上智大学 理工学部 情報理工学科 教員紹介|川端亮准教授のソフトウェア工学・システム設計研究とは

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 情報理工学科の川端亮准教授と、ソフトウェア工学・システム設計の研究」です。

「システム開発」と聞くと、パソコンに向かってプログラムを書く姿をイメージする人も多いのではないでしょうか。しかし、実際にはプログラムを書き始める前に、「誰が使うのか」「何のためのシステムなのか」「どのような機能が必要なのか」を整理することが重要です。

こうしたシステム開発における分析や設計の方法を研究しているのが、川端亮准教授です。


川端亮准教授はどんな研究者?

川端亮准教授は、上智大学 理工学部 情報理工学科に所属し、ソフトウェア工学、特にソフトウェア開発における分析・設計の支援環境を研究しています。

学士(工学)、修士(工学)、博士(工学)の学位はいずれも上智大学で取得しています。現在は情報理工学科の准教授を務めるとともに、情報科学教育研究センター長も兼任しています。

主な研究テーマは情報システム工学、ソフトウェア生産技術で、研究キーワードには「ドメイン分析」と「プロトタイピング」が挙げられています。

川端准教授の研究を一言で表すなら、「コンピュータを使ってシステム化するとき、どのように分析・設計すればミスを減らせるのか」を考える研究です。


プログラムを書く前に何を考える?

たとえば、学校で「図書館の本を貸し出すシステム」をつくるとします。

すぐにプログラミングを始めることもできますが、その前に考えることがたくさんあります。本を借りられる期間は何日なのか、貸出中の本を予約できるのか、返却が遅れた場合はどうするのか、先生と生徒で利用できる機能は同じなのか、といったことです。

こうした仕組みを十分に理解しないまま開発すると、完成してから「必要な機能がない」「実際の仕事の流れでは使いにくい」といった問題が生じる可能性があります。

そのため、ソフトウェア開発ではプログラムを書く技術だけでなく、システム化する対象を理解し、必要な情報や処理を整理する「分析」と、それをどのような仕組みにするか考える「設計」が重要になります。


ユーザーと開発者では知っていることが違う

川端准教授の研究紹介では、システムを利用するユーザーや発注者と、システム開発者との知識の違いに注目しています。

ユーザーは自分たちの仕事について詳しく知っています。しかし、必ずしもコンピュータシステムの設計や開発に詳しいわけではありません。

一方、開発者はプログラミングやシステムについて詳しくても、ユーザーが毎日どのような仕事をしているのかを最初から理解しているとは限りません。

そこで重要になるのが、「ユーザーが本当に必要としているものは何か」を正確に理解し、それをシステムの設計へ落とし込むことです。

川端准教授は、ユーザーや発注者の意図を理解し、ミスを減らしながらシステムを開発するための分析・設計方法や、それを支援するツールについて研究しています。


「ドメイン分析」とは?

川端准教授の研究キーワードの一つが「ドメイン分析」です。

ここでいうドメインとは、システム化しようとしている対象の業務や問題領域を指します。

先ほどの図書館の例なら、本、利用者、貸出、返却、予約などがどのような関係になっているのかを理解する必要があります。ネット通販なら、商品、注文、在庫、決済、配送など、別の仕組みを理解しなければなりません。

対象となる仕事や仕組みを整理し、システムとして扱える形に表現するのがドメイン分析の考え方です。

川端准教授は、こうした分析やモデリングを支援する方法について長く研究しており、業務モデルやデータの関係をどのように抽出・表現するかといった研究にも取り組んできました。


試しにつくって確かめる「プロトタイピング」

もう一つの重要なキーワードが「プロトタイピング」です。

プロトタイプとは、本格的に完成させる前につくる試作モデルです。最初からすべてを完成させるのではなく、まず動くものやイメージを確認できるものをつくり、ユーザーと開発者の間で認識を確認します。

たとえば、「この画面から本を予約できます」と実際に画面を見せれば、文章だけで説明するよりも「このボタンも必要」「この情報は表示しなくてよい」といった意見を具体的に出しやすくなります。

川端准教授は、ドメイン分析とプロトタイピングに関する研究を通じて、システム開発を支える方法や環境について探究しています。


ソフトウェア開発は「人」を理解することでもある

川端准教授の研究を見ると、ソフトウェア開発はプログラミングだけではないことが分かります。

システムを使うのは人です。そのため、「利用者が何をしたいのか」「今はどのような手順で仕事をしているのか」「どこに不便があるのか」を理解しなければ、本当に役立つシステムを考えることはできません。

つまり、技術的な知識と同時に、人の仕事や行動を整理し、相手の意図を正確に捉えることも重要になります。

情報理工学では、コンピュータだけを見ているのではなく、人間や社会と情報システムとの関係も研究対象になるのです。


高校の「情報」やプログラミングとどうつながる?

高校の「情報」でプログラミングを経験すると、「どう書けばプログラムが正しく動くか」に意識が向きやすいでしょう。

大学ではそこからさらに、「そもそも何をつくるべきなのか」「どのようなデータが必要なのか」「利用者の要求をどうシステムとして表現するのか」という段階まで学びが広がります。

たとえば文化祭の参加者を管理するシステムをつくる場合でも、いきなりコードを書くのではなく、利用者、必要な情報、処理の流れ、例外的なケースなどを整理してから設計する必要があります。

川端准教授の研究は、「プログラムを書く前の思考」も情報科学の重要な研究対象であることを教えてくれます。


推薦入試では「アプリを作りたい」から一歩深めよう

推薦入試で情報理工学科を志望する人の中には、「アプリを開発したい」「プログラミングを学びたい」という人もいるでしょう。そこから、「誰のどんな問題を解決するシステムをつくりたいのか」まで考えてみてください。

たとえば、学校生活の中で「この作業はもっと簡単にできないだろうか」と感じた経験があれば、現在の作業の流れを整理してみることができます。

さらに、「利用する人によって必要な機能は違わないか」「自分が便利だと思う仕組みを、ほかの人も便利だと思うのか」「開発する人は、利用者の希望をどうやって正確に理解するのか」と問いを広げていくことができます。

実際に高度なシステムを開発した経験がなくても構いません。身近な不便を見つけ、その原因や必要な仕組みについて考えることも、ソフトウェア工学への入口になります。


「つくる前に考える」ことも情報理工学

川端亮准教授の研究を見ていくと、優れた情報システムをつくるためには、プログラミング技術だけでなく、その前段階の分析や設計が重要であることが分かります。

誰が使うのか。何に困っているのか。どのような情報が必要なのか。そして、それをどのようなシステムとして表現するのか。

普段使っているアプリやWebサービスについても、「なぜこの画面になっているのだろう」「自分ならどう設計するだろう」と考えてみると、見え方が変わるかもしれません。

情報理工学科を調べる際には、「プログラムを書くこと」だけでなく、「何を、なぜ、どうシステム化するのか」を考えるソフトウェア工学の世界にも注目してみてください。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した 上智大学合格プロジェクト を完全定員制(先着10名限定)にて設け、専門性の高い個別サポートを行っています。


限られた時間の中でも本気で上智大学合格を掴み取りたい方は、今すぐ 無料個別相談会 にお申し込みください。



※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。