上智大学 理工学部 情報理工学科 教授・教員紹介総まとめ|研究分野から学科の魅力を知ろう

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 情報理工学科の教授・教員紹介総まとめ」です。

これまで本シリーズでは、上智大学 理工学部 情報理工学科で研究・教育に携わる先生方を一人ずつ取り上げ、それぞれの研究内容を紹介してきました。

情報理工学科という名前から、「AIやプログラミングを学ぶ学科」というイメージを持っていた人もいるかもしれません。しかし、先生方の研究を見ていくと、そのイメージだけでは捉えきれないほど幅広い分野が存在することが分かります。

今回はこれまでの教員紹介を振り返りながら、「上智大学 理工学部 情報理工学科では何を研究できるのか」という視点から、学科全体を俯瞰してみましょう。


情報理工学科を理解する4つのキーテーマ

上智大学 理工学部 情報理工学科では、研究・教育を理解するためのキーテーマとして「人間情報」「情報通信」「社会情報」「数理情報」が示されています。

この4つを見るだけでも、情報理工学科がコンピュータだけを研究する学科ではないことが分かります。

人間の知覚や行動を情報として考える研究もあれば、通信ネットワークを支える研究、社会で生まれるデータを分析する研究、情報科学を支える数学そのものを探究する研究もあります。

さらに、それぞれが完全に分かれているわけではありません。AIと人間、通信とセンシング、数学とデータ分析など、複数の領域を横断する研究もあります。


AI・画像・人間の知覚を研究する

まず注目したいのが、AIや画像処理、人間の知覚などに関係する研究です。

ゴンサルベス タッド教授は、自然言語処理や画像処理、ロボット、ドローンなど、さまざまな対象とAIを結びつけた研究に取り組んでいます。

吳里奈特任助教は、深層学習やコンピュータビジョンを中心に、画像認識・画像生成・画像変換などを研究しています。

山中高夫准教授は、コンピュータビジョンや知覚情報処理を専門とし、人が画像のどこに注目するのかを推定する顕著性マップや、全天球画像などに関係する研究を進めています。

亀田裕介准教授の研究では、画像から物体の動きを捉えるオプティカルフローや、イベントカメラなどが登場しました。

同じ「画像を扱う研究」でも、認識する、生成する、動きを推定する、人間の視覚との関係を考えるなど、研究の問いは大きく異なります。


人間そのものを「情報」から考える

上智大学の情報理工学科では、人間も重要な研究対象です。

荒井隆行教授は、音声コミュニケーションや音声科学、聴覚科学などを研究し、人がどのように声をつくり、聞き、理解するのかを情報や音響の視点から研究しています。

矢入郁子教授は、行動センシングや知覚情報処理、ヒューマンインタフェースなどを研究しています。センサなどから得られたデータを、機械学習によってどのように認識するのかという問いにもつながります。

新倉貴子教授は、神経科学や神経変性疾患を研究し、脳の老化や細胞生存因子などを分子・細胞レベルから探究しています。

石塚裕己准教授は、ソフトロボティクスやハプティクスなどを通して、触覚や柔らかなロボット、人間と機械との新しい関係を研究しています。

「情報」という言葉をコンピュータの中だけで考えず、人間の声、視覚、触覚、脳、行動まで広げて考えられることが特徴です。


通信・ネットワーク・IoTを支える研究

私たちが毎日利用しているインターネットやスマートフォン、Wi-Fiなども、情報理工学の研究によって支えられています。

高橋浩教授は、高速光ファイバ通信や光集積回路などを研究しています。光をどのように利用して大量の情報を効率的に伝えるのかという、通信の基盤に関わる研究です。

林等教授は、IoTや無線センサネットワーク、高周波回路などを研究しています。現実世界の状態をセンサで取得し、データとして通信する仕組みを考えます。

小川将克教授は、ワイヤレスセンシングやスマートIoTシステムなどを研究し、Wi-Fiなどの無線信号を通信だけではなくセンシングにも利用する研究に取り組んでいます。

萬代雅希教授は、コンピュータネットワークやエッジコンピューティングなどを研究しています。データをどこで処理し、どのようにネットワーク資源を利用するのかという視点から情報システムを考えます。

普段は当たり前に使っている「つながる」という仕組みの裏側にも、多くの研究課題があります。


データから社会の問題を考える

情報科学は、企業や社会で生まれるデータを分析し、複雑な問題を理解するためにも使われます。

山下遥准教授は、ビジネスアナリティクス、統計的品質管理、多変量解析などを研究し、統計的な方法によって現実の課題をどのように捉えるのかを探究しています。

伊呂原隆教授は、生産・物流システムの最適化を研究しています。工場や物流、サプライチェーンなどを数理的にモデル化し、よりよい仕組みを考えます。

木村晃敏助教は、数理統計学や高頻度データ解析を専門とし、金融市場の注文や価格変化など、時間とともに発生するデータを統計的に分析しています。

田村恭久教授は、教育工学や学習分析を研究し、学習履歴などのデータを通じて教育や学習を考えています。

高岡詠子教授は、自然言語処理、医療情報学、多言語情報発信などを研究し、情報が人や社会にどのように届くのかという問題にも取り組んでいます。

データサイエンスは数字を計算することだけではありません。「何を問題として設定するのか」「結果からどこまで言えるのか」まで考えることが重要です。


ソフトウェアを「つくる前」も研究する

情報理工学科には、ソフトウェアそのものを研究する先生もいます。

川端亮准教授は、ソフトウェア工学やシステム設計を研究しています。

アプリやシステムを開発するとき、いきなりプログラムを書き始めればよいわけではありません。誰が使うのか、何を必要としているのか、どのような機能が必要なのかを整理する必要があります。

「どう書くか」だけでなく、「何をつくるべきなのか」を考えることも情報科学の重要な研究対象です。


数学そのものを深く研究できる

そして、上智大学 理工学部 情報理工学科を理解するうえで忘れてはいけないのが「数理情報」です。

大城佳奈子准教授は結び目理論や位相幾何学、後藤聡史助教は作用素環論や部分因子環、五味靖准教授は群論・表現論を研究しています。

都築正男教授は整数論や保型形式、中筋麻貴教授は解析数論やゼータ関数、角皆宏教授は整数論や構成的ガロア理論を研究しています。

Fabien Benoit Trihan准教授は数論幾何学や岩澤理論、平田均助教は微分方程式を中心とする応用解析や生物数理に取り組んでいます。

さらに、澁谷智治教授は誤り訂正符号や情報セキュリティに関係する数学的研究を進めています。

数学研究がすべてAIやプログラミングへ直接応用されるわけではありません。数学そのものの構造を探究する研究も、情報理工学科の大切な一領域です。


情報理工学科は「AIを学ぶ学科」だけではない

ここまで先生方の研究を振り返ると、上智大学 理工学部 情報理工学科の幅広さが見えてきます。

AI、画像、音声、ロボット、触覚、脳、通信、IoT、ネットワーク、教育、医療、物流、金融、ソフトウェア、統計、そして純粋数学まで研究対象になります。

一見すると別々の分野に見えますが、「情報をどのように表現するのか」「どのように伝えるのか」「データから何を読み取るのか」「人間は情報をどう受け取るのか」「情報を支える数学的構造とは何か」と考えると、情報理工学という大きなテーマでつながってきます。


推薦入試を考えるなら「自分は何に興味がある?」から始めよう

情報理工学科を志望するとき、最初から専門的な研究テーマを決めておく必要はありません。

大切なのは、自分が日常生活や高校での学習の中で何に疑問を持ってきたのかを振り返ることです。

生成AIを使って「なぜこんな文章をつくれるのだろう」と思った。Wi-Fiが場所によってつながりにくくなる理由が気になった。数学の公式について「なぜ成り立つのか」を考えることが好きだった。画像生成AIが間違った画像をつくることに疑問を持った。

こうした小さな疑問からでも、大学で学びたいことを考え始めることができます。

そして先生方の研究を調べながら、「自分の疑問は、大学ではどのような研究分野につながるのだろう」と考えてみてください。


先生を知ることは、学科を知ること

大学選びでは、偏差値や入試科目だけでなく、「その大学で誰が、何を研究しているのか」を調べることも大切です。

教授・教員の研究を調べると、大学の公式サイトに書かれた学科紹介だけでは見えにくかった、具体的な学びの姿が見えてきます。

上智大学 理工学部 情報理工学科には、情報科学を軸としながら、人間、社会、通信、数学などへ研究を広げている先生方がいます。

これまでの教員紹介記事の中で、「この研究は面白い」「もっと知りたい」と思ったテーマがあれば、そこが自分の興味を深める出発点になるかもしれません。

次回は、こうした幅広い研究分野の中から「自分が学びたいこと」をどのように見つければよいのか、具体的に整理していきます。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。