上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|足立匡教授の超伝導・量子物質研究

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 機能創造理工学科の足立匡教授と、超伝導・量子物質の研究」です。

電気を流せば、一般的な物質では電気抵抗によってエネルギーの一部が熱として失われます。ところが、ある条件になると電気抵抗がゼロになる「超伝導」という現象があります。高校の物理で学ぶ電気や磁気の先には、このような不思議な世界が広がっています。今回は、超伝導研究を通して、上智大学 理工学部 機能創造理工学科で学ぶ物理学の面白さを見ていきましょう。


足立匡教授はどのような研究者?

足立匡教授は、上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属し、超伝導を中心とした物性物理学の研究に取り組んでいます。上智大学の公式情報では、研究分野として「新奇な量子物質の創製と、超伝導および新機能材料の機能発現メカニズムの解明」が紹介されています。

近年の研究では、銅酸化物、ニッケル酸化物、鉄カルコゲナイドなどの超伝導体を対象に、単結晶育成、輸送特性、磁気特性、熱物性、ミュオンスピン緩和、中性子散乱、X線吸収分光など、さまざまな方法を使って物質の性質を調べています。

足立教授は東北大学工学部応用物理学科を卒業し、同大学院工学研究科応用物理学専攻の博士後期課程を修了しています。その後、東北大学での研究やカナダのSimon Fraser Universityでの客員研究員などを経て上智大学へ着任し、2018年から教授を務めています。


そもそも「超伝導」とは?

超伝導とは、物質を一定の温度以下まで冷却したとき、電気抵抗がゼロになる現象です。

普段使っている電線にも電気抵抗があるため、電気を送る過程では一部のエネルギーが熱になります。しかし、超伝導状態では電気抵抗がゼロになります。この特別な性質は、強力な磁場をつくる装置や送電など、さまざまな技術との関係から研究されています。

ただし、「超伝導が分かればすぐに電力問題が解決する」という単純な話ではありません。超伝導状態をつくるためには低温環境が必要になる場合があり、材料や冷却方法など多くの課題があります。だからこそ、より高い温度で超伝導になる物質を探したり、なぜ超伝導が起こるのかを明らかにしたりする基礎研究が重要なのです。


「なぜ電気抵抗がゼロになるのか」を追究する

超伝導はすでに発見されてから長い歴史を持つ現象ですが、すべての超伝導物質について、その仕組みが完全に理解されているわけではありません。

特に足立教授が研究している銅酸化物などの高温超伝導体では、超伝導がどのような仕組みで発現するのかを理解することが物性物理学の重要な研究課題となっています。

そこで足立教授は、実際に超伝導物質を合成し、その物質の電気的・磁気的性質などを詳しく測定しています。「新しい物質をつくる」「その性質を測る」「得られたデータから物質内部で何が起きているのかを考える」という流れで、目には見えないミクロな世界を探っていくのです。


単結晶をつくることも重要な研究

足立教授の研究キーワードの一つに「単結晶育成」があります。単結晶とは、原子などが規則正しく並んだ一続きの結晶です。

物質の性質を正確に調べるためには、研究対象となる試料そのものを良い状態で用意することが重要です。物質の組成や結晶の状態が変われば、測定される性質も変化する可能性があります。そのため、実験物理では「測定すること」だけでなく「調べたい物質をつくること」も研究の大切な部分になります。

高校の化学実験でも、条件を少し変えただけで結晶の大きさや形が変わった経験があるかもしれません。大学では、そこからさらに進み、原子や電子の振る舞いと物質の性質との関係を考えていきます。


ミュオンを使って物質内部を調べる

足立教授の研究では「ミュオンスピン緩和」という方法も用いられています。ミュオンは素粒子の一種で、これを物質の中に入れ、その振る舞いを観測することで、物質内部の磁気的な状態などを調べることができます。

高校生の段階で、この測定方法を詳しく理解している必要はありません。注目したいのは、目で直接見ることができない原子や電子の世界を、さまざまな測定結果から推測していくという研究の考え方です。

「直接見えないなら分からない」で終わるのではなく、「何を測れば内部の状態を推測できるのか」と考える。これは物理学だけでなく、理工系研究に共通する重要な発想です。


高校の数学・物理は大学でどう発展する?

高校の物理で学ぶ電気抵抗、電流、磁場などは、超伝導を考えるための入口になります。しかし、大学では公式に数値を代入して答えを出すだけではなく、「そもそも物質はなぜこの性質を示すのか」というところまで踏み込んでいきます。

上智大学 理工学部 機能創造理工学科は、物理学を基盤として理学と工学を融合し、機械工学、電気・電子工学、物理学を横断的に学ぶ学科です。公式カリキュラムにも「低温・超伝導物性学」があり、低温物理学の基礎や低温環境での輸送現象、超伝導、超伝導材料について学ぶことが示されています。

数学も、物理現象を表現し、データを分析し、仮説を検討するための道具として使われます。「数学が得意だから向いている」と単純に考えるのではなく、数学を使って自然現象をどう説明できるのかに興味を広げてみることが大切です。


高校生活の中から研究への問いを見つけよう

足立教授自身も、上智大学の高校生・受験生向けメッセージの中で、高校2年生のときに受験雑誌で超伝導の記事を読み、基礎的な物理現象が社会に役立つ研究に魅力を感じたことが、この分野への関心につながったと紹介しています。

研究への入口は、必ずしも高校時代の大きな研究実績である必要はありません。授業で電気抵抗を学んだときに「抵抗をもっと小さくしたらどうなるのだろう」と疑問を持つことも一つの入口です。ニュースでリニアモーターカーや新しい材料について知り、「なぜこんな現象が起こるのだろう」と調べ始めることもできます。

大切なのは、興味を持ったところで終わらず、自分なりの問いへ発展させることです。


推薦入試に向けて研究内容をどう考える?

上智大学 理工学部 機能創造理工学科の推薦入試を考えるとき、教員の研究テーマを調べることは、自分が大学で学びたいことを具体化する材料になります。

たとえば「超伝導に興味があります」だけではなく、「高校の物理で電気抵抗を学び、抵抗がゼロになる現象があることに疑問を持った。調べる中で、高温超伝導では発現の仕組みに未解明な部分があることを知り、物質を実際に合成して性質を測定する研究に興味を持った」と整理すれば、自分の関心がどこから生まれ、どこへ向かっているのかが見えてきます。

研究テーマを高校生の段階で完全に決める必要はありません。むしろ、自分が何に疑問を感じたのか、何を調べたのか、さらに何を知りたいのかを整理し、上智大学 理工学部 機能創造理工学科の学びとの接点を探してみましょう。


身近な「なぜ?」から物理学の世界へ

足立教授の超伝導研究は、「なぜ物質の電気抵抗がゼロになるのか」という基礎科学の問いと、新しい材料や技術につながる可能性を持つ工学的な視点が交わる研究です。まさに、物理学と工学を融合して学ぶ上智大学 理工学部 機能創造理工学科の特徴をイメージしやすいテーマの一つです。

まずは高校で学んでいる電気、磁気、原子、物質などの内容から、「これは大学ではどこまで深く研究されているのだろう」と調べてみてください。そこから、自分が本当に知りたいことが見つかるかもしれません。

自分の興味と上智大学 理工学部 機能創造理工学科での学びをつなげて考えてみましょう。もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。