上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 稲葉奈々子教授とは?移民研究・社会運動研究からグローバル化を考える

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「稲葉奈々子教授の研究と、総合グローバル学科で学べる移民・社会運動について」です。

上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科では、世界で起きている問題を国際関係だけでなく、地域や社会、人々の暮らしから考えることができます。その中で、グローバリゼーションの社会学、移民研究、社会運動研究を専門としているのが稲葉奈々子教授です。現在、総合グローバル学部の教授として、市民社会・国際協力論の領域に所属しています。


稲葉奈々子教授の専門分野とは?

上智大学の公式情報によると、稲葉教授の専門は「グローバリゼーションの社会学、移民研究、社会運動研究」です。1993年に東京外国語大学フランス語学科を卒業し、パリ第7大学や東京大学大学院で研究を重ね、茨城大学を経て2015年4月に上智大学へ着任されています。

グローバリゼーションという言葉を聞くと、「世界の国々がつながっていくこと」とイメージする高校生も多いでしょう。しかし、人や物、お金、情報が国境を越えて動くようになると、従来の国という枠組みだけでは捉えにくい問題も生まれます。

例えば、ある国で生まれた人が別の国へ移住して生活するとき、その人はどのような権利を持つのでしょうか。仕事、住居、教育、医療など、生活に必要な仕組みと在留資格との関係はどう考えればよいのでしょうか。こうした問いは、移民研究を通して考えられるテーマの一つです。


移民をめぐる問題を社会の仕組みから考える

稲葉教授は、日本やフランスなどをフィールドとして、移民や社会運動について研究しています。上智大学の研究紹介では、グローバル化する日本社会における非正規滞在移民を取り上げ、移民をめぐる制度と現実の間に生じる問題について研究していることが紹介されています。

移民問題というと、「外国人を受け入れるべきか、受け入れないべきか」という二択で考えてしまうことがあります。しかし、実際にはそれほど単純ではありません。働くために移動する人、家族と暮らすために移動する人、長期間その国で生活している人など、置かれている状況は一人ひとり異なります。

また、受け入れる社会にも、労働市場、在留制度、福祉、教育、地域社会などさまざまな仕組みがあります。移民について考えることは、外国から来た人だけを見ることではなく、「その社会は誰をどのように受け入れているのか」という社会全体の仕組みを考えることにもつながります。


社会運動はなぜ起こるのか

稲葉教授のもう一つの重要な研究テーマが社会運動です。公式情報では、フランスの住宅困窮者による空き家占拠運動や、日本の反貧困運動、移住女性の自助組織などをフィールドとして、グローバリゼーションが市民社会や社会運動にどのような影響を与えているのかを研究してきたことが紹介されています。

社会運動という言葉から、大規模なデモだけを思い浮かべるかもしれません。しかし、人々が共通する問題について声を上げたり、支援団体をつくったり、制度の変更を求めたりする活動も、社会運動を考える対象になります。

ここで重要なのは、「社会運動をする人は正しい」「行政が悪い」と単純に考えることではありません。なぜ人々が行動を起こす状況が生まれたのか、その背景にはどのような制度や社会構造があるのか、そして異なる立場からは問題がどのように見えるのかを考える必要があります。


高校生の身近な経験からも問いをつくれる

移民研究や社会運動研究は、高校生の日常から遠い学問とは限りません。例えば、街で外国語を耳にする機会が増えたこと、外国にルーツを持つ友人との交流、海外ニュース、SNSで流れてきた移民に関する投稿なども、問いを持つきっかけになります。

「日本で暮らす外国人はどのような制度の中で生活しているのだろう」「同じ移民問題でも、日本とフランスではなぜ議論のされ方が違うのだろう」「困難を抱えた人たちは、どのように社会へ声を届けているのだろう」といった疑問から調べ始めることができます。

そのとき、自分がSNSで見た情報だけで結論を出さず、統計、行政資料、研究、当事者の声など複数の情報に触れることが大切です。一つの出来事を複数の立場から見る経験は、総合グローバル学科で学問を深めていくうえでも重要な姿勢につながります。


総合グローバル学科の学びとどうつながる?

上智大学 総合グローバル学科では、国際政治など世界規模の動きを考える学びと、特定の地域や社会を詳しく見る地域研究を組み合わせながら学びます。稲葉教授が所属する市民社会・国際協力論領域では、国家だけでなく、市民やNGOなどさまざまな主体にも目を向けて国際社会を考えていきます。

稲葉教授の研究も、グローバル化という大きな変化と、移民一人ひとりの生活や社会運動という具体的な現場を行き来するものです。世界規模の現象を考えながら、「実際にその社会で何が起きているのか」まで掘り下げる点に、総合グローバル学科らしい学びを見ることができます。


推薦入試では教授に自分を合わせる必要はない

推薦入試を考えている高校生にとって、大学の教授が何を研究しているのかを知ることは大切です。ただし、「稲葉教授が移民を研究しているから、自分も移民をテーマにしなければならない」ということではありません。

教授の研究を知る目的は、自分の興味を無理に教授へ合わせることではなく、「大学ではこんな問いを学問として研究できるのか」と知ることです。そこから自分が関心を持ってきたニュース、探究活動、国際交流などを振り返り、「自分なら何をもっと知りたいだろう」と考えてみてください。

2026年度からは、稲葉教授を研究代表者とする「非正規移民2世の在留資格を求める社会運動に関する比較研究」も研究課題として登録されています。現在も移民と社会運動をめぐる問題を継続して研究していることが分かります。


稲葉奈々子教授の研究から社会を見る視点を広げよう

稲葉奈々子教授の研究を知ると、移民というテーマが単なる「外国人の問題」ではなく、国境、制度、働き方、人権、市民社会など、多くの問題とつながっていることが見えてきます。また、社会にある課題に対して人々がどのように声を上げ、社会を変えようとしているのかを考えることもできます。

普段ニュースを見ていて気になった問題があれば、「なぜこうなっているのだろう」ともう一歩調べてみてください。その小さな疑問が、大学で研究したいテーマにつながることもあります。稲葉教授の研究を入り口に、グローバル化する社会を自分なりの視点から考えてみてはいかがでしょうか。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。