上智大学外国語学部英語学科で異文化コミュニケーションや社会言語学を学ぶイメージ

上智大学 外国語学部 英語学科|異文化のすれ違いはなぜ起きる?フェアブラザー リサ教授の社会言語学

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部英語学科のフェアブラザー リサ教授についてご紹介します。

皆さんは、外国の人と話しているときに、自分の言いたいことがうまく伝わらなかった経験はありませんか。

例えば、英語で一生懸命説明したのに、相手が困った表情をしていたり、何気なく使った言葉が思わぬ誤解を生んでしまったりすることがあります。

反対に、相手の言葉は理解できているのに、なぜそのような言い方をするのか不思議に感じることもあるでしょう。

こうしたすれ違いは、単に英語力が不足しているから起きるとは限りません。

人によって、言葉の使い方や会話の進め方、相手との距離感、丁寧さの捉え方などが異なる場合があるからです。

フェアブラザー リサ教授は、社会言語学の立場から、異なる文化的・言語的背景を持つ人々のコミュニケーションについて研究しています。

特に、人々のやりとりの中で、なぜ問題が起こるのか、そして、その問題をどのように解決しようとするのかという点に注目しています。

今回は、フェアブラザー教授の研究内容や担当授業、ゼミの特色を通して、社会言語学や異文化間コミュニケーションを学ぶ面白さをご紹介します。


フェアブラザー リサ教授のプロフィール

フェアブラザー リサ教授は、上智大学外国語学部英語学科に所属し、異文化間インターアクションや社会言語学などを専門とする研究者です。

主な研究分野には、異文化間インターアクション、社会言語学、談話分析・会話分析、言語管理理論、接触場面、コミュニケーションにおける権力と偏見、多言語の職場、留学などがあります。

社会言語学とは、言語と社会の関係について研究する学問です。

私たちが普段使っている言葉は、社会の中でさまざまな影響を受けています。

例えば、友人と話すときと、学校の先生に話すときでは、言葉づかいが変わることがあります。

また、同じ日本語でも、地域によって使われる表現や発音が異なる場合があります。

さらに、年齢や社会的な立場、文化的な背景などによって、会話の進め方や言葉の選び方が変わることもあります。

社会言語学では、こうした言語の使われ方を、社会との関係から考えます。

フェアブラザー教授の研究では、特に異なる背景を持つ人々が実際にやりとりする場面に注目しています。

英語を正確に使うことだけでなく、相手との関係や会話の状況を理解することも、コミュニケーションを考えるうえで重要なのです。

大学で社会言語学や異文化コミュニケーションについて学ぶ学生のイメージ

研究テーマ① 異文化間インターアクションとは?

フェアブラザー教授の研究を理解するうえで重要なのが、異文化間インターアクションという概念です。

インターアクションとは、人と人との相互作用や、やりとりを意味します。

異文化間インターアクションでは、異なる文化的・言語的背景を持つ人々が、実際の会話や交流の中でどのように関わり合うのかを考えます。

例えば、日本の高校生が海外から来た留学生と話す場面を想像してみましょう。

日本の高校生が「今度、一緒に遊びに行こう」と言ったとします。

本人は親しみを込めて、気軽な気持ちで言ったのかもしれません。

しかし、相手は具体的な約束だと受け取り、いつ行くのかを尋ねるかもしれません。

この場合、どちらかが間違っているとは限りません。

言葉の使い方や、約束に対する捉え方が異なっている可能性があります。

また、会話の途中で相手の発言を遮ることについても、状況によって受け止め方が異なります。

積極的に会話へ参加していると受け取られる場合もあれば、相手の話を尊重していないと感じられる場合もあります。

ただし、こうした違いを「日本人はこう話す」「外国人はこう考える」と単純に決めつけることはできません。

同じ文化的な背景を持つ人々の間にも、個人差や状況による違いがあるからです。

異文化間インターアクションを研究する際には、実際のやりとりを丁寧に観察し、何が起きているのかを具体的に考えることが重要です。


研究テーマ② なぜ異文化コミュニケーションですれ違いが起きるのか

フェアブラザー教授の研究では、異なる背景を持つ人々の間で、なぜコミュニケーション上の問題が起きるのかという問いが重視されています。

例えば、英語で会話しているとき、相手の発言に対してすぐに返事をしなかった場合を考えてみましょう。

話している本人は、相手の言葉を理解しようとして考えているだけかもしれません。

しかし、相手はその沈黙を、同意していないことや、会話への関心が低いことの表れだと受け取る場合があります。

また、断り方についても、すれ違いが起きることがあります。

例えば、誘いを断る際に、相手を傷つけないように遠回しな表現を使う人もいます。

しかし、その表現を聞いた相手が、断られていることに気づかない場合もあるでしょう。

このように、コミュニケーションでは、言葉そのものの意味だけでなく、その言葉が使われた状況や、相手との関係も重要になります。

さらに、すれ違いの原因は文化的な違いだけとは限りません。

英語力の違いや、その場での緊張、相手との力関係、個人の経験などが関わる場合もあります。

フェアブラザー教授の研究は、こうした複雑な要因を踏まえながら、人々のやりとりを理解しようとするものです。


研究テーマ③ 言語管理理論とは?会話の中の小さな調整に注目する

フェアブラザー教授の研究で重要な理論の一つが、言語管理理論です。

英語ではLanguage Management Theoryと呼ばれます。

言語管理理論では、人々が言語使用の中で何らかの違いに気づき、それをどのように評価し、調整しようとするのかという過程に注目します。

例えば、英語で話しているときに、相手が使った単語の意味がわからなかったとします。

そのとき、私たちは「今の言葉はどういう意味だろう」と気づきます。

そして、意味を確認する必要があるかどうかを考えます。

その結果、「もう一度説明してもらえますか」と尋ねたり、相手の表情や前後の文脈から意味を推測したりすることがあります。

このような小さな判断や調整も、言語管理を考える手がかりになります。

また、相手の言葉づかいに違和感を覚えたとき、その場で指摘する人もいれば、何も言わずに会話を続ける人もいます。

なぜそのような違いが生まれるのでしょうか。

相手との関係や、その場の雰囲気、社会的な立場などが影響している可能性があります。

言語管理理論は、こうした日常的なやりとりを分析するための視点を提供します。

普段は何気なく行っている会話の中にも、研究の対象となる興味深い現象が数多く存在しているのです。

英語での会話や異文化交流について考える高校生のイメージ

研究テーマ④ 会話分析・談話分析から何がわかるの?

フェアブラザー教授の専門分野には、談話分析や会話分析も含まれています。

会話分析では、実際の会話がどのように組み立てられているのかを詳しく調べます。

例えば、誰がどのタイミングで話し始めるのか、質問に対してどのように答えるのか、相手の発言をどのように受け止めるのかといった点に注目します。

また、会話の途中で誤解が生じた場合、それをどのように修正するのかという問題も研究対象になります。

一方、談話分析では、会話や文章などのまとまりを対象として、言葉がどのように意味を生み出しているのかを考えます。

例えば、学校の先生と生徒の会話では、質問をする人と答える人の役割がある程度決まっている場合があります。

しかし、友人同士の会話では、話題を変えたり、相手に質問したりする役割が、より柔軟に入れ替わることがあります。

こうした違いを調べることで、会話の中にある社会的な関係や役割を理解することができます。

また、実際の会話を分析するときには、発言の内容だけでなく、沈黙や言い直し、相づちなどにも注目することがあります。

私たちが普段何気なく行っている会話には、多くの工夫や調整が含まれているのです。


研究テーマ⑤ 言葉と権力・偏見の関係

フェアブラザー教授の研究分野には、インターアクションにおける権力と偏見の問題も含まれています。

コミュニケーションは、必ずしも対等な立場で行われるとは限りません。

例えば、学校では先生と生徒、職場では上司と部下など、立場の違いが会話に影響することがあります。

また、異なる言語を使う人々の間では、どちらの言語を使うのかという選択が、参加のしやすさに影響する場合もあります。

例えば、英語を第一言語として使う人と、外国語として学んでいる人が話す場面を考えてみましょう。

英語を流暢に話せる人が会話を主導し、学習中の人が発言しにくくなることがあります。

しかし、英語を流暢に話せることと、話している内容が正しいことは別の問題です。

また、発音や文法の違いだけで、相手の知識や能力を低く評価してしまうことがあれば、それは偏見につながる可能性があります。

社会言語学では、こうした言語と社会的な力関係についても考えます。

異文化コミュニケーションを理解するためには、文化的な違いだけでなく、誰が発言しやすいのか、誰の意見が尊重されやすいのかという問題にも目を向けることが重要です。


研究テーマ⑥ 留学や多言語の職場で起きるコミュニケーション

フェアブラザー教授の研究は、留学や多言語の職場など、実際の社会生活とも深く関わっています。

例えば、海外留学では、授業中に積極的に発言することが求められる場面があります。

しかし、学生によっては、相手の発言を最後まで聞いてから話すことを重視している場合もあります。

そのため、発言のタイミングや議論の進め方に戸惑うことがあるかもしれません。

また、多言語の職場では、異なる言語を使う人々が協力して仕事を進める必要があります。

例えば、会議で使われる言語を十分に理解できない人がいる場合、その人が意見を伝える機会を得にくくなることがあります。

そのような状況では、話す速度を調整したり、重要な情報を文章でも共有したりする工夫が考えられます。

ただし、どのような方法が適切なのかは、参加する人々や状況によって異なります。

社会言語学では、こうした実際の場面を分析しながら、人々がどのようにコミュニケーションを行っているのかを考えます。

このような研究は、国際交流や教育、企業活動など、さまざまな分野を理解するうえでも役立つでしょう。


担当授業|異文化間インターアクションを基礎から学ぶ

フェアブラザー教授の教員紹介資料では、英語運用力や異文化間インターアクション、社会言語学などに関する科目が紹介されています。

主な担当科目として、次のようなものが挙げられます。

  • English Skills A-1・A-2
  • Intercultural Interaction 1・2
  • Sociolinguistics(ゼミ)
  • 大学院:Intercultural Interaction
  • 大学院:Sociolinguistics
  • 大学院:Analyzing Spoken Data

English Skillsでは、英語を使って考えを伝えるための基礎的な運用力を養います。

また、Intercultural Interactionでは、異なる文化的・言語的背景を持つ人々のコミュニケーションについて学ぶことができます。

Sociolinguisticsでは、言語と社会の関係について、より専門的に考えます。

さらに、大学院の科目として紹介されているAnalyzing Spoken Dataでは、話し言葉のデータを分析する研究方法を扱います。

実際の会話を研究するためには、言葉の内容だけでなく、会話の流れや相手との関係などを丁寧に調べる必要があります。

こうした専門的な研究方法を学ぶことで、コミュニケーションをより深く理解することができます。

なお、担当科目や開講状況、大学院の所属・履修条件などは年度によって変更される場合があります。最新の情報を確認してください。


フェアブラザーゼミの特色|身近な言葉を研究テーマにする

フェアブラザー教授のゼミでは、社会言語学のさまざまなテーマについて学びながら、学生自身が研究を進めます。

提供されたゼミ紹介資料では、言語とジェンダー、人種、社会階層、地域、教育、権力とインターアクションなどのテーマが挙げられています。

例えば、同じ言葉でも、話す人の立場や相手との関係によって、使い方が変わることがあります。

また、地域による言葉づかいの違いや、学校での先生と生徒の会話なども、社会言語学の研究対象になります。

ゼミの特徴として紹介されているのが、学生が毎学期、自分自身の研究プロジェクトに取り組むことです。

研究では、まず自分が疑問に感じていることを整理し、問いを立てます。

そのうえで、関連する研究を調べ、必要なデータを集め、分析を進めます。

例えば、異なる文化的な背景を持つ人々が会話の中で誤解を解消する方法に関心がある場合、その問題について先行研究を調べることから始められます。

そして、研究倫理や個人情報への配慮を踏まえながら、適切な方法でデータを収集し、分析することが考えられます。

このように、ゼミでは理論を学ぶだけでなく、自分で研究を進めるための方法も身につけていきます。

大学のゼミで異文化コミュニケーションや言語と社会の関係について議論する学生のイメージ

高校生活の中にも社会言語学のテーマがある

社会言語学の面白さは、日常生活の中にも研究のきっかけが数多く存在していることです。

例えば、皆さんは友人と話すときと、先生に話すときで、言葉づかいを変えているのではないでしょうか。

また、SNSで文章を書くときには、対面で話すときとは異なる表現を使うこともあるでしょう。

同じ内容を伝える場合でも、相手や場面によって言葉を選び直しているのです。

さらに、学校に留学生がいる場合には、言葉や文化の違いによって、会話の中で戸惑うことがあるかもしれません。

そのとき、相手の言葉が理解できなかった理由を考えたり、別の表現に言い換えたりする経験も、社会言語学とつながっています。

また、英語の授業でグループディスカッションを行う際に、発言する人が偏ってしまうこともあるでしょう。

そのような場合、なぜ特定の人が話しやすく、ほかの人が話しにくいのかを考えることができます。

言語能力だけでなく、性格や人間関係、その場の雰囲気などが影響している可能性もあります。

こうした身近な疑問を学問的な問いへと発展させられる点が、社会言語学の魅力です。


推薦入試を目指す高校生へ|異文化交流の経験を研究への関心につなげよう

上智大学外国語学部英語学科の推薦入試を考えている皆さんは、異文化交流や英語学習の経験を、大学で何を学びたいのかという問いと結びつけて考えてみましょう。

例えば、留学やホームステイを経験した人は、言葉や文化の違いによって戸惑った場面を振り返ってみるとよいでしょう。

そのとき、なぜすれ違いが起きたのか、どのように解決しようとしたのかを整理することができます。

また、海外から来た友人やクラスメートとの交流経験がある人は、相手とのコミュニケーションで工夫したことを考えてみましょう。

例えば、難しい言葉を使わずに説明したり、相手の理解を確認しながら話したりした経験があるかもしれません。

さらに、アルバイト先や地域活動などで、異なる言語を使う人々と接した経験がある場合には、その場でどのようなコミュニケーションが行われていたのかを振り返ることもできます。

大切なのは、「異文化交流が好き」「英語でコミュニケーションを取りたい」という気持ちだけで終わらせず、具体的にどのような問題を研究したいのかを考えることです。

例えば、「異なる文化的な背景を持つ人々の間で、なぜ誤解が生じるのか」「英語を使う場面で、話しやすい人と話しにくい人が生まれるのはなぜか」といった問いを持つことができます。

また、英語学科で学ぶ意味についても考えてみましょう。

英語を使う力を高めるだけでなく、言語と社会の関係や、異なる背景を持つ人々のコミュニケーションについて専門的に学ぶことができます。

教員の研究内容を知ることは、英語学科で学べる分野を理解するための一つの方法です。ただし、特定の教員に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではなく、入学後に必ずその教員のゼミに所属できるとも限りません。


まとめ|言葉のすれ違いから社会を理解する

フェアブラザー リサ教授は、異文化間インターアクションや社会言語学、言語管理理論などを専門とし、異なる背景を持つ人々のコミュニケーションについて研究しています。

人々の間で起きるすれ違いは、単に言語能力の違いだけで説明できるものではありません。

言葉の使い方や相手との関係、社会的な立場、文化的な背景など、さまざまな要因が関わっています。

また、フェアブラザー教授のゼミでは、社会言語学の理論を学びながら、学生自身が研究プロジェクトに取り組み、研究の進め方を実践的に学ぶことができます。

異文化コミュニケーションに関心がある方、言語と社会の関係について考えたい方、留学や国際交流の経験を学問的な研究につなげたい方は、フェアブラザー教授の研究をきっかけに、社会言語学という分野について調べてみてはいかがでしょうか。

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※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目・ゼミの活動内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。