
上智大学 理工学部 情報理工学科|研究分野から「自分が学びたいこと」を見つける方法
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 理工学部 情報理工学科の研究分野から、自分が学びたいことを見つける方法」です。
前回は、情報理工学科の先生方の研究を振り返りながら、AI、画像、通信、データ、人間情報、数学など、学科の研究分野を俯瞰しました。
そこで次に考えたいのが、「自分はその中で何を学びたいのか」ということです。
情報理工学科に興味はあるけれど、「AIも面白そうだし、データサイエンスも気になる」「数学は好きだけれど、それが大学で何につながるのか分からない」という高校生もいるでしょう。
今回は、最初から研究テーマが決まっていない人でも、自分の興味を整理していく方法を考えてみます。
最初から研究テーマを決めなくてもいい
まず、「大学で研究したいテーマを高校生のうちに完璧に決めなければならない」と考える必要はありません。
大学で学ぶ内容には、高校ではまだ触れていない専門分野も数多くあります。入学後に授業を受けたり、さまざまな研究分野を知ったりする中で、興味が変化することもあります。
大切なのは、専門用語をたくさん覚えることより、「自分は何に面白さや疑問を感じるのか」を考えることです。
まずは身近な経験から、自分の興味の入口を探してみましょう。
生成AIが気になる人は「何が気になる?」まで考える

「AIを学びたい」という高校生は多いと思います。
しかし、AIという言葉だけでは、興味の方向はまだかなり広い状態です。
たとえば生成AIを使っていて、「なぜ自然な文章をつくれるのだろう」と思った人は、自然言語処理や機械学習に興味があるかもしれません。
画像生成AIを使って、「どうして存在しない人物の画像をつくれるのだろう」と疑問を持ったなら、画像生成やコンピュータビジョンにつながります。
「AIはなぜ間違えるのだろう」「学習するデータによって答えは変わるのだろうか」という疑問なら、機械学習やデータ分析の仕組みそのものへ興味を広げることもできます。
「AIが好き」で終わらず、「AIの何が不思議なのか」を考えてみることがポイントです。
数学が好きなら「どんな瞬間が好き?」を考える
上智大学 理工学部 情報理工学科には、数学を専門とする先生も多くいます。
数学が好きな人は、「数学が得意だから」という理由だけではなく、数学のどこに面白さを感じるのかを考えてみましょう。
難しい計算を解くことが好きなのか。証明を読んで「なぜそうなるのか」が分かった瞬間が好きなのか。素数のように単純に見える数字の中に複雑な規則があることが面白いのか。図形や対称性に惹かれるのか。
たとえば整数や素数に興味があれば整数論、図形を変形しても残る性質に興味があれば位相幾何学、変化する現象を数式で表すことに興味があれば微分方程式など、大学には高校数学から広がるさまざまな研究分野があります。
「数学を使って何かをつくりたい」という興味だけでなく、「数学そのものをもっと深く知りたい」という方向も、情報理工学科で考えられる進路の一つです。
スマホやWi-Fiが気になるなら「情報通信」へ
スマートフォン、Wi-Fi、動画配信、オンラインゲームなどが好きな人は、普段使っているサービスの裏側に目を向けてみましょう。
たとえば、「同じ家なのにWi-Fiがつながりやすい場所とつながりにくい場所があるのはなぜだろう」という疑問があります。
「海外の動画をほとんど待たずに見られるのはなぜだろう」「大量のデータを光ファイバではどのように送っているのだろう」と考えることもできます。
さらに、「センサをたくさん設置したら、すべての機器が同時に通信できるのだろうか」「データはクラウドですべて処理する必要があるのだろうか」と考えれば、IoTやネットワーク、エッジコンピューティングなどへ興味が広がります。
普段は「つながって当たり前」と思っている技術に疑問を持つことが、情報通信を学ぶ入口になります。
数字やグラフを見るのが好きならデータ分析へ
スポーツの成績、商品の売上ランキング、SNSの反応、学校のアンケートなど、私たちの周囲にはさまざまなデータがあります。
こうした数字を見ることが好きな人は、統計学やデータサイエンスという方向から興味を整理してみるのもよいでしょう。
たとえば、「平均点が高ければ、そのクラスは全員よくできていると言えるのか」「二つの数字が一緒に増えていれば、一方がもう一方の原因なのか」と考えてみます。
また、「ネット通販の商品はどのように需要を予測しているのだろう」「物流では、どの順番で商品を運べば効率的なのだろう」という疑問もあります。
データ分析では、計算することだけでなく、何をデータとして集め、どの方法で分析し、結果をどこまで解釈できるのかを考えることが重要です。
人間に興味がある人にも情報理工学がある

「コンピュータそのものより、人間に興味がある」という人もいるでしょう。
実は、上智大学 理工学部 情報理工学科では、人間も重要な研究対象です。
人はなぜ声を聞き取れるのでしょうか。画像を見たとき、なぜ特定の場所へ自然に視線が向くのでしょうか。触った感覚を機械で再現することはできるのでしょうか。人の行動をセンサから捉えることはできるのでしょうか。
こうした問いは、音声科学、知覚情報処理、ハプティクス、行動センシング、ヒューマンインタフェースなどにつながります。
「情報理工学=コンピュータだけ」と考えず、人間と情報技術の関係に興味がある人も研究分野を調べてみてください。
プログラミングが好きなら「何をつくりたい?」を考える
高校の「情報」や独学でプログラミングを経験し、情報理工学科に興味を持った人もいるでしょう。
その場合も、「プログラミングが好き」から一歩進んでみます。
アプリをつくることが好きなら、「誰がどんな場面で使うアプリをつくりたいのか」と考えることができます。
エラーを直す作業が面白いなら、「大規模なソフトウェアでは、どうすれば間違いを減らせるのだろう」と考えることもできます。
さらに、利用者が本当に必要としている機能をどう整理するのかという問題は、ソフトウェア工学やシステム設計にもつながります。
一方で、情報理工学科を志望するために高度なプログラミング経験が必須というわけではありません。プログラミングは、情報科学の世界へ入る方法の一つです。
興味が二つ以上あっても大丈夫
「AIと医療の両方に興味がある」「数学も好きだけれど、通信にも興味がある」という人もいると思います。
それは決して問題ではありません。
実際の研究では、複数の分野が組み合わさることがあります。
AIと画像、センサと機械学習、数学と統計、通信とIoT、人間の知覚とコンピュータビジョンなど、情報理工学の研究にはさまざまな接点があります。
最初から一つだけに絞るのではなく、「なぜこの二つに興味があるのだろう」「二つをつなぐ問題はないだろうか」と考えてみるのも一つの方法です。
「経験→疑問→調べる→もっと知りたい」で整理する
自分の興味が見つからないときは、「経験→疑問→調べたこと→もっと知りたいこと」の順番で整理してみましょう。
たとえば、生成AIを使ったときに事実と異なる回答が出てきた。これが「経験」です。
そこで「なぜAIは自信があるように間違った回答をするのだろう」と感じた。これが「疑問」です。
自分で調べて、生成AIが文章をつくる基本的な仕組みを知った。これが「調べたこと」です。
そして、「AIが情報をどのように処理し、どのような条件で間違いやすくなるのかをもっと知りたい」と思った。これが「大学でもっと学びたいこと」につながります。
最初から難しい研究テーマをつくるより、この流れを自分の経験から見つけるほうが、自分らしい問題意識を整理しやすくなります。
教授の名前からではなく「自分の疑問」から探そう
教員紹介を読んでいると、「この先生の研究室に入りたい」と思うこともあるでしょう。
ただし、教授の名前を出願書類や面接で挙げること自体が重要なのではありません。
まず考えたいのは、「なぜその研究が面白いと思ったのか」です。
自分が以前から持っていた疑問と研究内容がつながったのか。調べて初めて知った考え方に興味を持ったのか。その理由を掘り下げることで、自分が大学で学びたいことも見えてきます。
先生を調べる目的は名前を覚えることではなく、自分の興味を大学で学べる研究分野へつなげていくことなのです。
「好き」を「問い」に変えてみよう

上智大学 理工学部 情報理工学科には、AI、画像、音声、ロボット、通信、IoT、ネットワーク、データ分析、教育、生命科学、ソフトウェア、数学など、幅広い研究分野があります。
その中から自分が学びたいことを見つけるために必要なのは、専門知識の量だけではありません。
「AIが好き」なら、AIの何が気になるのか。「数学が好き」なら、数学のどんなところが面白いのか。「スマホが好き」なら、その裏側のどんな仕組みを知りたいのか。
自分の「好き」を少しずつ「なぜ?」「どうして?」という問いに変えてみてください。
次回は、こうして見つけた興味や疑問を、上智大学の推薦入試に向けた出願書類や面接の準備へどのようにつなげていけばよいのかを考えていきます。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


