
- 1. フルカワ ギャヴィン准教授のプロフィール
- 2. 研究テーマ① 社会言語学とは?言葉と社会の関係を考える
- 3. 研究テーマ② 言語イデオロギーとは?「当たり前」を疑ってみる
- 4. 研究テーマ③ 談話分析とは?ニュースや広告の言葉を読み解く
- 5. 研究テーマ④ 言葉とジェンダーの関係
- 6. 研究テーマ⑤ 言葉とセクシュアリティの関係
- 7. 研究テーマ⑥ World Englishesから考える英語の多様性
- 8. 担当授業|英作文から社会言語学、談話分析まで
- 9. フルカワゼミの特色|大きな理論と細かな言葉の分析を結びつける
- 10. 高校生活の中にも言語イデオロギーを考えるきっかけがある
- 11. 推薦入試を目指す高校生へ|言葉への疑問を研究テーマにつなげよう
- 12. まとめ|言葉の裏側を知ることで社会の見え方が変わる
上智大学 外国語学部 英語学科|その言葉、何かを決めつけていない?フルカワ ギャヴィン准教授と読み解く言葉の裏側
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部英語学科のフルカワ ギャヴィン准教授についてご紹介します。
皆さんは、テレビのニュースや広告、SNSの投稿を見て、「この表現は少しおかしいのでは?」と感じたことはありませんか。
例えば、「女性なのにリーダーシップがある」「男性なのに料理が得意」といった表現を考えてみましょう。
こうした言葉は、発言した人に悪意がなくても、「リーダーシップは男性のもの」「料理は女性がするもの」という固定的なイメージを前提としているように受け取られる場合があります。
また、「正しい英語」「ネイティブらしい英語」という言葉にも、どのような英語を基準にするのかという問題が隠れています。
私たちが普段何気なく使っている言葉には、社会の中で共有されている価値観や、無意識の思い込みが反映されることがあります。
フルカワ ギャヴィン准教授は、社会言語学や談話分析、言語イデオロギーを専門とし、実生活やメディアで使われる言葉と社会の関係について研究しています。
今回は、フルカワ准教授の研究内容や担当授業、ゼミの特色を通して、言葉の裏側にある価値観を読み解く面白さをご紹介します。
フルカワ ギャヴィン准教授のプロフィール
フルカワ ギャヴィン准教授は、上智大学外国語学部英語学科に所属し、社会言語学、談話分析、言語イデオロギーなどを専門とする研究者です。
社会言語学とは、言語と社会の関係について研究する学問です。
私たちが使う言葉は、単に情報を伝えるためだけのものではありません。
言葉の選び方や話し方には、その人の社会的な立場や、相手との関係、文化的な背景などが関わっています。
また、同じ内容を伝える場合でも、どのような言葉を使うかによって、相手が受け取る印象が変わることがあります。
例えば、ある人の行動を「慎重」と表現するのか、「決断力がない」と表現するのかによって、読み手が抱く印象は異なります。
フルカワ准教授の研究では、こうした言葉の使われ方を分析し、その背景にある社会的な価値観や考え方について考えます。
特に、言語とジェンダー、セクシュアリティの関係などに注目している点が特徴です。
英語学科で言語を学ぶことは、英語の文法や語彙を身につけるだけでなく、言葉が社会の中でどのような役割を果たしているのかを理解することにもつながります。

研究テーマ① 社会言語学とは?言葉と社会の関係を考える
フルカワ准教授の研究を理解するうえで重要なのが、社会言語学という分野です。
私たちは普段、相手や状況に合わせて言葉づかいを変えています。
例えば、友人に話すときにはくだけた表現を使い、学校の先生や初対面の人に話すときには丁寧な表現を使うことがあるでしょう。
また、同じ日本語でも、地域によって発音や語彙、表現方法が異なる場合があります。
英語についても、アメリカ英語やイギリス英語だけでなく、世界のさまざまな地域で異なる特徴を持つ英語が使われています。
社会言語学では、こうした言語の違いを、社会的な背景と結びつけて考えます。
さらに、言葉づかいが社会の中でどのように評価されるのかという問題も重要です。
例えば、ある話し方が「上品」「知的」と評価される一方で、別の話し方が「正しくない」と評価される場合があります。
しかし、その評価は必ずしも言語そのものの優劣を示しているわけではありません。
社会の中で共有されている価値観や、特定の話し方に対するイメージが影響している可能性があります。
このように、社会言語学は、言葉の違いを通して社会の仕組みや人々の考え方を理解する学問です。
研究テーマ② 言語イデオロギーとは?「当たり前」を疑ってみる
フルカワ准教授の研究で重要な概念の一つが、言語イデオロギーです。
イデオロギーという言葉は難しく感じられるかもしれませんが、ここでは社会の中で共有されている考え方や価値観として捉えると理解しやすいでしょう。
言語イデオロギーとは、言語や言葉の使い方について、人々が持っている考え方や信念に関わる概念です。
例えば、「英語はネイティブ・スピーカーのように話せなければならない」という考え方について考えてみましょう。
英語を学ぶ際に、発音や文法を身につけることは重要です。
しかし、世界ではさまざまな言語的背景を持つ人々が英語を使っています。
そのため、英語を使う人々の多様性を考えると、特定の地域の英語だけを唯一の理想とすることには、検討すべき点があります。
また、「女性は柔らかい言葉づかいをするべきだ」「男性ははっきりと話すべきだ」といった考え方も、言語と社会的な価値観の関係を考える題材になります。
こうした考え方が、どのように社会の中で広まり、当たり前のものとして受け止められるようになるのかを考えることが重要です。
フルカワ准教授の研究は、私たちが普段疑問を持たずに受け入れている言葉の価値観を見直すことにつながっています。
研究テーマ③ 談話分析とは?ニュースや広告の言葉を読み解く
フルカワ准教授の専門分野には、談話分析も含まれています。
談話分析とは、実際に使われている言葉や文章のまとまりを対象として、どのように意味が生み出されているのかを調べる研究方法です。
例えば、ニュースの見出しを考えてみましょう。
同じ出来事について報道する場合でも、見出しの言葉の選び方によって、読み手が受け取る印象は変わることがあります。
ある出来事を「問題が発生した」と表現するのか、「混乱が広がった」と表現するのかによって、注目される側面が異なる場合があります。
また、広告では、商品を魅力的に見せるために、特定のイメージや価値観が使われることがあります。
例えば、家庭用品の広告で、家事を担当する人物として特定の性別ばかりが描かれている場合、そこにはどのような社会的なイメージが反映されているのでしょうか。
さらに、SNSの投稿では、短い言葉や画像、ハッシュタグなどによって、さまざまなメッセージが伝えられています。
談話分析では、こうした言葉の使われ方を丁寧に調べ、その背景にある考え方や社会的な意味について考えます。
普段何気なく見ているニュースや広告も、研究の視点を持つことで、違った見え方をするようになるかもしれません。

研究テーマ④ 言葉とジェンダーの関係
フルカワ准教授の研究では、言語とジェンダーの関係も重要なテーマです。
ジェンダーとは、社会や文化の中で形成される性別に関する役割や期待などを考える際に使われる概念です。
例えば、「男性らしい話し方」「女性らしい話し方」という表現を聞いたことがある人もいるでしょう。
しかし、実際の話し方は、性別だけで決まるものではありません。
年齢や地域、職業、相手との関係、個人の性格など、さまざまな要因が関わっています。
それにもかかわらず、社会の中では、特定の話し方が特定の性別と結びつけられることがあります。
例えば、同じように強い意見を述べた場合でも、話している人の性別によって、周囲の評価が異なる可能性があります。
また、テレビドラマや広告などでは、登場人物の話し方によって、性格や社会的な役割が表現されることがあります。
こうした表現が、社会の中にあるジェンダーに関するイメージを反映している場合もあれば、そのイメージを強める働きをする場合もあります。
言葉とジェンダーの関係を研究することは、私たちが当たり前だと思っている性別に関する考え方を見直すことにもつながります。
研究テーマ⑤ 言葉とセクシュアリティの関係
フルカワ准教授の研究では、言語とセクシュアリティの関係にも注目しています。
セクシュアリティとは、人間の性に関わるさまざまな側面を考える際に使われる概念です。
言葉は、人々が自分自身をどのように表現するのか、また、他者からどのように理解されるのかという問題とも関わっています。
例えば、ある人が自分自身について説明するとき、どのような言葉を選ぶのかによって、伝わる意味が変わることがあります。
また、社会の中で使われている言葉が、特定の人々の経験や存在を十分に表現できていない場合もあります。
さらに、言葉によって人々の多様性が尊重されることもあれば、反対に、固定的なイメージが強められることもあります。
こうした問題を考える際には、言葉が使われた状況や、その言葉を受け取る人々の経験にも目を向ける必要があります。
フルカワ准教授の研究は、言葉が人々のアイデンティティや社会的な関係とどのようにつながっているのかを理解するための視点を提供しています。
研究テーマ⑥ World Englishesから考える英語の多様性
フルカワ准教授の担当科目として紹介されているテーマの一つに、World Englishesがあります。
World Englishesとは、世界のさまざまな地域で使われている英語の多様性を考える概念です。
英語というと、アメリカ英語やイギリス英語を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、英語はアジアやアフリカ、オセアニアなど、世界の多くの地域で使われています。
例えば、シンガポールやインド、フィリピンなどでも、英語は社会の中で重要な役割を果たしています。
こうした地域では、それぞれの歴史や文化、ほかの言語との関係の中で、英語が使われています。
そのため、英語の発音や語彙、表現方法には多様性があります。
World Englishesを学ぶことは、特定の地域の英語だけを基準にするのではなく、世界で使われている英語の実態を理解することにつながります。
また、どのような英語が「正しい」と評価されるのかという問題は、言語イデオロギーとも深く関わっています。
英語学科で学ぶ際には、英語を使う力を高めるだけでなく、英語が世界の中でどのように使われ、評価されているのかを考えることも重要です。
担当授業|英作文から社会言語学、談話分析まで
フルカワ准教授の教員紹介資料では、英作文や英語圏の文化、社会言語学、談話分析などに関する科目が紹介されています。
主な担当科目として、次のようなものが挙げられます。
- English Composition(A)
- Cultures of the English Speaking World(GH)
- Business Communication 1
- Sociolinguistics
- Discourse Analysis Seminar
- 大学院:Classroom Discourse
- 大学院:World Englishes
English Compositionでは、英語で文章を書く力を養います。
また、Cultures of the English Speaking Worldでは、英語が使われている地域の文化について学ぶことができます。
Business Communicationでは、ビジネスの場面におけるコミュニケーションについて考えることができます。
さらに、Sociolinguisticsでは、言語と社会の関係について専門的に学びます。
Discourse Analysis Seminarでは、実際に使われている言葉を分析する方法について理解を深めることができます。
大学院では、教室での会話や、世界の多様な英語など、より専門的なテーマも扱われています。
なお、担当科目や開講状況、大学院での履修条件などは年度によって変更される場合があります。最新の情報を確認してください。
フルカワゼミの特色|大きな理論と細かな言葉の分析を結びつける
フルカワ准教授のゼミでは、社会科学や人文学の分野で使われる批判理論と、実際の言葉を詳しく調べる談話分析を組み合わせて学びます。
批判理論とは、社会の中にある権力関係や不平等、当たり前とされている価値観などを問い直すための理論的な視点です。
例えば、社会の中で、なぜ特定の人々の意見が重視されやすいのか、なぜある考え方が当たり前として受け入れられているのかといった問題を考えます。
一方、談話分析では、実際の会話や文章などを詳しく調べます。
例えば、ニュースの見出しや広告のキャッチコピー、SNSの投稿などを対象として、どのような言葉が使われているのかを分析することができます。
ゼミでは、こうした大きな理論と細かな言葉の分析を結びつけながら、言葉と社会の関係について考えます。
例えば、ある広告に特定のジェンダーに関するイメージが使われている場合、その表現がどのような社会的な価値観とつながっているのかを考えることができます。
また、その広告が、既存の価値観を強めているのか、それとも新しい考え方を示しているのかを分析することもできます。
このように、フルカワゼミでは、言葉を細かく分析することを通して、社会の中にある大きな問題を理解することを目指します。

高校生活の中にも言語イデオロギーを考えるきっかけがある
フルカワ准教授の研究分野は、高校生活の中で経験するさまざまな出来事ともつながっています。
例えば、学校で「男子らしく」「女子らしく」といった表現を聞いたことがあるかもしれません。
そのような言葉が使われたとき、どのような行動や性格が期待されているのでしょうか。
また、その期待は、すべての人に当てはまるものなのでしょうか。
こうした疑問を持つことは、言葉と社会的な価値観の関係を考える出発点になります。
また、SNSで話題になった投稿について、言葉の選び方が議論になることもあります。
同じ内容でも、表現の仕方によって、読み手が受け取る印象が変わる場合があります。
さらに、英語の授業で「ネイティブのように話すこと」が目標とされている場合、その目標がどのような考え方に基づいているのかを考えることもできます。
もちろん、英語の発音や文法を学ぶことは重要です。
しかし、世界で使われている英語の多様性を知ることで、英語学習の目標について新しい視点を持つことができるでしょう。
こうした身近な疑問を学問的な問いへと発展させられる点が、社会言語学や談話分析の魅力です。
推薦入試を目指す高校生へ|言葉への疑問を研究テーマにつなげよう
上智大学外国語学部英語学科の推薦入試を考えている皆さんは、日常生活の中で感じた言葉への疑問を、大学で何を学びたいのかという問いと結びつけて考えてみましょう。
例えば、広告やドラマ、SNSの言葉づかいに、性別や社会的な役割についての決めつけを感じた経験があるかもしれません。
その場合、どのような表現に違和感を覚えたのか、なぜそのように感じたのかを整理してみましょう。
また、ニュースの見出しや報道の仕方によって、同じ出来事の印象が変わると感じた経験がある人は、言葉の選び方と社会的な影響について考えることができます。
さらに、「ネイティブらしい英語」という考え方に疑問を持ったことがある人は、世界で使われている英語の多様性について調べてみるとよいでしょう。
大切なのは、「言葉に興味がある」「英語が好き」という気持ちだけで終わらせず、具体的にどのような問題を研究したいのかを考えることです。
例えば、「広告やメディアの言葉は、ジェンダーに関する価値観をどのように表現しているのか」「なぜ特定の英語が正しいと評価されるのか」といった問いを持つことができます。
また、身近な具体例を一つ取り上げて、どのような言葉が使われているのか、その表現がどのような印象を与えるのかを考えてみるとよいでしょう。
ただし、一つの表現だけで、発言者の意図や社会的な影響を断定しないことも大切です。
言葉が使われた状況や、さまざまな受け止め方を踏まえて考える姿勢が、学問的な探究につながります。
教員の研究内容を知ることは、英語学科で学べる分野を理解するための一つの方法です。ただし、特定の教員に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではなく、入学後に必ずその教員のゼミに所属できるとも限りません。
まとめ|言葉の裏側を知ることで社会の見え方が変わる
フルカワ ギャヴィン准教授は、社会言語学や談話分析、言語イデオロギーなどを専門とし、実生活やメディアで使われる言葉と社会の関係について研究しています。
私たちが普段何気なく使っている言葉には、社会の中で共有されている価値観や、無意識の思い込みが反映されることがあります。
また、言葉の使い方によって、特定の価値観が強められる場合もあれば、それまでの考え方が問い直される場合もあります。
フルカワ准教授のゼミでは、批判理論と談話分析を組み合わせながら、言葉と社会の関係について理解を深めていきます。
社会言語学や談話分析に関心がある方、広告やニュース、SNSの言葉づかいについて考えたい方、言語とジェンダーの関係を学びたい方は、フルカワ准教授の研究をきっかけに、言葉の裏側にある社会的な意味について調べてみてはいかがでしょうか。
KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試を目指す高校生に向けて、出願書類の準備や面接対策などのサポートを行っています。受験準備についてお悩みの方は、お気軽に無料個別相談をご利用ください。
※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目・ゼミの活動内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


