
上智大学 経済学部 経済学科|中里透准教授に学ぶ「マクロ経済学」と国の財政運営
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 経済学部 経済学科・中里透准教授の研究から考える、マクロ経済学と国の財政運営」です。
ニュースを見ていると、「来年度予算」「財政赤字」「国債」「物価高」「景気対策」といった言葉を目にすることがあります。しかし、「国のお金の話は難しそう」と感じ、なんとなく聞き流している人もいるのではないでしょうか。
上智大学経済学部経済学科の中里透准教授は、マクロ経済学・財政運営を研究分野としています。また、日本の金融・財政、人口動態、家計消費などについて実証分析に取り組んでいます。今回は中里准教授の研究を入り口に、国の予算や財政を経済学から考える面白さを見ていきましょう。
中里透准教授が研究するマクロ経済学・財政運営
上智大学の公式情報によると、中里透准教授は経済学部経済学科に所属し、研究分野はマクロ経済学・財政運営です。担当科目には、マクロ経済学A、経済学総論、財政学、財政学特講などがあります。
また、研究テーマとして、財政運営の安定性と債券市場の反応、社会経済環境の変化と出生率、消費増税後の家計消費、地域金融機関の再編などが挙げられています。
「財政」という一つのテーマだけを見るのではなく、私たちの消費行動、人口の変化、金融市場など、社会のさまざまな動きと結びつけながら経済を考えている点が特徴です。
マクロ経済学とは「国全体」を見る学問
マクロ経済学とは、一人の消費者や一つの企業ではなく、国や社会全体の経済活動を大きな視点から分析する分野です。
例えば、「景気が悪くなるとなぜ失業が増えるのか」「物価が上昇すると家計にはどのような影響があるのか」「政府が支出を増やすと経済はどう動くのか」といった問題を考えます。
高校の公共や政治・経済でも、GDP、景気、物価、財政などについて学びます。大学では、そうした基本知識をもとに、「なぜその変化が起きたのか」「政策によって本当に期待した効果が生まれたのか」と、理論やデータを使ってさらに深く分析していきます。
国の財政運営では何を決めているのか
国や地方自治体は、税金などによって得た財源を使い、教育、医療、社会保障、防災、道路など、さまざまな分野にお金を配分しています。
しかし、使えるお金には限りがあります。子育て支援を増やしたい、高齢者の医療や介護も支えたい、防災にも備えたい、教育にも投資したいと考えても、すべてに無制限にお金を使うことはできません。
そこで、「何を優先するのか」「現在必要な支出と将来の負担をどう考えるのか」という難しい判断が必要になります。
部活動で10万円の予算があったとして、新しい道具を買うのか、遠征費に使うのか、後輩のために一部を残すのかを話し合う場面を想像すると、規模は違っても「限られたお金をどう配分するか」という問題の難しさをイメージしやすいでしょう。
財政赤字や国債をどう考える?
国の支出が税収などの収入を上回る場合、不足する資金を国債の発行などによってまかなうことがあります。国債は、簡単にいえば国がお金を借りる際に発行するものです。
ここで、「借金ならすぐに減らしたほうがよい」と考える人もいるでしょう。一方で、大きな不況や災害などのときには、政府が支出を増やして暮らしや経済を支える必要があるという考え方もあります。
つまり、「財政赤字は悪い」と一言で終わらせるのではなく、なぜ支出が必要なのか、経済状況はどうなっているのか、将来の負担はどうなるのかなど、複数の視点から考える必要があります。
中里准教授は、財政運営の安定性と債券市場の反応についても研究しています。政府の財政に対する見方が金融市場とどのようにつながるのかまで考えることで、国の財政をより広い視点から捉えることができます。
消費税と家計の行動も研究対象になる
財政というと国のお金だけを考えるように思えますが、政策によって私たちの行動も変化します。
例えば消費税率が変われば、買い物のタイミングを変える人が出てくるかもしれません。大きな買い物を税率変更前に済ませようとする人もいれば、支出そのものを減らす人もいるでしょう。
中里准教授は、消費増税後の家計消費の動向についても実証分析を行っています。「政策を決めたら終わり」ではなく、その政策によって人々が実際にどのような行動をしたのかをデータで確かめることが、経済学では重要です。
ここから、「税率を変えると消費はどのように変わるのか」「負担の感じ方は所得や世代によって違うのか」といった問いへ広げることができます。
少子高齢化と財政はどうつながるのか
日本の財政を考えるうえでは、人口の変化も無視できません。少子高齢化が進めば、働く世代と高齢者の割合が変化し、税や社会保障の仕組みにも影響します。
しかし、「高齢者への支出を減らせばよい」「若者向けの予算を増やせばよい」と単純に考えられる問題ではありません。高齢者にも生活や医療がありますし、若い世代には教育や子育てへの支援が必要です。
どの世代の立場から見るかによって、望ましい政策の見え方は変わります。だからこそ、「自分にとって得か損か」だけではなく、現在と将来の世代、さまざまな生活状況の人から考えることが大切です。
高校までの学びと大学での経済学の違い
高校では、財政政策や税金の仕組みについて「制度を知る」ことが中心になる場合があります。大学では、さらに「その制度はなぜ必要なのか」「実際にどのような効果があったのか」まで考えていきます。
例えば、政府が景気対策として支出を増やした場合も、「政府がお金を使った」という事実だけでは評価できません。景気、雇用、家計消費などが実際にどう変化したのかを調べる必要があります。
データを見て自分の予想と違う結果が出れば、なぜ違ったのかを考え直します。一つの結論を暗記するのではなく、根拠をもとに問いを深めていくところに大学での経済学の特徴があります。
推薦入試に向けてニュースから自分の問いを見つけよう
上智大学経済学部経済学科の推薦入試を考えるうえで、最初から日本の財政を完璧に説明できる必要はありません。まずは、自分がニュースを見て疑問に思ったことを大切にしてみてください。
例えば、「なぜ国は借金をしてまで支出することがあるのだろう」「少子高齢化が進む中で社会保障をどう維持するのだろう」「税金を上げると人の消費行動はどう変わるのだろう」といった疑問があります。
そこから、政府、働く世代、高齢者、子育て世代、企業など、立場を変えて考えてみましょう。同じ政策でも、誰の立場から見るかによって意味が変わることがあります。
出願書類や面接で問われる志望理由を整理するときにも、「経済政策に興味があります」で終わらせず、何をきっかけに疑問を持ったのか、調べる中で考えがどう変わったのか、大学で何をさらに考えたいのかまで整理してみてください。
国のお金を「自分とは関係ない話」にしない
財政運営は大きな数字が並ぶため、高校生には遠い話に見えるかもしれません。しかし、そのお金は教育、医療、社会保障、防災など、私たちの日常生活につながっています。
だからこそ、予算や税金のニュースを見たときには、「金額が大きい」と眺めるだけでなく、「なぜここにお金を使うのか」「誰が利益を受け、誰が負担するのか」「将来にはどのような影響があるのか」と考えてみてください。
すぐに正解を出す必要はありません。自分なりの問いを持ち、データを調べ、異なる立場の意見にも触れながら考えを深めることが、マクロ経済学や財政学への学びにつながります。
ニュースで次の予算や税金の話題を見かけたら、「なぜこの政策が選ばれたのだろう」と一度考えてみてください。その疑問が、上智大学経済学部経済学科で学びたいテーマにつながっていくかもしれません。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト、上智大学経済学部公式サイト、上智学院教員教育研究情報データベース等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。教員の所属、研究分野、担当科目、カリキュラム、入試制度などは今後変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。

