
上智大学 外国語学部 英語学科|文法は謎解きだ!大塚祐子教授が挑む「すべての言語に共通するルール」
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部英語学科の大塚祐子教授についてご紹介します。
皆さんは、英語の文法を勉強していて、「なぜ英語と日本語では語順が違うのだろう」と疑問に思ったことはありませんか。
日本語では「私はリンゴを食べる」と言いますが、英語では「I eat an apple.」となり、動詞と目的語の順番が異なります。
世界には数多くの言語があり、それぞれ異なる文法の仕組みを持っています。しかし、その違いの奥には、人間の言語に共通する規則が存在するのでしょうか。
こうした問いを科学的に研究するのが、理論言語学や生成文法という分野です。
今回は、大塚教授の研究内容や授業、ゼミの特色を通して、言語の仕組みを謎解きのように探究する面白さをご紹介します。
大塚祐子教授のプロフィール
大塚祐子教授は、上智大学外国語学部英語学科に所属し、理論言語学、統語論、生成文法などを専門とする研究者です。
提供された教員紹介資料では、英語学科の学科長としても紹介されています。ただし、学科長などの役職は年度によって変更される場合があるため、最新の公式情報を確認してください。
研究対象には、英語や日本語だけでなく、南太平洋で話されているトンガ語などのポリネシア諸語も含まれます。
トンガ語は、オーストロネシア語族に属する言語の一つです。
英語や日本語とは異なる特徴を持つ言語を比較することで、人間の言語に共通する仕組みを明らかにしようとしています。
英語学科では、英語を使う力を高めるだけでなく、言語そのものを研究対象として考えることもできます。

生成文法とは?すべての言語に共通する仕組みを探る
大塚教授の専門分野である生成文法は、人間が言語を理解し、文を作り出す能力の仕組みを説明しようとする言語学の理論です。
生成文法では、人間には言語を習得するための生得的な仕組みが備わっているという考え方が重要な位置を占めています。
例えば、小さな子どもは、周囲の大人から文法規則を一つずつ説明されなくても、成長するにつれて複雑な文を使えるようになります。
もちろん、子どもが言語を習得するためには、周囲の人々が話す言葉に触れることが必要です。
それでも、限られた言語経験から多様な文を理解し、新しい文を作り出せるようになるのはなぜでしょうか。
生成文法では、こうした言語習得の仕組みを説明するために、普遍文法という仮説が提案されてきました。
普遍文法とは、人間の言語能力の基盤に共通する原理があるのではないかという考え方です。
ただし、普遍文法の具体的な内容や、生得的な言語知識がどのような形で存在するのかについては、現在も研究や議論が続いています。
生成文法は、こうした問いに対して理論を立て、実際の言語データを分析しながら検証を進める研究分野です。
研究テーマ① 英語と日本語の語順はなぜ違う?
大塚教授の専門である統語論は、単語がどのような規則に従って組み合わされ、文を作るのかを研究する分野です。
例えば、英語では「She reads a book.」という語順になります。
一方、日本語では「彼女は本を読む」となり、目的語が動詞の前に置かれます。
英語は基本的に主語・動詞・目的語の順番をとるSVO型の言語であり、日本語は主語・目的語・動詞の順番をとるSOV型の言語として説明されます。
このような違いを見ると、言語ごとにまったく異なる文法が存在するように感じるかもしれません。
しかし、統語論では、表面的な語順の違いだけでなく、その背後にある文の構造にも注目します。
例えば、疑問文や否定文を作るとき、単語の位置や文の構造がどのように変化するのかを調べます。
こうした分析を通して、言語ごとの違いを説明するとともに、共通する規則が存在する可能性を探ります。
高校で学ぶ文法が、正しい英文を作るための知識だとすれば、大学での統語論は、なぜそのような文法規則が存在するのかを考える学問だと言えるでしょう。
研究テーマ② トンガ語から人間の言語の共通点を探る
大塚教授の研究の特徴の一つが、トンガ語などのポリネシア諸語を研究対象としていることです。
トンガ語は、南太平洋のトンガ王国などで話されている言語です。
英語や日本語とは異なり、基本的な語順に動詞が文の前方に現れる特徴があります。
例えば、英語と日本語だけを比較していると、文の構造について考えられる可能性が限られてしまうことがあります。
しかし、トンガ語のように異なる文法的特徴を持つ言語を調べることで、これまでの仮説がほかの言語にも当てはまるのかを検証できます。
ある言語のデータから立てた仮説が、別の言語ではうまく説明できない場合もあります。
そのときには、仮説を修正したり、新しい説明を考えたりする必要があります。
こうした研究は、数学の問題を解いたり、科学の実験で仮説を検証したりする過程にも似ています。
多様な言語を比較することは、世界の言語の豊かさを知るだけでなく、人間の言語能力そのものを理解することにもつながるのです。

研究テーマ③ 言語学ではどのように仮説を検証する?
大塚教授の研究では、言語のデータを観察し、そこから規則性を見つけ、仮説を立てて検証するという科学的な研究方法が重視されています。
例えば、ある言語で特定の語順が使われることがわかったとします。
研究者は、その語順がどのような条件で現れるのかを調べ、文の構造を説明する仮説を考えます。
次に、別の文や別の言語のデータを分析し、その仮説が適切かどうかを確かめます。
もし説明できない例が見つかれば、仮説を見直す必要があります。
このように、観察と分析、仮説の検証を繰り返すことで、言語の仕組みについて理解を深めていきます。
言語学というと、外国語をたくさん覚える学問だと思う人もいるかもしれません。
しかし、理論言語学では、言語のデータから規則を見つけ出し、論理的に説明する力が重要になります。
文法を暗記することとは異なる、研究としての言語学の面白さがここにあります。
担当授業|英語運用力から文法理論まで
大塚教授の教員紹介資料では、英語運用力を高める授業から、専門的な言語学の授業まで幅広い科目が紹介されています。
主な担当科目として、次のようなものが挙げられます。
- English Skills
- English Composition
- Topics in Linguistics
- Grammatical Theory
- Seminar(Formal Syntax)
English SkillsやEnglish Compositionは、英語を理解し、表現する力を高めることに関係する科目です。
一方、Topics in LinguisticsやGrammatical Theoryでは、言語学のさまざまなテーマや文法理論について学ぶことができます。
さらに、Formal Syntaxを扱うゼミでは、文の構造を理論的に分析する研究に取り組みます。
このように、英語を使う力と、言語を分析する力の両方を深められる点は、英語学科の学びを理解するうえで重要です。
なお、担当科目や開講状況は年度によって変更される場合があるため、最新の履修情報を確認してください。
大塚ゼミの特色|英語で議論しながら文法の謎を解く
大塚教授のゼミでは、生成文法の理論に基づき、さまざまな言語のデータを分析しながら、文法の仕組みについて研究します。
提供されたゼミ紹介資料によると、まず教科書を使って生成文法の基本的な理論や研究方法を学びます。
その後、具体的な言語データを分析する練習を重ね、研究に必要な知識や技能を身につけていきます。
さらに、自分が関心を持つ研究テーマを選び、先行研究を調べながら分析を進め、論文としてまとめていきます。
ゼミでは英語を使ったディスカッションが行われると紹介されています。
自分の考えを英語で説明するだけでなく、ほかの学生の意見を聞き、仮説について議論することも重要になります。
理論言語学は抽象的な内容を扱うこともありますが、具体的な言語データを丁寧に分析することが理解への第一歩となります。
一つの問題についてさまざまな可能性を考え、根拠をもとに説明を組み立てることが好きな人にとって、興味深い研究分野と言えるでしょう。

高校英語とのつながり|文法を暗記から研究へ
高校で英語を勉強するとき、文法は試験で正解するために覚えるものだと感じることがあるかもしれません。
しかし、大学で言語学を学ぶと、文法を新しい視点から考えることができます。
例えば、英語の疑問文では、一般動詞を使う場合に「Do you like music?」のような形になります。
なぜ英語では、このような仕組みが必要なのでしょうか。
また、日本語では「音楽が好きですか」と言うことができますが、英語と日本語では疑問文の作り方にどのような違いがあるのでしょうか。
こうした疑問を持つことが、言語の構造を研究する出発点になります。
英語だけでなく、ほかの言語の文法にも目を向けることで、言語の違いと共通点について考えられるようになります。
普段の英語学習で感じた小さな疑問が、大学での専門的な研究につながる可能性があるのです。
推薦入試を目指す高校生へ|言語への疑問を研究テーマにつなげよう
上智大学外国語学部英語学科の推薦入試を考えている皆さんは、英語が得意ということだけでなく、英語や言語について何を学びたいのかを考えてみましょう。
大塚教授の研究分野に関心がある場合は、高校での英語学習を振り返ってみることが一つの方法です。
例えば、英語と日本語の語順の違いに疑問を持った経験から、世界の言語にはどのような共通点があるのかという問いにつなげることができます。
また、小さな子どもが自然に言葉を覚えていく様子を見て、言語習得の仕組みに興味を持つこともあるでしょう。
さらに、数学やパズルが好きな人であれば、言語の規則性を見つけ、仮説を立てて検証する研究方法に関心を持つかもしれません。
大切なのは、自分の経験から生まれた疑問を、大学で学びたい内容と結びつけて考えることです。
言語学に関する入門書を読んだり、英語以外の言語の特徴を調べたりすることで、関心をさらに深めることもできます。
教員の研究内容を知ることは、英語学科で学べる分野を理解するための一つの方法です。ただし、特定の教員に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではなく、入学後に必ずその教員の指導を受けられるとも限りません。
まとめ|言語の仕組みを科学的に解き明かす
大塚祐子教授は、理論言語学や生成文法を専門とし、英語や日本語、トンガ語などの言語データを通して、人間の言語に共通する仕組みを探究しています。
言語学では、文法規則を覚えるだけでなく、なぜそのような規則が存在するのかを考え、仮説を立てて検証します。
英語学科では、英語を使う力を高めるだけでなく、言語そのものを科学的に研究することもできます。
文法の仕組みに疑問を持ったことがある方や、規則性を見つけて論理的に考えることが好きな方は、大塚教授の研究をきっかけに、理論言語学や生成文法について調べてみてはいかがでしょうか。
KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試を目指す高校生に向けて、出願書類の準備や面接対策などのサポートを行っています。受験準備についてお悩みの方は、お気軽に無料個別相談をご利用ください。
※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目・学科長などの役職は変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


