上智大学 理工学部 物質生命理工学科 教員紹介|内田寛教授の無機材料・マイクロエレクトロニクス研究とは

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 物質生命理工学科の内田寛教授と、無機材料・マイクロエレクトロニクスの研究」です。

スマートフォンやパソコン、センサなどの電子機器は、目に見える部品だけでできているわけではありません。その内部では、さまざまな性質を持つ材料が重要な役割を果たしています。内田寛教授は、無機結晶材料をつくる方法と、その材料をエレクトロニクスやエネルギー分野へ活用する研究に取り組んでいます。


内田寛教授の専門は無機結晶材料

内田教授は、上智大学 理工学部 物質生命理工学科の教授です。主な研究テーマは「無機結晶材料の創製とマイクロエレクトロニクス応用」で、無機工業化学グループに所属しています。上智大学大学院では理工学研究科理工学専攻の応用化学領域にも関わっています。

無機材料とは、金属やセラミックスなど、有機物以外の材料を広く扱う分野です。内田教授の研究室では、特に金属酸化物の結晶を利用した機能性材料を研究しています。材料をつくるだけでなく、強誘電性や圧電性、電気伝導性、光への応答といった性質を引き出し、エレクトロニクスやエネルギー分野への活用を考えている点が特徴です。


溶液からミクロ・ナノ材料をつくる

内田教授の研究で重要なのが「溶液プロセス」です。化学溶液堆積、水熱合成、超臨界流体などの方法を使い、ミクロ・ナノサイズの無機材料や薄膜をつくる研究を進めています。2025年度の上智大学理工学部活動報告書でも、化学的堆積法による薄膜材料製造、高温高圧流体を用いた無機材料製造、結晶の向きを制御して材料の性質を改善する研究などが紹介されています。

「薄膜」とは、非常に薄くつくられた材料の層のことです。電子機器の小型化や高性能化を考えるとき、限られた空間の中で必要な働きをする材料をどのようにつくるかは重要な課題になります。

高校の化学で学ぶ溶液や結晶、化学反応などの知識も、その先では「どのような条件なら目的の結晶をつくれるのか」「材料の構造を変えると性質はどう変化するのか」といった研究へ発展していきます。


鉛を使わない圧電材料を目指す研究

内田教授が力を入れているテーマの一つが、鉛を含まない圧電体の研究です。圧電体とは、力を加えると電気が発生したり、反対に電気を加えると形が変化したりする性質を持つ材料です。こうした材料は電子部品やセンサなどに利用されています。

従来利用されてきた圧電材料には鉛を含むものがあります。内田教授は、鉛を含まない物質で置き換えることを研究目標の一つとしており、性能だけでなく環境への影響も考えた材料開発に取り組んでいます。

ここで大切なのは、「環境にやさしい材料なら簡単に置き換えられる」というわけではないことです。実際の電子部品として利用するためには、必要な性能を備えているか、安定して製造できるかなど、さまざまな条件を検討する必要があります。材料科学では、性能と環境負荷の両方を考えながら研究を進める視点も求められます。


高校の化学と物理が材料研究につながる

内田教授の研究は、化学だけで完結するものではありません。材料の組成や結晶を考えるときには化学の知識が必要ですし、電気的な性質や圧電性を理解するときには物理の考え方も関係します。

高校では「化学」「物理」と別々の科目として学びますが、大学の材料研究では両方の知識を組み合わせて一つの現象を考える場面があります。

たとえばスマートフォンを見て、「なぜこんなに小さな機器の中に多くの機能を入れられるのだろう」と疑問を持ったことはないでしょうか。そこから電子部品を調べ、さらに部品を構成する材料へと興味を広げれば、材料科学という学問につながっていきます。


物質生命理工学科で学ぶ「高機能材料の創成」

上智大学 理工学部 物質生命理工学科では、物理学、化学、生物学、環境科学、材料工学などを複合的に学びます。「物質とナノテクノロジー」「環境と生命の調和」「高機能材料の創成」をキーテーマとして専門教育が行われています。

内田教授の研究は、その中でも材料の構造と機能を考える学びをイメージしやすい例です。無機材料をどのようにつくるのか、その構造をどう制御するのか、そしてどのような機能が現れるのかを実験によって確かめていきます。

「ものづくりに興味がある」という高校生も、完成した製品だけを見るのではなく、その製品を支えている材料まで視点を広げてみると、新しい疑問が見つかるかもしれません。


推薦入試に向けて研究への興味を深めよう

上智大学 理工学部 物質生命理工学科の推薦入試を考えている人は、「化学が得意です」「電子機器が好きです」といったところから、もう一歩興味を深めてみましょう。

たとえば、「スマートフォンに使われている材料にはどのようなものがあるのか」「環境負荷を抑えながら高性能な電子材料をつくるにはどうすればよいのか」「結晶の構造によって材料の性質が変わるのはなぜか」といった問いに発展させることができます。

高校生の段階で専門的な材料研究まで経験している必要はありません。授業や探究活動、日常生活で生まれた疑問を出発点に、自分で調べて考えを深めていくことが大切です。

内田教授の研究を知ると、普段使っている電子機器の奥に、化学や物理、材料科学の研究があることが見えてきます。自分が興味を持っている製品や技術について「その機能を支えている材料は何だろう」と考え、上智大学 理工学部 物質生命理工学科でどのような研究ができるのか、さらに調べてみてください。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。