上智大学外国語学部英語学科でアメリカ史と太平洋地域の歴史を学ぶイメージ

上智大学 外国語学部 英語学科|太平洋の島から見たアメリカとは?竹田安裕子助教の現代アメリカ史

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部英語学科の竹田安裕子助教についてご紹介します。

皆さんは、「アメリカの歴史」と聞いて、どのような出来事を思い浮かべますか。

アメリカ独立宣言、南北戦争、世界恐慌、公民権運動など、世界史の教科書で学ぶ出来事を思い浮かべる人が多いかもしれません。

しかし、アメリカの歴史は、現在のアメリカ合衆国本土だけで展開してきたわけではありません。

太平洋に目を向けると、ハワイやグアム、アメリカ領サモアなど、アメリカと深い歴史的な関係を持つ島々があります。

これらの地域では、植民地支配や軍事活動、移民、文化交流などを通して、アメリカ本土とは異なる歴史が形づくられてきました。

竹田安裕子助教は、現代アメリカ史や太平洋諸島研究を専門とし、アメリカとアジア太平洋地域の歴史的な関係について研究しています。

今回は、竹田助教の研究内容や担当授業を通して、太平洋という視点からアメリカの歴史を捉え直す面白さをご紹介します。


竹田安裕子助教のプロフィール

竹田安裕子助教は、上智大学外国語学部英語学科に所属し、現代アメリカ史や太平洋諸島研究などを専門とする研究者です。

主な専門分野には、アメリカ史、太平洋諸島研究、アジア系アメリカ人研究、軍事・戦争史、ジェンダー研究などがあります。

アメリカ史というと、アメリカ合衆国本土の政治や社会を中心に学ぶイメージがあるかもしれません。

しかし、アメリカの歴史は、海外への領土拡大や移民、戦争、国際関係などとも深く結びついています。

特に、19世紀後半以降のアメリカは、太平洋地域において政治的・軍事的な影響力を拡大してきました。

竹田助教の研究では、こうした歴史を、アメリカ本土だけでなく、太平洋の島々に暮らす人々の視点から考えます。

同じ歴史的な出来事でも、どの地域の人々の立場から見るかによって、その意味は異なる場合があります。

アメリカを一つの視点から理解するのではなく、さまざまな立場から捉え直すことが、竹田助教の研究の特徴です。

大学でアメリカとアジア太平洋地域の歴史について学ぶ学生

研究テーマ① アメリカの「周縁」から歴史を見る

竹田助教の研究を理解するうえで重要なのが、アメリカの「周縁」という考え方です。

周縁とは、ある社会や政治的な仕組みの中で、中心から離れた位置に置かれてきた地域や人々を指す際に使われる言葉です。

アメリカ史では、ワシントンD.C.やニューヨークなど、本土の政治や経済の中心地に注目することが多くあります。

しかし、アメリカの歴史を理解するためには、海外領土や太平洋の島々に暮らす人々の経験にも目を向ける必要があります。

例えば、アメリカが海外に領土を拡大したことは、アメリカ政府の立場から見れば、国際的な影響力の拡大として説明されるかもしれません。

一方、その地域に暮らしていた人々にとっては、政治制度や土地の利用、生活環境などが大きく変化する出来事だった可能性があります。

このように、同じ歴史でも、誰の立場から考えるかによって見えてくる問題は異なります。

竹田助教の研究では、アメリカの周縁に置かれてきた地域や人々の経験を通して、アメリカの歴史や社会を捉え直します。


研究テーマ② ハワイやグアムとアメリカの歴史

太平洋地域には、アメリカと深い歴史的な関係を持つ島々があります。

例えば、ハワイは1898年にアメリカに併合され、1959年にアメリカ合衆国の州となりました。

現在ではアメリカの50州の一つですが、その歴史には、ハワイ王国の成立やアメリカによる併合など、独自の政治的・文化的な背景があります。

また、グアムは1898年の米西戦争の結果、アメリカの統治下に入りました。

現在もアメリカの海外領土であり、太平洋地域における軍事的な拠点の一つとなっています。

さらに、アメリカ領サモアも、アメリカとの歴史的な関係の中で現在の政治的な位置づけが形成されてきました。

ただし、ハワイ、グアム、アメリカ領サモアでは、アメリカとの関係や現在の法的な地位がそれぞれ異なります。

こうした違いを理解することは、アメリカの領土拡大の歴史を考えるうえで重要です。

また、これらの地域には、それぞれ独自の文化や言語、歴史があります。

アメリカとの関係だけで地域を理解するのではなく、そこに暮らす人々の視点から歴史を考えることも大切です。


研究テーマ③ アメリカ帝国主義とは何か

竹田助教の担当科目として紹介されているAmerican Imperialism in the Pacificは、太平洋におけるアメリカ帝国主義を扱う授業です。

帝国主義とは、ある国家がほかの地域に対して政治的、経済的、軍事的な支配や影響力を広げようとする動きを指します。

19世紀後半には、ヨーロッパ諸国やアメリカなどが、世界各地で植民地支配や勢力拡大を進めました。

アメリカも、太平洋やカリブ海などに影響力を広げていきました。

例えば、1898年の米西戦争は、アメリカが海外領土を獲得するうえで重要な出来事でした。

この戦争の結果、グアムやプエルトリコ、フィリピンなどがアメリカの統治下に入りました。

こうした歴史を考える際には、アメリカ政府の政策だけでなく、支配を受けた地域の人々がどのような経験をしたのかを調べることが重要です。

また、アメリカの領土拡大が、地域の政治制度や文化、経済、社会生活にどのような影響を与えたのかという問題もあります。

竹田助教の研究分野は、アメリカを国際社会の中でどのように理解するべきかを考える手がかりになります。

世界史や国際関係について資料を読みながら学習する高校生

研究テーマ④ 太平洋の軍事・戦争史を考える

竹田助教の専門分野には、軍事・戦争史も含まれています。

太平洋地域の歴史を考えるうえで、戦争や軍事活動は重要なテーマです。

例えば、第二次世界大戦中の太平洋戦争では、日本とアメリカをはじめとする国々が太平洋の広い地域で戦いました。

その影響は、軍人だけでなく、島々に暮らす人々の生活にも及びました。

また、戦争が終わった後も、太平洋地域では軍事基地の設置や安全保障政策などが重要な問題となってきました。

例えば、グアムには現在もアメリカ軍の施設があり、地域の安全保障や経済、土地利用などと関わっています。

こうした問題を考える際には、国家の安全保障という視点だけでなく、基地の周辺に暮らす人々の生活や地域社会への影響にも目を向ける必要があります。

また、日本の沖縄も、アメリカ軍基地をめぐる歴史や社会的な問題を考えるうえで重要な地域です。

もちろん、沖縄とグアムでは歴史的な背景や政治的な地位が異なります。

その違いを理解したうえで比較することで、太平洋地域における軍事活動と地域社会の関係について、より深く考えることができます。


研究テーマ⑤ アジア系アメリカ人の歴史と文化

竹田助教の専門分野には、アジア系アメリカ人研究も含まれています。

アジア系アメリカ人とは、アジアにルーツを持つアメリカの人々を指す言葉です。

その中には、日本、中国、韓国、フィリピン、ベトナムなど、さまざまな地域にルーツを持つ人々が含まれます。

アメリカでは、19世紀以降、アジアからの移民がさまざまな形で社会に関わってきました。

しかし、その歴史には、移民に対する差別や排除も存在していました。

例えば、1882年には中国人労働者の移民を制限する中国人排斥法が成立しました。

また、第二次世界大戦中には、アメリカ西海岸などに暮らす多くの日系人が強制的に収容されました。

こうした出来事を学ぶことで、アメリカ社会における人種や移民、国籍の問題について考えることができます。

さらに、アジア系アメリカ人の歴史は、日本とアメリカの関係を理解するうえでも重要です。

移民の経験や文化的なアイデンティティに目を向けることで、アメリカ社会の多様性をより深く理解することができます。


研究テーマ⑥ ジェンダーの視点からアメリカ史を読み解く

竹田助教の研究分野には、ジェンダー研究も含まれています。

ジェンダーとは、社会や文化の中で形成される性別に関する役割や価値観などを考える際に使われる概念です。

歴史を研究する際にも、ジェンダーの視点は重要になります。

例えば、戦争の歴史を考えるとき、軍事作戦や国家間の関係だけでなく、戦時下での女性や子どもたちの経験にも目を向けることができます。

また、移民の歴史では、性別によって仕事や家庭生活、社会参加の機会が異なっていた場合があります。

こうした違いを調べることで、歴史の中で十分に取り上げられてこなかった人々の経験を理解することができます。

さらに、ジェンダーは人種や階級、国籍などとも関係しています。

例えば、同じ時代のアメリカに暮らしていても、人種や性別、社会的な立場によって経験する出来事は異なります。

竹田助教の研究分野では、こうした複数の視点を組み合わせながら、アメリカの歴史や社会について考えることができます。


担当授業|アメリカ史と英語のアカデミックスキル

竹田助教の教員紹介資料では、アメリカ史や太平洋地域の歴史、英語運用力などに関する科目が紹介されています。

主な担当科目として、次のようなものが挙げられます。

  • English Skills
  • English Composition
  • Topics in American History
  • Reading Skills
  • Presentation Skills
  • American Imperialism in the Pacific

Topics in American Historyでは、アメリカの歴史について、さまざまなテーマから学ぶことができます。

また、American Imperialism in the Pacificでは、太平洋地域におけるアメリカの帝国主義や歴史的な関係について考えることができます。

一方、English SkillsやEnglish Compositionでは、英語を使う力や文章を書く力を高めます。

Reading Skillsでは、英語の文章を正確に読み、内容を理解するための力を養うことが期待されます。

さらに、Presentation Skillsでは、自分の考えを整理し、英語で発表するための力を身につけることができます。

こうした授業を通して、英語で読み、書き、考え、発表する力を高めながら、専門的な研究に必要な基礎を築くことができます。

なお、担当科目や開講状況は年度によって変更される場合があります。最新の履修情報を確認してください。

大学でアメリカ史や国際社会について英語で学び発表する学生

英語で歴史を学ぶことの面白さ

竹田助教の担当科目からは、英語の運用力を高めることと、アメリカの歴史を専門的に学ぶことの両方が重視されていることがわかります。

歴史を研究する際には、教科書や日本語の解説書だけでなく、英語で書かれた資料を読むことも重要になります。

例えば、アメリカの歴史的な出来事について調べる場合、当時の新聞記事や政府の文書、個人の日記、手紙などが研究資料になることがあります。

こうした資料を読むことで、後からまとめられた歴史の説明だけでなく、当時の人々がどのように出来事を理解していたのかを考えることができます。

また、英語で書かれた研究論文を読むことで、海外の研究者がどのような問題意識を持っているのかを知ることもできます。

さらに、自分の考えを英語で発表する経験は、異なる文化的な背景を持つ人々と議論するための力にもつながります。

英語は、単に会話をするための道具ではありません。

世界の歴史や社会について学び、自分の考えを発信するための重要な手段でもあるのです。


高校の世界史や公共とのつながり

竹田助教の研究分野は、高校で学ぶ世界史や公共、地理、英語などとも深くつながっています。

例えば、世界史でアメリカの領土拡大や米西戦争について学んだことがあるでしょう。

その知識をもとに、アメリカが太平洋地域にどのような影響を与えてきたのかを調べることができます。

また、太平洋戦争について学んだ経験がある人は、戦争が島々に暮らす人々の生活にどのような影響を与えたのかを考えてみるとよいでしょう。

さらに、公共の授業で安全保障や国際関係について学んだ場合には、太平洋地域の軍事基地や地域社会との関係について調べることもできます。

ハワイやグアムなどを旅行した経験がある人は、観光地としての魅力だけでなく、その地域の歴史や文化に目を向けることもできます。

例えば、観光地として知られる場所にも、植民地支配や戦争、移民などの歴史が存在する場合があります。

こうした背景を知ることで、普段とは異なる視点から地域を理解することができます。


推薦入試を目指す高校生へ|アメリカを新しい視点から考えよう

上智大学外国語学部英語学科の推薦入試を考えている皆さんは、アメリカや太平洋地域への関心を、大学で何を学びたいのかという問いと結びつけて考えてみましょう。

例えば、ハワイやグアムを訪れた経験がある人は、その地域がアメリカとどのような歴史的な関係を持っているのかを調べてみることができます。

また、太平洋戦争や沖縄の基地問題について学んだ経験がある人は、戦争や軍事活動が地域社会にどのような影響を与えてきたのかを考えることができます。

さらに、日系アメリカ人やアジア系アメリカ人の歴史に関心がある人は、移民や人種、文化的なアイデンティティについて調べることもできるでしょう。

大切なのは、「アメリカが好き」「海外に興味がある」という気持ちだけで終わらせず、具体的にどのような問題を学びたいのかを考えることです。

例えば、「アメリカの海外領土に暮らす人々は、アメリカとの関係をどのように経験してきたのか」「太平洋地域の歴史を通して、アメリカの帝国主義をどのように理解できるのか」といった問いを持つことができます。

また、日本と太平洋地域の関係について考えることで、自分たちの社会とのつながりを見つけることもできるでしょう。

教員の研究内容を知ることは、英語学科で学べる分野を理解するための一つの方法です。ただし、特定の教員に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではなく、入学後に必ずその教員の授業を履修できるとも限りません。


まとめ|太平洋の島々からアメリカの歴史を捉え直す

竹田安裕子助教は、現代アメリカ史や太平洋諸島研究を専門とし、アメリカとアジア太平洋地域の歴史的な関係について研究しています。

アメリカの歴史は、本土の政治や社会だけでなく、海外領土や太平洋の島々に暮らす人々の経験とも深く結びついています。

竹田助教の研究分野では、帝国主義や軍事・戦争史、人種、ジェンダーなどの視点から、アメリカの歴史や社会を多角的に考えることができます。

また、担当科目には、アメリカ史や太平洋地域の歴史を学ぶ授業に加え、英語で読み、書き、発表する力を高める授業も含まれています。

アメリカの歴史に関心がある方、太平洋地域と日本の関係について考えたい方、世界の歴史をさまざまな立場から学びたい方は、竹田助教の研究をきっかけに、現代アメリカ史や太平洋諸島研究について調べてみてはいかがでしょうか。

KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試を目指す高校生に向けて、出願書類の準備や面接対策などのサポートを行っています。受験準備についてお悩みの方は、お気軽に無料個別相談をご利用ください。

※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。