上智大学 理工学部 情報理工学科 教員紹介|吳里奈特任助教のコンピュータビジョン・深層学習研究とは

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 情報理工学科の吳里奈特任助教と、コンピュータビジョン・深層学習の研究」です。

スマートフォンで写真を撮ると人物や物体を認識する。文章を入力するとAIが画像を生成する。こうした技術が身近になったことで、「コンピュータは画像をどう理解しているの?」「AIはどうやって新しい画像をつくるの?」と疑問を持った高校生もいるのではないでしょうか。

このような画像とAIの関係を研究しているのが、上智大学 理工学部 情報理工学科の吳里奈特任助教です。


吳里奈特任助教はどんな研究者?

吳里奈特任助教は、上智大学 理工学部 情報理工学科に所属し、人工知能・深層学習、コンピュータビジョンを専門としています。

研究キーワードには、人工知能、深層学習、コンピュータビジョン、画像認識、画像生成、画像変換などが挙げられています。特に2次元・3次元の画像を対象として、深層学習を利用した認識・生成・変換に関する研究に取り組んでいます。

AIという言葉は非常に広い意味で使われていますが、吳特任助教の研究を理解するときは、「画像という情報をコンピュータでどのように扱うのか」という視点から考えてみると分かりやすいでしょう。


コンピュータビジョンとは?

コンピュータビジョンとは、画像や映像に含まれる情報をコンピュータで処理・分析する研究分野です。

人間なら写真を見て、すぐに「犬がいる」「人が歩いている」と判断できます。しかし、コンピュータが最初に扱うのは、人間と同じ意味での「犬」や「人」ではなく、画像を構成する数値の集まりです。

そこから、画像に何が写っているのかをどのように認識させるのか。形や特徴をどのように捉えるのか。こうした問題を研究していくのがコンピュータビジョンです。

吳特任助教は、深層学習を活用しながら、コンピュータによる画像の認識や生成について研究しています。


「画像を認識する」とはどういうこと?

画像認識では、コンピュータが画像に含まれる特徴を分析し、その内容を判断していきます。

たとえば大量の画像から特定の対象を見つけたり、画像を種類ごとに分類したりすることが考えられます。人間には簡単に見える作業でも、コンピュータで実現するためには、画像をデータとして表し、そこから必要な特徴を取り出す仕組みが必要です。

深層学習では、多くのデータを使いながら、画像に含まれる特徴を学習する方法が用いられます。

ただし、「大量の画像をAIに見せれば何でも正しく認識できる」という単純なものではありません。どのようなデータで学習するのか、どのようなモデルを使うのか、得られた結果をどう評価するのかなど、多くの研究課題があります。


AIが新しい画像をつくる「画像生成」

吳特任助教の研究テーマには「画像生成」もあります。

生成AIの普及によって、文章から画像をつくるサービスを使ったことがある高校生も増えているでしょう。しかし大学で研究する場合は、単に生成AIを「使ってみる」だけではありません。

コンピュータが画像の特徴をどのように学習し、それをもとに新しい画像を生成するのか。その仕組みや方法そのものが研究対象になります。

さらに、AIによって生成された画像を利用するときには、技術的な性能だけでなく、どのようなデータを利用しているのか、生成された情報をどのように扱うのかなど、社会との関係を考える視点も重要です。

生成AIを「何でもつくれる魔法の技術」と捉えるのではなく、その背後にあるデータや計算の仕組みまで考えてみることが、情報理工学の学びにつながります。


画像を別の画像へ変える「画像変換」

もう一つの研究テーマが画像変換です。

画像変換とは、入力された画像の情報を利用して、別の表現を持つ画像へ変換する技術です。画像を単純に加工することとは異なり、深層学習によって画像の特徴を捉えながら、新しい表現へ変換する方法などが研究されています。

吳特任助教は、画像認識・画像生成・画像変換を横断しながら研究しています。

「画像の内容を理解する」「新しい画像をつくる」「ある画像から別の表現を生み出す」というテーマは別々に見えますが、いずれもコンピュータが画像に含まれる情報をどのように表現し、処理するのかという問題につながっています。


2次元だけではなく「3次元」の情報も扱う

吳特任助教の研究では、2次元画像だけでなく3次元のデータも対象となっています。

一般的な写真は縦と横の2次元で表現されますが、現実世界には奥行きがあります。そのため、コンピュータに現実の空間や物体を扱わせるためには、立体的な形状や位置関係などを情報として表現する必要があります。

3次元データをどのように認識し、どのように新しい形や空間として生成するのかも、コンピュータビジョンにおける重要な研究テーマです。

普段遊んでいる3DゲームやVRなどをきっかけに、「コンピュータの中では立体をどう表現しているのだろう」と考えてみると、研究への入口が見つかるかもしれません。


高校の数学・情報はどうつながる?

コンピュータビジョンや深層学習には、数学と情報の知識が深く関係します。

高校数学で学ぶ関数、ベクトル、確率・統計などは、大学でデータやAIについて学ぶ際の基礎になります。また、高校の「情報」で学ぶプログラミングやデータ活用も、大学では大量の画像データを処理したり、AIのモデルを実装したりする学びへ発展していきます。

ただし、「数学が得意だからAI研究に向いている」「高校生のうちに高度なプログラミングができなければ難しい」と単純に考える必要はありません。

まずは、普段使っている画像検索や生成AIなどに対して、「なぜこの結果になるのだろう」と疑問を持つことも大切なスタートです。


推薦入試では「AIに興味がある」の先を考えよう

情報理工学科を志望する高校生の中には、「AIを学びたい」と考えている人も多いでしょう。ただ、「AIに興味があります」だけでは、自分が何に興味を持っているのか十分に整理できていません。

たとえば、「AIは画像のどこを見て物体を判断しているのだろう」「生成AIは、学習した画像をそのままコピーせずにどうやって新しい画像をつくるのだろう」「2次元の写真から3次元の形を理解することはできるのだろう」と問いを深めることができます。

実際に生成AIを使って予想外の画像が出てきた経験があれば、「なぜ思った通りにならなかったのか」を調べてみるのも一つの探究です。

高校生の段階で専門的なAIモデルを開発できる必要はありません。身近な技術を使って終わるのではなく、その仕組みに疑問を持ち、調べていくことで、自分が大学で学びたいことも少しずつ具体的になっていきます。


「見る」をコンピュータの立場から考えてみよう

吳里奈特任助教の研究を見ていくと、私たちが普段当たり前に行っている「見る」「見分ける」という行為にも、多くの情報処理が関係していることが分かります。

画像認識、画像生成、画像変換、3次元データなどを研究することは、単に便利なAIサービスをつくることだけではなく、コンピュータが画像という情報をどのように理解し、表現できるのかを探究することでもあります。

生成AIや画像認識を使ったときに、「すごい」で終わらず、「これはどのような仕組みで動いているのだろう」と考えてみてください。その疑問が、上智大学 理工学部 情報理工学科での学びにつながるかもしれません。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。