こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、「国際関係法学科志望者は多様性をどう書けばよいのか」です。

上智大学法学部国際関係法学科の推薦入試を考えるとき、「多様性」という言葉を使いたいと考える人は多いと思います。

出願書類や面接で問われる志望理由の中でも、

「多様な価値観を理解したい」

「多様な文化が共存する社会を考えたい」

と表現する人は少なくありません。

もちろん、多様性への関心は国際関係法学科の学びと深くつながっています。

しかし「多様性」という言葉は意味が広いため、そのまま使うだけでは内容がぼんやりしてしまうことがあります。

大切なのは、自分が多様性をどのように理解し、どのような問いにつなげているのかを具体的に伝えることです。

今回は、国際関係法学科を目指す人が「多様性」をどのように考え、出願書類や面接で表現すればよいのかを解説します。


多様性とは何を意味するのか

多様性とは、人それぞれが異なる背景や価値観を持っているという考え方です。

国際社会では、文化、宗教、言語、歴史、社会制度、経済状況などによって、人々の考え方や国の立場が大きく異なります。

例えば、同じ人権問題について考える場合でも、国によって歴史や制度が違うため、考え方や対応が変わることがあります。

環境問題でも、環境保護を優先したい国と、経済発展を優先せざるを得ない国では、同じルールに対する受け止め方が異なります。

このように多様性とは、「みんな違ってよい」というやさしい言葉だけで終わるものではありません。

違いがあるからこそ、衝突や対立が生まれることもあります。

国際関係法学科では、その違いをどう理解し、どのようなルールや仕組みで共存を考えるのかが重要なテーマになります。


「多様性を尊重したい」だけでは弱い

出願書類でよく見られるのが、「多様性を尊重する社会を実現したい」という表現です。

この考え方自体はとても大切です。

しかし、この一文だけでは、なぜそう考えるようになったのかが伝わりません。

読み手が知りたいのは、きれいな言葉ではなく、その言葉の背景にある経験や問題意識です。

例えば、学校生活の中で価値観の違いを感じた経験があるかもしれません。

友人との話し合いで、同じ出来事でも人によって受け止め方が違うと気づいたことがあるかもしれません。

また、ニュースを通して、文化や宗教の違いが国際的な対立につながることを知った人もいるでしょう。

そのような経験から、

「なぜ違いは対立につながることがあるのだろう」

「異なる価値観を持つ人々が共に生きるには、どのようなルールが必要なのだろう」

と考えたなら、それが国際関係法学科につながる問いになります。


経験から問いを作る

多様性について書くときは、自分の経験から問いを作ることが大切です。

特別な海外経験がなくても構いません。

高校生活の中にも、多様性について考えるきっかけはあります。

例えば、クラスで意見が分かれたときに、自分とは違う考えにも理由があると感じた経験。

部活動で立場の違う人と話し合い、全員が納得できるルールを考えた経験。

ニュースを見て、文化や宗教、国の制度の違いが社会問題に影響していると知った経験。

こうした出来事は、すべて問いの出発点になります。

大切なのは、経験をただ紹介することではありません。

その経験を通して何を疑問に思い、どのように考えたのかを伝えることです。

例えば、「文化の違いを理解したい」だけではなく、「文化の違いがある中で、人権をどのように守るべきなのかを考えたい」と書くと、国際関係法学科での学びにつながりやすくなります。


異なる立場を理解する姿勢

国際社会では、一つの問題に対してさまざまな立場があります。

ある国にとって当然に見える考え方が、別の国にとっては受け入れにくいこともあります。

そのため、国際関係法学科を目指す人には、異なる立場を理解しようとする姿勢が求められます。

例えば難民問題を考える場合、難民本人の立場だけでなく、受け入れ国や地域社会の立場もあります。

人権問題でも、国際的な基準と各国の文化や制度との関係を考える必要があります。

ここで大切なのは、「どちらが正しいか」を急いで決めることではありません。

なぜその立場が生まれるのか、どのような背景があるのかを考え続けることです。

推薦入試でも、このような多面的な視点や他者理解は大切な評価ポイントになります。

自分の意見を持ちながらも、異なる考えに耳を傾ける姿勢を意識しましょう。


多様性を法の視点で考える

国際関係法学科を目指すなら、多様性を感情だけで語るのではなく、法やルールの視点から考えることも大切です。

価値観や文化が異なる人々が共に生きるためには、公平な仕組みやルールが必要になります。

例えば、宗教や文化の違いを尊重しながら、人権をどのように守るのか。

国ごとに制度が違う中で、国際社会としてどこまで共通のルールを作ることができるのか。

自由や平等といった価値を、異なる社会の中でどのように実現していくのか。

こうした問いは、国際関係法の学びと深く関わっています。

「多様性を尊重したい」と書く場合も、そこで終わらせるのではなく、「多様な価値観がある社会で、どのようなルールが必要なのかを学びたい」とつなげると、学科との結びつきが明確になります。


推薦入試で伝えたい多様性の考え方

上智大学の推薦入試では、多様性という言葉を使うこと自体が評価されるわけではありません。

大切なのは、その言葉を通して何を考えているのかです。

多様性について書くときは、次の流れを意識すると整理しやすくなります。

  • 多様性について考えるきっかけとなった経験
  • そこで生まれた疑問
  • 異なる立場や背景について考えたこと
  • 国際関係法学科で深めたい問い

この流れがあると、抽象的な言葉だけで終わらず、自分の思考が伝わりやすくなります。

推薦入試は、完璧な答えを持っている人を選ぶ試験ではありません。

多様な社会の中で問いを持ち、考え続けられる人を見つける試験です。


国際関係法学科を目指すあなたへ

多様性という言葉は、国際社会を考えるうえでとても大切なテーマです。

しかし、出願書類や面接で問われる志望理由では、その言葉を使うだけで満足しないことが大切です。

なぜ多様性に関心を持ったのか。

どのような違いに向き合いたいのか。

異なる立場の人々が共に生きるために、どのようなルールや仕組みが必要だと思うのか。

このように、自分なりの問いを持つことで、志望理由はよりあなたらしいものになります。

今日から、学校生活やニュースの中で感じた「違い」に少し目を向けてみてください。

その違いをどう理解し、どう共に生きるかを考えることが、上智大学法学部国際関係法学科での学びにつながる第一歩になるはずです。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。