
上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|Dzieminska Edyta准教授のデトネーション・熱流体工学研究
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 理工学部 機能創造理工学科のDzieminska Edyta准教授と、デトネーションや熱流体工学の研究」です。
ロケットはなぜ大きな推進力を生み出せるのでしょうか。また、燃焼や衝撃波のような非常に激しい現象を、工学ではどのように理解し、制御しようとしているのでしょうか。Dzieminska Edyta准教授の研究を知ると、高校で学ぶ物理や数学が、航空宇宙やエネルギーに関わる研究へどのようにつながっていくのかが見えてきます。
Dzieminska Edyta准教授はどんな研究をしている?

Dzieminska Edyta准教授は、上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属し、熱工学や流体工学を専門としています。上智大学の公式情報では、研究分野としてデトネーションの基礎、回転デトネーションエンジン、数値流体力学、熱流体工学などが紹介されています。
学士・修士の学位をワルシャワ工科大学、博士(工学)の学位を青山学院大学で取得しています。上智大学の教員紹介では、回転デトネーションエンジンの数値・実験研究、二酸化炭素や空気中における極超音速衝撃波、表面の粗さがデトネーション開始に与える影響、航空機の概念設計、Morphing jet-flapsなどが研究テーマとして掲載されています。
研究キーワードには、回転デトネーションエンジン、Deflagration-to-Detonation Transition(DDT)、衝撃波、デトネーションなどがあります。いずれも「高速で流れる気体」「燃焼」「エネルギー」と深く関係するテーマです。
そもそも「デトネーション」とは?
デトネーションとは、衝撃波と燃焼反応が強く結びつきながら非常に高速で進む現象です。高校の化学で学ぶ燃焼反応や、物理で学ぶ波・圧力・エネルギーと無関係な世界ではありません。それらの基礎をさらに発展させ、気体の流れや熱、化学反応などを組み合わせて考えていきます。
Dzieminska准教授の研究室では、回転デトネーションエンジンの実験やデトネーション開始に関する研究、デトネーションのシミュレーションなどが行われています。
回転デトネーションエンジンでは、環状の燃焼室内をデトネーション波が回転する仕組みを利用します。上智大学の公式教員紹介では、この研究を将来の宇宙推進技術として位置づけています。一方で、研究段階にある技術について「すぐに現在のロケットを置き換える」と考えるのではなく、現象の基礎を理解し、実験と数値計算の両面から検証していくことが重要です。
衝撃波を研究するとはどういうこと?
Dzieminska准教授の研究テーマには、二酸化炭素や空気中における極超音速の衝撃波もあります。
衝撃波は、圧力や密度、温度などが急激に変化しながら伝わる波です。航空機や宇宙機のように非常に高速で移動する物体を考えるときには、周囲の空気を単純な「風」として考えるだけでは十分ではありません。
ここで必要になるのが流体工学です。流体とは、水や空気など、形を変えながら流れる物質のことです。どのような速度で流れるのか、圧力や温度がどう変化するのかを数式で表し、実験やコンピュータによる計算と組み合わせながら現象を理解します。
高校の物理で学ぶ力学や熱、数学で学ぶ関数や微分・積分は、こうした複雑な現象を記述するための基礎へとつながっていきます。
実験だけではなくシミュレーションでも現象を調べる

Dzieminska准教授の研究の特徴を理解するうえで、「数値シミュレーション」という視点も重要です。
高速の燃焼や衝撃波は、短い時間の中で大きな変化が起こる複雑な現象です。そこで、実験による観察だけでなく、物理法則を数式で表し、コンピュータ上で現象を再現して調べる方法が使われます。
これは、単にプログラムを書けば答えが出るというものではありません。「どのようなモデルを使うのか」「計算結果は実際の現象と一致しているのか」「条件を変えると結果はなぜ変化するのか」と考える必要があります。
機能創造理工学科が、物理学、機械工学、電気・電子工学などを融合的に学ぶ学科であることも、こうした研究を理解するヒントになります。公式カリキュラムでは、「エネルギーの創出と利用」「物質の理解と材料・デバイスの創成」「ものづくりとシステムの創造」というキーテーマが設定されています。
高校の物理や探究活動から研究への問いをつくる
「航空宇宙に興味がある」「ロケットが好き」という気持ちは、研究への立派な入り口です。ただし、推薦入試を考えるなら、そこからもう一段深く掘り下げてみましょう。
たとえば、「ロケットのエンジンはなぜ大きな推進力を生み出せるのだろう」「燃焼の速さが変わると何が起こるのだろう」「超高速で飛ぶ物体の周囲では空気はどのように変化するのだろう」と問いを具体化できます。
学校の探究活動で航空機について調べた経験があるなら、調べた内容を並べるだけではなく、そこで分からなかったことを整理してみてください。科学部で実験をした人なら、予想と異なる結果が出たときに原因をどう考えたのかも、大学での研究につながる経験になります。
特別なコンテストで入賞した経験がなければ考えられないテーマではありません。ニュースや科学館、授業、身近な乗り物などをきっかけに生まれた疑問からでも、十分に考えを深めることができます。
「宇宙に興味がある」だけで終わらせない推薦入試対策
上智大学 理工学部 機能創造理工学科への推薦入試を考えるときには、教員の研究テーマを調べ、自分の興味との接点を探すことが大切です。
たとえば、「宇宙開発に興味があります」という説明から、「ロケットの推進技術を調べる中で、燃焼現象そのものを制御する研究に興味を持った」「デトネーションについて知り、熱や流体、衝撃波を物理学から理解したいと思った」と発展させることができます。
さらに、「高校の物理で学んだ内容だけでは説明できない部分は何だろう」と考えてみると、大学で学ぶ理由も見えてきます。
研究テーマを高校生の段階で完全に決める必要はありません。むしろ、興味を持ったきっかけから、自分なりに調べ、疑問を見つけ、その疑問と大学の学びをつなげていくことを意識してみましょう。
Dzieminska准教授の研究から機能創造理工学科を考えてみよう

Dzieminska Edyta准教授の研究を見ていくと、上智大学 理工学部 機能創造理工学科の学びが、単なる「ものづくり」に限定されていないことが分かります。
燃焼や衝撃波という自然現象を物理的に理解すること、数式やシミュレーションを使って解析すること、実験によって確かめること、そして得られた知識を工学的な技術へつなげていくこと。理学と工学の両方の視点が関わっています。
航空機やロケットが好きな人は、「好き」で終わらせず、その中にある熱、流れ、エネルギー、燃焼などへ目を向けてみてください。高校で学んでいる数学や物理が、大学でどのような研究へ発展するのかを調べていくと、自分が本当に学びたいことが少しずつ具体的になっていきます。
上智大学の公式サイトでDzieminska准教授の研究だけでなく、機能創造理工学科のほかの研究分野やカリキュラムも調べ、自分の興味との接点を探してみましょう。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


