上智大学 経済学部 経済学科|近藤広紀教授に学ぶ「財政学」と地域経済の仕組み

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、
「上智大学 経済学部 経済学科・近藤広紀教授の研究から考える、財政学と地域経済の仕組み」です。

私たちが暮らす地域には、道路、公園、学校、図書館など、さまざまな公共サービスがあります。一方で、「同じ日本なのに、なぜ地域によって便利さや人口の集まり方が違うのだろう」と疑問に思ったことはないでしょうか。

上智大学経済学部経済学科の近藤広紀教授は、財政・公共経済学、都市・地域経済学、マクロ経済学を研究しています。上智大学の最新公式情報でも、近藤教授は経済学部経済学科の教授として掲載され、INTRODUCTION TO ECONOMICS、マクロ経済学B、マクロ経済学特講I、公共経済学特講などを担当しています。


財政学・公共経済学とは何を考える学問?

財政学や公共経済学では、国や地方自治体がどのように税金を集め、限られた財源をどのように使えばよいのかを考えます。

例えば、ある自治体に100億円の予算があったとしても、すべての要望を実現できるとは限りません。子育て支援を充実させるのか、高齢者福祉を重視するのか、道路を整備するのか、防災に使うのか。限られた財源の中で優先順位を決める必要があります。

ここで難しいのは、「全員にとって一番良い使い方」が簡単には決まらないことです。高校生、子育て世代、高齢者、企業など、立場によって必要だと感じる政策は異なります。

だからこそ、「誰にどのような効果があるのか」「費用に対してどれくらいの効果が期待できるのか」と考えながら政策を分析していきます。


なぜ地域によって人や企業の集まり方が違うのか

近藤教授の研究分野には、都市・地域経済学も含まれています。大学院経済学専攻の公式情報では、地理的な側面を取り入れた地域間の財政関係など、公共政策について研究していることが紹介されています。

例えば、若い人が都市部へ移動し、地方で人口減少が進むという話を聞いたことがあるでしょう。では、なぜ人は特定の都市に集まるのでしょうか。

大学や企業が多いからかもしれません。交通が便利だからかもしれません。人が集まることで新しい店やサービスが増え、それがさらに人を呼ぶことも考えられます。

反対に、人口が減る地域では、利用者の減少によって商店や公共交通を維持しにくくなり、それがさらに暮らしにくさにつながる可能性があります。

こうした地域ごとの違いを、「地方には人が少ないから」と一つの理由だけで説明するのではなく、人の移動、企業の立地、公共サービス、交通など複数の要因から考えるのが地域経済を学ぶ面白さです。


道路や公共施設をつくれば地域は豊かになる?

公共事業についても、財政学や地域経済学から考えることができます。道路や鉄道などの社会資本を整備すれば、人や物が移動しやすくなり、企業活動を後押しする可能性があります。

一方で、大きな施設をつくれば必ず地域が発展するとは限りません。建設には多くのお金が必要ですし、完成後も維持費がかかります。人口や利用者が減少すれば、将来の世代が維持費を負担することになるかもしれません。

近藤教授の研究情報でも、公共財、社会資本、人口移動、産業集積、都市・地域経済学、経済成長などが研究上の関心として示されています。

ここから、「今必要だからつくる」という視点だけでなく、「10年後、20年後にも必要なのか」「別の方法に予算を使った場合と比べてどうか」と考えることができます。


マクロ経済学から社会全体を見る

近藤教授の研究分野にはマクロ経済学も含まれています。マクロ経済学とは、一つの企業や一人の消費者ではなく、国や社会全体の経済活動を考える分野です。

ニュースで聞く「景気」「物価」「経済成長」「財政赤字」といった言葉もマクロ経済学と関係しています。

例えば、景気を良くするために政府が支出を増やせば、企業の仕事や雇用が増える可能性があります。一方で、支出に必要なお金を借金によってまかなえば、将来その負担をどうするのかという問題が残ります。

つまり、「今の経済を支えること」と「将来の負担を抑えること」の両方を考える必要があります。経済政策では、一つの目的だけを見ればよいわけではないのです。


自分の住む地域も経済学の研究対象になる

財政学や地域経済学は、高校生の生活から遠い学問ではありません。

例えば、「駅前のお店が減った」「新しい商業施設ができて人が増えた」「バスの本数が減った」「子育て支援に力を入れている自治体がある」といった地域の変化も、考える材料になります。

探究活動で自分の地域について調べるなら、人口の変化、年齢構成、商業施設、交通、自治体の予算などを比較してみる方法もあります。

そのとき、「人口が減っているから問題だ」と結論づけるだけではなく、「なぜ減っているのか」「誰にとって困るのか」「自治体にはどのような選択肢があるのか」と問いを深めてみることが大切です。


高校までの学びと大学での経済学の違い

高校の公共や政治・経済では、税金、政府の役割、地方自治、景気などの基本的な仕組みを学びます。大学では、その知識を使って、現実の社会問題をより細かく分析していきます。

例えば、「地方創生が必要です」と考えるだけでなく、「どの政策なら人の移動や企業の立地に影響するのか」「限られた予算の中で何を優先するべきか」「政策の効果をどのデータで確かめるのか」と考えます。

大学での経済学では、一つの正解を覚えるというより、理論やデータを使って自分の考えを検討し、別の可能性も考えることが重要になります。


推薦入試に向けて地域の「なぜ?」を見つけよう

上智大学経済学部経済学科の推薦入試を考えている人も、最初から財政学の専門知識を身につけている必要はありません。

まずは、「なぜ自分の地域では若い人が減っているのだろう」「なぜ隣の自治体とは公共サービスが違うのだろう」「限られた税金を何に優先して使うべきなのだろう」といった身近な疑問を大切にしてみてください。

そして、自分の意見だけで結論を出さず、高校生、高齢者、自治体、地域企業など、異なる立場から考えてみましょう。一つの政策でも、立場が変わればメリットと負担の見え方が変わります。

出願書類や面接で問われる志望理由を考える際にも、「地方創生に興味があります」で終わらせず、何を見て疑問を持ったのか、その背景をどのように調べたのか、経済学を使って何をさらに考えたいのかまで整理してみてください。


地域を見る視点を少し変えてみよう

私たちが暮らしている街の姿は、偶然だけでできているわけではありません。人の移動、企業の活動、自治体の政策、税金の使い方など、さまざまな要因が関係しています。

だからこそ、「この地域は便利」「この地域は不便」と感じたときに、そこで考えることを終わらせず、「なぜ違いが生まれているのだろう」と一歩踏み込んでみてください。

さらに、「便利にするためには何が必要か」「その費用は誰が負担するのか」「別の世代から見たらどうか」と問いを広げれば、身近な地域の問題が財政学や公共経済学、地域経済学のテーマにつながっていきます。

自分の住む街を経済学の視点から見直してみることから、上智大学経済学部経済学科で学びたいテーマを探してみてはいかがでしょうか。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト、上智大学経済学部公式サイト、上智学院教員教育研究情報データベース等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。教員の所属、研究分野、担当科目、カリキュラム、入試制度などは今後変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。