙げられています。
たとえばスポーツ用品について考えてみましょう。同じ道具でも、使う人の体格、動き方、好みなどによって「使いやすい」と感じる条件は異なる可能性があります。単純に性能の数値が高ければ、すべての人にとって最適な製品になるとは限りません。
鉄道の乗り心地についても同様です。車両の揺れを物理的に測定するだけでなく、その揺れを人がどのように感じるのかまで考えることで、「機械として優れている」だけではない設計を考えることができます。
このように、機械、人間、感性を一緒に考えるところに竹原教授の研究の面白さがあります。
機能創造理工学科の「複合知」とつながる研究

上智大学 理工学部 機能創造理工学科は、機械、電気、物理、化学、数学、情報などの領域を横断し、理工融合による「複合知」を重視しています。公式サイトでは、物理学や数学などの理学と、材料、デバイス、電子機器、エネルギー、機械システムなどの工学を融合的に学ぶ学科であることが示されています。
竹原教授の研究でも、機械力学だけでなく、制御工学や感性工学など複数の分野が関係しています。
「機械を作るなら機械のことだけ分かればよい」のではありません。人が使う製品であれば、人の身体や感覚について考える必要があります。社会で実際に使われる技術を考えるからこそ、一つの専門分野だけでは捉えきれない問題が出てくるのです。
高校生活から「人と機械」の問いを見つけよう
竹原教授の研究に興味を持ったからといって、高校生のうちから高度な機械工学や感性工学を研究している必要はありません。
たとえば、部活動でスポーツ用品を使っていて「同じ道具なのに、人によって使いやすさが違うのはなぜだろう」と疑問を持つことも出発点になります。電車に乗っていて、「同じ速度でも車両によって揺れ方や乗り心地が違うのはなぜだろう」と考えることもできます。
文化祭で展示物や装置を作った経験があるなら、「作る側には分かりやすかったのに、初めて使う人には操作方法が伝わらなかった」という経験から、人間中心の設計に興味が広がることもあるでしょう。
大切なのは経験の大きさではなく、その経験からどんな疑問を持ったのか、そして自分なりに何を調べたのかという過程です。
推薦入試では自分の興味を一段深く考えてみる
上智大学 理工学部 機能創造理工学科の推薦入試を考えている人は、「ものづくりが好きです」「自動車が好きです」というところから、もう一段深く自分の興味を整理してみましょう。
たとえば、「自動車が好き」という興味でも、「なぜ乗り心地に違いが生まれるのか」「人によって快適だと感じる条件が違うのはなぜか」「人間の感覚をどのように製品設計へ反映できるのか」と問いを広げることができます。
そこから竹原教授の研究を調べれば、「自分が疑問に感じていたことが、機械力学や人間工学、感性工学という学問につながっている」と気づくかもしれません。
研究テーマを高校生の段階で完全に決める必要はありません。出願書類や面接で問われる志望理由を考える際にも、最初から難しい専門用語を並べるのではなく、自分の経験や疑問から、なぜ上智大学 理工学部 機能創造理工学科で学びたいのかを整理していくことが大切です。
「人」を見ることから工学の世界を広げてみよう

竹原昭一郎教授の研究から分かるのは、工学の対象が機械だけとは限らないということです。機械を使う人間の動き、感じ方、好みまで研究対象にすることで、ものづくりには新しい視点が生まれます。
スポーツ用品、鉄道、自動車など身近なものについて、「なぜ使いやすいのだろう」「なぜ心地よいと感じるのだろう」と考えてみてください。その疑問を調べていくと、高校の数学や物理と、機械力学、人間工学、感性工学といった大学での学びとのつながりが見えてくるかもしれません。
自分の身近な疑問を掘り下げながら、上智大学 理工学部 機能創造理工学科ではどのような研究ができるのか、さらに調べてみてください。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


