
上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 丸井雅子教授とは?東南アジア考古学・文化遺産研究からアンコール遺跡を考える
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「丸井雅子教授の研究と、総合グローバル学科で学べる東南アジア考古学・文化遺産研究について」です。
上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科で、東南アジアの歴史や文化遺産を研究しているのが丸井雅子教授です。専門は、東南アジア考古学と文化遺産研究です。特にカンボジアのアンコール遺跡群をフィールドとして、発掘調査や地域住民への聞き取りを通じて、遺跡がどのような歴史を歩み、人々にとってどのような意味を持ってきたのかを研究しています。
丸井雅子教授は何を研究している?

丸井教授は、アンコール遺跡群の一つであるバンテアイ・クデイを中心に考古学調査を続けています。考古学とは、地中に残された建物の跡や土器、瓦などを調べ、過去の人々の生活や文化を明らかにする学問です。
カンボジアでは、日本と比べて文字として残された史料が限られているため、遺跡や出土品そのものが歴史を知る重要な手がかりになります。丸井教授は、土の層や出土品を丁寧に記録しながら、その場所がどのように形成されてきたのかを考えています。
アンコール遺跡は観光地だけではない
アンコール遺跡群というと、世界中から多くの観光客が訪れる世界遺産というイメージを持つ人が多いでしょう。しかし、丸井教授の研究では、遺跡を観光資源として見るだけではありません。
バンテアイ・クデイの周辺には、長くその地域で暮らしてきた人々がいます。遺跡は、ある時期には戦火から逃れる場所として使われ、また別の時期には祖先を埋葬する場所として利用されてきました。
つまり、世界から見れば有名な文化遺産であっても、地域住民にとっては生活や記憶と結びついた場所でもあります。この二つの見方を重ね合わせることで、文化遺産の意味をより深く理解できます。
発掘だけでなく「聞くこと」も研究になる
丸井教授の研究の特徴の一つが、考古学的な発掘と地域住民への聞き取りを組み合わせていることです。
地面を掘れば、昔の建物や道具の痕跡を見つけることができます。一方で、地域の人々がその場所をどのように使ってきたのか、どのような記憶を持っているのかは、発掘だけでは分からないことがあります。
そこで、現地の人に話を聞き、考古学的な資料と人々の記憶を照らし合わせることで、遺跡の歴史をより立体的に捉えていきます。
「資料に書いてあることだけが歴史なのか」という問いも、丸井教授の研究から考えることができます。
文化遺産は誰のために守るのか
丸井教授が担当している「アジア文化遺産研究」では、文化遺産そのものの価値だけでなく、国家、市民社会、グローバルという異なる立場から文化遺産を考えます。
世界遺産に登録されれば、観光客が増え、地域経済に良い影響が生まれる可能性があります。一方で、保護のために土地利用が制限されたり、地域住民の暮らし方が変化したりする場合もあります。
そのため、「古いものだから守るべきだ」と単純に考えるのではなく、「誰が価値を決めるのか」「地域の人々にとってその遺産は何なのか」と考える必要があります。
文化遺産と国際協力もつながっている

カンボジアでは、長年の内戦によって文化財も大きな影響を受けました。1990年代以降、国際社会による復興支援の中で、アンコール遺跡群の保存や修復も進められてきました。上智大学も調査や人材養成に関わってきました。
文化遺産を守る国際協力では、外国の専門家が一方的に保存方法を決めればよいわけではありません。現地の研究者や学生、地域住民が文化遺産をどのように受け継いでいくのかを考えることも重要です。
文化遺産研究は、歴史だけでなく、国際協力、観光、地域社会、人材育成など現代の問題にもつながっています。
高校生なら身近な文化遺産から考えてみよう
丸井教授の研究は、アンコール遺跡へ行ったことがなくても身近なところから考えられます。
例えば、地元に古い神社や町並み、祭り、歴史的建造物があれば、「なぜこれは残されているのだろう」「誰が守っているのだろう」「観光客が増えると地域はどう変わるのだろう」と考えてみてください。
また、SNSで有名な世界遺産の写真を見たときも、景色の美しさだけでなく、「そこで暮らす人にとって、この場所はどのような存在なのだろう」と考えると、文化遺産研究につながる問いになります。
総合グローバル学科のアジア研究とどうつながる?
丸井教授の研究は、総合グローバル学部のアジア研究領域と深く関係しています。東南アジアという具体的な地域を深く研究しながら、文化遺産をめぐる国際協力や観光、地域社会との関係まで視野を広げています。
総合グローバル学科でいう「グローバル」は、世界全体を広く眺めることだけではありません。アンコール遺跡のような一つの場所を深く調べることで、文化財保護や観光、国際協力という世界規模の課題が見えてくることがあります。
ローカルな現場とグローバルな動きを往復して考えることが、地域研究の大きな魅力です。
推薦入試では「世界遺産が好き」の先を考えてみよう
推薦入試を考えている高校生も、丸井教授の研究テーマに自分の関心を合わせる必要はありません。教授の研究を知ることを、自分の興味をさらに深めるきっかけとして活用してみてください。
例えば、「世界遺産に興味がある」で終わらず、「誰がその価値を決めるのか」「観光と文化財保護は両立できるのか」「地域住民は世界遺産登録をどのように受け止めているのか」と問いを広げることができます。
自分が当たり前だと思っていた文化財の見方を少し変えてみることで、大学で研究したいテーマも具体的になっていくでしょう。
丸井雅子教授の研究から文化遺産の見方を広げよう

丸井雅子教授の研究を知ると、遺跡は単に昔のものを保存する場所ではなく、過去と現在、地域社会と世界をつなぐ存在だと分かります。
次に世界遺産や歴史的な場所を訪れたときは、「いつ造られたのか」だけでなく、「その後どのように使われてきたのか」「今そこに暮らす人々にとってどのような意味があるのか」にも目を向けてみてください。身近な文化遺産への疑問が、東南アジア考古学や地域研究につながるかもしれません。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


