上智大学 理工学部 物質生命理工学科 教員紹介|近藤次郎教授のDNA・RNA構造研究とは

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 物質生命理工学科の近藤次郎教授と、DNA・RNAの立体構造を活用した研究」です。

DNAやRNAという言葉は、高校の生物でもよく登場します。遺伝情報を扱う分子として知られていますが、近藤次郎教授は、その「情報」だけでなく、分子そのものの立体的な形にも注目しています。DNAやRNAがどのような形をとるのかを詳しく調べ、その構造情報を新しい医薬品やナノマテリアルのデザインへ生かす研究に取り組んでいます。


近藤次郎教授の専門は生物物理学・構造生物学

近藤教授は、上智大学 理工学部 物質生命理工学科の教授です。上智大学公式サイトでは、研究分野として「DNAの立体構造情報を活用した医薬品・ナノマテリアルのデザイン」が紹介されています。

大学院では、生物物理学、構造生物学、Structure-Based Designを専門分野とし、X線結晶解析による生体高分子の構造研究と、その立体構造を基盤とした薬剤やナノバイオデバイスの設計・開発に取り組んでいます。

高校の生物ではDNAやRNAの働きを学びますが、大学では「その分子は実際にどのような形をしているのか」「形が変わると働き方はどう変わるのか」といった問いまで研究していきます。


X線を使って分子の立体構造を調べる

近藤教授の研究で重要な方法の一つが「X線結晶解析」です。

これは、分子を規則正しく並べた結晶にX線を当て、そこで生じる回折のデータから分子の立体構造を調べる方法です。肉眼では見ることのできないDNAやRNAなどの分子について、原子がどのように並んでいるのかを詳しく解析できます。

分子の立体構造が分かると、「なぜこの薬はこの分子に結合するのか」「なぜ少し構造が変わると働きが変わるのか」といったことを考えられるようになります。

高校で構造式を見ながら分子について考えた経験も、その先では三次元的な構造を測定し、機能との関係を読み解く研究へと発展していきます。


RNAの構造から新しい薬を考える

近藤教授は、RNAを標的とした創薬研究にも取り組んでいます。これまでには、細菌のリボソームRNAと抗生物質の結合をX線結晶解析によって調べ、薬剤耐性や副作用に関係する分子構造を研究してきました。

さらに2026年には、JAXAの国際宇宙ステーション「きぼう」を利用した研究課題として、「創薬標的RNAの微小重力結晶化」が採択されています。

地上では重力の影響によって結晶をきれいにつくることが難しい場合があります。そこで微小重力環境を利用し、RNAのより高品質な結晶をつくることで、詳しい立体構造の解明を目指す研究です。

宇宙で行う実験が、地上の生命科学や創薬研究につながるという点も、現代の理工学研究の広がりを感じられる例です。


DNAを「材料」として使う研究も

近藤教授の研究は医薬品だけではありません。DNAやRNAを利用したナノマテリアルの研究にも取り組んでいます。

DNAは遺伝情報を持つ分子ですが、決まった相手と結合する性質や、規則正しい立体構造をつくる性質も持っています。こうした特徴を利用すると、ナノメートルという非常に小さな世界で材料を組み立てることができます。

上智大学では、単一のDNA配列から形成される2種類の銀ナノクラスターについて、構造基盤の一端を明らかにした研究成果も発表されています。

「DNAは遺伝子の材料」という高校でのイメージから一歩進み、「DNAそのものを新しい材料として利用できるのではないか」と考えるところに、生命科学と材料科学が交わる面白さがあります。


物質と生命の両方を扱う研究

上智大学 理工学部 物質生命理工学科では、物理学、化学、生物学、環境科学、材料工学などを複合的に学びます。原子や分子から高分子、生命現象までを対象として、「物質とナノテクノロジー」「環境と生命の調和」「高機能材料の創成」をキーテーマに専門教育を行っています。

近藤教授の研究は、この学科の「物質」と「生命」が交わる様子をイメージしやすい研究の一つです。

DNAやRNAを生命現象に関わる分子として研究するだけでなく、その構造を医薬品の設計やナノ材料へ利用することで、生物学、化学、物理学、材料科学など複数の視点が結びついています。


高校の生物や化学から問いを広げよう

近藤教授の研究に興味を持ったら、高校の授業で学んだDNAやRNAについて、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。

たとえば、「DNAはなぜ決まった相手と結合できるのだろう」「RNAの形が変わると働きも変わるのだろうか」「薬はどうやって狙った分子だけに作用するのだろう」「DNAを材料として使うとはどういうことだろう」といった問いがあります。

高校生の段階でX線結晶解析や高度な分子設計ができる必要はありません。生物や化学の授業で覚えた知識について、「なぜそうなるのか」「別の使い方はできないのか」と疑問を持つことが研究への入口になります。


推薦入試では「DNAに興味がある」の先まで考える

上智大学 理工学部 物質生命理工学科の推薦入試を考えている場合、「DNAに興味があります」「創薬に興味があります」という言葉から、もう一段深く自分の関心を整理してみましょう。

たとえば、遺伝子について学んだことをきっかけに興味を持ったのであれば、「DNAやRNAの立体構造と働きにはどのような関係があるのか知りたい」と考えることができます。薬剤耐性のニュースを見た経験から、「薬と標的分子の結合を構造から理解したい」と疑問を発展させることもできます。

研究テーマを高校生の段階で完全に決める必要はありません。大切なのは、自分が何に興味を持ち、調べる中でどのような新しい疑問が生まれたのかを整理することです。

近藤教授の研究を知ると、高校で学ぶDNAやRNAが、創薬からナノマテリアルまで幅広い研究につながっていることが分かります。教科書で学んだ生命現象を「分子の形」という視点から改めて考え、上智大学 理工学部 物質生命理工学科でどのような研究ができるのか、さらに調べてみてください。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。