上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|酒井志朗准教授の超伝導・準結晶の物性理論研究

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 機能創造理工学科の酒井志朗准教授と、超伝導・準結晶などを理論から探る物性物理学の研究」です。

「物理学の研究」というと、大きな実験装置を使って測定する姿を思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、自然現象を数式やモデルで表し、コンピュータによる計算も活用しながら物質の性質を解き明かす「理論」の研究もあります。酒井志朗准教授は、まさにそのような物性物理学の理論研究に取り組んでいます。


酒井志朗准教授はどんな研究をしている?

上智大学の公式情報によると、酒井志朗准教授は上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属し、物性理論を専門としています。主な研究テーマとして、強相関電子系、超伝導、準結晶、フラクタル、ハイパーユニフォーミティなどが挙げられています。

「物性物理学」とは、物質がなぜ電気を流すのか、なぜ磁石になるのか、温度を変えるとなぜ性質が変化するのかといった、物質が示すさまざまな性質を物理学の視点から研究する分野です。

酒井准教授は特に、原子の並び方と固体の性質との関係を理論的に研究しています。上智大学が公開している研究紹介では、高温超伝導体や準結晶などの電子状態・物性が研究分野として示されています。

2025年度の上智大学理工学部活動報告書では、銅酸化物高温超伝導体や二層ニッケル酸化物の電子状態、準結晶超伝導体の超伝導特性、準結晶中の電子の非一様分布なども具体的な研究テーマとして紹介されています。


「準結晶」は普通の結晶と何が違う?

酒井准教授が力を入れている研究の一つが「準結晶」です。

通常の結晶では、原子が一定のパターンを繰り返すように並んでいます。一方、準結晶では、原子の並び方に秩序はあるものの、通常の結晶のような周期的な繰り返しにはなっていません。

「規則性があるのに、同じパターンを単純に繰り返しているわけではない」というところが興味深いポイントです。原子の並び方が変われば、その中を動く電子の状態も変化し、物質全体の性質にも影響を与える可能性があります。

高校生であれば、まず「物質の性質は何によって決まるのだろう?」と考えてみるとよいでしょう。原子の種類だけで決まるのか、それとも原子の並び方も重要なのか。身近な物質から生まれるこうした疑問が、大学の物性物理学につながっていきます。


超伝導から「電子同士の関係」を考える

酒井准教授のもう一つの重要な研究テーマが「超伝導」です。超伝導とは、一定の条件のもとで電気抵抗がゼロになるなど、通常とは異なる性質が現れる現象です。

特に高温超伝導については、電子同士の強い相互作用が重要な研究対象となっています。上智大学は2026年にも、酒井准教授らが参加する研究グループによる銅酸化物高温超伝導体の電子状態に関する研究成果を発表しています。

ここで重要になる考え方の一つが「強相関電子系」です。これは、物質中の電子を一つずつ独立した存在として考えるだけでは説明しにくく、電子同士の影響を強く考慮する必要がある系です。

高校物理では、まず基本的な法則やモデルを使って問題を解きます。大学ではさらに、「単純なモデルでは説明できないとき、何を考慮すればよいのか」という方向へ学びが発展していきます。


ハイパーユニフォーミティとは?

酒井准教授の研究キーワードには「ハイパーユニフォーミティ」もあります。上智大学の研究活動報告では、非周期的な物質構造とハイパーユニフォーミティに関する研究が紹介されています。

ハイパーユニフォーミティは、簡単にいえば、一見すると不規則な配置でありながら、大きな範囲で見ると密度のばらつきが強く抑えられているような構造を考える概念です。

「規則正しく並んでいる」「完全にバラバラである」という二択では説明できない構造が存在するということです。

このような研究を見ると、物理学では教科書にある分類を覚えるだけでなく、「その中間には何があるのか」「別の規則性は存在しないのか」と問い直すことも重要だと分かります。


高校の数学と物理は大学でどう発展する?

理論物理学では、自然現象を数式やモデルとして表現し、そのモデルからどのような現象が生じるのかを考えます。そのため、高校で学んでいる数学や物理も重要な土台になります。

ただし、「計算が得意だから理論物理学に向いている」と単純に考える必要はありません。

たとえば物理の問題を解いたとき、「公式を使えば答えは出るけれど、そもそもなぜこの式になるのだろう?」と思ったことはないでしょうか。数学でも、「条件を少し変えたら結果はどうなるのだろう」と考えることがあります。

こうした疑問を持ち、条件を整理し、仮説を立て、論理的に確かめていく姿勢は、大学で理論を学ぶ際にもつながっていきます。さらに現代の物性理論では、複雑な問題を扱うためにコンピュータによる数値計算も重要な研究手段となります。


「理論」と「実験」は別々ではない

理論物理学という言葉から、「実験とは関係なく数式だけを考える研究」と思う人もいるかもしれません。しかし、理論と実験は互いに関係しながら科学を発展させています。

酒井准教授自身も上智大学の研究紹介で、実験研究者と議論しながら研究を進めることについて語っています。また、国内外の研究室との共同研究にも取り組んでいます。

実験によって新しい現象が発見されれば、それを説明する理論が必要になります。一方、理論から新しい現象が予想されれば、「本当に起こるのか」を実験で確かめるという展開も考えられます。

上智大学 理工学部 機能創造理工学科で学ぶ際にも、「理論か実験か」と最初から狭く決めるのではなく、さまざまな研究方法を知りながら、自分がどのような問いに興味を持つのかを考えてみるとよいでしょう。


推薦入試に向けて研究内容をどう生かす?

推薦入試を考えている高校生は、酒井准教授の研究内容を単に覚えるのではなく、「自分の疑問とどこでつながるのか」を考えてみてください。

たとえば、「物理の授業で電気抵抗を学び、なぜ物質によって電気の流れ方が大きく違うのか疑問を持った」「数学で規則性について考えることが好きで、周期的ではない準結晶の構造に興味を持った」といった出発点があります。

そこから、「原子の並び方が電子の状態にどのような影響を与えるのか」「なぜ高温超伝導が生じるのか」と問いを深めていけば、自分の高校での学びと大学の研究との接点が見えてきます。

大切なのは、難しい専門用語をたくさん使うことではありません。「何をきっかけに疑問を持ったのか」「調べて何が分かったのか」「それでも分からないことは何か」「大学では何をさらに学びたいのか」という流れを自分の言葉で整理することです。


身近な「なぜ?」から物性物理学の世界へ

酒井志朗准教授の研究から見えてくるのは、物質の世界には、まだ単純には説明できない現象が数多く残されているということです。超伝導、準結晶、強相関電子系、ハイパーユニフォーミティなどは難し

く聞こえますが、その出発点には「物質はなぜこのような性質を示すのだろう」という基本的な問いがあります。

上智大学 理工学部 機能創造理工学科を考えている人は、高校で学んでいる数学や物理を「受験のための問題」として見るだけでなく、身近な自然現象や科学技術を理解するための道具として眺めてみてください。

そして興味を持った現象があれば、上智大学の教員紹介や研究紹介を読み、「この学科ではどこまで深く研究できるのだろう」と調べてみましょう。その積み重ねが、自分の興味と上智大学 理工学部 機能創造理工学科での学びを結びつけるきっかけになります。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。