
上智大学 理工学部 物質生命理工学科 教員紹介|Penaflor Tania特任助教の生体材料研究とは
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 理工学部 物質生命理工学科のPenaflor Tania特任助教と、生体材料・界面相互作用の研究」です。
人工的につくられた材料を人の体の中で使うとき、その材料が周囲の細胞やタンパク質とどのように関わるのかを考えることはとても重要です。Penaflor Tania特任助教は、こうした生体材料と周囲の環境との相互作用を研究しています。
Penaflor Tania特任助教の研究テーマ

Penaflor特任助教は、上智大学 理工学部 物質生命理工学科に所属し、生体材料や生体適合性、界面相互作用、ナノ粒子などをキーワードに研究しています。
主な研究テーマは、生体不活性材料と生体活性材料を組み合わせた材料の新しい合成方法を開発し、それらの材料が周囲の環境とどのように相互作用するのかを調べ、さらに生物学的な評価を行うことです。
「生体材料」と聞くと少し難しく感じるかもしれません。簡単にいえば、人の体と関わる場所で使用することを想定した材料です。医療の分野では、材料そのものの強さや加工しやすさだけでなく、細胞やタンパク質などと接したときにどのような反応が起こるのかまで考える必要があります。
材料の「表面」で何が起きているのかを調べる
Penaflor特任助教の研究で重要になるのが、材料と周囲の環境との境界で起きる「界面相互作用」です。
たとえば、ある材料を生体内で使用すると、その表面には水分子が集まって水和層が形成されたり、タンパク質が吸着したりします。その後、細胞が接着し、広がっていく場合もあります。Penaflor特任助教は、こうした一連の現象や抗菌活性などについて研究し、生体材料をより深く理解することを目指しています。
材料をつくって終わりではなく、「その材料が体の中でどのように振る舞うのか」まで確かめる必要があるところに、この研究の面白さがあります。化学、生物学、材料工学など、複数の分野の知識が交わる研究といえるでしょう。
ヒドロキシアパタイトや生分解性材料の研究経験
Penaflor特任助教は、長岡技術科学大学の博士課程で、ヒドロキシアパタイトのナノ粒子を用いた薄膜の作製と、その界面で起こる現象について研究しました。
ヒドロキシアパタイトは、骨や歯とも関係の深い物質です。研究では、材料表面に形成される水和層やタンパク質の吸着と、細胞の接着との関係などが調べられてきました。
また、2020年から2024年には長岡工業高等専門学校で、生分解性マグネシウムとチタンを組み合わせた接合材料についても研究しています。生分解性材料とは、一定の役割を果たした後に分解していく性質を持つ材料です。
ただし、「分解する材料なら何でも医療に使える」というわけではありません。必要な期間は十分な性能を保ち、その後どのように変化するのかを確かめる必要があります。材料の構造や強度、生体との相互作用など、さまざまな視点から検討することが重要です。
メキシコと日本で学んできた研究者

Penaflor特任助教は、メキシコのグアナフアト大学で薬学・生物学・化学に関する学士号を取得しています。その後、長岡技術科学大学で工学の修士号と博士号を取得し、グアナフアト大学では化学の修士号も取得しています。
研究経歴を見ると、セラミックス材料、生体材料、ナノ粒子、水処理、生分解性材料など、さまざまなテーマに取り組んできたことが分かります。
2024年9月から上智大学 理工学部 物質生命理工学科の特任助教として教育・研究に携わっています。異なる国や研究環境で学んできた経験を持つ研究者がいることは、国際的な環境で理工学を学びたい高校生にとっても興味深い点でしょう。
物質生命理工学科の学びとどうつながる?
上智大学 理工学部 物質生命理工学科では、物理学、化学、生物学などを総合的に学びながら、物質と生命について考えていきます。「物質とナノテクノロジー」「環境と生命の調和」「高機能材料の創成」といったテーマを通じて、従来の学問分野を横断しながら学べることが特徴です。
Penaflor特任助教の研究は、その特徴をイメージしやすい研究の一つです。材料を化学的につくるだけでなく、生物学的な評価を行い、細胞やタンパク質との関係まで調べます。
高校では化学、生物、物理を別々の科目として学ぶことが多いですが、大学ではそれぞれの知識を組み合わせながら一つの課題を考えることがあります。
「化学が好きだけれど、生物にも興味がある」「材料の性質を人の健康や医療につなげて考えてみたい」と感じている高校生にとって、こうした研究は大学での学びを具体的に知るきっかけになるでしょう。
高校の授業から研究への問いをつくってみよう
生体材料について詳しく研究した経験がなくても、身近なところから疑問を持つことはできます。
たとえば、化学の授業で金属やセラミックスの性質を学んだときに、「体の中で使う材料には、どのような性質が必要なのだろう」と考えてみることができます。
生物の授業で細胞について学んだなら、「人工的な材料に細胞が触れたとき、細胞はどのような反応をするのだろう」と問いを広げることもできます。
こうした疑問を調べていくと、材料の強度だけではなく、表面の性質やタンパク質との関係、細胞への影響など、さまざまな要素が関係していることに気づくはずです。
大学で学ぶ理工学は、高校で覚えた知識をそのまま繰り返すものではありません。高校で得た知識を使って、新しい問いについて考えたり、実験によって確かめたりしていく学びへと発展していきます。
推薦入試を考えるなら研究内容まで調べてみる

上智大学 理工学部 物質生命理工学科の推薦入試を考える際には、「化学が得意だから」「生物が好きだから」だけで終わらず、その先にどのような興味があるのかを考えてみましょう。
たとえば「医療に関わる材料に興味がある」のであれば、なぜ興味を持ったのか、どのような技術に疑問を持っているのか、大学ではどの部分をさらに学びたいのか、と一段ずつ掘り下げていきます。
そのうえで、物質生命理工学科の教員がどのような研究に取り組んでいるのかを調べると、自分の興味と大学での学びとの接点を見つけやすくなります。
Penaflor特任助教の研究からは、化学、生物学、材料工学などを組み合わせることで、人と材料との関係を科学的に明らかにしていく研究の世界が見えてきます。高校で学んでいる化学や生物が、その先でどのような研究につながっているのか、ぜひ自分でも調べてみてください。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


