
上智大学 外国語学部 イスパニア語学科|絵画は時代の証言者!松原典子教授のスペイン美術史研究
- 1. 松原典子教授のプロフィール|スペイン美術史の専門家
- 2. 美術史とは?作品の美しさだけを研究する学問ではない
- 3. 研究内容① 15〜17世紀のスペイン美術はなぜ重要なのか
- 4. 研究内容② 絵画は時代の証言者になる
- 5. 研究内容③ 宗教画から当時の信仰を読み解く
- 6. 研究内容④ 肖像画から権力や社会の仕組みを考える
- 7. 研究内容⑤ 彫刻や祭壇画にも歴史が刻まれている
- 8. 研究内容⑥ 美術理論とは何を研究するのか
- 9. ベラスケスの絵画から何が見える?
- 10. エル・グレコの作品から宗教と表現を考える
- 11. プラド美術館はスペイン美術史の宝庫
- 12. 美術作品を読み解くために必要な視点とは?
- 13. 現代の写真やSNSも視覚文化の一部
- 14. 担当授業|スペイン美術史の概論から特論まで
- 15. ゼミの特色① スペイン近世美術からヨーロッパ美術全般へ
- 16. ゼミの特色② 他学科の学生と学び合える
- 17. ゼミで考えられる美術史の研究テーマ
- 18. 高校生のうちからできるスペイン美術史の学び
- 19. 推薦入試を目指す高校生へ|美術への関心を志望理由につなげよう
- 20. まとめ|美術作品を通して過去と現在を見つめる
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部イスパニア語学科の松原典子教授についてご紹介します。
皆さんは、美術館で一枚の絵画を見て、「この絵にはどんな意味があるのだろう?」と考えたことはありませんか。
美しい色彩や人物の表情、精巧な構図に心を動かされることもあれば、作品に描かれた不思議な場面に興味を持つこともあるでしょう。
しかし、絵画や彫刻には、見た目の美しさだけではない、さまざまな情報が含まれています。
例えば、人物の服装や持ち物、背景に描かれた建物、宗教的な象徴などから、その作品が生まれた時代の社会や文化について考えることができます。
また、誰がその作品を制作させたのか、どこに飾られていたのか、どのような人々が見ていたのかを調べることで、当時の人々の暮らしや価値観が見えてくることもあります。
こうした視点から美術作品を研究しているのが、上智大学外国語学部イスパニア語学科の松原典子教授です。
松原教授は、15〜17世紀のスペインの絵画、彫刻、美術理論を専門とし、視覚的なイメージを通して過去の人々や社会を理解する研究に取り組んでいます。
今回は、松原教授の研究内容や担当授業、ゼミの特色を通して、スペイン美術史を学ぶ魅力をご紹介します。
上智大学の推薦入試を目指す高校生の皆さんは、志望理由書や面接対策の参考にしてください。
松原典子教授のプロフィール|スペイン美術史の専門家
松原典子教授は、上智大学外国語学部イスパニア語学科に所属する教授です。
主な専門分野は、スペイン美術史です。
特に、15世紀から17世紀にかけてのスペインの絵画、彫刻、美術理論について研究しています。
この時代のスペインでは、宗教や政治、社会の変化とともに、多様な美術作品が生み出されました。
例えば、教会に飾られた宗教画や彫刻、王族や貴族の肖像画などがあります。
こうした作品は、美術的な価値を持つだけでなく、当時の人々の信仰や社会の仕組みを理解するための重要な資料にもなります。
松原教授の研究で注目したいのは、美術史を著名な画家や作品だけに限定していない点です。
教員紹介のメッセージでは、美術史が対象とするのは、人々の生活のさまざまな場面に存在してきた視覚的なイメージ全般であると説明されています。
つまり、美術館に展示される有名な絵画だけでなく、教会の祭壇画や彫像、書物の挿絵なども、研究の対象になるのです。
松原教授は、こうした視覚イメージを、それが生まれた時代や人々について伝える「証言」として捉えています。
美術作品を通して過去の社会を理解することが、スペイン美術史の大きな魅力です。
美術史とは?作品の美しさだけを研究する学問ではない
美術史と聞くと、有名な画家の名前や作品の制作年代を覚える学問だと思う人もいるかもしれません。
しかし、美術史では、作品そのものだけでなく、作品が生まれた歴史的な背景や社会との関係についても研究します。
例えば、ある絵画が教会のために制作された場合、その作品には宗教的な意味が込められていることがあります。
また、王族の肖像画であれば、権力や地位を表現するために、衣装や姿勢、背景などが工夫されている場合があります。
さらに、書物の挿絵や宗教行事で使われる彫像などにも、当時の人々の価値観や生活が反映されていることがあります。
そのため、美術史では、作品の色彩や構図、技法だけでなく、制作された目的や、作品が使われた場所、鑑賞した人々などについても考えます。
また、作品が制作された時代の政治や宗教、経済、文化などについて理解することも重要です。
例えば、同じ宗教画であっても、制作された地域や時代によって、表現方法や重視されるテーマが異なる場合があります。
こうした違いを比較することで、社会や文化の変化を理解することができます。
美術史は、作品を通して人間や社会の歴史を考える学問でもあるのです。

研究内容① 15〜17世紀のスペイン美術はなぜ重要なのか
松原教授が専門とする15〜17世紀は、スペインの歴史において大きな変化が起こった時代です。
15世紀末には、カスティーリャ王国とアラゴン王国の王家の結びつきなどを背景に、スペイン王権の統合が進みました。
また、1492年にはグラナダが陥落し、イベリア半島におけるイスラーム勢力の最後の王国が終わりを迎えました。
同じ年には、コロンブスの航海をきっかけとして、ヨーロッパとアメリカ大陸の関係が大きく変化していきます。
16世紀には、スペイン王権の支配領域がヨーロッパやアメリカ大陸などに広がり、国際的な影響力を強めました。
こうした政治や社会の変化は、美術の世界にも影響を与えました。
例えば、王室や貴族、教会などが美術作品の制作を依頼し、宗教画や肖像画などが数多く制作されました。
また、イタリアやフランドルなど、ヨーロッパのほかの地域との交流を通して、新しい美術表現が伝わることもありました。
17世紀には、スペインの絵画が大きく発展し、ベラスケスやスルバラン、ムリーリョなど、多くの画家が活躍しました。
この時代の美術作品を研究することは、スペインの歴史や宗教、社会の変化を理解することにもつながります。
研究内容② 絵画は時代の証言者になる
松原教授の研究を理解するうえで重要なのが、視覚イメージを時代の「証言」として捉える考え方です。
例えば、ある時代の肖像画を見ると、人物の服装や装飾品、姿勢などから、その人物の社会的な立場について考えることができます。
また、背景に描かれた建物や家具などから、当時の生活や文化について知る手がかりが得られることもあります。
宗教画の場合には、描かれている人物や場面、象徴的な表現などから、当時の信仰や宗教的な価値観について考えることができます。
さらに、作品がどこに飾られていたのかを調べることも重要です。
例えば、教会の祭壇に置かれた絵画と、王宮に飾られた肖像画では、制作された目的や鑑賞する人々が異なります。
そのため、作品の意味を理解するためには、制作された場所や用途についても考える必要があります。
ただし、絵画に描かれている内容を、そのまま歴史的な事実として受け取ることはできません。
作品には、作者や依頼者の意図、理想化された表現、宗教的な象徴などが含まれている場合があります。
そのため、美術史では、作品を丁寧に観察するとともに、関連する歴史資料や文献などを調べることが重要です。
こうした研究を通して、作品が生まれた時代の社会や人々について理解を深めることができます。
研究内容③ 宗教画から当時の信仰を読み解く
15〜17世紀のスペイン美術を学ぶ際には、宗教画が重要な研究対象になります。
当時のスペインでは、カトリック教会が社会や文化に大きな影響を与えていました。
そのため、教会や修道院などのために、多くの宗教画や彫刻が制作されました。
例えば、キリストや聖母マリア、聖人などを描いた作品があります。
こうした作品は、単に美しい絵画として鑑賞されるだけでなく、信仰や宗教的な教えを伝える役割を果たすこともありました。
また、作品の中には、特定の宗教的な意味を持つ色や物、人物の姿勢などが描かれることがあります。
例えば、ある聖人を表すために、その人物に関係する持ち物や象徴が描かれる場合があります。
こうした表現を理解するためには、キリスト教の歴史や宗教的な物語について知ることが重要です。
また、16世紀には宗教改革が起こり、ヨーロッパの宗教や社会が大きく変化しました。
カトリック教会も、宗教改革に対応する中で、信仰や宗教的な表現について議論を重ねました。
こうした歴史的な背景は、当時の宗教美術を理解するうえでも重要です。
宗教画を研究することは、作品の美しさだけでなく、当時の人々の信仰や価値観について考えることにつながります。
研究内容④ 肖像画から権力や社会の仕組みを考える
スペイン美術史では、王族や貴族などの肖像画も重要な研究対象になります。
肖像画とは、特定の人物の姿を描いた絵画です。
しかし、肖像画は、単に人物の顔や姿を記録するためだけに制作されたとは限りません。
例えば、王族の肖像画では、衣装や装飾品、姿勢、背景などを通して、権威や地位を表現することがあります。
また、肖像画が飾られる場所によっても、その役割が異なる場合があります。
例えば、王宮に飾られた肖像画は、王室の権威や歴史を示す役割を持つことがあります。
さらに、外交や婚姻などに関わる場面で、肖像画が利用されることもありました。
こうした作品を研究する際には、人物がどのように描かれているのかだけでなく、誰が制作を依頼したのか、どのような目的で使われたのかを調べることが重要です。
また、肖像画に描かれた人物の表情や姿勢、持ち物などから、当時の社会的な価値観について考えることもできます。
このように、肖像画は、政治や社会の歴史を理解するための重要な資料にもなります。

研究内容⑤ 彫刻や祭壇画にも歴史が刻まれている
松原教授の研究対象には、絵画だけでなく、彫刻も含まれています。
例えば、教会に置かれた彫像や祭壇の装飾などは、当時の宗教や文化を理解するための重要な資料になります。
祭壇画とは、教会の祭壇に設置された絵画や彫刻などの装飾を指します。
こうした作品には、キリスト教の物語や聖人の姿などが表現されることがあります。
また、作品の大きさや配置、装飾の方法などによって、宗教的な意味や役割が異なる場合があります。
さらに、宗教行事や行列で使用される彫像なども、当時の人々の信仰や生活と深く関わっています。
例えば、宗教的な行列では、聖人やキリストなどの彫像が人々によって運ばれることがあります。
こうした行事は、宗教的な意味を持つだけでなく、地域社会の人々が集まる機会にもなります。
そのため、彫像や祭壇画を研究することは、宗教美術だけでなく、地域社会の歴史や文化について理解することにもつながります。
また、作品がどのような材料や技法で制作されたのかを調べることも重要です。
例えば、木彫や石彫、彩色など、さまざまな技法が使われています。
こうした技法を理解することで、当時の職人や制作環境について考えることもできます。
研究内容⑥ 美術理論とは何を研究するのか
松原教授の研究対象には、美術理論も含まれています。
美術理論とは、美術作品の制作や鑑賞、評価などについての考え方を研究する分野です。
例えば、ある時代の人々が、どのような作品を美しいと考えていたのか、どのような表現を重視していたのかを調べることができます。
また、画家や彫刻家が、作品を制作する際にどのような考え方を持っていたのかを研究することもあります。
さらに、美術作品が社会の中でどのような役割を果たすべきだと考えられていたのかを調べることも重要です。
例えば、宗教画については、信仰を伝えるためにどのような表現が適切なのかという問題が議論されることがあります。
また、肖像画については、人物の姿をどのように表現するべきかという問題が考えられることもあります。
こうした美術理論を理解することで、作品が制作された背景や、当時の人々の価値観について深く考えることができます。
美術史では、作品そのものを観察するだけでなく、作品について書かれた文献や理論についても学ぶことが重要です。
ベラスケスの絵画から何が見える?
スペイン美術史を学ぶ際に、重要な画家の一人がディエゴ・ベラスケスです。
ベラスケスは、17世紀のスペインで活躍した画家で、スペイン王室に仕えた宮廷画家として知られています。
代表作の一つが、『ラス・メニーナス(女官たち)』です。
この作品には、王女や女官、画家自身など、さまざまな人物が描かれています。
また、画面の奥には鏡が描かれており、作品の中の空間や視線について考えさせる構成になっています。
『ラス・メニーナス』は、人物の配置や視線、鏡の使い方などについて、さまざまな研究や解釈が行われてきた作品です。
例えば、誰が誰を見ているのか、鑑賞者はどのような位置に置かれているのかといった問題を考えることができます。
また、王室の人々や宮廷画家の立場について理解することで、当時のスペイン社会について考えることもできます。
このように、一枚の絵画を詳しく観察することで、構図や表現だけでなく、社会や文化についても考えることができます。
なお、ここで紹介した作品は、スペイン美術史の学習例であり、松原教授が『ラス・メニーナス』を個別の研究対象としていることを示すものではありません。
エル・グレコの作品から宗教と表現を考える
スペイン美術史を学ぶ際には、エル・グレコも重要な画家の一人です。
エル・グレコは、現在のギリシャにあたるクレタ島で生まれ、イタリアなどを経て、スペインのトレドで活躍した画家です。
その作品には、細長く描かれた人物や、独特の色彩、劇的な構図などが見られます。
また、宗教的な主題を扱った作品が多く制作されました。
例えば、『オルガス伯の埋葬』は、エル・グレコの代表作の一つとして知られています。
この作品では、地上の世界と天上の世界が描き分けられており、宗教的な意味を持つ表現が使われています。
こうした作品を理解するためには、当時のキリスト教の信仰や、トレドという都市の歴史について知ることが重要です。
また、エル・グレコが複数の地域で活動したことにも注目できます。
クレタ島やイタリア、スペインなど、異なる文化や美術の伝統に触れた経験は、その作品を考えるうえで重要な背景になります。
このように、美術作品を研究する際には、画家の活動した地域や時代、文化的な交流についても理解することが重要です。
プラド美術館はスペイン美術史の宝庫
スペイン美術史に関心がある人にとって、マドリードのプラド美術館は重要な美術館の一つです。
プラド美術館には、スペインを代表する画家たちの作品をはじめ、ヨーロッパのさまざまな美術作品が収蔵されています。
例えば、ベラスケスやゴヤ、エル・グレコなどの作品が知られています。
また、スペイン以外の地域で活躍した画家たちの作品も収蔵されています。
こうした作品を比較することで、スペイン美術がヨーロッパのほかの地域とどのような関係を持っていたのかを考えることができます。
例えば、イタリアやフランドルの美術との交流について学ぶことができます。
また、同じ宗教的な主題でも、地域や時代によって表現方法が異なる場合があります。
こうした違いを比較することは、美術史を学ぶうえで重要です。
さらに、美術館では、作品の制作年代や作者、材料、技法などについて説明されていることがあります。
こうした情報を確認しながら鑑賞することで、作品をより深く理解することができます。
実際に美術館を訪れる機会がない場合でも、美術館の公式サイトなどで作品画像や解説を公開していることがあります。
スペイン美術史に関心がある高校生の皆さんは、こうした資料を活用してみることもおすすめです。
美術作品を読み解くために必要な視点とは?
美術作品を研究する際には、さまざまな視点から作品を観察することが重要です。
例えば、まず作品に何が描かれているのかを確認します。
人物や建物、自然、持ち物など、どのような要素が含まれているのかを丁寧に観察します。
次に、色彩や構図、光の使い方などに注目します。
例えば、特定の人物に光が当たっている場合、その人物を強調する意図があるのかもしれません。
また、人物の配置や視線の向きによって、作品の中の関係性が表現されていることもあります。
さらに、作品が制作された時代や地域について調べることも重要です。
例えば、宗教画であれば、当時の宗教や社会の背景について理解する必要があります。
また、肖像画であれば、描かれた人物の立場や、作品が制作された目的について調べることができます。
こうした視点を組み合わせることで、作品の意味をより深く考えることができます。
美術作品を読み解く力は、単に作品の知識を増やすだけでなく、視覚的な情報を丁寧に観察し、考察する力を養うことにもつながります。
現代の写真やSNSも視覚文化の一部
松原教授は、美術史が対象とするのは、著名な作家や作品だけではなく、人々の生活のさまざまな場面に存在してきた視覚的なイメージ全般であると述べています。
この考え方は、現代の視覚文化について考える際にも役立ちます。
例えば、私たちは日常生活の中で、写真や動画、広告、SNSの投稿など、さまざまな視覚的な情報に触れています。
こうしたイメージには、情報を伝えるだけでなく、人々の感情や価値観に影響を与える働きがあります。
例えば、広告では、商品の魅力を伝えるために、色彩や構図、人物の表情などが工夫されています。
また、SNSでは、写真の撮り方や編集の仕方によって、同じ出来事でも異なる印象を与えることがあります。
こうした視覚的な表現について考える際にも、誰が制作したのか、どのような目的で作られたのか、誰に向けて発信されているのかを考えることが重要です。
もちろん、現代の広告やSNSの研究が、松原教授の専門研究そのものだというわけではありません。
しかし、過去の美術作品を読み解く際に身につけた視点は、現代の視覚文化について考えるうえでも役立つ可能性があります。
美術史を学ぶことは、過去の作品を理解するだけでなく、現代の社会で目にするイメージを批判的に考える力を養うことにもつながります。

担当授業|スペイン美術史の概論から特論まで
松原教授の教員紹介資料では、次のような科目が担当授業として紹介されています。
- 基礎イスパニア語
- 総合イスパニア語
- 西美術史概論
- 西美術史特論
- 演習(西美術)
基礎イスパニア語では、スペイン語の基本的な文法や語彙、発音などを学びます。
また、総合イスパニア語では、スペイン語の運用能力をさらに高めることが期待されます。
スペイン語の力を身につけることで、スペイン美術に関する文献や資料を読むための土台を築くことができます。
さらに、西美術史概論では、スペイン美術の歴史について学ぶことができます。
「西」とは、スペインを指します。
スペイン美術史では、さまざまな時代の絵画や彫刻、建築などについて学ぶことが考えられます。
また、西美術史特論では、より専門的なテーマについて学ぶことが期待されます。
そして、演習(西美術)では、美術史に関する専門的な研究に取り組みます。
このように、スペイン語の学習と並行して、スペイン美術史について深く学ぶことができます。
なお、担当科目や具体的な授業内容、開講状況は年度によって変更される場合があります。最新のシラバスを確認してください。
ゼミの特色① スペイン近世美術からヨーロッパ美術全般へ
松原教授のゼミの名称は、演習(西美術)です。
提供されたゼミ紹介情報によると、スペイン近世美術を中心に、時代や地域を問わずヨーロッパ美術全般に関心のある学生を受け入れています。
スペイン近世美術とは、主に近世のスペインで生み出された絵画や彫刻などを指します。
例えば、15〜17世紀の宗教画や肖像画、彫刻などが研究対象として考えられます。
また、ヨーロッパ美術全般に関心のある学生も参加できるため、スペイン以外の地域の美術について考える機会もあります。
例えば、イタリアやフランス、ドイツ、イギリスなどの美術に関心を持つ学生がいるかもしれません。
こうした学生が集まることで、異なる地域の美術を比較する視点を得ることができます。
また、時代によって美術の表現方法や社会的な役割がどのように変化したのかを考えることもできます。
このように、スペイン美術を中心にしながら、ヨーロッパ美術全般へと視野を広げられることが、松原教授のゼミの特徴です。
ゼミの特色② 他学科の学生と学び合える
松原教授のゼミで特徴的なのが、イスパニア語学科の学生だけでなく、外国語学部の他学科の学生も例年参加している点です。
例えば、英語やドイツ語、フランス語、ロシア語、ポルトガル語など、それぞれ異なる言語や地域を専攻する学生が集まります。
こうした学生が一緒に学ぶことで、専攻する言語や地域の枠を越えた交流が生まれます。
例えば、スペイン美術に関心のある学生と、フランス美術に関心のある学生が、作品の表現方法や歴史的な背景について議論することが考えられます。
また、イタリア美術やドイツ美術に関心のある学生と比較することで、ヨーロッパ美術の共通点や違いについて考えることもできます。
さらに、異なる言語を学ぶ学生が集まることで、それぞれの言語で書かれた資料や研究について知る機会も生まれるかもしれません。
こうした学びは、スペイン美術をヨーロッパ全体の歴史や文化の中で理解することにつながります。
また、自分とは異なる関心を持つ学生の意見に触れることで、新しい視点を得ることもできます。
松原教授自身も、多様な関心を持つ学生との関わりから、新たな発見や学びを得ていると述べています。
教員と学生がともに学び合う姿勢が、このゼミの魅力の一つです。
ゼミで考えられる美術史の研究テーマ
スペイン美術史やヨーロッパ美術史では、さまざまなテーマについて研究することができます。
例えば、次のような研究テーマが考えられます。
- 15〜17世紀のスペイン宗教画と信仰の関係
- スペイン王室の肖像画と権力表現
- ベラスケスの絵画における構図や視線
- エル・グレコの宗教画と文化的な背景
- スペインの教会美術と地域社会
- スペインとイタリアの美術交流
- スペインとフランドルの美術の関係
- 美術作品に描かれた人物の服装や社会的な立場
- 宗教的な彫像と地域の祭礼文化
- 美術作品を通して見る当時の社会や価値観
これらは、美術史の研究で考えられるテーマの例です。
実際に松原教授のゼミで扱う研究テーマや指導内容については、最新のゼミ紹介や担当教員への確認が必要です。
重要なのは、作品を鑑賞して終わるのではなく、その作品についてどのような問いを立てるかということです。
例えば、ある宗教画に関心を持った場合、なぜそのような場面が描かれているのか、どのような人々が鑑賞していたのかを考えることができます。
また、作品が制作された時代の宗教や社会について調べることで、作品の意味をより深く理解することができます。
こうした研究を通して、美術作品を歴史的な資料として読み解く力を身につけることができます。
高校生のうちからできるスペイン美術史の学び
松原教授の研究分野に関心がある高校生の皆さんは、まず美術作品を丁寧に鑑賞することから始めてみましょう。
例えば、美術館や展覧会で作品を見る際に、作者や制作年代だけでなく、作品に何が描かれているのかを観察してみることができます。
また、作品が制作された時代の歴史や文化について調べることもおすすめです。
さらに、スペイン美術に関する書籍や美術館の公式サイトなどを活用して、さまざまな作品について学ぶことができます。
例えば、次のような問いを考えてみましょう。
- なぜこの絵画には、特定の人物や物が描かれているのか
- 作品の色彩や構図には、どのような意味があるのか
- 宗教画は、当時の人々の信仰とどのように関わっていたのか
- 肖像画は、権力や社会的な地位をどのように表現しているのか
- スペイン美術は、イタリアやフランドルの美術とどのような関係を持っていたのか
- 絵画や彫刻から、当時の人々の暮らしや価値観をどのように読み解くことができるのか
- 過去の美術作品を研究することは、現代の視覚文化を理解するうえでどのように役立つのか
こうした問いについて調べる際には、美術作品だけでなく、歴史に関する書籍や研究資料なども活用してみましょう。
また、作品を鑑賞したときに、自分がどのようなことを感じたのかを記録しておくこともおすすめです。
例えば、ある絵画の人物の表情が印象に残った場合、なぜそのように感じたのかを考えてみましょう。
そのうえで、作品が制作された時代の社会や文化について調べることで、作品の意味をより深く理解することができます。
こうした学びを通して、美術作品を多角的に考える力を身につけることができます。

推薦入試を目指す高校生へ|美術への関心を志望理由につなげよう
上智大学外国語学部イスパニア語学科の推薦入試を考えている皆さんは、なぜスペイン語を学びたいのか、そしてスペイン語を使って何を研究したいのかを整理してみましょう。
例えば、美術館でスペインの絵画を見て、作品が制作された時代や社会について興味を持った経験があるかもしれません。
また、世界史の授業でスペインの歴史や宗教改革について学び、当時の美術との関係に関心を持った人もいるでしょう。
さらに、美術部の活動や作品鑑賞を通して、絵画の表現方法や意味について考えた経験がある人もいるかもしれません。
こうした経験や関心を志望理由につなげる際には、単に「スペインの絵画が好き」という気持ちだけでなく、大学で何を学びたいのかを具体的に考えることが重要です。
例えば、「スペイン語を学び、15〜17世紀の宗教画や肖像画を通して、当時の人々の信仰や社会の価値観について研究したい」という目標が考えられます。
また、「スペイン美術とヨーロッパのほかの地域の美術を比較し、文化交流が美術表現に与えた影響について研究したい」という関心も考えられます。
さらに、「絵画や彫刻を歴史的な資料として読み解き、作品が生まれた時代の社会や人々の考え方を理解したい」という目標も考えられます。
そのうえで、なぜ外国語学部イスパニア語学科で学びたいのかを説明できるようにしましょう。
例えば、「スペイン語を身につけ、スペイン美術に関する文献を原文で読みながら、美術作品と歴史や社会の関係について研究したい」という目標が考えられます。
また、松原教授の研究分野に関心がある場合でも、イスパニア語学科全体の教育内容について理解しておくことが重要です。
スペイン語の学習と美術史研究をどのように結びつけたいのか、大学のカリキュラムや授業内容を調べながら考えてみましょう。
なお、特定の教員の研究分野に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではありません。また、入学後に希望するゼミや科目を必ず履修できるとは限りません。
出願資格や選考方法、提出書類、面接の実施内容などについては、必ず対象年度の最新の入学試験要項を確認してください。
まとめ|美術作品を通して過去と現在を見つめる
松原典子教授は、スペイン美術史を専門とし、15〜17世紀のスペインの絵画、彫刻、美術理論について研究する美術史家です。
特に、美術史を著名な画家や作品だけに限定せず、人々の生活のさまざまな場面に存在してきた視覚的なイメージ全般を研究対象として捉えています。
また、視覚イメージを、それが生まれた時代や人々について伝える「証言」として考えています。
担当科目には、基礎イスパニア語、総合イスパニア語、西美術史概論、西美術史特論、演習(西美術)などが含まれています。
ゼミでは、スペイン近世美術を中心に、ヨーロッパ美術全般に関心のある学生が学びます。
また、イスパニア語学科の学生だけでなく、外国語学部の他学科の学生も例年参加しており、異なる言語や地域を専攻する学生同士が交流できることも特徴です。
美術作品は、単に美しいものとして鑑賞するだけではありません。
作品に描かれた人物や風景、宗教的な象徴、制作された背景などを通して、過去の社会や人々の価値観を理解するための手がかりにもなります。
また、視覚イメージを読み解く力は、現代の写真や広告、SNSなど、さまざまな視覚文化について考える際にも役立つ可能性があります。
美術や絵画が好きな方、スペインやヨーロッパの文化に関心がある方、作品を通して歴史や社会を研究したい方は、松原教授の研究分野をきっかけに、上智大学外国語学部イスパニア語学科で学べる内容について調べてみてはいかがでしょうか。
KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試を目指す高校生に向けて、出願書類の準備や面接対策などのサポートを行っています。受験準備についてお悩みの方は、お気軽に無料個別相談をご利用ください。
※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目・ゼミの活動内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。

