上智大学 外国語学部 ロシア語学科の推薦入試|探究活動をどう深めるか

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、
「上智大学 外国語学部 ロシア語学科を目指す人が探究活動をどう深めるか」です。


探究活動は「調べて終わり」ではありません

上智大学外国語学部ロシア語学科の推薦入試を考える中で、「探究活動をしているけれど、内容が浅い気がする」「資料を集めた後に何をすればよいのか分からない」と悩む高校生もいるでしょう。

探究活動は、情報をたくさん集めれば完成するものではありません。調べた内容をもとに新しい疑問を持ち、自分なりに考えを深めていくことが大切です。

例えば、「ロシアの食文化について調べる」というテーマで、料理の名前や特徴を紹介するだけでは、調べ学習に近い内容になります。

そこから、「ロシアの気候や歴史は食文化にどのような影響を与えたのか」「地域によって食文化に違いがあるのはなぜか」と問いを広げることで、探究活動として深まっていきます。


最初の問いをもう一度見直してみる

探究活動を深めたいときは、まず最初に立てた問いを見直してみましょう。

「ロシアの歴史について」「ロシア語について」といったテーマは、範囲が広すぎるため、資料をまとめるだけになりやすい傾向があります。

例えば、「ロシアの歴史について」というテーマなら、「歴史上の出来事は現在のロシア社会にどのような影響を与えているのか」と変えることができます。

また、「ロシア語について」であれば、「ロシア語と日本語では感情の表現にどのような違いがあるのか」「翻訳によって文学作品の印象はどのように変わるのか」と具体的に絞ることもできます。

問いが具体的になるほど、何を調べ、どのように比較すればよいのかが見えやすくなります。


「なぜ」を繰り返すと考えが深まる

探究活動では、「なぜそうなるのか」と繰り返し問いかけることが重要です。

例えば、「同じ国際ニュースでも報道機関によって伝え方が違う」ということに気づいたとします。

そこで終わらず、「なぜ違いが生まれるのか」「使われている言葉によって受け手の印象はどう変わるのか」「発信する国の歴史や社会状況は報道に影響しているのか」と問いを重ねていきます。

すぐに答えが出なくても問題ありません。むしろ、簡単に答えが出ない問いについて考え続けることが、大学での学びにつながります。

推薦入試でも、最初から完璧な結論を持っていることより、問いを持ち続けながら思考を深めた過程が大切にされます。


一つの資料だけで判断しない

探究活動を深めるためには、複数の資料を読み比べることが欠かせません。

特に、ロシアや国際社会に関するテーマでは、書き手の立場や発信された国によって、説明の仕方が異なる場合があります。

一つのニュース記事やウェブサイトだけを参考にすると、その見方を唯一の事実だと思い込んでしまうかもしれません。

書籍、新聞記事、論文、統計資料、行政機関や国際機関の資料など、種類の異なる情報を比べることで、テーマを多面的に見ることができます。

資料の内容だけでなく、「誰が書いたのか」「いつ発表されたのか」「どのような目的で作られたのか」にも注目してみましょう。


比較する対象をつくる

探究活動に比較の視点を入れると、考えを深めやすくなります。

例えば、ロシア文学の一つの作品を読むだけでなく、複数の日本語訳を比べることで、翻訳者による言葉の選び方の違いが見えてきます。

ロシアの学校教育を調べる場合も、日本の教育と比べることで、共通点や違い、それぞれの背景を考えられるでしょう。

ほかにも、時代の違い、地域の違い、世代の違い、報道機関の違いなど、比較の方法はさまざまです。

ただし、違いを見つけて終わるのではなく、「なぜその違いが生まれたのか」まで考えることが重要です。


歴史を暗記ではなく背景として捉える

ロシア語学科で文化や社会、国際関係について考える際には、歴史的な背景を知ることも大切です。

高校の歴史では、人物名や出来事、年代を覚えることが中心になりやすいかもしれません。

しかし、大学では、歴史を暗記するのではなく、過去を通して社会や人間を理解します。

例えば、現在の言語分布や国境、民族間の関係には、過去の政治や人々の移動が影響していることがあります。

今起きている問題だけを見るのではなく、「どのような経緯で現在の状況が生まれたのか」と過去を振り返ることで、表面的ではない理解につながります。


自分の考えと事実を分ける

探究活動では、自分の意見を持つことが大切です。ただし、調べた事実と自分の考えを混同しないようにしましょう。

例えば、「複数の記事を比較したところ、使用される表現に違いがあった」という部分は、資料から確認できる事実です。

一方、「その違いは読者の印象に影響を与えているのではないか」という部分は、自分の考察になります。

事実と考察を分けたうえで、「なぜそのように考えたのか」を資料をもとに説明すると、内容に説得力が生まれます。

推薦入試でも、自分の意見を強く言い切ることより、根拠を示しながら丁寧に考えを組み立てられることが重要です。


他者の意見を聞いて問いを深める

一人で考えていると、自分では気づかなかった思い込みや別の見方を見落とすことがあります。

探究活動を深めるためには、先生や友人に途中経過を説明し、意見を聞いてみることも有効です。

例えば、「なぜその地域を選んだの?」「反対の立場から見るとどうなる?」「その資料は信頼できるの?」と質問されることで、新しい課題が見えてくることがあります。

自分と異なる意見を言われても、すぐに否定する必要はありません。なぜ相手がそのように考えたのかを聞き、自分の考えを見直すことも探究の一部です。

こうした対話姿勢は、異なる価値観や文化を学ぶロシア語学科でも大切にされる力です。


うまくいかなかったことも記録する

探究活動では、調べたい資料が見つからなかったり、予想していた結果が出なかったりすることもあります。

しかし、それは失敗ではありません。

例えば、日本語で読める資料が少なかったことから、「言語によって得られる情報に差があるのではないか」という新しい問いが生まれることもあります。

また、最初に考えていた仮説と異なる結果が出たなら、なぜ予想と違ったのかを考えることで、探究がさらに深まります。

途中で考えが変わった理由や、調査方法を見直した過程も記録しておきましょう。提出書類や面接で探究活動を説明するときにも、考えの変化を具体的に伝えやすくなります。


大学でさらに学びたいことにつなげる

高校での探究活動だけで、すべての答えを出す必要はありません。

むしろ、探究を進めた結果、「もっと専門的な資料を読みたい」「ロシア語を学んで原文に触れたい」「歴史や文化の背景も含めて考えたい」という新しい課題が見つかることに意味があります。

例えば、翻訳の違いを調べた結果、大学ではロシア語を身につけ、作品を原文で読みながら言葉と文化の関係を考えたい、という学びにつなげられます。

探究活動と大学で学びたい内容が自然につながると、提出書類や面接で問われる志望理由にも具体性が生まれます。

高校での探究は完成品ではなく、大学で続ける学びの出発点として考えてみましょう。


推薦入試で伝えたい探究の流れ

探究活動を推薦入試で伝えるときは、調査結果だけを並べるのではなく、次の流れを意識すると分かりやすくなります。

  • なぜそのテーマに興味を持ったのか
  • どのような問いを立てたのか
  • どのような資料や方法で調べたのか
  • 調べる中で何に気づいたのか
  • 考えや問いがどのように変化したのか
  • 大学で何をさらに学びたいのか

推薦入試は、完璧な人や、すでに答えを知っている人を選ぶ試験ではありません。

知識量だけではなく、自分で問いを持ち、複数の見方を確かめ、他者の意見にも耳を傾けながら考え続けられるかが見られています。


まとめ

上智大学外国語学部ロシア語学科を目指して探究活動を深めるためには、情報を集めてまとめるだけでなく、問いを具体的にし、「なぜ」を繰り返しながら考えることが大切です。

複数の資料を比較し、歴史や文化的な背景を確認し、自分とは異なる意見にも触れることで、一つのテーマを多面的に捉えられるようになります。

また、思うような結果が出なかったことや、途中で問いが変わったことも、探究の大切な過程です。

まずは、今取り組んでいるテーマについて、「自分は何を明らかにしたいのか」「別の立場から見るとどう見えるのか」「大学でさらに何を知りたいのか」と問い直してみてください。

その問いを少しずつ深めていくことで、ロシア語学科で学びたい内容や、自分らしい関心も見えやすくなるでしょう。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。