
上智大学 文学部 ドイツ文学科の探究テーマの見つけ方|推薦入試につながる問いの深め方
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 文学部 ドイツ文学科の探究テーマの見つけ方」です。
探究テーマは立派な言葉から考えなくて大丈夫
上智大学文学部ドイツ文学科の推薦入試を考えている人の中には、「探究テーマが決まらない」「ドイツ文学について専門的なテーマを選ばなければならないのでは」と悩んでいる人もいるでしょう。
しかし、最初から大学生のような難しいテーマを用意する必要はありません。
探究の出発点になるのは、日常の中で感じた小さな疑問です。「なぜこの表現が気になるのだろう」「日本と海外では、同じテーマの描かれ方がなぜ違うのだろう」といった素朴な問いから始めて構いません。
大切なのは、テーマを立派に見せることではなく、自分が本当に知りたいと思える問いを見つけることです。
まずは自分の「気になる」を書き出してみよう
探究テーマを見つけるためには、これまで自分が興味を持ったものを振り返ってみましょう。
例えば、小説、映画、音楽、舞台、美術、外国語、歴史、哲学、社会問題など、ドイツ文学科の学びにつながる入口はたくさんあります。
ドイツ語圏の作品に限らず、普段読んでいる日本の小説や海外映画から考え始めても問題ありません。
物語の中で描かれる家族関係が気になった人もいれば、翻訳された文章の表現に違和感を持った人もいるでしょう。学校の世界史でドイツの歴史を学び、その時代の文学や芸術に興味を持つこともあります。
まずは「好きなもの」「気になったこと」「納得できなかったこと」を自由に書き出してみると、自分の関心が見えやすくなります。
興味を「問い」に変えることが探究の第一歩
「ドイツの文学が好きです」だけでは、まだ探究テーマにはなっていません。
そこで、「なぜ」「どのように」「どのような違いがあるのか」という言葉を加えて、興味を問いに変えてみましょう。
例えば、「グリム童話が好き」という興味がある場合、「グリム童話と日本の昔話では、子どもへの教訓の伝え方にどのような違いがあるのか」という問いに広げられます。
「海外映画が好き」という場合には、「ドイツ語圏の映画では、家族や社会がどのように描かれているのか」と考えることができます。
「外国語に興味がある」という場合には、「翻訳によって文学作品の印象はどのように変わるのか」というテーマも考えられます。
興味に問いを加えることで、調べる方向が少しずつ見えてきます。
自分の経験とつながるテーマは深めやすい
探究テーマを選ぶときは、自分の経験とつながっているかどうかも大切です。
例えば、部活動で仲間との意見の違いに悩んだ経験がある人なら、文学作品の中で対立する人物同士の関係に関心を持つかもしれません。
文化祭で一つの作品をみんなで作った経験があれば、演劇や舞台表現について考えることもできます。
英語の授業で文章を訳した際、直訳では意味が伝わりにくいと感じた経験があれば、言葉と文化の関係を探究するきっかけになります。
自分の経験と結びついたテーマは、「なぜそのテーマを選んだのか」を説明しやすく、調べる中でも関心を保ちやすいでしょう。
テーマを広げすぎないことも大切
探究テーマを考えるとき、「ドイツの文化について」「文学と社会について」のように、範囲が広くなりすぎることがあります。
広いテーマは資料を集めやすいように見えますが、何を明らかにしたいのかが分かりにくくなります。
例えば、「ドイツ文化について調べる」というテーマであれば、「ドイツの児童文学には、どのような家族観が表れているのか」と範囲を絞ることができます。
「文学と社会」というテーマなら、「戦争を経験した社会が文学作品の人物描写にどのような影響を与えたのか」と具体的にできます。
作品、時代、人物、表現、社会問題など、調べる対象を一つか二つに絞ると、考察を深めやすくなります。
比較することで新しい視点が見えてくる
テーマが見つからないときは、二つのものを比較してみる方法もあります。
例えば、ドイツの童話と日本の昔話、原作と翻訳、文学作品と映画、過去の作品と現代の作品などを比べることができます。
比較するときは、単に「違っていた」で終わらせず、「なぜ違うのか」を考えることが重要です。
物語の結末が異なるのであれば、その背景にどのような社会や文化の違いがあるのかを調べます。同じ作品でも翻訳によって印象が異なるのであれば、選ばれた言葉や表現に注目してみましょう。
一つの作品だけを見るよりも、比較することで自分が当たり前だと思っていた価値観に気づくことがあります。それは、多面的な視点を育てることにもつながります。
調べる中で問いが変わっても問題ありません
探究を始めたときの問いが、最後まで変わらないとは限りません。
最初は「ドイツの童話はなぜ怖いのか」と考えていたとしても、調べるうちに「子ども向けの物語には、社会が子どもに伝えたい価値観が表れているのではないか」という新しい問いが生まれることがあります。
これは、テーマがぶれてしまったのではありません。調べたことで考えが深まり、より本質的な問いに近づいたということです。
大学での学びでも、最初から答えが分かっているテーマを扱うわけではありません。資料を読み、他者の意見を聞きながら、問いそのものを見直していきます。
高校の探究でも、最初の予想と違う結果が出たときこそ、「なぜだろう」と考えてみることが大切です。
探究テーマの具体例
上智大学文学部ドイツ文学科の学びにつながる探究テーマには、次のような例があります。
- グリム童話と日本の昔話では、子どもへの教訓をどのように伝えているか
- 文学作品の翻訳によって、登場人物の印象はどのように変化するか
- ドイツ語圏の映画では、家族や個人の生き方がどのように描かれているか
- 戦争や社会の変化は、文学作品の表現にどのような影響を与えたか
- 日本とドイツでは、環境問題が物語や広告の中でどのように表現されているか
- 童話の女性像は、時代とともにどのように変化してきたか
これらをそのまま使うのではなく、自分が気になる作品や経験に合わせて問いを調整することが大切です。
推薦入試ではテーマの難しさより考えた過程が見られる
推薦入試では、誰も思いつかない特別なテーマを選ぶことだけが評価につながるわけではありません。
身近なテーマであっても、自分なりの問いを持ち、複数の資料を読み、異なる意見にも向き合いながら考えを深めていれば、十分に意味があります。
提出書類や面接で問われる志望理由では、「何を調べたか」だけではなく、「なぜ気になったのか」「調べる中で考えがどう変わったのか」「大学でさらに何を学びたいのか」を伝えることが重要です。
推薦入試は、完璧な答えを持つ人を選ぶ試験ではありません。問いを持ち、一つの見方に決めつけず、他者の考えにも耳を傾けながら考え続けられる人を見る試験です。
探究活動を通して育てた思考の深さ、多面的な視点、他者理解、対話する姿勢は、ドイツ文学科での学びにもつながっていきます。
まとめ
上智大学文学部ドイツ文学科につながる探究テーマは、身近な興味や小さな疑問から見つけることができます。
小説、映画、音楽、翻訳、歴史、学校生活などを振り返り、「なぜ気になったのか」「何が不思議だったのか」を考えてみましょう。
そして、興味を問いに変え、対象を少しずつ絞りながら資料を調べていくことが大切です。途中で問いが変化しても、それは考えが深まった証拠です。
まずは今日、自分が最近気になった作品や出来事を一つ書き出してみてください。そこに「なぜ」という言葉を加えると、自分らしい探究テーマの入口が見えてくるかもしれません。
その問いを深めながら、上智大学文学部ドイツ文学科でどのような学びに取り組みたいのかも考えてみましょう。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


