上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|欅田英之教授の超高速非線形分光研究

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 機能創造理工学科の欅田英之教授と、光を使って物質の超高速な変化を調べる研究」です。

高校の物理で「光」を学んだとき、反射や屈折、波長などを問題として解いた経験がある人も多いでしょう。しかし大学の研究では、光は現象を理解する対象であると同時に、物質の中で起きている変化を調べるための重要な道具にもなります。今回は、非常に短い時間だけ光るパルスを使って物質の性質を探究する欅田教授の研究を、高校生にもイメージしやすい言葉で紹介します。


欅田英之教授の専門は「超高速非線形分光」

上智大学の公式情報によると、欅田英之教授は上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属し、「超高速非線形分光」を主な研究テーマとしています。

「分光」とは、光と物質の関係を調べることで、その物質が持つ性質や内部で起こっている現象を明らかにしていく方法です。さらに「超高速」という言葉が付くように、欅田教授の研究では非常に短い時間スケールで起こる物質の変化に注目します。

過去の上智大学理工学部の活動報告では、フェムト秒パルスを用いた研究や、光を当てた後の物質内部の変化を調べる研究などが紹介されています。フェムト秒は1000兆分の1秒という極めて短い時間です。人間の目では到底追うことのできない世界を、光を利用して捉えようとしているのです。


なぜ「短い光」で物質の変化が分かるの?

物質に光を当てると、その内部では電子などが光からエネルギーを受け取り、非常に短い時間の中で状態を変化させます。こうした変化を詳しく知りたくても、観測するための時間間隔が長すぎれば、途中の様子を捉えることができません。

そこで活躍するのが、極めて短時間だけ発生する「超短光パルス」です。イメージとしては、非常に高速で動く現象を撮影するときに、高速カメラを使って細かな瞬間を記録することに少し似ています。

ただし、実際の研究対象はさらに小さく速い世界です。物質に光を当てた直後に何が起こり、その後どのように状態が変化していくのかを調べることで、目で見るだけでは分からない物質の性質へ迫っていきます。


「非線形分光」とはどんな研究?

欅田教授の専門である「非線形分光」も、高校生には聞き慣れない言葉かもしれません。

光を物質に当てたとき、光の強さと物質の反応が単純な比例関係になるとは限りません。強い光を使うことで、通常とは異なる複雑な光と物質の相互作用が現れることがあります。このような現象を利用して物質を詳しく調べるのが、非線形分光の研究です。

ここでは、高校物理で学ぶ「光」が、大学に進むと量子力学や物性物理学などと結びつき、さらに高度な研究対象になっていきます。「公式を使って答えを求める」ことから一歩進んで、「そもそも光と物質はどのように相互作用するのだろう」と問いを立てることが、大学での探究につながります。


光を使って物質の中の動きを捉える

過去に公開された上智大学の研究情報では、欅田教授の研究テーマとして、光触媒における光励起キャリアのダイナミクスなども紹介されています。

「キャリア」とは、半導体などの中で電気を運ぶ役割を担う電子などを指す言葉です。また「ダイナミクス」は、時間とともにどのように変化していくのかという動的な性質を意味します。

つまり、光を当てた瞬間に物質内部で何が起こり、その状態が時間とともにどう変化していくのかを観測していくわけです。

こうした基礎的な現象を理解することは、光を利用する材料やデバイスについて考えるうえでも重要です。ただし、基礎研究の成果が特定の製品へそのまま直結するとは限りません。だからこそ、「どんな製品になるのか」だけではなく、「物質の中でなぜこの現象が起こるのか」という根本的な問いそのものに目を向けることも大切です。


実験では「光を当てるだけ」ではない

超高速非線形分光の面白さは、物理現象を理解するだけでなく、それを測定するための方法についても考える必要があることです。

非常に短い時間で起こる現象を観測するためには、光源や光学系などを適切に組み合わせ、目的の現象を測定できる環境を整えなければなりません。つまり「知りたい現象があるから、どうすれば測れるのかを考える」という研究のプロセスがあります。

高校の実験でも、予想していた値と測定値がずれた経験があるかもしれません。そのとき、「失敗した」で終わるのではなく、測定方法に問題があったのか、別の現象が影響したのか、そもそもの仮説を見直す必要があるのかと考えてみる。この姿勢は、大学での実験研究にもつながっています。


高校の物理・数学が大学の光研究につながる

欅田教授の研究を知ると、高校で学ぶ物理や数学の見え方も少し変わってくるかもしれません。

高校物理で扱う光の波長、振動数、エネルギー、電磁波などの考え方は、大学で光と物質の関係を考えるための基礎になります。数学も、単に計算問題を解くためだけではなく、物理現象を数式によって表し、変化を分析するための言語として使われていきます。

上智大学 理工学部 機能創造理工学科は、物理学や数学などの理学と、材料、デバイス、電子機器、エネルギー、機械システムなどの工学を融合的に学ぶことを特色としています。欅田教授の超高速非線形分光は、その中でも物理学を軸として物質や光の性質を深く探究する研究の一つです。

また、公開されている授業科目情報では、欅田教授は「光学システムと応用」も担当しています。光について理論を理解するだけでなく、その知識がどのような光学システムへ発展していくのかを考えることも、機能創造理工学科での学びの一面といえるでしょう。


推薦入試では「光が好き」から一歩深く考えてみよう

上智大学 理工学部 機能創造理工学科の推薦入試を考えるなら、教員の研究を調べながら、自分の興味を具体的な「問い」にしていくことを意識してみましょう。

たとえば「物理が好きです」「光に興味があります」だけでは、自分が何に関心を持っているのかはまだ十分に見えてきません。

「物理の授業で光について学び、光が物質に当たった直後には何が起きるのか疑問を持った」「レーザーについて調べる中で、非常に短い光を使えば物質の変化を観測できることを知った」など、興味を持ったきっかけから疑問を掘り下げてみましょう。

科学部やコンテストなどの特別な経験がなければ考えられないテーマではありません。授業、実験、ニュース、身近な電子機器などをきっかけに、「なぜ?」と感じたことから調べ始めることができます。


欅田教授の研究から自分の興味を広げてみよう

欅田英之教授の超高速非線形分光研究は、私たちには見えないほど短い時間に起きる物質の変化を、光を使って捉えようとする研究です。

「フェムト秒という短い時間をどうやって測るのだろう」「物質に光を当てた直後には何が起こっているのだろう」「高校で習った光の知識が大学ではどこまで広がるのだろう」。一つでも気になる疑問があれば、そこから調べてみてください。

推薦入試に向けても、最初から高度な専門知識を持っている必要があると考えるのではなく、自分が身近な現象の何に興味を持ち、そこから何を調べ、上智大学 理工学部 機能創造理工学科でさらに何を学びたいのかを整理していくことが大切です。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。