上智大学外国語学部英語学科の教員紹介

上智大学 外国語学部 英語学科|イギリスは日本をどう見た?ウィリアムズ ローレンス教授と読み解く帝国の遺産

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部英語学科のウィリアムズ ローレンス教授についてご紹介します。

皆さんは、海外の人が書いた日本についての文章を読んで、「日本はこんなふうに見られているのか」と驚いたことはありませんか。

同じ国や文化について書かれた文章でも、誰が、どの時代に、どのような立場から書いたのかによって、その描かれ方は大きく変わります。

ウィリアムズ教授は、18〜19世紀のイギリス文学や旅行記を中心に、イギリス人がアジアや日本をどのように描いてきたのかを研究しています。

その背景には、かつて世界各地に植民地を持っていたイギリス帝国の歴史があります。

今回は、ウィリアムズ教授の研究内容や授業、ゼミの特色を通して、文学や歴史から世界の見方を問い直す面白さをご紹介します。


ウィリアムズ ローレンス教授のプロフィール

ウィリアムズ ローレンス教授は、上智大学外国語学部英語学科に所属し、18〜19世紀のイギリス文学、旅行記、日本の表象、ポストコロニアル理論などを専門とする研究者です。

旅行記とは、旅をした人が訪問先で見聞きした出来事や風景、人々の暮らしなどを記録した文章です。

また、表象とは、ある人物や地域、文化などが文章や映像、芸術作品の中でどのように描かれているのかを指す言葉です。

ウィリアムズ教授の研究では、イギリス人がアジアや日本をどのように理解し、どのような言葉で表現してきたのかが重要なテーマとなっています。

提供された教員紹介資料には、2025〜2026年度にサバティカルと呼ばれる研究休暇を取得し、ユートピア思想とイギリス人による日本についての著述をテーマとする書籍の執筆に取り組む予定であることも記されています。

研究休暇は、大学教員が一定期間、研究活動に集中するための制度です。授業やゼミの開講状況は年度によって変わる可能性があるため、最新の情報を確認することが大切です。

大学でイギリス文学や歴史について学ぶ学生

研究テーマ① イギリス人は日本をどのように描いてきたのか

ウィリアムズ教授の研究テーマの一つが、イギリス人による日本の表象です。

例えば、明治時代に日本を訪れたイギリス人旅行家、イザベラ・バードを知っていますか。

バードは日本各地を旅し、その経験を旅行記として残した人物です。

当時の日本の風景や人々の暮らしについて書かれた旅行記は、歴史を知るための貴重な資料になります。

しかし、旅行記に書かれていることを、そのまま客観的な事実として受け取ってよいのでしょうか。

旅行者は、自分が育った国の文化や価値観を通して、訪問先の社会を見ています。

そのため、旅行記には実際に見聞きした出来事だけでなく、書き手自身の驚きや偏見、期待などが反映されることがあります。

例えば、日本の生活習慣について「珍しい」と書かれていた場合、なぜその習慣が珍しいと感じられたのかを考える必要があります。

そこには、日本の文化だけでなく、当時のイギリス社会の価値観も関係しているかもしれません。

このように、旅行記を読むことは、描かれた国について知るだけでなく、書いた人の社会や時代について理解することにもつながります。


研究テーマ② イギリス帝国の歴史と文学の関係

ウィリアムズ教授の研究を理解するうえで重要なのが、イギリス帝国の歴史です。

イギリスは、かつてアジア、アフリカ、南北アメリカなど世界各地に植民地を持ち、政治や経済、文化に大きな影響を与えてきました。

こうした帝国の拡大は、当時の文学作品や旅行記にも影響を及ぼしました。

例えば、遠い地域を舞台にした冒険小説では、ヨーロッパ人の登場人物が中心に描かれ、現地の人々が一面的に表現されることがあります。

そのような作品を読む際には、物語の面白さだけでなく、誰の視点から世界が描かれているのかを考えることが重要です。

また、文学作品が書かれた時代の政治や経済、社会的な価値観を知ることで、登場人物の行動や物語の背景をより深く理解できます。

文学研究は、作品のあらすじを覚えることではありません。

作品の表現を丁寧に読み解き、その背景にある歴史や社会との関係を考える学問でもあります。


研究テーマ③ ポストコロニアル理論とは?

ウィリアムズ教授の専門分野には、ポストコロニアル理論も含まれています。

ポストコロニアル理論とは、植民地支配が社会や文化、人々の考え方に与えた影響を検討するための理論的な視点です。

植民地支配が政治的に終わったとしても、その影響がすぐになくなるとは限りません。

例えば、現在も世界各地で英語が使われている背景には、イギリス帝国の拡大や植民地支配の歴史が関係しています。

また、文学作品や映画の中で、特定の地域や文化がどのように描かれているのかを考える際にも、ポストコロニアル理論が役立つことがあります。

重要なのは、過去の出来事を単純に善悪だけで判断するのではなく、歴史的な背景や異なる立場の人々の経験を丁寧に調べることです。

英語を学ぶことと、英語が世界に広がった歴史を理解することは、深く関係しています。

世界史や国際社会について資料を読みながら学習する高校生

担当授業|イギリスの歴史と文化をグローバルな視点で学ぶ

ウィリアムズ教授の教員紹介資料では、イギリスの歴史や文化、帝国主義、ポストコロニアリズムに関する科目が紹介されています。

主な科目として、次のようなものが挙げられます。

  • Seminar: Studies in British History and Culture(Legacies of the British Empire)
  • British History and Culture in a Global Context 1, 2
  • British Imperialism and Postcolonialism

これらの科目では、イギリスの歴史や文化を国内の出来事だけで捉えるのではなく、世界各地との関係から考えることが重要になります。

例えば、イギリスの食文化を考える際にも、紅茶や砂糖などの商品がどこから運ばれ、どのような歴史を経て日常生活に定着したのかを調べることができます。

また、文学作品や映画を通して、イギリス社会の価値観や歴史的な変化を考えることもできます。

英語学科では、英語を読む力や使う力を基盤として、英語圏の歴史や文化を専門的に学ぶことができます。

なお、担当科目や開講状況は年度によって変更される場合があります。最新の履修情報を確認してください。


ゼミの特色|イギリス帝国の「遺産」を考える

ウィリアムズ教授のゼミでは、「Legacies of the British Empire(イギリス帝国の遺産)」をテーマに、帝国主義の歴史とその影響について考えます。

ここでいう「遺産」とは、歴史的な建造物や文化財だけを意味するものではありません。

過去の帝国支配が、現代の政治や社会、文化、人々のアイデンティティなどに残している影響も含まれます。

ゼミでは、17世紀から21世紀に至る幅広い時代を対象として、イギリス帝国に関係するさまざまなテーマを扱うと紹介されています。

研究テーマの例として、次のようなものが挙げられています。

  • 大西洋奴隷貿易とキリスト教の関係
  • イギリスの旅行記に描かれた日本像
  • 19世紀のイギリスと中国の関係
  • イギリスの食文化と帝国の歴史
  • アフリカを舞台にしたヴィクトリア朝の冒険小説
  • ジェームズ・ボンド映画とイギリス人のアイデンティティ
  • イギリス王室とコモンウェルス
  • ブレグジット後の移民政策

このように、歴史的な出来事から現代の映画や政治まで、幅広いテーマを研究対象として考えることができます。

一見すると関係がなさそうな文学、映画、食文化、政治も、イギリス帝国の歴史という視点から見ることで、新しいつながりが見えてくるのです。


ジェームズ・ボンド映画からイギリスの歴史を考える

ウィリアムズ教授のゼミで紹介されている研究テーマの中には、ジェームズ・ボンド映画とイギリス人のアイデンティティというものがあります。

ジェームズ・ボンドは、イギリスの作家イアン・フレミングが生み出した架空のスパイで、映画シリーズとしても広く知られています。

映画を楽しむだけであれば、アクションや物語の展開に注目するかもしれません。

しかし、歴史や文化の研究では、作品が制作された時代のイギリス社会にも目を向けます。

例えば、映画に描かれる国家のイメージや国際関係、主人公の価値観などを分析することで、その時代の社会的な背景について考えることができます。

映画は単なる娯楽作品ではなく、社会の価値観や歴史的な変化を読み解くための資料にもなり得るのです。

こうした研究は、映画が好きな高校生にとっても、大学での学びを身近に感じられる例ではないでしょうか。

大学で英語圏の文学や文化について研究する学生

高校英語や世界史とのつながり

ウィリアムズ教授の研究は、高校で学ぶ英語や世界史と深くつながっています。

例えば、世界史の授業でイギリスの産業革命や帝国主義について学んだことがあるでしょう。

その知識をもとに、当時のイギリス人が書いた旅行記や小説を読むと、歴史の教科書とは異なる角度から社会を理解できることがあります。

また、英語の長文読解でも、文章が書かれた時代や筆者の立場を考えることで、内容への理解が深まる場合があります。

英語を正確に読むことは重要ですが、大学ではさらに、なぜそのような表現が使われているのか、文章にはどのような価値観が反映されているのかを考えます。

言語を学ぶことと、歴史や文化を学ぶことを結びつけられる点が、英語学科での専門的な学びの特徴です。


推薦入試を目指す高校生へ|イギリスへの関心を研究につなげよう

上智大学外国語学部英語学科の推薦入試を考えている皆さんは、イギリスの文学や歴史、文化への関心を、大学で学びたいテーマと結びつけて考えてみましょう。

例えば、世界史で帝国主義について学んだことをきっかけに、植民地支配が現代社会にどのような影響を残しているのか疑問を持つかもしれません。

また、海外の人が書いた日本についての文章を読んで、自分が知っている日本の姿との違いに興味を持つこともあるでしょう。

その場合、なぜそのような違いが生まれるのか、書き手の文化や歴史的な背景が文章にどのように反映されているのかを調べてみることができます。

映画や小説が好きな人であれば、作品が制作された時代の社会的な背景について考えることも一つの方法です。

大切なのは、「イギリスが好き」「英語の小説が好き」という気持ちから一歩進み、具体的な疑問を見つけることです。

自分が関心を持った経験から問いを立て、関連する資料を調べ、大学でさらに何を学びたいのかを整理してみましょう。

教員の研究内容を知ることは、英語学科で学べる分野を理解するための一つの方法です。ただし、特定の教員に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではなく、入学後に必ずその教員の指導を受けられるとも限りません。


まとめ|文学と歴史から世界の見方を問い直す

ウィリアムズ ローレンス教授は、18〜19世紀のイギリス文学や旅行記を中心に、イギリス人がアジアや日本をどのように描いてきたのかを研究しています。

また、イギリス帝国の歴史とその影響を、文学や文化、現代社会との関係から考えることも重要な研究テーマです。

旅行記や小説、映画などを通して、歴史的な出来事や社会の価値観を多角的に読み解くことができます。

英語を使って文学や歴史、文化を深く学びたい方は、ウィリアムズ教授の研究をきっかけに、イギリス帝国の歴史やポストコロニアル研究について調べてみてはいかがでしょうか。

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※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目・ゼミの活動内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。