上智大学 文学部 フランス文学科の多様性の書き方|推薦入試で自分の経験を伝える方法

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、
「上智大学 文学部 フランス文学科の多様性の書き方|推薦入試で自分の経験を伝える方法」です。


「多様性を大切にしたい」だけでは伝わりにくい

上智大学文学部フランス文学科の推薦入試を考えるなかで、「多様性」という言葉を使いたいと思う人は多いかもしれません。

フランス語やフランス文化を学ぶことは、自分とは異なる価値観に触れることでもあります。そのため、多様性への関心は学科の学びとも結びつきやすいテーマです。

ただし、提出書類や面接で「多様性を大切にしたいです」と書くだけでは、自分が何を考えているのかが十分に伝わらないことがあります。

大切なのは、多様性という言葉を使うことではなく、自分がどのような違いに気づき、その違いについて何を考えたのかを具体的に示すことです。

立派な経験を用意する必要はありません。学校生活や読書、映画、日常の人間関係のなかに、多様性を考えるきっかけはあります。


多様性とは「いろいろな人がいること」だけではありません

多様性というと、国籍や言語、文化の違いを思い浮かべる人が多いでしょう。

しかし、人と人との違いはそれだけではありません。育った環境、家庭の事情、得意なこと、考え方、性格、年齢、価値観などにも違いがあります。

例えば、同じクラスで生活していても、発言するのが得意な人もいれば、時間をかけて考えてから意見を伝える人もいます。

部活動でも、勝つことを最優先にしたい人と、全員が楽しく参加できることを大切にしたい人では、目指す方向が異なるかもしれません。

多様性を考えるとは、違う人がいることを知るだけではなく、その違いがなぜ生まれるのか、どうすれば互いに関わりやすくなるのかを考えることです。


自分の経験から書き始めてみる

多様性について書くときは、まず自分が実際に経験した場面を振り返ってみましょう。

例えば、文化祭の準備で意見が対立した経験があるとします。自分は早く作業を進めたいと考えていた一方で、別の人は全員が納得するまで話し合いたいと考えていたかもしれません。

この経験について、「意見の違う人とも協力しました」とまとめるだけでは、考えの深さは伝わりにくくなります。

「最初は相手が作業を遅らせているように感じたが、話を聞くと、参加しづらい人の意見も取り入れたいと考えていたことが分かった」と書けば、自分の見方が変化したことまで伝えられます。

経験そのものよりも、その出来事を通して何に気づき、どう考え直したのかが大切です。


自分が多数派だった場面にも目を向ける

多様性について考えるとき、困っている人や少数の立場にいる人だけに注目しがちです。

しかし、自分が多数派や慣れている側にいた経験を振り返ることも重要です。

例えば、クラスの中で当たり前に使われているルールが、転校してきた人には分かりにくかったということがあるかもしれません。

自分にとって普通だったことが、別の人にとっても普通とは限りません。

「自分は困っていなかったため、相手の不便さに気づけなかった」という振り返りは、他者の立場を想像するきっかけになります。

多様性について書くときは、「自分は理解のある人です」と見せようとするより、自分にも見えていなかった部分があったことを率直に整理するほうが、学びの姿勢が伝わります。


フランス文学から多様性を考える

上智大学文学部フランス文学科では、文学作品を通してさまざまな立場の人々に出会います。

作品には、異なる社会階層の人、外国にルーツを持つ人、社会の決まりに生きづらさを感じる人など、多様な登場人物が描かれています。

登場人物の行動を、自分の今の価値観だけで判断すると、理解できない部分が出てくることもあるでしょう。

そこで、作品が書かれた時代や社会制度、宗教、家族観などを調べると、その人物が置かれていた状況が見えてきます。

文学を読むことは、自分とは異なる人生や価値観を想像することでもあります。

「なぜこの人物はこの選択をしたのか」「現代の自分からはどう見えるのか」と考えることで、多様性を言葉だけではなく、人間の生き方として捉えられるようになります。


違いを単純に国ごとにまとめない

フランス文化に関心を持つと、「フランス人は個人を大切にする」「日本人は周囲との調和を重視する」と説明したくなることがあります。

こうした比較が学びの入り口になることはありますが、国ごとに人々の特徴を決めつけるのは注意が必要です。

同じフランスで暮らす人でも、年代や地域、家庭環境によって考え方は異なります。日本でも、一人ひとりの価値観は同じではありません。

そのため、「フランスと日本は違う」と書いて終わるのではなく、「作品や資料のなかで、どのような違いが見られたのか」「その違いは何が影響して生まれたのか」と具体的に考えましょう。

共通点にも目を向けることで、単純な比較ではない、多面的な見方ができます。


「受け入れる」だけで終わらせない

多様性について書くとき、「どのような違いも受け入れるべきだ」とまとめる人もいます。

しかし、現実には、考え方が違う人同士が簡単に理解し合えるとは限りません。

相手の意見を理解しようとしても、賛成できないこともあります。学校行事や部活動では、限られた時間のなかで一つの方針を決めなければならない場面もあります。

そのようなときに必要なのは、すべての意見をそのまま受け入れることではなく、相手が何を大切にしているのかを聞き、自分の考えも説明しながら調整することです。

多様性を尊重するとは、違いをきれいにまとめることではありません。違いがある状態で、どのように対話し、共に過ごすかを考え続けることです。


提出書類では考えの変化まで書く

提出書類で多様性について触れる場合は、出来事を並べるだけではなく、考えの変化を示しましょう。

書く流れとしては、最初に自分がどのように考えていたのか、どのような出来事があったのか、相手の立場を知って何に気づいたのか、その経験を今後どう活かしたいのかを整理します。

例えば、「海外にルーツを持つクラスメートと交流して、多様性の大切さを知った」という説明だけでは、具体的な学びが見えにくいでしょう。

「日本語での話し合いに参加しづらそうな様子を見て、本人に意見がないのではなく、発言しやすい環境が整っていなかったことに気づいた」と書くと、経験から得た視点が伝わります。

さらに、「相手の立場を想像するだけで決めつけず、本人の話を聞くことが必要だと学んだ」と続ければ、対話姿勢も示せます。


面接では自分の言葉で説明する

面接で多様性について聞かれたとき、きれいな答えを暗記して話そうとすると、内容が抽象的になりやすくなります。

自分が経験した場面や、読んだ作品、観た映画などを具体例として挙げながら説明しましょう。

また、「意見が違う人とはどう関わりますか」「多様性を尊重するうえで難しいことは何ですか」と深く聞かれる場合もあります。

そのときは、「相手を受け入れます」と答えるだけではなく、自分の考えを伝えることと、相手の背景を理解することの両方が必要だと話せるとよいでしょう。

すぐに答えが出ない質問でも、焦る必要はありません。質問の意味を考え、自分の経験に照らしながら丁寧に答える姿勢が大切です。


推薦入試では他者への向き合い方が見られます

推薦入試で評価されるのは、多様性に関する言葉をどれだけ知っているかではありません。

異なる価値観に出会ったときに問いを持てるか、一つの立場だけで判断せずに考えられるか、自分とは違う人を理解しようとできるかが大切です。

また、自分の意見を持ちながら、相手の話にも耳を傾ける対話姿勢も見られています。

過去の経験でうまく対応できなかったことがあっても、それだけで評価が下がるわけではありません。その経験を振り返り、自分の課題として捉え、今後どのように向き合いたいかを考えることが重要です。

推薦入試は、すべての人を完璧に理解できる人を選ぶ試験ではありません。違いに戸惑いながらも、相手と向き合い、考え続けられる人を見る試験です。


まとめ

上智大学文学部フランス文学科の推薦入試で多様性について書くときは、「多様性を大切にしたい」という言葉だけで終わらせないことが大切です。

自分がどのような違いに出会い、そのとき何を感じ、相手の立場を知ることで考えがどう変わったのかを具体的に整理しましょう。

また、フランス文学や文化を学ぶことは、自分とは異なる時代や社会を生きた人々の価値観に触れることでもあります。

違いを簡単に決めつけず、背景を調べ、複数の見方を比べ、対話しながら理解を深める姿勢が、大学での学びにつながります。

まずは学校生活や部活動、読書、映画鑑賞のなかで、自分の当たり前が揺さぶられた経験を思い出してみてください。

「なぜ自分はそう考えたのか」「相手にはどのような背景があったのか」と振り返ることが、自分らしい多様性の捉え方を見つける第一歩になります。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。