上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|曄道佳明教授の鉄道・輸送システム研究

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 機能創造理工学科の曄道佳明教授と、鉄道などの輸送システムを支える機械力学の研究」です。

電車に乗っているとき、「なぜ高速で走っても安定しているのだろう」「車輪とレールはどのように接触しているのだろう」と考えたことはありませんか。普段は当たり前に利用している鉄道ですが、安全で安定した走行の背景には、機械の運動や振動を数理的に分析する研究があります。

曄道佳明教授は、上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属し、機械力学やマルチボディダイナミクスなどを専門とする研究者です。現在は特に鉄道車両の安全性・安定性に関わる研究を進めています。


曄道佳明教授はどんな研究者?

上智大学理工学部の最新の教員紹介では、曄道教授の主な研究テーマとして「高度輸送システム、探査システムのダイナミクスと制御」が示されています。また、2025年度の理工学部活動報告書では、研究分野として「マルチボディダイナミクス、機械力学、鉄道技術史」、キーワードとして「レール/車輪接触問題、車両運動、鉄道技術の変遷」が挙げられています。

「ダイナミクス」とは、物体に力が加わったときにどのように動くのかを考える力学の分野です。高校物理で学ぶ運動方程式や力、速度、加速度などの考え方も、その基礎につながっています。

一方、「マルチボディダイナミクス」とは、複数の部品や物体が互いに影響しながら動くシステムを解析する考え方です。実際の鉄道車両は一つの単純な物体ではありません。車体、台車、車輪など、多くの要素が組み合わさって動いています。こうした複雑なシステム全体の運動を考えるために、数学や力学、コンピュータによる解析が活用されます。


鉄道車両の「安全」と「安定」を力学から考える

曄道教授が現在取り組む研究テーマの一つが、鉄道車両の安全性や安定性に関する研究です。上智大学の2025年度活動報告書によると、車輪とレールの接触問題を中心に、マルチボディダイナミクスを活用して車両や軌道の運動を解析し、現象を明らかにする研究が進められています。

鉄道では、車輪とレールが接触しながら高速で移動します。そのため、「接触している部分でどのような力が働くのか」「車両と軌道はどのように影響し合うのか」といった問題を考えることが重要になります。

さらに、同報告書では鉄道車両と軌道の動力学的相互作用を利用した軌道状態の推定や、鉄道車両の走行安全性に関する研究なども示されています。鉄道を安全に走らせるという身近な課題の中に、高度な力学や解析技術が使われているのです。


高校物理の「運動」が大学では複雑なシステムへ発展する

高校の物理では、物体に働く力を考えて運動方程式を立てたり、速度や加速度を求めたりします。問題集では一つの物体や比較的単純なモデルを扱うことが多いでしょう。

大学では、その考え方をさらに発展させます。実際の鉄道車両のように多くの部品が組み合わされ、それぞれが動き、振動し、互いに影響を与えるシステムを扱うには、より複雑なモデルや計算が必要になります。

たとえば電車に乗っているときに感じる左右の揺れも、「揺れる」という一言だけでは終わりません。車両そのものの運動、車輪とレールの接触、軌道の状態など、複数の要因を分けて考え、それらの関係を調べていきます。

高校で「公式を覚えるもの」と感じていた物理も、大学では現実の現象を説明するための道具になります。ここに機械力学を学ぶ面白さがあります。


機能創造理工学科だからこそ学べる「複合知」

上智大学 理工学部 機能創造理工学科は、機械工学だけを独立して学ぶ学科ではありません。上智大学公式サイトでは、物理学や数学などの理学と、材料、デバイス、電子機器、エネルギー、機械システムなどの工学を融合的に学ぶことが学科の特色として示されています。

1年次には幅広い基礎科学を学び、2年次から物理学・機械工学・電気電子工学の基礎へと進みます。その後、「機械工学」「電気・電子工学」「物理学」という学問体系に基づくコースと、「エネルギーの創出と利用」「物質の理解と材料・デバイスの創成」「ものづくりとシステムの創造」というキーテーマを組み合わせながら専門性を高めていくカリキュラムです。

鉄道一つを考えても、車両の運動だけでなく、電気、エネルギー、材料、制御などさまざまな技術が関係します。一つの専門だけで現実の課題を捉えるのではなく、複数の視点を結びつけて考えることが、機能創造理工学科での学びにつながります。


「電車が好き」から研究の問いへ進んでみよう

鉄道や乗り物が好きな高校生にとって、曄道教授の研究は興味を持ちやすいテーマかもしれません。ただし、大学での学びを考えるときには、「鉄道が好き」で終わらせず、そこから一歩踏み込んでみることが大切です。

たとえば、「高速で走る車両はなぜ安定して走れるのか」「車輪とレールの接触状態は走行にどのような影響を与えるのか」「乗っているときに感じる振動はどこから生まれるのか」と考えてみましょう。

実際に電車に乗った経験から疑問を見つけてもよいですし、高校物理で振動や運動を学んだことがきっかけでも構いません。探究活動で交通システムについて調べた経験があれば、そこで分かったことと、まだ分からなかったことを整理してみるのもよいでしょう。

大切なのは、経験の珍しさではなく、身近な現象から問いを見つけ、調べながら考えを深めていくことです。


推薦入試に向けて「なぜ機能創造理工学科なのか」を考える

上智大学 理工学部 機能創造理工学科の推薦入試を考えるなら、自分の興味と学科の教育・研究とのつながりを具体的に整理してみましょう。

たとえば「鉄道に興味があります」だけではなく、「鉄道の走行時に生じる振動に疑問を持ち、高校物理で学んだ運動や力が実際の車両ではどのように扱われるのか知りたくなった」と考えると、興味の中身がより明確になります。

さらに、「車両の安全性を考えるには機械だけでなく、制御や電気など複数の分野が必要なのではないか」と考えれば、機能創造理工学科が掲げる理工融合の学びとの接点も見えてきます。

高校生の段階で研究テーマを完全に決める必要はありません。むしろ、自分は何に疑問を感じているのか、調べてみて新しく何を知ったのか、大学ではその先の何を学びたいのかを少しずつ言葉にしていきましょう。出願書類や面接に向けて考えを整理するときにも、その過程が土台になります。


身近な「動き」から機械力学の世界をのぞいてみよう

曄道佳明教授の研究を見ると、高校で学ぶ力や運動の法則が、鉄道車両という大きく複雑なシステムの研究へ発展していくことが分かります。

普段利用している電車も、「なぜ安定して走れるのか」という視点で見れば立派な研究対象です。電車の揺れ、車輪とレールの関係、車両の構造など、気になったことを一つ選んで調べてみると、自分なりの問いが生まれるかもしれません。

そこから、高校で学んでいる数学や物理が大学でどのように発展するのか、そして上智大学 理工学部 機能創造理工学科でどのような研究ができるのかを、さらに調べてみてください。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。